薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジゴキシン [16.7.1参照] | 嘔気、嘔吐、不整脈等が報告されているので、ジゴキシンの血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、投与量を調節する等の適切な処置を行うこと。 | 本剤の腸内細菌叢に対する影響により、ジゴキシンの不活化が抑制されるか、もしくはP-gpを介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、その血中濃度が上昇する。 |
スルホニル尿素系血糖降下剤 グリベンクラミド グリクラジド グリメピリド等 | 低血糖(意識障害に至ることがある)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与を中止し、ブドウ糖の投与等の適切な処置を行うこと。 | 機序は不明である。左記薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
カルバマゼピン テオフィリン アミノフィリン水和物 シクロスポリン タクロリムス水和物 エベロリムス [16.7.1、16.7.2参照] | 左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、左記薬剤の血中濃度の推移等に注意し、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
アトルバスタチンカルシウム水和物 シンバスタチン ロバスタチン(国内未承認) [16.7.1参照] | 左記薬剤の血中濃度上昇に伴う横紋筋融解症が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 腎機能障害のある患者には特に注意すること。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
コルヒチン [2.3、9.2.1、9.3.1、16.7.1参照] | コルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状(汎血球減少、肝機能障害、筋肉痛、腹痛、嘔吐、下痢、発熱等)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
ベンゾジアゼピン系薬剤 (CYP3Aで代謝される薬剤) 〔トリアゾラム ミダゾラム等〕 非定型抗精神病薬 (CYP3Aで代謝される薬剤) 〔クエチアピンフマル酸塩 アリピプラゾール ブロナンセリン等〕 ジソピラミド トルバプタン エプレレノン エレトリプタン臭化水素酸塩 カルシウム拮抗剤 (CYP3Aで代謝される薬剤) 〔ニフェジピン ベラパミル塩酸塩等〕 リオシグアト ジエノゲスト ホスホジエステラーゼ5阻害剤 〔シルデナフィルクエン酸塩 タダラフィル 〔シアリス、ザルティア〕等〕 クマリン系抗凝血剤 ワルファリンカリウム ドセタキセル水和物 アベマシクリブ オキシコドン塩酸塩水和物 フェンタニル/フェンタニルクエン酸塩[16.7.1参照] | 左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 なお、トルバプタンにおいては、本剤との併用は避けることが望ましいとされており、やむを得ず併用する場合においては、トルバプタンの用量調節を特に考慮すること。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病) [16.7.1参照] | ベネトクラクスの副作用が増強するおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
抗凝固剤 (CYP3Aで代謝され、P-gpで排出される薬剤) 〔アピキサバン リバーロキサバン〕 [16.7.1参照] | 左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 本剤のCYP3A及びP-gpに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝及び排出が阻害される。 |
抗凝固剤 (P-gpで排出される薬剤) 〔ダビガトランエテキシラート エドキサバントシル酸塩水和物〕 [16.7.1参照] | 左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 本剤のP-gpに対する阻害作用により、左記薬剤の排出が阻害される。 |
イトラコナゾール HIVプロテアーゼ阻害剤 〔リトナビル ロピナビル・リトナビル ダルナビルエタノール付加物等〕 [16.4、16.7.1参照] | 本剤の未変化体の血中濃度上昇による作用の増強等の可能性がある。 また、イトラコナゾールの併用においては、イトラコナゾールの血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。 異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 本剤と左記薬剤のCYP3Aに対する阻害作用により、相互に代謝が阻害される。 |
リファブチン エトラビリン [16.4、16.7.1参照] | 左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。 また、本剤の未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇し、本剤の作用が減弱する可能性がある。 異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 また、左記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
リファンピシン エファビレンツ ネビラピン [16.4、16.7.1参照] | 本剤の未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤の作用が減弱する可能性があるので、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 左記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
天然ケイ酸アルミニウム | 本剤の吸収が低下するとの報告がある。 | 左記薬剤の吸着作用によるものと考えられる。 |