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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • HIV感染症

用法・用量

  • 通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、アバカビルとして1日量600mgを1日1回又は2回に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 過敏症

    • 1.1.1 海外の臨床試験において、本剤投与患者の約5%に過敏症の発現を認めており、まれに致死的となることが示されている。本剤による過敏症は、通常、本剤による治療開始6週以内(中央値11日)に発現するが、その後も継続して観察を十分に行うこと。[1.1.2-1.1.5、2.1、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照]
    • 1.1.2 本剤による過敏症では以下の症状が多臓器及び全身に発現する。
      • ・皮疹
      • ・発熱
      • ・胃腸症状(嘔気、嘔吐、下痢、腹痛等)
      • ・疲労感、倦怠感
      • ・呼吸器症状(呼吸困難、咽頭痛、咳等)等
      • このような症状が発現した場合は、直ちに担当医に報告させ、本剤による過敏症が疑われたときは本剤の投与を直ちに中止すること。[1.1.1、1.1.3-1.1.5、2.1、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照]
    • 1.1.3 過敏症が発現した場合には、決してアバカビル含有製剤を再投与しないこと。本製剤の再投与により数時間以内にさらに重篤な症状が発現し、重篤な血圧低下が発現する可能性及び死に至る可能性がある。[1.1.1、1.1.2、1.1.4、1.1.5、2.1、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照]
    • 1.1.4 呼吸器疾患(肺炎、気管支炎、咽頭炎)、インフルエンザ様症候群、胃腸炎、又は併用薬による副作用と考えられる症状が発現した場合あるいは胸部X線像異常(主に浸潤影を呈し、限局する場合もある)が認められた場合でも、本剤による過敏症の可能性を考慮し、過敏症が否定できない場合は本剤の投与を直ちに中止し、決して再投与しないこと。[1.1.1-1.1.3、1.1.5、2.1、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照]
    • 1.1.5 患者に過敏症について必ず説明し、過敏症を注意するカードを常に携帯するよう指示すること。また、過敏症を発現した患者には、アバカビル含有製剤を二度と服用しないよう十分指導すること。[1.1.1-1.1.4、2.1、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[1.1.1-1.1.5、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照]
  • 2.2 重度の肝障害患者[9.3.1、16.6.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝障害患者
投与しないこと。血中濃度が上昇することにより、副作用が発現するおそれがある。[2.2、16.6.2参照]
9.3.2 中等度の肝障害患者
投与しないことが望ましいが、特に必要とする場合には慎重に投与すること。薬物動態は検討されていない。[16.6.2参照]
9.3.3 軽度の肝障害患者
薬物動態試験の結果、薬物動態に影響がみられたが、これら患者における推奨投与量は明らかとなっていない。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
動物において、本剤又はその代謝物は胎盤を通過することが示されている。動物(ラットのみ)において、本剤の500mg/kg/日又はそれ以上の投与量(ヒト全身曝露量(AUC)の32~35倍)で、胚又は胎児に対する毒性(胎児の浮腫、変異及び奇形、吸収胚、体重減少、死産の増加)が認められたとの報告がある。
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)を子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性の血清乳酸値の上昇が報告されている。また、非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。一般に、HIVの乳児への移行を避けるため、あらゆる状況下においてHIVに感染した女性は授乳すべきでない。アバカビルの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比は0.9であることが報告されている(外国人データ)。
9.7 小児等
生後3ヵ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。なお、小児等に対し本剤を投与した場合、本剤1日1回投与では、1日2回投与と比較して、曝露量が大きくなる可能性がある。[16.6.3参照]
9.8 高齢者
患者の肝、腎、及び心機能の低下、合併症、併用薬等を十分考慮し慎重に投与すること。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤はHIV感染症治療の経験を有する医師が投与を行うこと。
