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乾燥BCGワクチン(経皮用・1人用)

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 結核の予防

用法・用量

  • 通常、溶剤を加えたものを上腕外側のほぼ中央部に滴下塗布し、経皮用接種針を用いて行う。

禁忌 

【禁忌】

予防接種を受けることが適当でない者

  • 2.1 明らかな発熱を呈している者
  • 2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  • 2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  • 2.4 結核その他の疾病の予防接種、外傷等によるケロイドの認められる者
  • 2.5 免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者[10.1参照]
  • 2.6 結核の既往のある者
  • 2.7 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者[9.2、9.3参照]
9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
9.1.3 過去にけいれんの既往のある者
9.1.4 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者[11.1.2参照]
9.1.5 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
9.1.6 過去に結核患者との長期の接触がある者その他結核感染の疑いのある者
9.2 腎機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.1参照]
9.3 肝機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
9.8 高齢者
接種に当たっては、予診等を十分に行い、被接種者の健康状態を観察すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3 予診の際は、保護者に予防接種後の通常起こり得る反応及びまれに生じる重い副反応並びに予防接種健康被害救済制度について十分に説明し、保護者がその内容を理解した上で、接種することについての明確な同意を得ること。
8.4 接種後、接種局所の反応が10日以内に出現した場合(コッホ現象)は、被接種者が結核の感染を受けている可能性があるので、コッホ現象と思われる局所反応が生じた場合には、結核感染に関する必要な検査を行うため、接種医療機関を受診するように保護者に伝えること。
8.5 被接種者又はその保護者に、接種後は接種部位を清潔に保ち、接種当日の過激な運動は避け、接種局所の異常反応や体調の変化を呈した場合には、速やかに医師の診断を受けるように事前に知らせること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 懸濁時
添付の溶剤(日本薬局方生理食塩液)でワクチンを懸濁して、80mg/mLの濃度の懸濁液を調製する。
(1)アンプル内の乾燥BCGワクチンの乾燥状態を確認する。(万一吸湿している場合は、乾燥体がアメ色になり管壁にべったりとついている。このようなときは使用してはならない。)
(2)溶剤はワンポイント方式アンプルなので開口のための道具は不要であるが、本剤のアンプルは真空用の厚いガラスでできているので開口にはアンプルカットを使用する必要がある。(アンプルカットは管針の箱の中に入っている。)
(3)アンプルの頸部にアンプルカットでキズをつけ、アルコール綿で清拭し乾燥後、添付の黒ポリ袋でアンプル全体を包み、黒ポリ袋をねじって袋の中の空気を追い出した上で静かに折って開口する。(アンプルカット凹部の鋭角部をアンプル頸部にあて、全周にキズをつける(図-[1])。アルコールが乾く前にアンプルを開口すると、アンプル内にアルコールが混入し、BCGが凝集して懸濁できなくなるので注意する。)これらの操作は、真空であるアンプル内への空気の急激な流入を防ぐためのものである。
(4)溶剤アンプルを開口し、添付のスポイトで生理食塩液全量を吸い上げる。ワクチンアンプルの内壁に沿ってゆっくり注入し、しばらく(2~3分)静置してワクチンを均等に十分湿らせ、泡をたてないようアンプルを静かに振って均等なBCG懸濁液とする。これで80mg/mLの濃度のワクチンが得られる。(溶剤をワクチンの上に一気に注ぐと、ワクチンが懸濁せず(溶けず)に残って不均等になることがある。)
14.1.2 十分に懸濁した(溶けた)ワクチンを、同じスポイトを用いて、泡をたてないようゆっくりと吸い上げる。
14.1.3 アンプルが入っていたトレーはアンプル立てとして使用できる。(図-[2])
14.1.4 本懸濁液中のBCGは、光や熱により影響を受け死滅しやすいので、日光にあてないよう注意し低温に保つこと。
14.2 薬剤接種時の注意
14.2.1 接種時
(1)本剤、溶剤、ガンマ線滅菌された管針及びスポイトは、いずれも1人分ずつ開口又は開封して使用する。
(2)接種部位の消毒
接種部位をアルコール綿で消毒する。乾かないうちにワクチンをたらすとBCGが死滅するので、よく乾いてからワクチンを滴下する。
(3)ワクチンの滴下と塗布
接種者は被接種者の上腕を下から握り、ほぼ水平に固定する。アルコールが乾くのを待ってスポイトを垂直か、わずかに傾けて保持し、接種に十分な量(大きめの1滴)のワクチンを滴下する(図-[3])。このとき、スポイトの先端が皮膚にふれないように注意する。通常、1滴で十分であるが、不十分であると思われるときは、さらにもう1滴加える。滴下されたワクチンを管針のツバの側面で上腕の縦方向に沿って幅約1.5cm、長さ約3cm程度の範囲に塗りひろげる(ツバで強くこすり塗布層が薄くなり過ぎないよう注意する)(図-[4])。
(4)ワクチンの接種
ワクチンを塗りひろげた後、管針を皮膚面に垂直に保持し(図-[5])、上腕部を下からささえている手で強く握って接種部位の皮膚を緊張させ、ツバの両端が皮膚に十分つくまで(通常、皮膚が5~6mmへこむ程度)管針を強く押して接種する(図-[6])。接種数は2個とする(図-[7])。2か所の押し方は、管針の円跡が相互に接するようにして腕の縦方向とツバの縦方向とが一致するようにする。2か所の接種が重なると、局所反応が融合するおそれがあるので、必ず針痕が長方形に並ぶように接種する(図-[8])。なお、管針を押すとき、管針をねじらないように注意すること。押し終わったら、ワクチンを塗りひろげたときと同様にツバの側面で皮膚上のワクチンを2~3回針痕になすりつける(図-[9])。接種した針痕から少量の出血をみることがあっても、そのまま放置しておく。もし接種の方法を誤った場合も押し直しはしないこと。
14.2.2 接種部位
(1)接種は上腕外側のほぼ中央部に行う。肩部に行うとケロイドを生じやすいので絶対に行ってはならない。再接種の際には、前の瘢痕のあるところは必ず避ける。
(2)接種部位は、火気、日光等によらないで自然に乾燥させること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 接種方法(管針法による経皮接種)
本剤に添付の溶剤(日本薬局方生理食塩液)を加えて80mg/mLの濃度の均一な懸濁液とし、接種部位の皮膚を緊張させ、懸濁液を塗った後、9本針植付けの管針を接種皮膚面に対してほぼ垂直に保ち、これを強く圧して行う。接種数は2個とし、管針の円跡は相互に接するものとする。
7.2 本剤は、経皮接種用の濃厚なワクチンであり、もし皮内等に注射すると強い局所反応を呈するので、絶対に注射してはならない。
7.3 定期接種対象者と標準的接種期間
一歳に至るまでの間にある者。生後5月に達したときから生後8月に達するまでの期間を標準的な接種期間として1回行うこと。
7.4 他の生ワクチン(注射剤)との接種間隔
他の生ワクチン(注射剤)の接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。[10.2参照]
7.5 同時接種
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
副じん皮質ホルモン剤
プレドニゾロン等
免疫抑制剤
シクロスポリン
(サンディミュン、ネオーラル)
タクロリムス
(プログラフ)
アザチオプリン
(イムラン)

