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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • リンコマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属
  • <適応症>

    • 敗血症、感染性心内膜炎、表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、乳腺炎、骨髄炎、関節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱

用法・用量

  • <静脈内注射>

    • リンコマイシン塩酸塩水和物として、通常成人は、1回600mg(力価)を1日2~3回点滴静注する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • <筋肉内注射>

    • リンコマイシン塩酸塩水和物として、通常成人は、1回300mg(力価)を1日2~3回、又は1回600mg(力価)を1日2回筋肉内注射する。
      小児には、1回体重1kgあたり10~15mg(力価)を1日2~3回筋肉内注射する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分又はクリンダマイシンに対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 エリスロマイシンを投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 衰弱患者、大腸炎等の既往歴のある患者
偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれるおそれがある。[8.2、11.1.2参照]
9.1.2 気管支喘息、著明なアレルギーの既往歴のある患者
重症の即時型アレルギー反応があらわれるおそれがある。
9.1.3 重症筋無力症の患者
本剤は筋への直接作用により収縮を抑制するので、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
腎排泄は本剤の主排泄経路ではないが、消失半減期が延長するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝障害又は肝障害の既往歴のある患者
胆汁排泄のため、消失半減期が延長するおそれがある。また、肝障害があらわれるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行する。
9.7 小児等
<低出生体重児、新生児>
9.7.1 特に必要とする場合は慎重に投与すること。臨床試験は実施していない。
9.7.2 外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。
9.8 高齢者
9.8.1 一般に生理機能が低下している。
9.8.2 偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれるおそれがある。[8.2、11.1.2参照]

8.重要な基本的注意

<投与経路共通>
8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2 本剤の投与により、まれに発熱、腹痛、白血球増多、粘液・血液便を伴う激症下痢を主症状とする重篤な大腸炎で、内視鏡検査により偽膜斑等の形成をみる偽膜性大腸炎があらわれることがある。発症後直ちに投与を中止しなければ電解質失調、低蛋白血症等に陥り、特に高齢者及び衰弱患者では予後不良となることがある。
したがって、投与患者に対し、投与中又は投与後2~3週間までに腹痛、頻回な下痢があらわれた場合には、直ちに医師に通知するよう注意すること。[5.2、9.1.1、9.8.2、11.1.2参照]
8.3 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1参照]
・事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
・投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
・投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.4 無顆粒球症、再生不良性貧血、汎血球減少症、血小板減少性紫斑病、赤血球減少、白血球減少、顆粒球減少、好中球減少、血小板減少、好酸球増多があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行うこと。[11.1.5、11.2参照]
8.5 黄疸、AST、ALTの上昇があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.2参照]
8.6 窒素血症、乏尿、蛋白尿があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.2参照]
<静脈内投与>
8.7 急速な静注により、心停止を来すおそれがあるので、急速静注は行わないこと。[11.1.4、14.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
<静脈内投与>
14.1.1 本剤を100mL以上の補液に希釈し、600mgあたり1時間以上かけて点滴静注すること。なお、それ以上の高濃度ないしは速度で投与しないこと。[8.7、11.1.4参照]
<筋肉内投与>
14.1.2 やむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。同一部位への反復注射は行わないこと。特に低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には十分観察を行い慎重に投与すること。
14.1.3 神経走行部位を避けること。
14.1.4 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

5.効能又は効果に関連する注意

<咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎>
5.1 「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
<効能共通>
5.2 本剤の投与により偽膜性大腸炎があらわれることがあるため、次の場合には本剤を投与しないことが望ましい。[8.2、11.1.2参照]
・軽微な感染症
・他に有効な使用薬剤がある場合

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
<静脈内投与>
成人12名に本剤600mg(力価)を1時間点滴静注した後の血中濃度は、点滴終了直後に最高16.63μg/mLに達し、その後ゆるやかに減少した。AUCは38.64μg・h/mLであり、血中半減期(T1/2AUC)は3.11時間であった。
<筋肉内投与>
成人4名に本剤600mg(力価)を筋注した後の血中濃度は、投与後0.38時間に最高15.38μg/mLに達し、その後ゆるやかに減少した。AUCは45.95μg・h/mLと点滴静注時のAUCよりやや高値を示し、血中半減期(T1/2AUC)は2.42時間であった。
図1 点滴静注
図2 筋注
16.3 分布
喀痰、胸水、胆汁、上顎洞粘膜、子宮等各種の体液、組織に良好な移行が認められる。
16.5 排泄
健康成人に600mg(力価)を筋注した時の8時間までの尿中回収率は11.0~13.5%である。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
エリスロマイシン
(エリスロシン等)
[2.2参照]
併用しても本剤の効果があらわれないと考えられる。細菌のリボゾーム50S Subunitへの親和性が本剤より高い。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
末梢性筋弛緩剤
スキサメトニウム
ツボクラリン等
筋弛緩作用が増強される。本剤は神経筋遮断作用を有する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等のアナフィラキシーを伴うことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。[8.3参照]
11.1.2 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、輸液、バンコマイシンの経口投与等の適切な処置を行うこと。[5.2、8.2、9.1.1、9.8.2参照]
11.1.3 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、剥脱性皮膚炎(頻度不明)
11.1.4 心停止(頻度不明)
急速な静注により心停止があらわれたとの報告がある。[8.7、14.1.1参照]
11.1.5 無顆粒球症(頻度不明)、再生不良性貧血(頻度不明)、汎血球減少症(頻度不明)、血小板減少性紫斑病(頻度不明)[8.4参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
消化器下痢、軟便、食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、心窩部痛、口唇乾燥感、舌炎、肛門そう痒症
過敏症発疹、そう痒、浮腫、血管神経性浮腫、血清病
血液a)赤血球減少、白血球減少、顆粒球減少、好中球減少、血小板減少、好酸球増多
肝臓b)黄疸、AST、ALTの上昇
腎臓c)窒素血症、乏尿、蛋白尿
神経系耳鳴、めまい
菌交代症口内炎、カンジダ症
注射部位静脈内投与による血栓性静脈炎、筋肉内投与による疼痛・硬結・壊死・無菌膿瘍
その他腟炎、発熱、頭痛、倦怠感、小水疱性皮膚炎

a:[8.4参照]
b:[8.5参照]
c:[8.6参照]

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