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オラペネム小児用細粒10%

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • テビペネムに感性の黄色ブドウ球菌、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌
  • <適応症>

    • 肺炎、中耳炎、副鼻腔炎

用法・用量

  • 通常、小児にはテビペネム ピボキシルとして1回4mg(力価)/kgを1日2回食後に経口投与する。なお、必要に応じて1回6mg(力価)/kgまで増量できる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[9.1.1参照]
  • 2.2 バルプロ酸ナトリウムを投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 カルバペネム系、ペニシリン系及びセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)[2.1参照]
9.1.2 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
9.1.3 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
9.1.4 てんかん等の痙攣性疾患の既往歴のある患者
痙攣を起こすおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.5 中枢神経障害のある患者
痙攣、意識障害等の中枢神経障害が起こりやすい。[11.1.3参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 高度の腎障害のある患者
(1)テビペネムの排泄が遅延する。[16.6.1参照]
(2)痙攣、意識障害等の中枢神経障害が起こりやすい。[11.1.3参照]
9.2.2 軽度又は中等度の腎障害のある患者
痙攣、意識障害等の中枢神経障害が起こりやすい。[11.1.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期にピボキシル基を有する抗生物質を投与された妊婦と、その出生児において低カルニチン血症の発現が報告されている。[11.1.1参照]
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 3歳未満では下痢・軟便の発現頻度が高いので、これらの症状が認められた場合には症状に応じて対症療法等の適切な処置を行うこと。承認時における下痢・軟便の副作用発現率は3歳未満で34.6%(46例/133例)、3歳以上で13.0%(40例/307例)であった。
9.7.3 カルニチンの低下に注意すること。血清カルニチンが低下する先天性代謝異常であることが判明した場合には投与しないこと。小児(特に乳幼児)においてピボキシル基を有する抗生物質の投与により、低カルニチン血症に伴う低血糖があらわれることがある。[11.1.1参照]

8.重要な基本的注意

ショック、アナフィラキシーを起こすおそれがあるので、十分な問診を行うこと。[11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 防湿のため、ボトル入製剤は調剤後必ず密栓すること。
14.1.2 ボトル入製剤を分包した場合は、湿気を避けて保存すること。
14.2 薬剤交付時の注意
分包製剤は湿気を避けて保存し、服用時に開封するよう指示すること。

