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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 腎移植後の急性拒絶反応の抑制

用法・用量

  • 通常、幼児・小児にはバシリキシマブ(遺伝子組換え)として20mgを総用量とし、10mgずつ2回に分けて、静脈内に注射する。初回投与は移植術前2時間以内に、2回目の投与は移植術4日後に行う。
    静脈内注射に際しては、本剤1バイアルを日局注射用水2.5mLで溶解し、全量を投与する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与は、免疫抑制療法及び臓器移植患者の管理に精通している医師のもとで使用すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.3 生ワクチンを接種しないこと[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 肝炎ウイルスキャリアの患者
肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。[11.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
本剤投与後に透析を行う場合は、ポリアクリロニトリル(PAN)膜及びポリエステルポリマーアロイ(PEPA)膜の使用を避けることが望ましい。in vitroでの透析膜への吸着試験において、PAN膜でバシリキシマブの濃度低下が認められ、PEPA膜で濃度低下の可能性が示唆された。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性では本剤最終投与後4ヵ月間は、避妊すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。本剤はIgG抗体であることから胎盤を通過すると考えられる。また、妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。[2.2、9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした国内臨床試験は実施していない。また、国内外臨床試験に体重9Kg未満の小児等は含まれていない。なお、外国における使用経験については、16.1.2及び17.1.2を参照すること。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 免疫抑制療法は、二次的感染症に対し感受性を高める可能性がある。二次的感染が生じた場合には適切な治療を行うこと。[11.1.2参照]
8.2 本剤は、製造工程の極めて初期の段階(マスターセルバンクの作製時)で、培地成分の一部としてヒト血液由来成分であるヒト血清アルブミン及びヒトトランスフェリンを使用しているが、最終製品の成分としては含まれていない。これらヒト血液由来成分に対して原血漿を対象とした核酸増幅検査は実施していないが、血清学的検査によりウイルスの抗原又はウイルスに対する抗体が陰性であることを確認している。更に、これらヒト血液由来成分及びバシリキシマブ(遺伝子組換え)の製造において、複数の工程によりウイルスの除去・不活化をしており、最終製品へのB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)及びヒト免疫不全ウイルス(HIV-1及びHIV-2)混入の可能性は極めて低い。また、ヒトトランスフェリンの製造にフランスで採血したヒト血液を用いているが、本剤の投与により伝達性海綿状脳症(TSE)がヒトに伝播したとの報告はなく、TSEに関する理論的なリスク評価値は、一定の安全性を確保する目安に達しており、本剤によるTSE伝播のリスクは極めて低い。本剤の投与に際しては、その旨の患者又はその保護者への説明を考慮すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 1バイアルあたり日局注射用水2.5mLをゆっくり加え、激しい振とうを避けて溶解すること。
14.1.2 点滴静注を行う場合は、生理食塩液又は5%ブドウ糖液で25mL以上に希釈し、20~30分で投与する。また、溶液を混和する際は点滴バッグを激しく振とうしないこと。
14.1.3 本剤は蛋白製剤であるために、溶解後半透明の混濁がみられることがあるが、これにより本剤の薬効は影響を受けない。
14.1.4 外観に異常を認めた場合には使用しないこと。
14.1.5 他の製剤との混注は行わないこと。
14.1.6 溶解後は、速やかに使用すること。また、使用後の残液は微生物汚染のおそれがあるので再使用しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は、移植術を受けることが確実であるときのみ投与を開始すること。
7.2 本剤は、腎移植において一般的に用いられる免疫抑制療法に加えて投与すること。
7.3 初回投与後に高度の過敏症反応や移植臓器廃絶が生じた場合は、2回目の投与を中止すること。