8.2 本剤の再投与を考慮する際は、次のことに注意すること。[1.1.1-1.1.5、2.1、8.5、11.1.1、15.1.1参照]
・アバカビルによる過敏症に関連する症状は、再投与により初回より重篤な再発が認められる。重篤な血圧低下をきたし死に至る可能性があるので、本剤による過敏症が疑われた患者には、決して再投与しないこと。
・アバカビル含有製剤を中止した理由を再度検討し、アバカビルと過敏症との関連性が否定できない場合は再投与しないこと。
・投与中止前に過敏症の主な症状(皮疹、発熱、胃腸症状等)の1つのみが発現していた患者には、本剤の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、必要に応じて入院のもとで投与を行うこと。
・過敏症の症状又は徴候が認められていなかった患者に対しても、直ちに医療施設に連絡できることを確認した上で投与を行うこと。
8.3 膵炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
8.4 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
8.5 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
・本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
・本剤の投与後過敏症が発現し、まれに致死的となることが報告されている。過敏症を注意するカードに記載されている徴候又は症状である発熱、皮疹、疲労感、倦怠感、胃腸症状(嘔気、嘔吐、下痢、腹痛等)及び呼吸器症状(呼吸困難、咽頭痛、咳等)等が発現した場合は、直ちに担当医に報告し、本剤の服用を中止すべきか否か指示を受けること。また、過敏症を注意するカードは常に携帯すること。[1.1.1-1.1.5、2.1、8.2、11.1.1、15.1.1参照]
・アバカビルの再投与により重症又は致死的な過敏症が数時間以内に発現する可能性がある。したがって、本剤の服用を中断した後に再びアバカビル含有製剤を服用する際には、必ず担当医に相談すること。担当医又は医療施設を変わる場合には本剤の服用歴がある旨を新しい担当医に伝えること。[1.1.1-1.1.5、2.1、8.2、11.1.1、15.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 HIVは感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、本剤は他の抗HIV薬と併用すること。[18.3参照]
7.2 本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 無症候性ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量が指標とされている。よって、本剤の使用にあたっては、患者のCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を確認するとともに、最新のガイドラインを確認すること。
5.2 本剤のHIV-2感染症患者に対する有効性・安全性は確認されていない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回経口投与
HIV感染症患者6例に本剤300mgを単回経口投与した場合の血清中濃度推移を図-1に、薬物動態パラメータを表-1に示した。未変化体の血清中濃度は、本剤投与後約1時間で最高濃度に達し、消失半減期は約1.4時間であった。また、アバカビルの投与後8時間までの投与量に対する尿中排泄率は、1.5~4.2%であった。
図-1 血清中濃度の推移(平均値及び標準偏差、6例)
表-1 薬物動態パラメータ
tmax(h)Cmax(μg/mL)AUC(μg・h/mL)t1/2(h)
アバカビル1.0±0.63.9±1.68.3±3.51.4±0.3
5'-カルボン酸体1.2±0.72.5±1.26.3±2.41.6±0.2
5'-グルクロン酸抱合体1.2±0.73.7±1.412.2±4.31.9±0.4
平均値±標準偏差、6例
HIV感染症患者9例にラミブジン300mg及びアバカビル600mgを含有する配合剤(エプジコム配合錠)を空腹時単回投与した場合のラミブジン、アバカビルの血漿中濃度の推移を図-2及び図-3に、薬物動態パラメータを表-2に示した。
図-2 ラミブジンの血漿中濃度の推移(平均値±標準偏差、9例)
図-3 アバカビルの血漿中濃度の推移(平均値±標準偏差、9例)
表-2 エプジコム配合錠単回投与後の薬物動態パラメータ
Cmax(μg/mL)AUClast(h・μg/mL)AUC0-τ(h・μg/mL)tmax注1)(h)t1/2(h)
ラミブジン3.58±0.6113.81±3.5616.30±5.0582.00(1.00-3.00)2.49±0.55
アバカビル5.68±2.0412.56±4.0112.89±4.221.00(0.50-1.03)1.50±0.16
平均値±標準偏差、9例注1)中央値(範囲)
HIV感染症患者12例を対象に本剤100、300、600、900、1200mg注)を単回経口投与した場合、Cmax及びAUCは投与量に依存して上昇した。未変化体の血漿中濃度は投与約1.5時間後に最高濃度に達し、消失半減期は約1.5時間であった(外国人データ)。
