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スピリーバ1.25μgレスピマット60吸入、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <スピリーバ1.25μgレスピマット60吸入>

    • 下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解

      • 気管支喘息
  • <スピリーバ2.5μgレスピマット60吸入>

    • 下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解

      • 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)、気管支喘息

用法・用量

  • スピリーバ1.25μgレスピマット60吸入

    • <気管支喘息の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解>

      • 通常、成人にはスピリーバ1.25μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして2.5μg)を1日1回吸入投与する。
        なお、症状・重症度に応じて、スピリーバ2.5μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして5μg)を1日1回吸入投与する。
  • スピリーバ2.5μgレスピマット60吸入

    • <慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解>

      • 通常、成人にはスピリーバ2.5μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして5μg)を1日1回吸入投与する。
    • <気管支喘息の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解>

      • 通常、成人にはスピリーバ1.25μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして2.5μg)を1日1回吸入投与する。
        なお、症状・重症度に応じて、スピリーバ2.5μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして5μg)を1日1回吸入投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[眼内圧を高め、症状を悪化させるおそれがある。][8.3、11.1.3参照]
  • 2.2 前立腺肥大等による排尿障害のある患者[更に尿を出にくくすることがある。][9.1.2参照]
  • 2.3 アトロピン及びその類縁物質あるいは本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心不全、心房細動、期外収縮の患者、又はそれらの既往歴のある患者
心不全、心房細動、期外収縮が発現することがある。[11.1.1参照]
9.1.2 前立腺肥大(排尿障害がある場合を除く)のある患者
排尿障害が発現するおそれがある。[2.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能が高度あるいは中等度低下している患者(クレアチニンクリアランス値が50mL/min以下の患者)
血中濃度の上昇がみられる。本剤は腎排泄型である。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児に移行することが認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用の発現に注意すること。一般に腎クリアランス等の生理機能が低下しており、血中濃度が上昇するおそれがある。また、チオトロピウム粉末吸入剤の臨床試験で口渇は高齢者でより高い発現率が認められている。[16.6.2参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 用法及び用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、本剤が適当ではないと考えられるので、漫然と投与を継続せず中止すること。
8.2 吸入薬の場合、薬剤の吸入により気管支痙攣が誘発される可能性があるので、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.3 本剤の投与時に、本剤が眼に入らないように患者に注意を与えること。また、結膜の充血及び角膜浮腫に伴う赤色眼とともに眼痛、眼の不快感、霧視、視覚暈輪あるいは虹輪が発現した場合、急性閉塞隅角緑内障の徴候の可能性がある。これらの症状が発現した場合には、可及的速やかに医療機関を受診するように患者に注意を与えること。[2.1、11.1.3参照]
8.4 急性症状を緩和するためには、短時間作用性吸入β2刺激薬等の他の適切な薬剤を使用するよう患者に注意を与えること。また、その薬剤の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、疾患の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し医師の治療を求めるよう患者に注意を与えること。
<気管支喘息>
8.5 気管支喘息治療の基本は、吸入ステロイド剤等の抗炎症剤であり、本剤は抗炎症剤ではないため、患者が本剤の使用により症状改善を感じた場合であっても、医師の指示なく吸入ステロイド剤等を減量又は中止し、本剤を単独で用いることのないよう、患者に注意を与えること。
