薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
解熱・鎮痛・消炎剤 インドメタシン ジクロフェナク 等 [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
トラゾドン [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 機序は不明であるが、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
スキサメトニウム塩化物水和物 | 併用により重篤な不整脈を起こすおそれがある。治療上やむを得ないと判断される場合を除き、スキサメトニウム塩化物を投与しないこと。 | スキサメトニウム塩化物水和物の血中カリウム増加作用又はカテコールアミン放出が原因と考えられている。 |
不整脈用剤 アミオダロン キニジン ピルメノール フレカイニド ピルシカイニド塩酸塩水和物 プロパフェノン ベプリジル 等 [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 機序不明なものも含まれるが、本剤の腎排泄が抑制されることによる血中濃度上昇、あるいは、薬力学的相互作用による刺激伝導抑制等があらわれることがある。 |
β遮断剤 プロプラノロール アテノロール カルベジロール 等 [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 薬力学的相互作用により、伝導抑制増強、徐脈の誘発があらわれることがある。また、カルベジロールでは本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。 |
利尿剤 カリウム排泄型利尿剤 チアジド系利尿剤 フロセミド 等 アセタゾラミド [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 過度の利尿により、血中カリウム値が低下しやすくなるとの報告がある。 |
利尿剤 スピロノラクトン [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
利尿剤 トルバプタン [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
血圧降下剤 レセルピン系薬剤 [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれることがある。 |
アンジオテンシンII受容体拮抗剤 テルミサルタン [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 機序は不明であるが、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
カルシウム拮抗剤 ベラパミル ジルチアゼム ニフェジピン 等 [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
HMGCoA還元酵素阻害剤 フルバスタチン [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 機序は不明であるが、本剤の最高血中濃度の上昇が認められたとの報告がある。 |
HMGCoA還元酵素阻害剤 アトルバスタチン [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により血中濃度の上昇が示唆されている。 |
ポリスチレンスルホン酸塩 [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 腸内のカリウムイオンとのイオン交換により、血中カリウム値が低下するとの報告がある。 |
交感神経刺激剤 アドレナリン イソプレナリン 等 [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 薬力学的相互作用により不整脈があらわれることがある。 |
副腎皮質ホルモン剤 [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 副腎皮質ホルモンにより低カリウム血症が起こるためと考えられている。 |
ビタミンD製剤 カルシトリオール 等 [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | ビタミンD製剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている。 |
カルシウム(注射剤)(カルシウム値の補正に用いる場合を除く) グルコン酸カルシウム水和物 塩化カルシウム水和物 [8.4参照] | 静注により急激に血中カルシウム濃度が上昇するとジゴキシンの毒性が急激に出現することがある。治療上やむを得ないと判断される場合を除き、カルシウム注射剤を投与しないこと。やむを得ず投与する場合には、急激にカルシウム濃度を上昇させるような使用法は避けること。 | 本剤の催不整脈作用は、心筋細胞内カルシウム濃度に依存すると考えられている。 |
カルシウム(経口剤) カルシウム含有製剤 高カロリー輸液 等 [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | これらの薬剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている。 |
シクロスポリン [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
抗生物質製剤 クラリスロマイシン [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
抗生物質製剤 アムホテリシンB エンビオマイシン [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | これらの薬剤により血中カリウム値が低下するためと考えられている。 |
HIVプロテアーゼ阻害剤 リトナビル [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
エトラビリン [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | P糖蛋白質阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
C型肝炎治療剤 レジパスビル・ソホスブビル [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | レジパスビルのP糖蛋白質阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
化学療法剤 イトラコナゾール スルファメトキサゾール・トリメトプリム [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
抗甲状腺剤 チアマゾール プロピルチオウラシル [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | 甲状腺機能亢進の改善に伴いクリアランスが正常になるため、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
ベムラフェニブ [8.4参照] | 本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。 | P糖蛋白質阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
カルバマゼピン | 本剤の作用を減弱することがある。 | 併用後、本剤の血中濃度の低下が認められたとの報告がある。 |
抗生物質製剤 リファンピシン | 本剤の作用を減弱することがある。 | 肝薬物代謝酵素誘導により、本剤の血中濃度が低下するとの報告がある。 |
甲状腺製剤 レボチロキシン リオチロニン | 本剤の作用を減弱することがある。 | 甲状腺機能低下の改善に伴いクリアランスが正常になるため、本剤の血中濃度が低下するとの報告がある。 |
アカルボース ミグリトール | 本剤の作用を減弱することがある。 | 併用により本剤の血中濃度の低下が認められたとの報告がある。 |
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の作用を減弱することがある。 | 本剤の排泄が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 |
ブピバカイン塩酸塩水和物 | ブピバカイン塩酸塩水和物の副作用を増強したとの報告がある。 | 薬力学的相互作用によると考えられている。 |
ヘパリン | ヘパリンの作用を減弱するおそれがある。 | 抗凝血作用に拮抗すると考えられている。 |
制吐作用を有する薬剤 スルピリド メトクロプラミド ドンペリドン 等 [8.4参照] | ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、食欲不振等)を不顕化するおそれがある。 | これらの薬剤の制吐作用のため本剤の中毒症状が判別しにくくなる。 |