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ラステット注100mg/5mL

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○肺小細胞癌、悪性リンパ腫、急性白血病、睾丸腫瘍、膀胱癌、絨毛性疾患、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)
  • ○以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法

    • 小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍等)
  • ○腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置

用法・用量

  • <肺小細胞癌、悪性リンパ腫、急性白血病、睾丸腫瘍、膀胱癌、絨毛性疾患、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)>

    • (1)エトポシドとして、1日量60~100mg/m2(体表面積)を5日間連続点滴静注し、3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
      なお、投与量は疾患、症状により適宜増減する。
    • (2)胚細胞腫瘍に対しては、確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を行い、エトポシドとして、1日量100mg/m2(体表面積)を5日間連続点滴静注し、16日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
  • <小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍等)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法>

    • 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、エトポシドの投与量及び投与方法は、1日量100~150mg/m2(体表面積)を3~5日間連続点滴静注し、3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
      なお、投与量及び投与日数は疾患、症状、併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。
  • <腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置>

    • 再生医療等製品の用法及び用量又は使用方法に基づき使用する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の電子添文を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
  • 1.2 本剤を含む小児悪性固形腫瘍に対するがん化学療法は、小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症又は出血を伴い、重篤化する可能性がある。][9.1.1参照]
  • 2.2 本剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者
  • 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性 [9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 骨髄抑制のある患者(重篤な骨髄抑制のある患者は除く)
骨髄抑制を増悪させることがある。[2.1、11.1.1参照]
9.1.2 感染症を合併している患者
骨髄抑制により、感染症を増悪させることがある。[11.1.1参照]
9.1.3 水痘患者
致命的全身症状があらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。
9.3 肝機能障害患者
代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。[15.2.1参照]
9.4.2 妊娠する可能性のある女性には、適切な避妊をするよう指導すること。[9.5参照]
9.4.3 パートナーが妊娠する可能性のある男性には、適切な避妊をするよう指導すること。[15.2.2、15.2.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠中に本剤を投与された患者で児の奇形が報告されており、動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性、胎児毒性が認められている。[2.3、9.4.2参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
<効能共通>
9.7.1 副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。なお、小児の胚細胞腫瘍に対する確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、併用療法に付随する副作用(消化器障害、骨髄抑制、肺障害等)の発現に十分注意すること。[11.1.1、11.1.3参照]
<小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍等)>
9.7.2 他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、骨髄抑制の発現に十分注意し、慎重に投与すること。[11.1.1参照]
9.8 高齢者
用量並びに投与間隔に留意し、頻回に臨床検査を行うなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(骨髄機能、肝機能、腎機能等)が低下しており、本剤の投与で骨髄抑制等の副作用が高頻度に発現している。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤の投与により骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、以下の点に注意すること。[11.1.1参照]
8.1.1 緊急時に十分処置できる医療施設及びがん化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。
8.1.2 頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。骨髄抑制は用量依存的に発現する副作用であり、用量規制因子である。白血球減少の最低値は一般に、投与開始日より約2週間後にあらわれる。
8.1.3 化学療法を繰り返す場合には、副作用からの十分な回復を考慮し、少なくとも3週間の休薬を行うこと。ただし、胚細胞腫瘍に対する標準的な確立された他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、16日間の休薬を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。
8.1.4 本剤の投与にあたってはG-CSF製剤等の適切な使用に関しても考慮すること。
8.2 感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
8.3 本剤と他の抗悪性腫瘍剤の併用により、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告があるので、十分に注意すること。
8.4 本剤と他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射の併用により、肝中心静脈閉塞症(VOD)が発症したとの報告があるので、十分に注意すること。
<急性白血病>
8.5 末梢血液及び骨髄所見を随時検査し、投与期間を短縮又は延長すること。
<悪性リンパ腫>
8.6 再発・難治性悪性リンパ腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、関連文献(「抗がん剤報告書:シスプラチン(悪性リンパ腫)」等)を熟読すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤は溶解時の濃度により、結晶が析出することがあるので予め100mgあたり250mL以上の生理食塩液等の輸液に溶解して投与すること。溶解後はできるだけ速やかに使用すること。
14.1.2 本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に薬液が付着した場合には、直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 投与経路
皮下、筋肉内には投与しないこと。
14.2.2 投与時
(1)静脈内投与により血管痛、静脈炎を起こすおそれがあるので、注射部位、注射法に十分注意すること。
(2)静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死等を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。
14.2.3 投与速度
急速静脈内投与により一過性血圧低下、不整脈等が報告されている。これを防ぐため30~60分かけてゆっくり点滴静注すること。血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、輸液の投与又は他の支持療法等の適切な治療を行うこと。
14.3 その他
14.3.1 本剤を希釈せずに用いると、ポリウレタン製のカテーテルでは、亀裂を生じ漏出するとの報告があるので、1.0mg/mL以上の高濃度でのポリウレタン製のカテーテルの使用を避けること。
14.3.2 可塑剤としてDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate:フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の点滴セット、カテーテル等を使用した場合、DEHPが溶出するので、DEHPを含むポリ塩化ビニル製の点滴セット、カテーテル等の使用を避けること。
14.3.3 本剤を希釈せずに用いると、セルロース系のフィルターを溶解するとの報告があるので、1.0mg/mL以上の高濃度でのセルロース系のフィルターの使用を避けること。
14.3.4 本剤を希釈せずに用いると、アクリル又はABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの重合体)製のプラスチック器具に、ひび割れが発生し漏出するので、アクリル又はABS樹脂製のプラスチック器具の使用を避けること。
14.3.5 ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、そのコネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性があるので注意すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
癌患者に本剤を5日間連続点滴静脈内投与して得られた血中濃度曲線は二相性を示した。初回投与後の半減期(t1/2)はα相で0.13~0.39時間、β相で3.33~4.85時間であった。更に、5日目投与後の血中濃度の推移と比較した結果、蓄積傾向は認められなかった。
5日間連続点滴静脈内投与における血清中濃度の推移
16.5 排泄
癌患者への5日間連続点滴静脈内投与において、5日間の尿中未変化体排泄率は32~61%であった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗悪性腫瘍剤、放射線照射骨髄抑制等を増強することがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。ともに骨髄抑制作用を有する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
汎血球減少(頻度不明)、白血球減少(70.9%)、好中球減少(頻度不明)、血小板減少(33.7%)、出血(頻度不明)、貧血(46.7%)等があらわれることがある。[8.1、9.1.1、9.1.2、9.7.1、9.7.2参照]
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.3 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[9.7.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上1~10%未満1%未満頻度不明
肝臓AST上昇、ALT上昇ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇γ-GTP上昇
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇、尿蛋白
消化器悪心・嘔吐(54.7%)、食欲不振(48.5%)、口内炎下痢、腹痛、便秘
過敏症発疹
皮膚脱毛(74.3%)そう痒紅斑、色素沈着
精神神経系頭痛しびれ、一過性皮質盲
循環器頻脈心電図異常、血圧低下不整脈
電解質ナトリウム異常、クロール異常、カリウム異常、カルシウム異常
その他倦怠感(27.8%)、発熱血清総蛋白減少浮腫注射部位反応(発赤、腫脹、疼痛、壊死、硬結等)、顔面潮紅、味覚異常
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