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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 下記疾患におけるIGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態および諸症状の改善

    • 先端巨大症(外科的処置、他剤による治療で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合)

用法・用量

  • 通常、成人にはペグビソマント(遺伝子組換え)として初日に40mg(タンパク質部分)を1日1回皮下投与する。2日目以降は1日1回10mg(タンパク質部分)を投与する。なお、血清中IGF-I値及び症状に応じて、1日量30mg(タンパク質部分)を上限として、5mg(タンパク質部分)ずつ適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ウサギを用いた初期胚発生に関する試験では、ペグビソマント10mg(タンパク質部分)/kg/日投与群で着床後の吸収胚数の増加が認められたが、ウサギにおける胚・胎児発生に関する試験においては10mg(タンパク質部分)/kg/日までの投与量で催奇形性を示唆する所見は認められなかった。
9.6 授乳婦
本剤投与中は治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の乳汁中への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に高齢者では生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 成長ホルモン産生下垂体腫瘍は進展することがあり、これに伴い視野狭窄などの重篤な症状を生じることがあるので、定期的にMRI検査等を行い患者の状態を十分観察すること。腫瘍の進展が認められた場合は、他の治療法への切り替え等適切な処置を行うこと。
8.2 ALT、ASTが上昇することがあるので、以下の点に注意すること。
・本剤投与開始時
本剤投与開始前には必ず肝機能検査(ALT、AST等)を行うなど臨床検査値及び臨床症状を十分に観察し、投与の開始を検討すること。
・本剤投与中
本剤投与開始後1年間は1ヵ月に1回、以後は定期的に肝機能検査を行うこと。また、本剤投与中に、肝障害を示唆する症状(疲労、悪心、嘔吐、腹痛、黄疸)が発現した場合には、適宜肝機能検査を行い、肝障害が確認された場合には本剤の投与を中止すること。
患者に対し、本剤使用中に肝障害を示唆する症状があらわれた場合には、本剤の使用を中止し、直ちに連絡するよう指導すること。
8.3 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の指導、監督のもとで投与を行い、患者自らが確実に投与できることを確認した上で、自己投与を行うようにすること。
8.4 本剤は成長ホルモン受容体拮抗剤であるため、血清中成長ホルモンが高値を示していても、成長ホルモン分泌不全状態を生じる可能性がある。したがって、血清中IGF-I値をもとに本剤の用量調整を行うとともに、成長ホルモン分泌不全状態の臨床徴候及び症状に注意すること。[7.1、12.参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製時
用時、本剤のバイアルに添付の注射用水を1mL加える。バイアルを両手に挟み、薬剤の粉末が溶けるように両手の中でゆっくりと転がして溶解すること(激しく振とうしないこと)。バイアルのキャップのゴムの部分をアルコール綿で清拭し、バイアル内の薬液(1mL)を全てシリンジに吸い上げること。
14.1.2 調製後
溶解後はできるだけ速やかに使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
注射部位の有害事象(出血、紅斑、疼痛、腫脹等)が報告されているので、注射部位を上腕、太腿、腹部、臀部等広範囲に求め、順序よく移動し、同一部位に短期間内に繰返し注射しないこと。発赤、湿疹、損傷のある部位は避けること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の投与にあたっては、4~8週間隔で血清中IGF-I値を測定し、その値が性別・年齢別正常値内に収まる範囲で投与量の調整を行うこと。[8.4、12.参照]
7.2 初期維持用量での投与時、あるいは継続治療中に最低用量まで減量しても、血清中IGF-I値が正常範囲の下限を下回った場合には、本剤の休薬あるいは投与中止を考慮すること。
7.3 本剤を3ヵ月以上投与しても、血清中IGF-I値の正常化が認められずかつ血清中IGF-I値の低下傾向も認められない場合には、本剤の投与中止を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与(健康成人)
