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注射用エラスポール100

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 全身性炎症反応症候群に伴う急性肺障害の改善

用法・用量

  • 通常、本剤を生理食塩液に溶解した後、1日量(シベレスタットナトリウム水和物として4.8mg/kg)を250~500mLの輸液で希釈し、24時間(1時間当たり0.2mg/kg)かけて静脈内に持続投与する。投与期間は14日以内とする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験において乳汁中への移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

本剤の投与は一般的な急性肺障害の治療法(呼吸管理、循環血液量の補正、抗菌剤等)に代わるものではないので、原疾患に対する適切な治療を実施すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 カルシウムを含む輸液を用いるときは、本剤の濃度を1mg/mL以下として使用すること。(本剤の濃度が2mg/mL以上では沈殿が生じることがある。)
14.1.2 輸液で希釈することによりpHが6.0以下となる場合には、沈殿が生じることがあるので注意すること。
14.1.3 アミノ酸輸液を用いると分解が生じることがあるので、アミノ酸輸液との混注は避けること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の投与は肺障害発症後72時間以内に開始することが望ましい。[17.1.2参照]
7.2 症状に応じてより短期間で投与を終了することも考慮すること。なお、本剤投与5日後の改善度が低い場合には、その後の改善度(14日後)も低いことが示されている。[17.1.6参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤は下記の5.1.1及び5.1.2の両基準を満たす患者に投与すること。
5.1.1 全身性炎症反応症候群に関しては、以下の項目のうち、2つ以上を満たすものとする。
・体温>38℃又は<36℃、
・心拍数>90回/分、
・呼吸数>20回/分又はPaCO2<32mmHg、
・白血球数>12,000/μL、<4,000/μL又は桿状球>10%
5.1.2 急性肺障害に関しては、以下の全項目を満たすものとする。
・肺機能低下(機械的人工呼吸管理下でPaO2/FIO2300mmHg以下)が認められる。
・胸部X線所見で両側性に浸潤陰影が認められる。
・肺動脈楔入圧が測定された場合には、肺動脈楔入圧≦18mmHg、測定されない場合には、左房圧上昇の臨床所見を認めない。
5.2 4臓器以上の多臓器障害を合併する患者、熱傷、外傷に伴う急性肺障害患者には投与しないことが望ましい。4臓器以上の多臓器障害を合併する患者、熱傷、外傷に伴う急性肺障害患者を除外せずに、ARDS Networkの基準に準拠して実施された外国臨床試験において、本剤投与群ではプラセボ群と比較し、Ventilator Free Days[VFD:28日間での人工呼吸器から離脱した状態での生存日数]及び28日死亡率で差は認められず、180日死亡率ではプラセボ群と比較して統計学的に有意に高かったとの報告がある。[17.1.7参照]
5.3 高度な慢性呼吸器疾患を合併する患者については、有効性及び安全性は確立していない。[17.2.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人5例に、本剤を1時間当たり0.5mg/kg注)で2時間静脈内投与した場合、2時間後の血漿中濃度は11.678μg/mLを示し、AUCは61.113μg・hr/mL、血漿中半減期は2→6hrで131.4分、6→10hrで199.9分である。
AUC0-∞(μg・hr/mL)T1/2(2→6hr)(min)T1/2(6→10hr)(min)C2hr(μg/mL)
61.113±5.365131.4±11.5199.9±22.311.678±1.318
平均値±標準偏差
16.3 分布
ヒト血清に対する蛋白結合率は99.6%である(in vitro、限外ろ過法)。
16.4 代謝
本剤はエステラーゼにより加水分解され、さらにグルクロン酸抱合及び硫酸抱合を受ける。肝臓が本剤の主代謝臓器であり、主にカルボキシエステラーゼで加水分解されるものと推定された。また、本剤の代謝にはチトクロームP-450代謝酵素の関与はないと推察される。
16.5 排泄
主排泄経路は尿中であり、健康成人5例に本剤を1時間当たり0.5mg/kg注)で2時間静脈内投与した場合、尿中には代謝物のみ認められ、投与24時間後までに81.0%が、投与48時間後までに84.5%が尿中に排泄される。
注)本剤の承認された用量は、1時間当たり0.2mg/kgである。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 呼吸困難(0.3%)
11.1.2 白血球減少(0.7%)、血小板減少(頻度不明)
11.1.3 肝機能障害(1.0%)、黄疸(頻度不明)
AST・ALTの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~10%未満1%未満頻度不明
過敏症発疹等
肝臓ビリルビン、AST、ALT、γ-GTP、アルカリホスファターゼの上昇ウロビリノーゲン陽性、LDH上昇
血液好酸球増加血小板減少、血小板増多、貧血、出血傾向
腎臓多尿、尿蛋白増加、BUN上昇クレアチニン上昇
その他高カリウム血症、総蛋白減少、注射部静脈炎
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