図-4 HIV感染症患者における単回経口投与後の血漿中アバカビル濃度
16.1.2 反復経口投与
HIV感染症患者20例を対象に本剤300mgを1日2回投与した場合の定常状態におけるCmaxは約3μg/mL、12時間までのAUCは約6μg・h/mLであった(外国人データ)。
HIV感染症患者27例を対象に本剤600mg1日1回投与時と本剤300mg1日2回投与時の定常状態における薬物動態パラメータを比較した結果、細胞内カルボビル三リン酸の曝露は、本剤600mg1日1回投与時の方が大きく、AUC0-24、Cmax及びCτがそれぞれ32%、99%及び18%増加した(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
HIV感染症患者18例を対象に本剤300mgを食後単回投与した場合、Cmaxは空腹時単回投与と比べ低下したが、AUCに変化はみられなかった(外国人データ)。
16.2.2 バイオアベイラビリティ
HIV感染症患者に本剤300mgを単回経口投与した時の生物学的利用率は約83%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
HIV感染症患者6例を対象にアバカビル150mgを静脈内投与注)した場合の見かけの分布容積は約0.86L/kgであり、広く組織に分布することが示唆された(外国人データ)。
16.3.2 脳脊髄液への移行
HIV感染症患者におけるアバカビルの脳脊髄液(CSF)への移行は良好で、血漿中AUCに対するCSF中AUCの比は31~44%であった(外国人データ)。本剤600mg1日2回注)投与時の最高濃度の実測値はIC50(0.08μg/mLあるいは0.26μM)の9倍超であった(外国人データ)。
16.3.3 血漿蛋白結合率
In vitroにおいて、本剤は10μg/mLまでの添加濃度範囲で、ヒト血漿蛋白結合率は49%と一定であった。
16.3.4 血球移行性
血液及び血漿中放射能濃度が同じであったことから、本剤は血球に直ちに分布することが示された。
16.4 代謝
ヒトでの主代謝物は、5'-カルボン酸体及び5'-グルクロン酸抱合体であった(外国人データ)。ヒト肝由来試料を用いたin vitro試験から、本剤は肝可溶性画分により酸化的代謝を受け5'-カルボン酸体を生成したが、肝ミクロソーム画分では本剤の酸化的代謝は起こらなかった。
本剤の酸化的代謝にはCYPではなく、アルコールデヒドロゲナーゼ/アルデヒドデヒドロゲナーゼが関与していた。なお、これらの代謝物には抗ウイルス活性はなかった。[10.2、16.7.1、16.7.2参照]
アバカビルは細胞内で活性代謝物であるカルボビル三リン酸に代謝される。HIV感染症患者20例にアバカビル300mg1日2回投与した時の定常状態における細胞内カルボビル三リン酸の半減期は20.6時間であった(外国人データ)。
16.5 排泄
HIV感染症患者6例を対象に14C標識アバカビル600mgを単回経口投与後、薬物体内動態を検討した。総放射能の約99%が排泄され、主な排泄経路は尿(約83%)であり、糞中には約16%排泄された。尿中に排泄された放射能の約1%は未変化体であり、約30%が5'-カルボン酸体、約36%が5'-グルクロン酸抱合体であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害患者(GFR:<10mL/min)におけるアバカビルの薬物動態は、腎機能が正常な患者の薬物動態と同様であった(外国人データ)。
16.6.2 肝障害患者
軽度の肝障害(Child-Pugh分類の合計点数:5)を有するHIV感染症患者におけるアバカビルの薬物動態を検討した結果、AUC及び消失半減期は肝障害を有さないHIV感染症患者のそれぞれ1.89倍及び1.58倍であった。代謝物の体内消失速度にも変化が認められたが、AUCは肝障害による影響を受けなかった(外国人データ)。なお、これら患者に対する推奨投与量は明らかでない。[2.2、9.3.1-9.3.3参照]
16.6.3 小児
アバカビルは経口投与後速やかにかつ良好に吸収され、成人と類似した薬物動態が認められる。生後3ヵ月以上で体重30kg未満の小児における推奨用量は8mg/kg1日2回であり、やや高い血漿中濃度が認められるが、成人に300mg1日2回投与した時に得られる血漿中濃度に相当する(外国人データ)。
なお、2歳から13歳未満の小児HIV感染症患者を対象とした薬物動態試験において、アバカビル8mg/kg1日2回投与した場合のAUC0-24及びCmaxはそれぞれ9.91μg・h/mL及び2.14mg/Lであり、アバカビル16mg/kg1日1回投与した場合のAUC0-24及びCmaxはそれぞれ13.37μg・h/mL及び4.80mg/Lであった(外国人データ)。[9.7参照]
16.6.4 新生児
生後3ヵ月未満の乳児におけるアバカビルの推奨用量及び用法は、安全性情報が十分に得られていないため明らかにされていない。現在までに得られている成績から、生後30日未満の新生児にアバカビル2mg/kg投与した時には、小児に8mg/kg投与した時と類似あるいは高値のAUCがみられることが示されている(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
本剤は主代謝酵素であるアルコールデヒドロゲナーゼ/アルデヒドデヒドロゲナーゼを阻害しなかった。[10.2、16.4、16.7.2参照]
また、in vitro試験において、本剤はCYP1A1を阻害し、CYP3A4もわずかに阻害したが、CYP2D6及び2C9を阻害しなかった。
