今日の臨床サポート
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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 高血圧症

用法・用量

  • 通常,成人にはキナプリルとして5~20mgを1日1回経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.
    ただし,重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では5mgから投与を開始することが望ましい.

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫,遺伝性血管浮腫,後天性血管浮腫,特発性血管浮腫等)〔高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある.〕
  • デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者〔ショックを起こすことがある.(「相互作用」の項参照)〕
  • アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者〔アナフィラキシーを発現することがある.(「相互作用」の項参照)〕
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
  • アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし,他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔非致死性脳卒中,腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている.(「重要な基本的注意」の項参照)〕
  • サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物を投与中の患者,又は投与中止から36時間以内の患者〔血管浮腫があらわれるおそれがある.(「相互作用」の項参照)〕

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
高カリウム血症の患者(「重要な基本的注意」の項参照)
重篤な腎機能障害のある患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては,腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,使用は避けること.
高カリウム血症の患者においては,高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,使用は避けること.
また,腎機能障害,コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では,高カリウム血症が発現するおそれがあるので,血清カリウム値に注意すること.
アリスキレンフマル酸塩を併用する場合,腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.なお,eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については,治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること.
本剤の投与によって,特に次の患者では,初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので,投与は少量より開始し,増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと.
重症の高血圧症患者
血液透析中の患者
利尿降圧剤投与中の患者(特に最近,利尿降圧剤投与を開始した患者)
厳重な減塩療法中の患者
降圧作用に基づくめまい,ふらつきがあらわれることがあるので,高所作業・自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること.
手術前24時間は投与しないことが望ましい.

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.〔PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.〕

用法用量に関連する使用上の注意

重篤な腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが30mL/分以下,又は血清クレアチニン値が3mg/dLを超える場合)では,本剤は腎排泄性であり,また腎機能を低下させることがあるので低用量(例えば2.5mg)から投与を開始するか,もしくは投与間隔をのばすなど,経過を十分に観察しながら慎重に投与すること.

高齢者への投与

本剤は主として腎臓から排泄されるが,高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがあり,副作用が発現又は作用が増強しやすいこと及び一般的に高齢者では,過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)ことから,高齢者に使用する場合は,低用量(例えば5mg/日)から投与を開始するなど,経過を十分に観察しながら慎重に投与すること.
なお,国内で実施された臨床試験において,65歳以上の高齢者での副作用は,135例中16例にみられた.このうち,75歳以上の高齢者に投与された例数は7例であり,副作用は1例に悪心がみられた.

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと.また,投与中に妊娠が判明した場合には,直ちに投与を中止すること.〔妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症,胎児・新生児の死亡,新生児の低血圧,腎不全,高カリウム血症,頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮,頭蓋顔面の変形等があらわれたとの報告がある.また,海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で,妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において,胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある.〕
授乳中の婦人に投与することを避け,やむを得ず投与する場合には,授乳を中止させること.〔ヒト母乳中へ移行することが報告されている.〕

小児等への投与

小児に対する安全性は確立していない.(使用経験がない.)

薬物動態

血中濃度
健康成人に5~20mgを1回経口投与したときの活性キナプリラートの血漿中濃度は投与後1.3~1.6時間で最高血中濃度に達し,以後2相性の消失を示し,消失半減期は18.8~22.5時間であった.
健康成人6人,5~20mg単回投与時のキナプリラートのパラメータ(平均値±SD)
tmax(h)Cmax(ng/mL)t1/2(h)AUC(ng・h/mL)
5mg1.5±0.5113.2±41.522.5±3.0527.8±102.7
10mg1.6±0.9241.5±55.720.8±5.31006.9±103.4
20mg1.3±0.5530.0±98.018.8±3.22064.0±373.0
健康成人男子にキナプリル塩酸塩を空腹時経口投与したときのキナプリラート血漿中濃度(平均値+SD)
※10mg投与は2回の試験をプールして示した.
健康成人に1回10mgを反復投与したときの投与1日目と7日目の血漿中濃度推移はほぼ等しく,薬物動態の変化及び蓄積性は認められなかった.
腎機能障害を有する高血圧症患者では,障害の程度(血清クレアチニン値)に伴ってキナプリラートの最高血漿中濃度(Cmax)及び血漿中濃度時間曲線下面積(AUC)が増大し,AUCとクレアチニンクリアランスの逆数との間には有意な正相関がみられた.
<参考>外国人のデータ
非高齢者に比べ高齢者ではキナプリラートのCmaxに差はないが,最高血漿中濃度到達時間が遅延し,AUCが大きく,消失速度定数が小さかった.この違いは,高齢者ではキナプリラートへの加水分解速度及び消失速度が減少するためと考えられた.
<参考>外国人のデータ
肝障害者ではキナプリルからキナプリラートへの加水分解速度が減少し,キナプリラートの血漿中濃度が低下したが,キナプリラートの消失速度に変化はなかった.
代謝
キナプリル塩酸塩の主代謝経路は,脱エチル化により活性代謝物キナプリラートを生成する経路であった.また,閉環反応による経路も認められた.
排泄
健康成人に,5~20mgを1回経口投与したとき48時間までの尿中にはキナプリル,キナプリラートがそれぞれ投与量の3.8~6.0,30.5~40.4%排泄された.
蛋白結合率<参考>外国人のデータ
97.0~97.7%(キナプリル,in vitro
96.6~97.0%(キナプリラート,in vitro
腹膜透析,血液透析<参考>外国人のデータ
キナプリル,キナプリラートの排泄にほとんど影響しない.