[2.5参照]
播種性BCG感染を招くおそれがあるので、本剤を接種しないこと。サイトカインの産生を抑えるなどリンパ球の機能を抑制する。
免疫抑制的な作用を持つ薬剤の投与を受けている者、特に長期又は大量の投与を受けている者、又は投与中止後6か月以内の者

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
他の生ワクチン(注射剤)
麻しんワクチン
風しんワクチン
おたふくかぜワクチン
水痘ワクチン
黄熱ワクチン

[7.4参照]
通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。他の生ワクチン(注射剤)の干渉作用により免疫が獲得できないおそれがある。

重大な副作用 

次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
11.1.2 BCG感染症(頻度不明)
髄膜炎、骨炎、骨髄炎、骨膜炎があらわれることがある。免疫不全症候群の者などに接種した場合、BCGが全身に血行散布して粟粒結核様の病変をつくり、全身播種性BCG感染症に至ることがある。BCG感染症が疑われる場合には、速やかに抗結核剤の投与等適切な措置を行うこと。[9.1.4参照]
11.1.3 皮膚結核様病変(狼瘡、腺病性苔癬など)(頻度不明)

その他の副作用 

次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

頻度不明
過敏症注1)発疹、蕁麻疹、紅斑(多形紅斑を含む)、そう痒
局所症状注2)
(接種部位)
発赤、硬結、腫脹、痂皮形成
その他リンパ節腫大注3)、発熱

注1)接種直後から数日中にあらわれることがある。
注2)接種後1~4週の間、接種部位に局所反応を呈し、特に反応が強い場合は膿疱をつくることもあるが、痂皮を形成して1~3か月で消退する。再接種では、これらの反応が早くかつ強めに出るが、消退するのも早い。接種局所は通常3か月程度で瘢痕化するが、この時期を越えても乾かず、あるいは一旦瘢痕化したものが再び湿潤し、潰瘍化することがある(混合感染の可能性もある)。また、瘢痕化した針痕が拡大、一部ないし全部が融合してケロイドを生じることがある。
注3)腋窩あるいは腋窩以外(鎖骨上窩、側頸部など)のリンパ節腫大が認められている。通常は放置しても接種後6か月までに自然消退する。まれに化膿性の経過をとって、皮膚に穿孔し排膿することがある。この場合も清潔に保てばやがて閉鎖・治癒する。

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