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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <注射用フサン10>

    • ○膵炎の急性症状(急性膵炎、慢性膵炎の急性増悪、術後の急性膵炎、膵管造影後の急性膵炎、外傷性膵炎)の改善
    • ○汎発性血管内血液凝固症(DIC)
    • ○出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析及びプラスマフェレーシス)
  • <注射用フサン50>

    • ○汎発性血管内血液凝固症(DIC)
    • ○出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析及びプラスマフェレーシス)

用法・用量

  • 注射用フサン10

    • <膵炎の急性症状(急性膵炎、慢性膵炎の急性増悪、術後の急性膵炎、膵管造影後の急性膵炎、外傷性膵炎)の改善>

      • 通常、1回、ナファモスタットメシル酸塩として10mgを5%ブドウ糖注射液500mLに溶解し、約2時間前後かけて1日1~2回静脈内に点滴注入する。なお、症状に応じ適宜増減する。
    • <汎発性血管内血液凝固症(DIC)>

      • 通常、1日量を5%ブドウ糖注射液1,000mLに溶解し、ナファモスタットメシル酸塩として毎時0.06~0.20mg/kgを24時間かけて静脈内に持続注入する。
    • <出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析及びプラスマフェレーシス)>

      • 通常、体外循環開始に先だち、ナファモスタットメシル酸塩として20mgを生理食塩液500mLに溶解した液で血液回路内の洗浄・充てんを行い、体外循環開始後は、ナファモスタットメシル酸塩として毎時20~50mgを5%ブドウ糖注射液に溶解し、抗凝固剤注入ラインより持続注入する。なお、症状に応じ適宜増減する。
  • 注射用フサン50

    • <汎発性血管内血液凝固症(DIC)>

      • 通常、1日量を5%ブドウ糖注射液1,000mLに溶解し、ナファモスタットメシル酸塩として毎時0.06~0.20mg/kgを24時間かけて静脈内に持続注入する。
    • <出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析及びプラスマフェレーシス)>