併用禁止 

デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行
(リポソーバー,イムソーバTR,セルソーバ)
ショックを起こすことがある.
陰性に荷電したデキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートにより血中キニン系の代謝が亢進し,ブラジキニン産生が増大する.更に本剤がブラジキニンの代謝を抑制するため,ブラジキニンの血中濃度が上昇し,ショックを誘発すると考えられている.
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析
(AN69)
アナフィラキシーを発現することがある.
AN69膜という多価イオン体により血中キニン系の代謝が亢進しブラジキニン産生の増大をもたらし,更にACE阻害剤によりブラジキニン代謝が妨げられて,ブラジキニンの蓄積をもたらすと考えられているが,明らかではない.
アリスキレンフマル酸塩(ラジレス)
(糖尿病患者に使用する場合.ただし,他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)
非致死性脳卒中,腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている.
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある.
サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物(エンレスト)
血管浮腫があらわれるおそれがある.
左記薬剤を投与する場合は,本剤を少なくとも36時間前に中止すること.
また,左記薬剤の投与終了後に本剤を投与する場合は,36時間以上の間隔をあけること.
併用により相加的にブラジキニンの分解を抑制し,血管浮腫のリスクを増加させる可能性がある.

併用注意 

カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン,トリアムテレン等)
カリウム製剤
高カリウム血症,不整脈があらわれることがある.
本剤はアンジオテンシンII生成抑制により,アルドステロン分泌を低下させ,Naイオンを排泄,Kイオンを保持する.特に腎機能障害のある患者では注意すること.
アリスキレンフマル酸塩
腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため,腎機能,血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること.
なお,eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については,治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること.
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある.
アンジオテンシンII受容体拮抗剤
腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため,腎機能,血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること.
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある.
利尿降圧剤
(トリクロルメチアジド,ヒドロクロロチアジド等)
本剤初回投与後,一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので,投与は少量より開始すること.
利尿降圧剤によるナトリウム排泄によって,レニン-アンジオテンシン系が亢進されているため,本剤によりアンジオテンシンIIの産生が抑制され,降圧作用が増強すると考えられている.
炭酸リチウム
外国において,他のACE阻害剤(カプトプリル,エナラプリルマレイン酸塩,リシノプリル)との併用により,リチウム中毒(運動失調,振戦,下痢,脱水状態,低血圧,乏尿)が報告されているので,リチウムと併用する場合は,血中のリチウム濃度に注意する.
機序は確立されていない.
テトラサイクリン
テトラサイクリンの効果を減弱する.
賦形剤として本剤に含有されている炭酸マグネシウムがテトラサイクリンと難溶性のキレートを形成することによってテトラサイクリンの吸収低下が起こると考えられる.
非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)
降圧作用が減弱するとの報告がある.
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により,本剤の降圧作用を減弱させると考えられる.
非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)
腎機能障害を引き起こす可能性がある.
異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により,腎血流量が低下するためと考えられる.
カリジノゲナーゼ製剤
本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある.
本剤のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により,血中キニン濃度が増大し血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある.

重大な副作用 

血管浮腫(頻度不明)
呼吸困難を伴う顔面,舌,声門,喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
また,腹痛を伴う腸管の血管浮腫があらわれることがあるので,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
急性腎不全(頻度不明)
急性腎不全があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
高カリウム血症(頻度不明)
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと.
膵炎(頻度不明)
膵炎があらわれることがあるので,血中のアミラーゼ,リパーゼの上昇等が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

その他の副作用 

5%以上又は頻度不明0.1~5%未満0.1%未満
腎臓BUN,血清クレアチニンの上昇
過敏症注1)発疹,そう痒,蕁麻疹
血液顆粒球減少赤血球,ヘモグロビン,ヘマトクリット値,リンパ球の減少,白血球の増多
精神神経系頭痛,めまい,ふらつき,耳鳴,立ちくらみ,もやもや感
消化器下痢,口内炎悪心,嘔吐,便秘,胸やけ,胃部不快感,腹痛食欲不振
循環器胸痛動悸過度の血圧低下
肝臓γ-GTPの上昇AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,LDHの上昇
呼吸器注2),痰,息苦しさ,咽頭炎咽喉不快感,咽頭異和感
その他浮腫,味覚異常,尿酸上昇,発熱,低血糖顔面潮紅,倦怠感,気分不良,冷汗,のどの渇き,しびれ,血清カリウム,CK(CPK)の上昇

注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること.
注2)5%以上

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