8.6 短時間作用性吸入β2刺激薬等の急性症状を緩和するための薬剤の使用量が増加したり、効果が十分でなくなってきた場合には、患者の生命が脅かされる可能性があるので、吸入ステロイド剤等の増量等の抗炎症療法の強化を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者には専用の吸入用器具レスピマット及び使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤は1回2吸入で投与する製剤である。1回1吸入では1日の投与量を担保できない。
したがって、チオトロピウムとして2.5μgを投与する場合には、スピリーバ1.25μgレスピマットを使用すること。また、チオトロピウムとして5μgを投与する場合には、スピリーバ2.5μgレスピマットを使用すること。
<気管支喘息>
7.2 重症度の高い喘息患者には、スピリーバ2.5μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして5μg)を1日1回吸入投与する。[17.1.6-17.1.11参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
本剤は慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)及び気管支喘息の維持療法に用いること。本剤は急性症状の軽減を目的とした薬剤ではない。
<気管支喘息>
吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
チオトロピウム臭化物は本剤を吸入投与後5分で最高血漿中濃度に到達した(外国人データ)。
定常状態における、日本人慢性閉塞性肺疾患患者の本剤5μg吸入投与10分後の血漿中濃度は17.1pg/mLであり、トラフ濃度は2.00pg/mL、AUCτ,ssは94.3pg・h/mL、AUC0-4,ssは30.4pg・h/mLであった。
定常状態において、喘息患者に本剤5μgを吸入投与したとき、チオトロピウムは吸入投与5分後に最高血漿中濃度5.15pg/mLに到達した(外国人データ)。
16.2 吸収
健康成人に本剤を吸入投与したとき、投与量の33%が全身循環血中に吸収されることが尿中排泄データから示された。チオトロピウムは4級アンモニウム化合物のため経口投与後に消化管からはほとんど吸収されず、溶液で経口投与されたチオトロピウムのバイオアベイラビリティは2-3%であった。なお、AUC及び尿中排泄量のチオトロピウム粉末吸入剤18μg投与時に対する本剤5μg投与時の比の90%信頼区間は生物学的同等性の基準の80-125%の範囲内であった。
16.3 分布
血漿蛋白との結合率(in vitro試験)は72%で、分布容積は32L/kgであった(外国人データ)。
14C-チオトロピウム10mg/kgを気管内投与注)した場合、肺、消化管のほかに肝臓、腎臓、膵臓に高い放射能濃度が認められたが、脳には移行しなかった(ラット)。また、乳汁中に移行した(ラット)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、慢性閉塞性肺疾患では、通常、成人にはチオトロピウムとして5μg、気管支喘息では、通常、成人にはチオトロピウムとして2.5μg、症状・重症度に応じてチオトロピウムとして5μgを1日1回吸入投与である。
16.4 代謝
健康成人にチオトロピウム14.4μgを静脈内投与注)したとき、尿中未変化体排泄率は投与量の74%であり、チオトロピウムの代謝はわずかであった。エステル化合物であるチオトロピウム臭化物は、非酵素的にエステル結合が加水分解され、N-メチルスコピン及びジチニールグリコール酸の生成がみられた。これらの代謝物はムスカリン受容体に親和性を示さなかった。また、ヒト肝ミクロソーム及びヒト肝細胞を用いた試験でチトクロームP-450によって酸化された代謝物及びそのグルタチオン抱合体がわずかにみられた。
この代謝はCYP2D6及び3A4の阻害薬により抑制されたことから、チオトロピウムの消失のごく一部にCYP2D6及び3A4が関与していると考えられた。チオトロピウムは治療濃度以上であっても、CYP1A1、1A2、2B6、2C9、2C19、2D6、2E1及び3Aのいずれの活性に対しても影響を与えなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、慢性閉塞性肺疾患では、通常、成人にはチオトロピウムとして5μg、気管支喘息では、通常、成人にはチオトロピウムとして2.5μg、症状・重症度に応じてチオトロピウムとして5μgを1日1回吸入投与である。
16.5 排泄
定常状態における、日本人慢性閉塞性肺疾患患者の本剤5μg吸入投与後4時間までの尿中排泄量は0.342μg、尿中未変化体排泄率は6.84%であった。健康成人及び慢性閉塞性肺疾患患者に粉末吸入剤吸入投与後の終末相における尿中未変化体排泄速度から算出した消失半減期は5~6日であった(外国人データ)。健康成人にチオトロピウムを静脈内投与注)したとき、全身クリアランスは880mL/minで、尿中未変化体排泄率は74%であった(外国人データ)。本剤吸入投与後の尿中排泄率は20.1-29.4%であった(外国人データ)。
喘息患者での累積係数から算出した半減期は34時間であった。また、本剤5μg投与後の定常状態時の投与24時間までの尿中未変化体排泄率は11.9%であった(外国人データ)。