ヒト肝スライスを用いたin vitro試験において、HIVプロテアーゼ阻害剤であるアンプレナビルは本剤の代謝を阻害しなかった。
16.7.2 臨床薬物相互作用試験
(1)エタノール
HIV感染症患者25例を対象に本剤600mgをエタノール0.7g/kgと併用して単回投与した場合、本剤のAUCの上昇及びt1/2の延長がみられたが臨床上重要なものではなかった。また、本剤はエタノールの薬物動態に影響を示さなかった(外国人データ)。[10.2、16.4、16.7.1参照]
(2)ジドブジン及びラミブジン
HIV感染症患者15例を対象に本剤600mgとジドブジン(300mg)及びラミブジン(150mg)のどちらか1剤あるいは両剤を併用した場合、いずれの併用においても併用薬による本剤血中濃度への影響はみられなかった。一方、本剤と併用したラミブジンのAUC及びCmaxは、ジドブジン併用、非併用に関わらずいずれも低下した。また、本剤と併用したジドブジンは、ラミブジン併用時及び非併用時においてAUCの上昇がみられたが、Cmaxは低下した。これらの変化は臨床上重要なものではなかった(外国人データ)。
(3)リオシグアト
アバカビル・ドルテグラビル・ラミブジン600mg・50mg・300mg注)を投与中の成人HIV感染症患者にリオシグアト0.5mgを単回経口投与した時、リオシグアトのAUCが健康成人に単独投与したヒストリカルコントロールと比べて約2.6倍に増加した(外国人データ)。[10.2参照]
注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、アバカビルとして1日量600mgを1日1回又は2回に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜減量する。」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アルコール(飲酒)
[16.4、16.7.1、16.7.2参照]
本剤の代謝はエタノールによる影響を受ける。本剤のAUCが約41%増加したが、エタノールの代謝は影響を受けなかったとの報告がある。アルコールデヒドロゲナーゼの代謝基質として競合すると考えられている。
メサドン塩酸塩メサドンのクリアランスが22%増加したことから、併用する際にはメサドン塩酸塩の増量が必要となる場合があると考えられる。なお、アバカビルの血中動態は臨床的意義のある影響を受けなかった(Cmaxが35%減少し、tmaxが1時間延長したが、AUCは変化しなかった)。機序不明
リオシグアト
[16.7.2参照]
本剤とリオシグアトの併用により、リオシグアトのAUCが増加するおそれがある。本剤との併用が必要な場合は、患者の状態に注意し、必要に応じてリオシグアトの減量を考慮すること。本剤のCYP1A1阻害作用によりリオシグアトの代謝が阻害される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 過敏症(頻度不明)
アバカビルの投与により発熱又は皮疹を伴う多臓器及び全身性の過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、以下に示すような徴候又は症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[1.1.1-1.1.5、2.1、8.2、8.5、15.1.1参照]
・皮膚
皮疹注1)(通常、斑状丘疹性皮疹又はじん麻疹)、多形紅斑
・消化器
嘔気注1)、嘔吐注1)、下痢注1)、腹痛注1)、口腔潰瘍
・呼吸器
呼吸困難注1)、咳注1)、咽頭痛、急性呼吸促迫症候群、呼吸不全
・精神神経系
頭痛注1)、感覚異常
・血液
リンパ球減少
・肝臓
肝機能検査値異常注1)(AST、ALT等の上昇)、肝不全
・筋骨格
筋痛注1)、筋変性(横紋筋融解、筋萎縮等)、関節痛、CK上昇
・泌尿器
クレアチニン上昇、腎不全
・眼
結膜炎
・その他
発熱注1)、嗜眠注1)、倦怠感注1)、疲労感注1)、浮腫、リンパ節腫脹、血圧低下、粘膜障害、アナフィラキシー
注1)過敏症発現患者のうち10%以上にみられた症状
11.1.2 膵炎(1.09%)
11.1.3 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(いずれも頻度不明)
11.1.4 乳酸アシドーシス(0.16%)、脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(0.16%)
乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。本剤を含むNRTIの単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)及び肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されている。
注)発現頻度には使用成績調査の結果を含む

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上5%~10%未満5%未満
皮膚発疹
消化器悪心嘔吐、下痢、食欲不振
精神神経系頭痛
その他体脂肪の再分布/蓄積(胸部、体幹部の脂肪増加、末梢部、顔面の脂肪減少、野牛肩、血清脂質増加、血糖増加)疲労感、嗜眠、発熱、高乳酸塩血症

注)発現頻度には使用成績調査の結果を含む

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