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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 皮膚癌、頭頸部悪性腫瘍(上顎癌、舌癌・その他の口腔癌、咽頭癌、喉頭癌)、肺癌(扁平上皮癌)、前立腺癌、悪性リンパ腫

用法・用量

  • (1)静脈内注射

    • ペプロマイシン硫酸塩として5~10mg(力価)を生理食塩液又はブドウ糖液等の適当な静脈用注射液約5~20mLに溶解し、緩徐に静注する。
  • (2)筋肉内注射

    • ペプロマイシン硫酸塩として5~10mg(力価)を生理食塩液等の適当な溶解液約5mLに溶解し筋注する。
  • (3)動脈内注射

    • ペプロマイシン硫酸塩として5~10mg(力価)をヘパリン等の血液凝固阻止剤を加えた生理食塩液等の適当な動脈用注射液3~25mLに溶解し、ワンショット動注、又は持続動注する。
  • (4)注射の頻度

    • 通常1週2~3回投与とし、症状に応じて1日1回連日投与から週1回投与まで適宜増減する。週間投与量20~30mg(力価)を標準とする。
  • (5)総投与量

    • 腫瘍の消失を目標とし、150mg(力価)以下とする。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の投与により間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状を呈することがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与し、投与中及び投与終了後の一定期間(およそ2ヵ月位)は患者を医師の監督下におくこと。
    特に60歳以上の高齢者及び肺に基礎疾患を有する患者への投与に際しては、使用上の注意に十分留意すること。
    労作性呼吸困難、発熱、咳、捻髪音(ラ音)、胸部レントゲン異常陰影、A-aDO2・PaO2・DLcoの異常などの初期症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.1-8.3、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 重篤な肺機能障害、胸部レントゲン写真上びまん性の線維化病変及び著明な病変を呈する患者[肺機能障害、線維化病変等が増悪することがある。][9.1.1参照]
  • 2.2 本剤の成分及び類似化合物(ブレオマイシン)に対する過敏症の既往歴のある患者
  • 2.3 重篤な腎機能障害のある患者[9.2.1参照]
  • 2.4 重篤な心疾患のある患者[循環機能が低下し、間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状を起こすことがある。][9.1.3参照]
  • 2.5 胸部及びその周辺部への放射線照射を受けている患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 肺障害の既往歴又は合併症がある患者(重篤な肺機能障害、胸部レントゲン写真上びまん性の線維化病変及び著明な病変を呈する患者を除く)
間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状を起こすことがある。[2.1、8.1参照]
9.1.2 胸部に放射線照射を受けた患者
間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状を起こすことがある。
9.1.3 心疾患のある患者(重篤な心疾患のある患者は除く)
副作用が強くあらわれるおそれがある。[2.4参照]
9.1.4 水痘患者
致命的な全身障害を起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害患者
投与しないこと。排泄機能が低下し、間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状を起こすことがある。[2.3参照]
9.2.2 腎機能障害患者(重篤な腎機能障害患者を除く)
副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒト乳汁中への移行は不明である。
9.7 小児等
9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 小児に投与する場合には、副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。
9.8 高齢者
60歳以上の高齢者では、間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状を起こすことがある。間質性肺炎又は肺線維症等の重篤な肺症状の発現率は、50歳未満4%、50歳代5%、60歳代6%、70歳以上11%と年齢が高くなるに従い高かった。[8.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 間質性肺炎又は肺線維症の発現は、肺に基礎疾患を有する患者や高齢者の場合には、総投与量100mg(力価)以下でも発現頻度が高いので十分な注意を要する。[1.、9.1.1、9.8、11.1.1参照]
8.2 本剤の投与にあたっては、発熱、咳、労作性呼吸困難等の臨床症状の観察を十分に行い、胸部レントゲン検査異常及び捻髪音(ラ音)の有無を検討し、可能な施設においては肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、動脈血酸素分圧(PaO2)、一酸化炭素拡散能(DLco)などの検査を行い、投与中及び投与後およそ2ヵ月位までについてもこれらの検査を定期的に行うこと。[1.、11.1.1参照]
8.3 A-aDO2、PaO2などの検査は可能な限り1週に1度測定し、A-aDO2、PaO2がそれぞれ2週連続して拡大又は低下したときには投与を中止する。具体的にはA-aDO2、PaO2が投与前値より10Torr以上悪化したときは、他の臨床症状とあわせて十分な観察を行い、副作用の疑いのある場合には、直ちに投与を中止し、ステロイド等の投与を開始すること。また、DLcoについては投与前値の15%以上の低下をみたときは同様の処置を行うこと。
なお、投与前に肺機能検査値に低下のみられる患者にやむを得ず投与を必要とする場合には、慎重に経過を観察するとともに、検査値の低下がみられたときは直ちに本剤の投与を中止すること。[1.、11.1.1参照]
8.4 感染症の発現又は増悪に十分注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
ブドウ糖液等に溶解後できるだけ速やかに使用すること。なお、やむをえず保存を必要とする場合でも室温保存(25℃)で8時間以内に使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 静脈内投与時
静脈内に投与する場合には、できるだけ緩徐に注射すること。
14.2.2 筋肉内投与時
筋肉内に投与する場合には、組織・神経などへの影響を避けるため下記の点に注意すること。
・同一部位への反復注射は行わないこと。また、新生児、低出生体重児、乳児、小児には特に注意すること。
・神経走行部位を避けるよう注意すること。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は副作用発現の個人差が著しく、比較的少量の投与でも副作用があらわれることがある。なお、投与にあたっては、患者の状態・症状に応じて低用量から開始することとし、週間投与量についても過量にならぬよう十分注意すること。
7.2 90mg(力価)までに明らかな制癌効果の認められない場合には、原則としてそれ以上の投与は行わないようにすること。
7.3 経路を重複して投与した場合、結果的に投与量が増加することに留意すること。
7.4 ブレオマイシンを投与された患者に対するペプロマイシンの投与量は、原則として投与されたブレオマイシン量とペプロマイシン量の和でもって総投与量とすること。ブレオマイシン製剤の投与を受けた患者に本剤を投与した場合、毒性が相加することが考えられる。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
癌患者各4例にクロスオーバーさせてペプロマイシン10mg及びブレオマイシン15mgを静注又は筋注して得られる血中濃度は下図のとおりで、ペプロマイシンがやや高い血中濃度が得られるが、消失傾向は全く同じである。
16.5 排泄
同じ癌患者の尿中回収率は下図のとおりで、両剤とも尿中排泄は速やかである。
人・静脈内及び筋肉内投与の吸収・排泄