腎クリアランス値がクレアチニンクリアランス値より大きいことから、チオトロピウム臭化物の尿中への分泌が示唆された。慢性閉塞性肺疾患患者及び喘息患者に1日1回本剤を連続投与すると、7日目に定常状態に達し、蓄積はみられなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、慢性閉塞性肺疾患では、通常、成人にはチオトロピウムとして5μg、気管支喘息では、通常、成人にはチオトロピウムとして2.5μg、症状・重症度に応じてチオトロピウムとして5μgを1日1回吸入投与である。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能低下患者
他の腎排泄型の薬剤と同様、腎機能低下患者においては、チオトロピウムの静脈内投与注)及び粉末吸入剤吸入投与後の血漿中未変化体濃度は上昇し、腎クリアランスは低下した(外国人データ)。軽度の腎機能低下患者(クレアチニンクリアランスが50~80mL/minの患者)において、チオトロピウム4.8μgを静脈内投与注)後のAUC0-4hは健康成人に比較して39%高い値を示した(外国人データ)。また、高度あるいは中等度の腎機能低下患者(クレアチニンクリアランスが50mL/min未満の患者)においては血漿中未変化体濃度は約2倍高い値を示した(AUC0-4hは82%高かった)(外国人データ)。健康成人及び腎機能低下患者における薬物動態パラメータは以下のとおりであった(外国人データ)。[9.2.1参照]
チオトロピウム単回静脈内投与後の薬物動態パラメータ
例数クレアチニンクリアランス(mL/min)Cmax(pg/mL)AUC0-4h(pg・hr/mL)総尿中未変化体排泄率(% of dose)腎クリアランス(mL/min)
健康成人6>80147
(103~186)
55.5
(43.2~69.4)
60.1
(44.8~76.5)
435
(348~497)
腎機能低下患者550~80200
(129~287)
77.1
(60.9~105)
59.3
(49.7~74.0)
246
(150~341)
730~50223
(162~314)
101
(69.4~156)
39.9
(25.9~65.3)
124
(98.3~171)
6<30223
(176~269)
108
(76.3~145)
37.4
(34.2~41.7)
85.7
(68.4~128)
幾何平均値表中括弧内の数値は範囲を示す。
腎機能が軽度低下している喘息患者(クレアチニンクリアランスが50~80mL/minの患者、海外)においては、腎機能が正常な喘息患者と比較して、チオトロピウムの曝露量の増加は認められなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、慢性閉塞性肺疾患では、通常、成人にはチオトロピウムとして5μg、気管支喘息では、通常、成人にはチオトロピウムとして2.5μg、症状・重症度に応じてチオトロピウムとして5μgを1日1回吸入投与である。
16.6.2 高齢者
高齢者に粉末吸入剤を吸入投与したとき、チオトロピウムの腎クリアランスは低下した(腎クリアランスは58歳以下の慢性閉塞性肺疾患患者で326mL/min、69歳以上の慢性閉塞性肺疾患患者で163mL/min)が、これは加齢に伴う腎機能の低下によるものと考えられた(外国人データ)。
若年健康成人(平均年齢32.1歳)にチオトロピウム粉末吸入剤を吸入投与したときの尿中未変化体排泄率は14%であったが、慢性閉塞性肺疾患患者(平均年齢63.8歳)にチオトロピウム粉末吸入剤を吸入投与したときの尿中未変化体排泄率は7%であり、若年健康成人に比較して低い値であった(外国人データ)。
一方、高齢者にチオトロピウム粉末吸入剤を1日1回反復吸入投与後のAUC0-4hは非高齢者(海外)に比較して43%高い値を示した。非高齢者及び高齢者における薬物動態パラメータは以下のとおりであり、個体間変動を考慮すると、血漿中未変化体濃度に加齢による大きな差はないと考えられた(外国人データ)。[9.8参照]
チオトロピウム粉末吸入剤の反復吸入投与後の薬物動態パラメータ
例数投与後5分の血漿中未変化体濃度(pg/mL)AUC0-4h(pg・hr/mL)投与後4時間までの尿中未変化体排泄率(% of dose)腎クリアランス(mL/min)
非高齢者(45~58歳)129.63
(2.50~47.5)
18.2
(10.0~61.7)
1.97
(0.45~5.67)
326
(117~724)
高齢者(69~80歳)1315.3
(5.60~34.8)
26.1
(10.5~56.0)
1.42
(0.215~4.51)
163
(20.5~477)
幾何平均値表中括弧内の数値は範囲を示す。
喘息患者では、本剤吸入投与後のチオトロピウムの曝露量に年齢による差は認められなかった(外国人データ)。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 心不全(頻度不明)、心房細動(頻度不明)、期外収縮(1%未満)[9.1.1参照]
11.1.2 イレウス(頻度不明)
11.1.3 閉塞隅角緑内障(頻度不明)
視力低下、眼痛、頭痛、眼の充血等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.1、8.3参照]
11.1.4 アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー(じん麻疹、血管浮腫、呼吸困難等)が発現することがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
霧視、眼圧上昇
皮膚発疹、そう痒、じん麻疹脱毛
中枢神経系浮動性めまい不眠
感覚器味覚倒錯、嗅覚錯誤
消化器口渇(1.9%)便秘、消化不良、口内炎、舌炎
代謝高尿酸血症
循環器動悸、上室性頻脈頻脈
血液好酸球増多、白血球減少
呼吸器咽喉刺激感、嗄声咳嗽、呼吸困難、喘鳴、鼻出血、咽頭炎
泌尿器血尿、排尿障害、夜間頻尿、クレアチニン上昇、腎機能異常、尿閉
一般的全身障害過敏症(血管浮腫を含む)
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