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バイフィル透析剤

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 慢性腎不全における透析ろ過型人工腎臓の灌流液として用いる。(透析型人工腎臓では治療の持続又は管理困難な場合に用いる。)

用法・用量

  • 用時、本剤1容に対し、水34容を加えて希釈して用いる。用量は透析時間により異なるが、通常、灌流液として120~210Lを用いる。本剤はバイフィル専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%と同時に使用する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤はアルカリ化剤を含まない透析液であり、単独で用いた場合には、過度のアシドーシスが起こることがあるので必ず「バイフィル専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」と同時に使用し、単独では使用しないこと。また、他の透析ろ過型又はろ過型人工腎臓の補充液とは同時に使用しないこと。[11.1.2、14.2.2参照]
  • 1.2 投与中は十分な観察を行い、また、適宜、血液ガス分析装置により酸塩基平衡をモニターすること。アシドーシス又はアルカローシスが発現した場合には適切な処置を行うこと。[8.2、11.1.1、11.1.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心不全の患者
ろ過量と補充量のバランスに十分注意すること。水分及びナトリウムの負荷により症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 不整脈(心房細動等)のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
補充液「バイフィル専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」を減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、定期的に血液検査(電解質、BUN、クレアチニン、尿酸、血糖等)を行うことが望ましい。
8.2 投与中は、血液ガス分析装置により酸塩基平衡を定期的(投与初期には週1回、維持投与期には2~4週間に1回程度)に観察し、アルカローシスにならないように十分注意すること。[1.2、11.1.1参照]
8.3 通常の血液透析から本剤投与に切り替えた場合には、血圧低下、体外循環路内の残血・凝血を認めることがあるので、十分注意すること。体外循環路内の残血・凝血を認めた場合には、抗凝固剤を増量するなど適切な処置を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 透析用水の水質は、(一社)日本透析医学会が定める最新の透析液水質基準を参照すること。
14.1.2 定められた希釈液として調製すること。
14.1.3 使用前に透析液の電解質濃度を測定し、それらが適正であることを確認すること。
14.1.4 透析液の浸透圧比が0.9~1.1の範囲にあることを確認すること。
浸透圧比は生理食塩液の浸透圧に対する透析液の浸透圧測定値の比より求める。
14.1.5 本剤は用時調製用の製剤であり、希釈調製後の透析液は速やかに使用すること。
14.1.6 残液は使用しないこと。
14.2 薬剤使用時の注意
14.2.1 本剤は注射又は腹膜灌流に用いないこと。
14.2.2 本剤を単独で用いた場合には、過度のアシドーシスが起こることがあるので必ず「バイフィル専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」と同時に使用し、単独では使用しないこと。また他の透析ろ過型又はろ過型人工腎臓の補充液とは同時に使用しないこと。[1.1参照]
14.2.3 血清浸透圧と透析液浸透圧とのバランスを保つこと。
14.2.4 透析液中の沈殿の有無を透析器前の透析液回路で確認し、沈殿を生じた透析液は使用しないこと。

5.効能・効果に関連する注意

透析ろ過型人工腎臓の灌流液として以下のような場合に用いること。
・透析療法では不均衡症候群、血圧低下等のため治療の持続又は管理の困難な場合
・透析療法ではアシドーシスの是正が不十分な場合

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジギタリス強心配糖体
ジゴキシン
メチルジゴキシン等
ジギタリス中毒を起こすおそれがある。本剤を使用した透析により、血清カリウム値が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用や透析療法により次の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アルカローシス(5%以上)
症状があらわれた場合には血液ガス分析を行い、「バイフィル専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」の減量や治療を中止するなど適切な処置を行うこと。[1.2、8.2参照]
11.1.2 アシドーシス(0.1~5%未満)
症状があらわれた場合には血液ガス分析を行い、炭酸水素ナトリウム投与等適切な処置を行うこと。[1.1、1.2参照]
11.1.3 ショック(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用や透析療法により次の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満頻度不明
循環器血圧低下、血圧上昇、発作性心房細動、頻脈
呼吸器Po2低下、Pco2低下
精神神経系意識障害、筋痙攣、頭痛、疲労感、気分不快
代謝・電解質異常高カリウム血症、高ナトリウム血症、高クロール血症、低クロール血症、高カルシウム血症、低カルシウム血症、高リン血症、高血糖低カリウム血症、低血糖、骨粗鬆症、骨軟化症、線維性骨炎、異所性石灰沈着症
肝臓AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
消化器口渇、悪心・嘔吐、腹痛
血液Hb低下
皮膚そう痒症
突発性難聴、感音難聴
自律神経系発赤
その他体外循環路内凝固不均衡症候群(意識混濁、昏睡、傾眠、痙攣、悪心、嘔吐、動悸、頭痛、不快・倦怠、疲労感)
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