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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • アナペイン注7.5mg/mL(0.75%10mL1アンプル)

    • <アナペイン注7.5mg/mL>

      • 麻酔(硬膜外麻酔、伝達麻酔)
  • アナペイン注7.5mg/mL(0.75%20mL1アンプル)

    • <アナペイン注7.5mg/mL>

      • 麻酔(硬膜外麻酔、伝達麻酔)
  • アナペイン注10mg/mL(1%10mL1アンプル)

    • <アナペイン注10mg/mL>

      • 麻酔(硬膜外麻酔)
  • アナペイン注10mg/mL(1%20mL1アンプル)

    • <アナペイン注10mg/mL>

      • 麻酔(硬膜外麻酔)

用法・用量

  • アナペイン注7.5mg/mL(0.75%10mL1アンプル)

    • <アナペイン注7.5mg/mL>

      • 硬膜外麻酔には、通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)150mg)までを硬膜外腔に投与する。
        なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
      • 伝達麻酔には、通常、成人に1回40mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)300mg)までを目標の神経あるいは神経叢近傍に投与する。
        なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
  • アナペイン注7.5mg/mL(0.75%20mL1アンプル)

    • <アナペイン注7.5mg/mL>

      • 硬膜外麻酔には、通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)150mg)までを硬膜外腔に投与する。
        なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
      • 伝達麻酔には、通常、成人に1回40mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)300mg)までを目標の神経あるいは神経叢近傍に投与する。
        なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
  • アナペイン注10mg/mL(1%10mL1アンプル)

    • <アナペイン注10mg/mL>

      • 通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)200mg)までを硬膜外腔に投与する。
        なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
  • アナペイン注10mg/mL(1%20mL1アンプル)

    • <アナペイン注10mg/mL>

      • 通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)200mg)までを硬膜外腔に投与する。
        なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • <効能共通>