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
胸部及びその周辺部への放射線照射
[2.5参照]
間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状を起こすことがある。ともに間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状を誘発する作用を有する。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗悪性腫瘍剤間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状、血小板減少等の骨髄抑制等を起こすことがある。ともに間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状及び血小板減少等の骨髄抑制を誘発する作用を有する。
放射線照射間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状等を起こすことがある。ともに間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状を誘発する作用を有する。
頭頸部放射線照射口内炎が増悪することがある。ともに粘膜の炎症を誘発する作用を有する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 間質性肺炎・肺線維症(7%)
肺機能検査で異常が認められた場合、あるいは咳嗽、労作性呼吸困難、捻髪音(ラ音)等の肺症状があらわれた場合は、直ちに投与を中止し、副腎皮質ホルモンの投与と適切な抗生物質等による治療を行うこと。[1.、8.1-8.3参照]
11.1.2 ショック(0.1%未満)
臨床上アナフィラキシーに類似する反応を起こすことがある。血圧低下、悪寒、発熱、意識混濁、喘鳴、嘔吐等があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上注1)1~10%未満注1)1%未満注1)
過敏症発疹、蕁麻疹、発熱を伴う紅皮症
皮膚脱毛皮膚硬化・肥厚、色素沈着、爪の変形・変色、scratch dermatitis
消化器口内炎、食欲不振嘔気、嘔吐下痢、口角炎
肝臓肝障害
血液白血球減少赤血球減少、貧血、血小板減少
泌尿器頻尿、膀胱炎
精神神経系頭痛・頭重感
投与部位
静注注2)
肥厚・硬結、疼痛
投与部位
筋注
局注
硬結
投与部位
動注
動脈炎
その他発熱注3)倦怠感

注1)発現頻度は市販後調査を含む。
注2)このような場合は投与部位を変更するか、筋肉内注射すること。
注3)発熱は投与後4~5時間あるいはさらに遅れて発現することがある。発熱と1回投与量との間には用量反応性があるので、発熱が強い場合には投与量を減量し、投与間隔を短縮するか、本剤投与前後に抗ヒスタミン剤、解熱剤を投与するなど適切な処置を行うこと。

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