7.用法・用量に関連する注意

本剤の投与期間は、7日間以内を目安とすること。なお、本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

5.効能・効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 カルバペネム系抗生物質の臨床的位置づけを考慮した上で、本剤の使用に際しては、他の抗菌薬による治療効果が期待できない症例に限り使用すること。
5.2 肺炎球菌にはペニシリン耐性肺炎球菌及びマクロライド耐性肺炎球菌を含む。[17.1.2、18.2.2参照]
5.3 インフルエンザ菌にはアンピシリン耐性インフルエンザ菌を含む。[17.1.2、18.2.2参照]
<中耳炎、副鼻腔炎>
5.4 「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
小児患者に1回4mg(力価)/kg及び6mg(力価)/kgをそれぞれ食後経口投与した場合、テビペネムの血漿中濃度・薬物動態パラメータは図1・表1のとおりであった。
図1 小児患者における4mg(力価)/kg及び6mg(力価)/kg投与時の血漿中テビペネム濃度
表1 小児患者の薬物動態パラメータ
投与量Tmax(hr)Cmax(μg/mL)T1/2(hr)AUC0-12hr(μg・hr/mL)
4mg(力価)/kg
(n=157)
0.74±0.263.46±1.651.04±0.675.49±0.91
6mg(力価)/kg
(n=65)
0.69±0.225.20±2.840.99±0.508.04±1.68
母集団薬物動態解析(Mean±S.D.)
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合
限外濾過法により測定したヒト血清蛋白との結合率は1.0及び10μg/mLの濃度でいずれも67.0%であった(in vitro)。
16.3.2 組織内移行
患者喀痰、中耳粘膜、上顎洞粘膜、篩骨洞粘膜、口蓋扁桃組織(いずれも成人)及び中耳分泌液(小児)への移行が認められた。
16.4 代謝
16.4.1 テビペネム ピボキシルは消化管から吸収された後、抗菌活性を有するテビペネムになる。テビペネムは、主として尿中に排泄され、一部は更に代謝を受けβ-ラクタム環が開裂したテビペネム開環体として尿中に排泄される。
16.4.2 ヒト腎デヒドロペプチダーゼ-Iに安定性を示す(in vitro)。
16.5 排泄
主として腎より排泄され、小児患者3例に1回4mg(力価)/kgを食後経口投与したときのテビペネムとしての尿中の排泄率は32.7(2時間30分後)~57.9%(5時間55分後)であった。
また、健康成人男性12例に250mg(力価)食後経口投与したときのテビペネムとしての尿中排泄率(0~24時間)は、約62%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能低下者(成人)の薬物動態
腎機能低下者及び腎機能正常者(いずれも成人)にテビペネム ピボキシル錠剤250mg(力価)を単回経口投与した結果、腎機能の低下の程度に応じて、血漿中テビペネムのCmax及びAUC0-∞の増加、T1/2の延長、腎クリアランスの低下、尿中テビペネムの排泄率の低下がみられた。[9.2.1参照]
図2 腎機能低下者及び腎機能正常者に単回経口投与時の血漿中テビペネム濃度
表2 腎機能低下者及び腎機能正常者の薬物動態パラメータ
Ccr(mL/min)例数Tmax(hr)Cmax(μg/mL)T1/2(hr)AUC0-∞(μg・hr/mL)CLr(mL/min)尿中排泄率(0~12hr)(%)
80以上60.67±0.269.9±2.80.88±0.2612.3±4.0207.1±46.257.6±5.7
50以上80未満61.33±0.887.2±2.91.49±0.3316.5±4.6118.3±27.444.5±6.9
30以上50未満20.7513.31.4429.274.352.1
30未満31.50±0.0013.9±3.04.11±1.7692.6±9.715.4±4.429.5±9.5
(Mean±S.D.)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 H2-受容体拮抗薬(ファモチジン)、制酸剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム)併用時(成人)の薬物動態
テビペネム ピボキシル細粒200mg(力価)単回経口投与において、単独投与に比較して胃内pHを上昇させる薬物であるファモチジン、制酸剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム)を併用した場合の血漿中テビペネムのCmaxは約40~60%、AUC0-∞は約70~80%、尿中排泄率は約80%であり、Tmaxは約10~30分遅延した。
16.7.2 プロベネシド併用時(成人)の薬物動態
テビペネム ピボキシル錠剤250mg(力価)単回経口投与において、腎尿細管分泌を抑制する薬物であるプロベネシドの併用によって血漿中テビペネムのCmax及びAUC0-∞の増加、T1/2の延長、腎クリアランスの低下、尿中テビペネムの排泄率の低下がみられた。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
バルプロ酸ナトリウム
(デパケン、バレリン等)
[2.2参照]
バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発するおそれがある。発現機序は不明。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低カルニチン血症に伴う低血糖(頻度不明)
本剤を含むピボキシル基を有する抗生物質(テビペネム ピボキシル、セフジトレン ピボキシル、セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物、セフテラム ピボキシル)の投与により、ピバリン酸(ピボキシル基を有する抗生物質の代謝物)の代謝・排泄に伴う血清カルニチン低下が報告されている。小児(特に乳幼児)に対してピボキシル基を有する抗生物質を投与した症例で低カルニチン血症に伴う低血糖があらわれることがあるので、痙攣、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.5、9.7.3参照]
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.参照]
11.1.3 痙攣、意識障害(いずれも頻度不明)
痙攣、意識障害等の中枢神経症状があらわれることが報告されている。[9.1.4、9.1.5、9.2.1、9.2.2参照]
11.1.4 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.5 急性腎障害(頻度不明)
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることが報告されている。
11.1.6 重篤な肝障害(頻度不明)
劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸があらわれることが報告されている。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満
過敏症発疹紅斑、皮膚炎
血液血小板増多白血球増多、好酸球増多
肝臓AST上昇、ALT上昇
腎臓血中尿素増加、着色尿、排尿困難、尿蛋白陽性
消化器下痢・軟便(19.5%)嘔吐口内炎、腹痛、上腹部痛、変色便、口渇
その他頭痛、傾眠、倦怠感、発熱、咳嗽、鼻出血
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