7.4 再移植等で、本剤又は他のマウス由来製剤の投与歴のある患者に投与する場合は、過敏症反応の発現に十分注意すること。
7.5 体重35kg以上の患者に投与する場合は、期待される免疫抑制効果を得ることができない可能性があるため、40mgを総用量とし、20mgずつ2回に分けた投与を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 国内の新規幼児・小児生体腎移植患者(6例、年齢1~12歳、体重10.4~28.0kg)を対象とした試験において、シムレクトを移植術前2時間以内と移植術4日後の2回、それぞれ10mgずつ静脈内投与したところ、血清中濃度(ELISA法)は半減期7.1±2.1日(平均±標準偏差)で減衰したが、初回投与日から40~52日(中央値46日)の期間、IL-2受容体を完全抑制(IL-2受容体α鎖(CD25)発現率が3%以下)できる閾値濃度(0.2μg/mL)を上回った。
16.1.2 外国の小児腎移植患者を対象とした試験において、成人用量の1/2量を移植術前2時間以内及び移植術4日後に投与した時のシムレクトの消失半減期及びIL-2受容体抑制期間は成人と類似していた。
この成績を参考に、外国では、小児腎移植に対しては一般に、体重35kg未満には1回10mg、体重35kg以上には1回20mgを移植術前2時間以内及び移植術4日後に静脈内投与が行われている。
16.1.3 国内の新規成人生体腎移植患者(11例、体重42.5~88.0kg)を対象とした試験において、20mg製剤を移植術前2時間以内と移植術4日後の2回、それぞれ20mgずつ静脈内投与したところ、血清中濃度(ELISA法)は半減期8.2±2.5日(平均±標準偏差)で減衰したが、初回投与日から44~54日(中央値45日)の期間、IL-2受容体を完全抑制(IL-2受容体α鎖(CD25)発現率が3%以下)できる閾値濃度(0.2μg/mL)を上回った。
16.1.4 国内試験(成人)と同一の用法・用量で実施された外国試験(成人)においても、シムレクトは同様な血清中濃度-時間曲線(半減期7.7±3.3日)を示した。一方、IL-2受容体抑制期間は25~43日(中央値35日)であった。
国内試験(成人)及び外国試験(成人)で得られた全血清中濃度成績を非線形混合効果モデル(NONMEM)を用いて母集団薬物動態解析した結果、シムレクトのクリアランスと分布容積に対して体重が有意(P<0.001)な共変量であり、年齢、性別、人種との関連性は認められなかった。なお、クリアランスと分布容積は体重にほぼ比例することが示唆されている。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)
[2.3参照]
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
不活化ワクチン(不活化インフルエンザワクチン等)ワクチンの効果が得られないおそれがある。免疫抑制作用によって、ワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 急性過敏症反応(頻度不明)
以下のようなアナフィラキシー症状を含む異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、その後の投与は行わないこと。
・皮膚症状
発疹、蕁麻疹、そう痒症
・呼吸器
呼吸困難、呼吸不全、肺水腫、気管支痙攣、喘鳴、くしゃみ
・循環器
低血圧、頻脈、心不全、毛細管漏出症候群
・その他
サイトカイン遊離症候群
11.1.2 感染症(5%以上)
細菌、真菌あるいはウイルスによる重篤な感染症(肺炎、敗血症、尿路感染症、単純疱疹等)があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。[8.1、9.1.1参照]
11.1.3 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.4 BKウイルス腎症(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
精神神経系頭痛痙攣、第3脳神経麻痺
眼の異常感、複視、眼痛、光視症
呼吸器口腔咽頭痛、咳嗽、鼻漏、湿性咳嗽痰貯留鼻炎
循環器高血圧・血圧上昇
血管肺塞栓症、血管炎、静脈血栓症
血液リンパ球数減少、白血球数増加、血小板数増加、白血球数減少単球数減少、好中球数減少、好中球数増加貧血
消化器下痢悪心便秘
肝臓血中LDH増加、AST増加、ALT増加、血中ALP増加、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加
泌尿器尿中蛋白陽性血中クレアチニン増加、血中尿素増加
皮膚そう痒症、発疹術後創合併症、多毛症
その他発熱、C-反応性蛋白増加、悪寒、胸痛、血中トリグリセリド増加けん怠感、下垂体の良性腫瘍、関節痛、筋肉痛、血中リン減少、血中アルブミン減少、尿中ブドウ糖陽性、抗体検査陽性、末梢性浮腫疼痛、体重増加、高カリウム血症、高コレステロール血症
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