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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • 本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、大腸菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、梅毒トレポネーマ
  • <適応症>

    • 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、淋菌感染症、梅毒、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、猩紅熱、胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症

用法・用量

  • [ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症]

    • 成人

      アモキシシリン水和物として、通常1回250mg(力価)を1日3~4回経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
    • 小児

      アモキシシリン水和物として、通常1日20~40mg(力価)/kgを3~4回に分割経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量として最大90mg(力価)/kgを超えないこと。
  • [胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症]

    • アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾール併用の場合

      • 通常、成人にはアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回200mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
        なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
    • アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びラベプラゾールナトリウム併用の場合

      • 通常、成人にはアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回200mg(力価)及びラベプラゾールナトリウムとして1回10mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
        なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 伝染性単核症のある患者[発疹の発現頻度を高めるおそれがある。]
原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること

  • ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続することがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。]

重要な基本的注意

ショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の発生を確実に予知できる方法はないが、事前に当該事象の既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認すること。
本剤を胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる際には、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意事項を必ず確認すること。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
高度の腎障害のある患者には、投与量を減らすか、投与間隔をあけて投与するなど慎重に投与すること。[「慎重投与」の項参照]

効能効果に関連する使用上の注意

咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

高齢者への投与

高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、臍帯血、羊水へ移行することが報告されている。なお、動物試験(ラット)において、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、クラリスロマイシン(160mg/kg/日)及びランソプラゾール(50mg/kg/日)を併用投与すると、母動物での毒性の増強とともに胎児の発育抑制の増強が認められている。また、ラットにアモキシシリン水和物(400mg/kg/日以上)、クラリスロマイシン(50mg/kg/日以上)及びラベプラゾールナトリウム(25mg/kg/日)を4週間併用投与した試験で、雌で栄養状態の悪化が認められている。]
授乳中の婦人に投与する場合には授乳を避けさせることが望ましい。[母乳中へ移行することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]

小児等への投与

低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

薬物動態

<アモキシシリン水和物単剤投与時>
吸収
健常人にアモキシシリン水和物250mg(力価)及び500mg(力価)を経口投与した場合の血中濃度の推移は下図のとおりである。
分布
体組織への分布(参考:ラットでのデータ)
アモキシシリン水和物100mg/kg(力価)をラットに経口投与した場合、1時間後の体組織への分布は肝臓>腎臓>血清>脾臓>肺>心臓の順であった。
移行性
母乳中への移行性授乳婦にアモキシシリン水和物500mg(力価)単回投与後の母乳中移行は投与2~6時間後でtrace~0.6μg/mLであった。
その他の組織への移行性喀痰、胆汁中、骨髄内、臍帯血、羊水へ移行する。
蛋白結合率in vitro
16~25%(ヒト血清)
代謝
健常人5名にアモキシシリン水和物500mg(力価)を経口投与した場合、尿中代謝物としてペニシロ酸(penicilloic acid)が24時間までに20.7%排泄された。
排泄
健常人にアモキシシリン水和物250mg(力価)及び500mg(力価)を経口投与した場合、6時間までに未変化体が、250mg投与で52.9%(31名の平均値)、500mg(力価)投与で46.2%(25名の平均値)尿中に排泄された。
<クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター併用時>
アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾール併用の場合
健常人6名にアモキシシリン水和物として1回1000mg(力価)注1)、クラリスロマイシンとして1回400mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤を同時に経口投与(絶食下)した場合、アモキシシリン水和物の薬物動態パラメータは下表のとおりである。
Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)AUC(μg・hr/mL)
10.05±1.621.67±0.521.0±0.229.04±7.15
mean±S.D.
なお、3剤併用時の3剤各々の血中濃度は単独投与時の血中濃度とほぼ同様の推移を示す。
また、健常人7名に3剤を同様の用量で同時に1日2回7日間反復経口投与したとき、薬物動態に変化は認められていない。
注1)アモキシシリン水和物としての承認用量は1回750mg(力価)であり、承認用量と異なる(「用法・用量」の項参照)。
アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びラベプラゾールナトリウム併用の場合
健常人にアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回400mg(力価)及びラベプラゾールナトリウムとして1回20mgを1日2回7日間反復経口投与した場合、アモキシシリン水和物の薬物動態パラメータは下表のとおりである。ただし、投与第1日目及び第7日目は1日1回朝経口投与(絶食下)とした(計12回)。
Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)AUC0~12(μg・hr/mL)
9.86±2.791.63±0.371.09±0.1925.82±5.41
n=19、mean±S.D.、*:n=16

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリンカリウムワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがある。腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある。
経口避妊薬経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。
プロベネシド本剤の血中濃度を増加させる。本剤の尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている。

重大な副作用 

ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、めまい、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
アレルギー反応に伴う急性冠症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、膿疱、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
顆粒球減少、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
黄疸又はAST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

[ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症]
下記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
なお、太字で記載の副作用については投与を中止すること。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹そう痒、発熱
血液好酸球増多
消化器食欲不振、下痢、悪心・嘔吐、腹痛、消化不良黒毛舌
菌交代症口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他頭痛、めまい、耳鳴梅毒患者の場合:ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(発熱、全身倦怠感、頭痛等の発現、病変部の悪化)

[胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症]
下記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
なお、太字で記載の副作用については投与を中止すること。

5%以上注1)1~5%未満注1)1%未満注1)頻度不明注2)
過敏症発疹そう痒
精神神経系頭痛、しびれ感、眠気、めまい、不眠、うつ状態
消化器下痢(14.0%)、軟便(11.8%)味覚異常、腹部膨満感、腹痛、便秘悪心、口内炎、口渇、舌炎、胸やけ、胃食道逆流、嘔吐、食欲不振黒毛舌
血液好中球減少、好酸球増多、貧血白血球増多
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇ビリルビン上昇
その他トリグリセリド上昇、尿蛋白陽性、総コレステロール上昇・低下、尿糖陽性、膣モニリア症注3)尿酸上昇、倦怠感、熱感、浮腫、動悸、血圧上昇

注1)発現頻度は、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用除菌治療の承認時までの成績に基づいている。
注2)国内外自発報告に基づく副作用。
注3)外国で行われた試験で認められている副作用。
*観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

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