日本人及び外国人の健康成人にペグビソマント1mg(タンパク質部分)/kgを単回皮下投与した場合、血清中薬物動態パラメータ(平均±標準偏差)はそれぞれ、Cmaxが9.01±1.43及び8.98±2.19μg/mL、Tmaxが76及び60時間、AUCが1,910±410及び1,510±550μg・h/mLであり、日本人と外国人で同様の値を示した(外国人及び日本人データ)。
図 健康成人(日本人及び外国人)にペグビソマント1mg(タンパク質部分)/kgを単回皮下投与後の血清中ペグビソマント(タンパク質部分)濃度推移
16.1.2 反復投与(先端巨大症患者)
先端巨大症患者にペグビソマント10、15又は20mg(タンパク質部分)を1日1回長期投与した後の定常状態における血清中濃度(平均±標準偏差)はそれぞれ9.3±6.3、14.3±7.5及び18.1±10.1μg/mLであり、ほぼ投与量に比例して増加した(外国人データ)。また、先端巨大症患者にペグビソマントを長期投与した後の血清中ペグビソマント濃度とIGF-I濃度の関係は、ペグビソマント濃度の上昇に伴い、ペグビソマント濃度10μg/mL付近まではIGF-I濃度は大きく減少し、この付近を越えると、緩やかに減少した(外国人及び日本人データ)。
16.2 吸収
健康成人にペグビソマント20mg(タンパク質部分)を単回皮下投与後49時間にCmax(1.39μg/mL)を示し、半減期は約6日(138時間)であった。バイオアベイラビリティは57%であった(外国人データ)。
16.3 分布
雌雄ラットに[125I]ペグビソマント3mg(タンパク質部分)/kgを単回皮下投与した後の全身オートラジオグラフィーの結果より、ラットでは[125I]ペグビソマントは血液脳関門を通過しにくいと考えられる。
16.4 代謝
ペグビソマントの代謝経路は、そのタンパク質部分及びPEG5000(分子量5000のポリエチレングリコール)の代謝、並びに両分子間のアミド結合の安定性の各観点から推定可能であり、それぞれの代謝について考察した。その結果、PEG5000は代謝を受け難く、またタンパク質部分とポリエチレングリコールの間のアミド結合は安定と考えられることから、ペグビソマントの代謝はそのタンパク質部分の代謝に依存するものと考えられた。ペグビソマントのタンパク質部分の代謝は小さなペプチド及び各アミノ酸への分解であることが予期され、その代謝経路は一般に知られていることから代謝試験は実施しなかった。
16.5 排泄
健康成人にペグビソマント20mg(タンパク質部分)を単回皮下投与後の未変化体(タンパク質部分)の尿中排泄率は投与量の1%未満であった(外国人データ)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
インスリン製剤
経口血糖降下剤
低血糖症状があらわれることがあるので、これらの薬剤の用量を減量するなど注意すること。本剤投与により成長ホルモンの作用が抑制されることに伴い、インスリン感受性が高くなるため。
麻薬本剤の血清中IGF-I低下作用を減弱させる可能性がある。麻薬の血清中成長ホルモン濃度上昇作用による影響の可能性が考えられる。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3%以上1~3%未満1%未満頻度不明
過敏症アナフィラキシー様反応
血液出血傾向白血球増加症、血小板数減少、白血球数減少
代謝異常糖尿病、低血糖症、限局性皮下脂肪貯留、グリコヘモグロビン増加、血中コレステロール増加、血中トリグリセリド増加高脂血症、血中ブドウ糖増加、肥満
精神・神経系頭痛振戦、浮動性めまい、傾眠、異常な夢、浅眠感覚減退、健忘、突発的睡眠、ナルコレプシー、過眠症、リビドー亢進、錯乱状態、怒り、不眠症、無感情、末梢ピリピリ感
感覚器眼痛眼精疲労、眼圧迫感、視力低下、眼球運動異常、メニエール病、耳鳴
循環器血圧上昇、高血圧ほてり、不整脈
呼吸器低換気
消化器下痢悪心、嘔吐、胃不快感、鼓腸、腹部膨満、腹痛、軟便、便秘口内乾燥、歯間の増大、歯肉腫脹、流涎過多、消化不良、痔核
肝臓AST増加、ALT増加、トランスアミナーゼ上昇、肝機能検査値異常肝酵素上昇、血中アルカリホスファターゼ増加
皮膚そう痒症、多汗症顔面腫脹、丘疹、紅斑、紅斑性皮疹、挫傷発生の増加傾向、寝汗、皮膚乾燥、皮膚乾燥・皮膚過敏、皮膚疼痛
筋・骨格系関節痛関節炎、筋痛、頚部痛
腎臓血尿、尿潜血陽性、多尿、蛋白尿、腎機能障害
全身症状疲労インフルエンザ様疾患、空腹感、末梢性浮腫、無力症、倦怠感異常感、創傷治癒不良、発熱、胸部不快感
注射部位注射部位出血、注射部位反応注射部位紅斑、注射部位疼痛注射部位腫脹
その他体重増加鼻咽頭炎挫傷、乳房腫瘤、総蛋白減少
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