      • 通常、体外循環開始に先だち、ナファモスタットメシル酸塩として20mgを生理食塩液500mLに溶解した液で血液回路内の洗浄・充てんを行い、体外循環開始後は、ナファモスタットメシル酸塩として毎時20~50mgを5%ブドウ糖注射液に溶解し、抗凝固剤注入ラインより持続注入する。なお、症状に応じ適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で大量投与により、胎児死亡率の増加(ラット、ウサギ)及び体重増加抑制(ラット)、分娩率の低下(ラット)が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、母乳中への代謝物の移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般的に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、本剤に対するアレルギー歴について十分な問診を行うこと。
また、本剤の投与に際しては予めショック発現時に救急処置をとれるよう準備をするとともに観察を十分に行うこと。[11.1.1参照]
8.2 本剤に対し過敏症があらわれることがある。
8.3 腎からのカリウム排泄抑制、ナトリウムの排泄促進等により、高カリウム血症又は低ナトリウム血症があらわれることがあるので、定期的に血清カリウム値及び血清ナトリウム値の測定を行うこと。[11.1.2、11.1.3参照]
8.4 カリウム含有製剤(輸液等)、カリウム保持性利尿剤等を併用する場合には、特に観察を十分に行い、高カリウム血症の発現に注意すること。
また、血清カリウム値の異常が認められた場合には心電図所見等の確認を十分に行い、不整脈の誘発についても注意すること。[11.1.2参照]
8.5 出血を増悪させるおそれがあるので本剤の血液体外循環時の使用にあたっては、観察を十分に行い、出血の増悪がみられた場合には減量又は投与を中止すること。
8.6 血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行うこと。[11.1.4参照]
8.7 白血球減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行うこと。[11.1.5参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
<効能共通>
14.1.1 必ず5%ブドウ糖注射液又は注射用水をバイアルに加え、完全に溶解した後使用すること。
14.1.2 白濁あるいは結晶が析出する場合があるので、生理食塩液又は無機塩類を含有する溶液をバイアルに直接加えないこと。
14.1.3 溶解時には、バイアルのゴム栓の中心に注射針を刺入すること。なお、18ゲージ以上の太い注射針及び両頭針を使用する場合には、ゴム栓又はその一部がバイアル内に脱落することがあるので、特に注意すること。
<膵炎の急性症状の改善>
14.1.4 10mgバイアルに1mL以上の5%ブドウ糖注射液又は注射用水を加え、完全に溶解する。
14.1.5 溶解した液を5%ブドウ糖注射液に混和する。
<汎発性血管内血液凝固症(DIC)>
14.1.6 10mgバイアルには1mL以上、50mgバイアルには5mL以上の5%ブドウ糖注射液又は注射用水を加え、完全に溶解する。
14.1.7 溶解した液を5%ブドウ糖注射液に混和する。
<出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止>
14.1.8 血液回路内の洗浄・充てん
(1)10mgバイアルには1mL、50mgバイアルには5mLの5%ブドウ糖注射液又は注射用水を加え、完全に溶解する。
(2)ナファモスタットメシル酸塩20mgを含む溶解液を生理食塩液に混和する。
14.1.9 体外循環時
(1)10mgバイアルには1mL、50mgバイアルには5mLの5%ブドウ糖注射液又は注射用水を加え、完全に溶解する。
(2)溶解した液を抗凝固剤持続注入器の容量に合わせ、5%ブドウ糖注射液で希釈する。
14.2 薬剤調製後の注意
溶解後は、速やかに使用すること。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 投与量
本剤の血液体外循環時の使用にあたっては、出血の状況、体外循環路内の残血・凝血及び全血凝固時間等を考慮して、適宜用量を調節すること。
14.3.2 投与速度
本剤を静脈内又は体外循環路内へ急速に注入することは避けること。
14.3.3 透析器
本剤は、AN69(ポリアクリロニトリル)膜への吸着性が高いので、本剤の使用を避けること。
14.3.4 投与時
静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に炎症又はそれに伴う壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないよう注意すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人男子に本剤の10、20mgを90分間かけて点滴静注したとき、血中未変化体濃度は点滴開始後60~90分後に最高となり、それぞれ16.4、61.5ng/mLであった。また、血中からの消失は速やかで投与終了1時間後ではそれぞれ5ng/mL以下であった。
16.1.2 DIC患者に本剤を毎時0.1mg/kg又は0.2mg/kgの速度で13~23日間点滴静注したとき、約14~130ng/mLの血中濃度が維持された。
16.1.3 血液透析患者に本剤を体外循環回路内に毎時40mgの速度で5時間持続注入したとき、体外循環回路内の血中濃度は、透析器前で最も高く、透析器より約40%が透析された。また、体内血中濃度は約300ng/mLであった。
16.3 分布
14Cナファモスタットメシル酸塩1mg/kgをラットに静脈内投与したとき、未変化体の濃度は腎、肝、肺、膵の順であり、これらはいずれも血液中の濃度より高く、かつ投与後4時間まで肝を除く臓器に存在が認められた。また、14Cナファモスタットメシル酸塩1mg/kgを、分娩後14日前後の哺育中のラットに静脈内投与したとき、乳汁中への移行は最高濃度で0.95nmol/mL以下であった。
16.4 代謝
16.4.1 血液透析患者に本剤による透析を連続10回行ったとき、代謝物のアミジノナフトール及びそのグルクロン酸抱合体の血中濃度は、第7回透析以降ほぼ定常状態に達し、ヘパリン透析に変更後急速に低下した。また、p-グアニジノ安息香酸は、透析開始時よりも終了時に高く、ヘパリン透析に変更後急速に低下した。
16.4.2 本品は主として、血液及び肝で加水分解を受け、構成成分である6-アミジノ-2-ナフトール及びp-グアニジノ安息香酸に分解され、更に主としてグルクロン酸抱合を受けるものと推定される(ラット、イヌ)。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人男子に本剤の20、40mgを点滴静注したとき、主代謝物である総アミジノナフトールの尿中排泄率は、24時間後にそれぞれ27.1、30.2%であった。
16.5.2 DIC患者に本剤を毎時0.1mg/kg又は0.2mg/kgの速度で13~23日間点滴静注したとき、24時間後までの総アミジノナフトール排泄率は16.2~24.9%であり、その後徐々に増加した。また、毎時0.2mg/kg投与群の最終的な累積排泄率は、49.2~57.3%であった。
16.5.3 実験的に作成した腎不全ラットに、14Cナファモスタットメシル酸塩1mg/kgを静脈内投与した結果、胆汁排泄を含む消化管への排泄が亢進することが認められた。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(血液体外循環時の灌流血液の凝固防止:0.16%、膵炎、DIC:ともに頻度不明)
血圧低下、意識障害、呼吸困難、気管支喘息様発作、喘鳴、胸部不快、腹痛、嘔吐、発熱、冷汗、そう痒感、紅潮、発赤、しびれ等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.1参照]
11.1.2 高カリウム血症(膵炎:0.19%、DIC:4.53%、血液体外循環時の灌流血液の凝固防止:0.02%)
高カリウム血症の発現によって不整脈を誘発した例が報告されている。[8.3、8.4参照]
11.1.3 低ナトリウム血症(DIC:0.47%、膵炎、血液体外循環時の灌流血液の凝固防止:ともに頻度不明)[8.3参照]
11.1.4 血小板減少(膵炎:0.04%、DIC:0.03%、血液体外循環時の灌流血液の凝固防止:0.02%)[8.6参照]
11.1.5 白血球減少(膵炎:0.13%、DIC:0.08%、血液体外循環時の灌流血液の凝固防止:頻度不明)[8.7参照]
11.1.6 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(膵炎:0.01%、DIC:0.28%、血液体外循環時の灌流血液の凝固防止:頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
※発現頻度は再審査終了時以降の調査を含む

その他の副作用 

<膵炎の急性症状の改善>

0.1~1.0%未満0.1%未満頻度不明
皮膚発疹紅斑、そう痒感
筋・骨格系筋肉痛、関節痛
消化管下痢、悪心・嘔吐食欲不振
肝臓・胆管系AST上昇、ALT上昇LDH上昇、総ビリルビン上昇
適用部位血管炎(発赤又は疼痛を伴うものを含む)
白血球・網内系好酸球増多
血小板・出血凝固血小板増加
泌尿器系BUN上昇、クレアチニン上昇
その他頭重感、発熱、胸部不快感頭痛、全身倦怠感、胸痛

<汎発性血管内血液凝固症(DIC)>

0.1~1.0%未満0.1%未満頻度不明
皮膚発疹そう痒感
筋・骨格系筋肉痛
消化管悪心・嘔吐下痢
肝臓・胆管系AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇
代謝・栄養系高尿酸血症
心拍数・リズム動悸
適用部位血管炎(疼痛又は腫脹を伴うものを含む)
白血球・網内系好酸球増多
血小板・出血凝固血小板増加出血傾向
泌尿器系BUN上昇、クレアチニン上昇
その他発熱胸部不快感

<出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止>

0.1~1.0%未満0.1%未満頻度不明
皮膚そう痒感発疹紅斑
筋・骨格系筋肉痛、関節痛
消化管悪心・嘔吐、食欲不振下痢
肝臓・胆管系AST上昇、ALT上昇
心拍数・リズム動悸
白血球・網内系好酸球増多
血小板・出血凝固出血傾向
その他全身倦怠感頭痛、発熱、胸痛胸部不快感
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