薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4を阻害する薬剤等 イトラコナゾール等 | 健康成人において、ケトコナゾールとの併用により本剤のAUCが約3.6倍に増加し、半減期が1.7倍に延長したとの報告がある。 CYP阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。併用する場合は、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | 本剤の代謝酵素であるCYP3A4が阻害されることにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。 |
グレープフルーツ(ジュース) | 本剤投与時はグレープフルーツ(ジュース)を摂取しないよう注意すること。 | 本剤の代謝酵素であるCYP3A4が阻害されることにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。 |
CYP3A4を誘導する薬剤 カルバマゼピン リファンピシン フェニトイン等 | 健康成人において、カルバマゼピンとの併用により本剤のAUCが約72%減少したとの報告がある。 CYP誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。併用に際しては、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。 | 本剤の代謝酵素であるCYP3A4が誘導されることにより、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する可能性がある。 |
治療域が狭くCYP3A4で代謝される薬剤 ミダゾラム(経口剤:国内未発売)等 | ミダゾラムのAUCが経口投与では約45%及び静脈内投与では約14%増加したとの報告がある。 | 本剤のCYP3A4に対する阻害作用が示されている。経口投与製剤では本剤が消化管でのCYP3A4による代謝を阻害すると考えられる。 |
治療域が狭くCYP3A4又はCYP2C8で代謝される薬剤 ビノレルビン等 | これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性があるので、本剤との併用は避けることが望ましいが、併用する場合には、副作用の発現・増強に注意し、減量等を考慮すること。 | 本剤のCYP3A4とCYP2C8に対する阻害作用が示されている。 |
パクリタキセル | 本剤のAUCが約21%、パクリタキセルのAUCが約23%増加したとの報告がある。また、臨床試験において、パクリタキセル単独投与時と比較して、本剤とパクリタキセル併用時に下痢と好中球数減少の発現率及び重症度が増加した。 | 本剤のCYP3A4とCYP2C8に対する阻害作用が示されている。また、パクリタキセルはP-糖蛋白質の基質であるため、その寄与の可能性もある。 |
P-糖蛋白質を阻害する薬剤 ベラパミル イトラコナゾール キニジン シクロスポリン エリスロマイシン等 P-糖蛋白質を誘導する薬剤等 リファンピシン セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等 | 本剤の血中濃度や分布に影響を与える可能性がある。 | 本剤はP-糖蛋白質の基質であることが示されている。 |
P-糖蛋白質の基質薬剤 ジゴキシン等 | 経口投与のジゴキシンのAUCが約80%増加したとの報告がある。 | 本剤のP-糖蛋白質に対する阻害作用が示されている。 |
パゾパニブ塩酸塩 | 本剤との併用によりパゾパニブ塩酸塩のAUC及びCmaxは、それぞれ約59%及び51%増加した。 | 本剤はCYP3A4、P-糖蛋白質及びBCRPの基質であり阻害作用を有することによる。 |
イリノテカン | FOLFIRIレジメンの一部として投与した時、イリノテカンの活性代謝物であるSN-38のAUCが約41%増加したとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
プロトンポンプ阻害剤 エソメプラゾール等 | エソメプラゾールとの併用により、本剤のAUCが約15%減少したとの報告がある。 | 胃内pHの上昇により、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある。 |
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤 イミプラミン ピモジド等 抗不整脈薬 キニジン プロカインアミド ジソピラミド等 | QT間隔延長を起こす又は悪化させるおそれがある。 | 本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあり、併用により作用が増強する可能性がある。 |