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ヒスロン錠5

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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)又は生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、月経量異常(過少月経、過多月経)、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、切迫流早産、習慣性流早産、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止

用法・用量

  • <無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)又は生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、月経量異常(過少月経、過多月経)、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、切迫流早産、習慣性流早産>

    • メドロキシプロゲステロン酢酸エステルとして、通常成人1日2.5~15mgを1~3回に分割経口投与する。
  • <調節卵巣刺激下における早発排卵の防止>

    • メドロキシプロゲステロン酢酸エステルとして、通常、月経周期2~5日目より1日10mgを1又は2回に分割経口投与する。患者の状態により1日5mgまで減量できる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 脳梗塞、心筋梗塞、血栓性静脈炎等の血栓性疾患又はその既往歴のある患者[血栓症を起こすおそれがある。][11.1.1参照]
  • 2.2 重篤な肝障害・肝疾患のある患者[9.3.1参照]
  • 2.3 診断未確定の性器出血、尿路出血のある患者[病因を見のがすおそれがある。]
  • 2.4 稽留流産の患者[妊娠維持作用により子宮内で死亡している胎児の排出が困難になるおそれがある。]
  • 2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心疾患又はその既往歴のある患者
ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。
9.1.2 うつ病又はその既往歴のある患者
副腎皮質ホルモン様作用により、病態に影響を与えるおそれがある。
9.1.3 てんかん又はその既往歴のある患者
副腎皮質ホルモン様作用により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 片頭痛、喘息、慢性の肺機能障害又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.5 糖尿病の患者
糖尿病が悪化することがある。
9.1.6 ポルフィリン症の患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.7 髄膜腫又はその既往歴のある患者
髄膜腫や原疾患の状態を踏まえ、本剤投与の必要性を検討すること。[8.1、15.1.3参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎障害又はその既往歴のある患者
ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害・肝疾患のある患者
投与しないこと。作用が増強されるおそれがある。[2.2参照]
9.4 生殖能を有する者
<無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)、月経量異常(過少月経、過多月経)、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症>
問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断等により、妊娠していないことを十分確認すること。
9.5 妊婦
9.5.1 大量又は長期投与を避けること。妊娠初期、中期に投与した場合には、女子胎児の外性器の男性化又は男性胎児の女性化が起こることがある。
9.5.2 黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓、四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の報告がある。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。[16.3.4参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 メドロキシプロゲステロン酢酸エステルの投与後に髄膜腫が報告されている。本剤投与中は、頭痛、運動麻痺、視力視野障害、脳神経麻痺、けいれん発作、認知機能の変化等の髄膜腫を示唆する症状に注意し、必要に応じて画像検査を実施すること。髄膜腫と診断された場合は本剤の投与中止を検討すること。投与中止後に髄膜腫が縮小した症例が報告されている。[9.1.7、15.1.3参照]
<生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、黄体機能不全による不妊症、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止>
8.2 本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<調節卵巣刺激下における早発排卵の防止>
本剤の投与は卵胞成熟の誘発当日まで継続すること。

5.効能又は効果に関連する注意

<切迫流早産、習慣性流早産>
5.1 本剤を妊娠維持の目的で投与する場合は、黄体機能不全によると考えられる流早産にとどめること。また、妊娠状態が継続しているか否か確かめること。
<生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整>
5.2 妊娠率や生産率の報告を踏まえると、本剤を含む黄体ホルモン剤と卵胞ホルモン剤の併用で調節卵巣刺激の開始時期の調整を行った場合は、開始時期の調整を行わない場合と比べて、妊娠率や生産率が低下する可能性があるので、このことを患者に説明した上で、本剤の投与の要否は、患者ごとに治療上の必要性を考慮して慎重に判断すること。[15.1.2参照]
<調節卵巣刺激下における早発排卵の防止>
5.3 新鮮胚移植を予定していない場合のみに用いること。

16.薬物動態

16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
14C-メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(MPA)のヒト(健康成人女性)血漿蛋白結合率は93.3%(120ng/mL)であった(in vitro)。
16.3.2 体組織への分布
雌性ラットに14C-MPA 70mg/kgを単回投与したとき、回腸、肝臓、白色脂肪、褐色脂肪、乳腺、胃及び副腎に高い放射能が認められた。
16.3.3 胎児への移行
妊娠ラットに14C-MPA 70mg/kgを単回投与したとき、胎児への移行が認められ、胎児の肝、腎及び心臓の放射能濃度は、母体血漿中放射能濃度とほぼ同程度であった。
16.3.4 乳汁への移行
授乳期のラットに14C-MPA 70mg/kgを単回投与したとき、乳汁中放射能濃度は血漿中放射能濃度の3~8倍高かった。[9.6参照]
16.5 排泄
雌性ラット及び雌性イヌに14C-MPA 70mg/kgを単回投与したとき、投与放射能は投与後120時間までにそれぞれ尿中に3.9%、1.8%、糞中に94.7%、92.1%排泄された。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ホルモン剤
黄体ホルモン
卵胞ホルモン
副腎皮質ホルモン等
血栓症を起こすおそれが高くなる。ともに血栓症を起こすおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓症(頻度不明)
脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症、腸間膜血栓症、網膜血栓症、血栓性静脈炎等の重篤な血栓症があらわれたとの報告がある。[2.1参照]
11.1.2 うっ血性心不全(頻度不明)
11.1.3 ショック(頻度不明)
呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、じん麻疹等のアナフィラキシーを伴うことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。
11.1.4 乳頭水腫(頻度不明)
視力の低下又は消失、眼球突出、複視、片頭痛が急にあらわれた場合には、投与を一時中止し、眼科的検査を行うこと。その結果、乳頭水腫であると診断された場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満頻度不明
過敏症発疹
肝臓肝機能の異常、黄疸
電解質異常浮腫、体重増加
消化器腹痛、悪心・嘔吐、腹部膨満食欲不振、下痢
精神神経系めまい、頭痛、眠気、神経過敏、不眠、抑うつ
内分泌乳房痛、月経異常、子宮出血、乳汁漏出、満月様顔貌、無月経、子宮膣部びらん、帯下の変化
糖代謝耐糖能異常
全身症状悪寒倦怠感、発熱
皮膚・粘膜脱毛、多毛、ざ瘡、そう痒感、じん麻疹

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