    • 2.1 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者
  • <硬膜外麻酔>

    • 2.2 大量出血やショック状態の患者[過度の血圧低下が起こることがある。]
    • 2.3 注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
    • 2.4 敗血症の患者[敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
<効能共通>
9.1.1 全身状態が不良な患者
生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。[8.2.4参照]
9.1.2 心刺激伝導障害のある患者
症状を悪化させることがある。
<硬膜外麻酔>
9.1.3 中枢神経系疾患:髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄ろう等の患者及び脊髄・脊椎に腫瘍又は結核等のある患者
硬膜外麻酔により病状が悪化するおそれがある。
9.1.4 血液凝固障害や抗凝血薬投与中の患者
やむを得ず投与する場合は観察を十分に行うこと。出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。
9.1.5 脊柱に著明な変形のある患者
やむを得ず投与する場合は患者の全身状態の観察を十分に行うこと。脊髄や神経根の損傷のおそれがあり、また麻酔範囲の予測も困難である。
9.1.6 腹部腫瘤のある患者
投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行うこと。仰臥位性低血圧を起こすことがあり、麻酔範囲が広がりやすい。麻酔中はさらに増悪することがある。
9.1.7 重症の高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある患者
患者の全身状態の観察を十分に行うこと。血圧低下や病状の悪化が起こりやすい。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
中毒症状が発現しやすくなる。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
中毒症状が発現しやすくなる。
9.5 妊婦
<効能共通>
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
<硬膜外麻酔>
9.5.2 妊娠後期の患者には、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること。妊娠末期は、仰臥位性低血圧を起こしやすく、麻酔範囲が広がりやすい。麻酔中はさらに増悪することがある。
<伝達麻酔>
9.5.3 本剤を傍頸管ブロックに用いる場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.4 傍頸管ブロックにより胎児の徐脈を起こすことが知られている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。[8.2.4参照]
9.8 高齢者
<硬膜外麻酔>
投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること。一般に麻酔範囲が広がりやすく、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下している。[8.2.4参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。なお、事前の静脈路確保が望ましい。[11.1.1、11.1.2参照]
8.2 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、以下の点に留意すること。
8.2.1 できるだけ必要最少量にとどめること。追加投与の際には特に注意すること。
8.2.2 注射の速度はできるだけ遅くすること。
8.2.3 注射針が、血管又はくも膜下腔に入っていないことを確かめること。血管内へ誤投与された場合、中毒症状が発現することがあり、また、くも膜下腔へ誤投与された場合、全脊椎麻酔となることがある。[11.1.3、13.参照]
8.2.4 前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、これらの薬剤を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい。なお、高齢者、小児、全身状態が不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと。[9.1.1、9.7、9.8参照]
8.3 注射針又はカテーテルが適切に位置していない等により、神経障害が生じることがあるので、穿刺に際し異常を認めた場合には本剤の注入を行わないこと。
<硬膜外麻酔>
8.4 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、以下の点に留意すること。
8.4.1 患者のバイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数等)及び全身状態の観察を十分に行うこと。また、麻酔が消失するまで観察を行うことが望ましい。なお、術中は経皮的に動脈血酸素飽和度の測定(パルスオキシメーター等)を行うことが望ましい。
8.4.2 試験的に注入(test dose)し、注射針又はカテーテルが適切に留置されていることを確認すること。
8.4.3 麻酔範囲が予期した以上に広がることにより、過度の血圧低下、徐脈、呼吸抑制を来すことがあるので、麻酔範囲に注意すること。
<伝達麻酔>
8.5 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、以下の点に留意すること。
8.5.1 患者のバイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数等)及び全身状態の観察を行うこと。
8.5.2 血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を投与すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
ロピバカイン塩酸塩水和物はpH6以上で溶解性が低下する。本剤をアルカリ性溶液と混合することにより、沈殿を生じる可能性があるので、注意すること。
14.2 薬剤投与時の注意
1アンプルを複数の患者に使用しないこと。
14.3 薬剤投与後の注意
残液は廃棄すること。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤に血管収縮剤(アドレナリン)を添加しても、作用持続時間の延長は認められない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 硬膜外投与
ロピバカイン塩酸塩150及び200mgを手術患者の硬膜外に投与したとき、血漿中未変化体濃度は約0.5時間後に最高濃度に達し、約5.5時間のみかけの半減期で血漿から消失した(図1及び表1)。
図1 ロピバカイン塩酸塩硬膜外投与時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差、n=11~12)
表1 硬膜外投与時におけるロピバカインの薬物動態パラメータ
投与量150mg、7.5mg/mL、20mL(n=12)200mg、10mg/mL、20mL(n=11)
tmax(h)0.53±0.310.36±0.26
Cmax(μg/mL)1.06±0.322.06±0.61
t1/2(h)5.99±1.924.96±1.28
AUC0-∞(μg・h/mL)8.65±4.4112.50±5.12
(平均値±標準偏差)
16.1.2 腕神経叢投与
ロピバカイン塩酸塩を手術患者の腕神経叢に投与したとき、血漿中未変化体濃度は約0.7時間後に最高濃度に達し、約4.5時間のみかけの半減期で減少した。
図2 ロピバカイン塩酸塩腕神経叢投与時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差、n=9~10)
表2 腕神経叢投与時におけるロピバカインの薬物動態パラメータ
投与量225mg、7.5mg/mL、30mL(n=10)300mg、7.5mg/mL、40mL(n=9)
tmax(h)0.71±0.310.57±0.26
Cmax(μg/mL)1.89±0.502.70±1.01
t1/2(h)4.19±1.074.68±1.51
AUC0-∞(μg・h/mL)9.42±1.3716.06±7.74
(平均値±標準偏差)
16.1.3 静脈内投与
健康成人(外国人)にロピバカイン塩酸塩20、40、80mgを30分間かけて静脈内注入終了時注)の体内動態は線形性を示すと考えられ、投与終了時の平均血漿中未変化体濃度は0.6、1.0、1.9μg/mL、消失半減期は1.7時間、定常状態分布容積は約40L、血漿クリアランスは約0.4L/分、腎クリアランスは約1.5mL/分であった。
16.2 吸収
健康成人(外国人)にロピバカイン塩酸塩150mgを硬膜外投与時のバイオアベイラビリティは約90%であり、硬膜外腔から体循環血への吸収は2相性で、吸収半減期はそれぞれ約14分と約4時間であった。
16.3 分布
健康成人(外国人)へのロピバカイン塩酸塩50mg静脈内投与後注)の血漿蛋白結合率は94%であり、血清中の結合蛋白はα1-酸性糖蛋白及び血清アルブミンであった。血球への分布はわずかであった。
妊婦(外国人)にロピバカイン塩酸塩150mgを硬膜外投与したとき、臍帯静脈血漿中濃度は母体血漿中濃度の約30%で、ロピバカインの胎盤通過が認められた。
16.4 代謝
健康成人(外国人)に14C-ロピバカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後注)の尿中主代謝物は、芳香環の3位水酸化体で、その他に2位メチル水酸化体、N-脱プロピル体、4位水酸化体が検出され、未変化体は約1%であった。代謝にはチトクロームP450のCYP3A4及び1A2が関与する。
16.5 排泄
健康成人(外国人)に14C-ロピバカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後注)96時間までに、投与放射能の86%が尿中に、8%が糞中に排泄された。
16.7 薬物相互作用
健康成人(外国人)の成績では、フルボキサミン(CYP1A2の阻害剤)を経口併用時にロピバカイン40mgを静脈内持続注入(20分間)注)したとき、ロピバカインのCLは約70%低下し、消失半減期は約2倍に延長(3.6時間)したが、最高血漿中濃度は1.5μg/mLと、ロピバカイン単独投与時(1.2μg/mL)に比し1.2倍に上昇した程度であった。臨床使用上問題となるような有害事象は発現しなかった。
また、ケトコナゾール(CYP3A4の阻害剤)を経口併用時にロピバカイン40mgを静脈内持続注入注)しても、薬物動態パラメータに有意な変動はみられなかった。
注)アナペイン注7.5mg/mLの効能・効果は麻酔(硬膜外麻酔、伝達麻酔)、アナペイン注10mg/mLの効能・効果は麻酔(硬膜外麻酔)である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP1A2阻害剤
フルボキサミン、エノキサシン等
本剤の血中濃度が上昇することがある。本剤とフルボキサミンとの併用で、本剤のクリアランスの低下が報告されている。また、他のCYP1A2代謝剤とエノキサシンとの併用でも同様のクリアランスの低下が報告されている。本剤の代謝には主にCYP1A2が関与しているため、左記薬剤のようなCYP1A2阻害剤との併用で、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。
クラスIII抗不整脈剤
アミオダロン等
心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。作用が増強することが考えられる。
他のアミド型局所麻酔薬中毒症状が発現するおそれがある。相加的に作用する。
全身麻酔薬本剤を硬膜外麻酔として投与する場合に併用すると、血圧低下作用が増強されるおそれがある。相互に作用を増強させる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こすおそれがある。[8.1参照]
11.1.2 意識障害(頻度不明)、振戦(0.5%)、痙攣(0.2%)
意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.1、13.参照]
11.1.3 異常感覚(0.2%)、知覚・運動障害(0.2%)
注射針又はカテーテルの留置時に神経(神経幹、神経根)に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害、硬膜外麻酔及び術後鎮痛では膀胱直腸障害等の神経学的疾患があらわれることがある。[8.2.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
循環器血圧低下(37.9%)徐脈頻脈、心室性不整脈、洞性不整脈血圧上昇
呼吸器SpO2低下呼吸困難
中枢・末梢神経系めまい、頭痛、昏迷、振戦、攣縮、異常感覚、運動障害、言語障害、口唇しびれ感、全身しびれ感、譫妄不安、下肢知覚異常
消化器嘔気嘔吐
過敏症蕁麻疹、血管浮腫
泌尿器排尿困難、尿閉
その他発熱、戦慄、低体温、顔面潮紅、結膜充血、耳鳴、ホルネル症候群悪寒、硬結性紅斑
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