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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 蕁麻疹(慢性例を除く)、湿疹・皮膚炎群の急性期及び急性増悪期、薬疹、アレルギー性鼻炎

用法・用量

  • 通常、成人には1回1~2錠を1日1~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
    ただし、本剤を漫然と使用するべきではない。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できる場合には、本剤を投与しないこと。また、局所的投与で十分な場合には局所療法を行うこと。
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  • 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により排尿困難、尿閉等があらわれ、症状が増悪することがある。]
  • デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること

  • 開放隅角緑内障の患者[眼圧の亢進により、緑内障が増悪することがある。]
  • 有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者[免疫機能抑制作用により、感染症が増悪することがある。]
  • 結核性疾患の患者[免疫機能抑制作用により、結核性疾患が増悪することがある。]
  • 消化性潰瘍の患者[胃酸分泌の亢進、肉芽組織増殖抑制作用により、潰瘍が増悪又は治癒が遅れることがある。]
  • 精神病の患者[中枢神経系に影響し、精神病が増悪することがある。]
  • 単純疱疹性角膜炎の患者[免疫機能抑制作用により、単純疱疹性角膜炎が増悪することがある。]
  • 後嚢白内障の患者[水晶体線維に影響し、後嚢白内障が増悪することがある。]
  • 高血圧症の患者[水及び電解質代謝作用により、高血圧症が増悪することがある。]
  • 電解質異常のある患者[電解質代謝作用により、電解質異常が増悪することがある。]
  • 血栓症の患者[血液凝固促進作用により、血栓症が増悪することがある。]
  • 最近行った内臓の手術創のある患者[創傷治癒(組織修復)が障害されることがある。]
  • 急性心筋梗塞を起こした患者[副腎皮質ホルモン剤で心破裂を起こしたとの報告がある。]

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

感染症の患者[免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。]
糖尿病の患者[糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある。]
骨粗鬆症の患者[骨形成の抑制、骨からのカルシウム排泄の増加により、骨粗鬆症が増悪するおそれがある。]
腎不全の患者[薬物の排泄が遅延するため、体内蓄積により副作用があらわれるおそれがある。]
甲状腺機能低下のある患者[副腎皮質ホルモン剤の血中からの半減時間が長くなるとの報告があり、副作用があらわれるおそれがある。]
肝硬変の患者[代謝酵素の活性低下等により、副作用があらわれるおそれがある。]
脂肪肝の患者[脂肪分解・再分布作用により、肝臓への脂肪沈着を増大させ、脂肪肝が増悪するおそれがある。]
脂肪塞栓症の患者[副腎皮質ホルモン剤の大量投与により、脂肪塞栓症が起こるとの報告があり、症状が増悪するおそれがある。]
重症筋無力症の患者[蛋白異化作用により、使用当初、一時症状が増悪するおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者及びその疑いのある患者[褐色細胞腫クリーゼがあらわれることがある。]

重要な基本的注意

眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
本剤の投与により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては次の注意が必要である。特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。
本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。
水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行うこと。
連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること。
副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
褐色細胞腫の合併を認識していなかった状態でベタメタゾン製剤(注射剤)を投与した際に褐色細胞腫クリーゼを発現したとの報告がある。本剤投与後に著明な血圧上昇、頭痛、動悸等が認められた場合は、褐色細胞腫クリーゼの発現を考慮した上で適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

用法用量に関連する使用上の注意

本剤は副腎皮質ホルモンをプレドニゾロン換算で、1錠中2.5mg相当量を含有するので、症状改善後は漫然として使用することのないよう注意する。

高齢者への投与

高齢者に長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすいので、慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されており、また、新生仔に副腎不全を起こすことがある。]
本剤投与中は授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することがある。]

小児等への投与

幼児・小児の発育抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
長期投与した場合、頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。

薬物動態

生物学的同等性試験
ベタセレミン配合錠と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(ベタメタゾンとして0.5mg及びd-クロルフェニラミンマレイン酸塩として4mg)健康成人男子(n=14)に絶食単回経口投与して血漿中ベタメタゾン濃度及び血漿中d-クロルフェニラミンマレイン酸塩濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された(昭和55年5月30日 薬審第718号に基づく)。
ベタメタゾン
判定パラメータ参考パラメータ
AUC48
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ベタセレミン配合錠
(錠剤、0.5mg)
111.36±32.118.45±2.922.04±0.8034.54±25.91
標準製剤
(錠剤、0.5mg)
112.09±25.048.33±1.862.21±0.5821.96±14.49
(Mean±S.D.,n=14)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
判定パラメータ参考パラメータ
AUC48
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ベタセレミン配合錠
(錠剤、4mg)
286.17±84.7914.58±4.693.21±0.8019.01±4.59
標準製剤
(錠剤、4mg)
294.24±105.6315.22±4.733.07±1.0016.90±5.55
(Mean±S.D.,n=14)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
溶出挙動
ベタセレミン配合錠は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたベタメタゾン0.25mg・d-マレイン酸クロルフェニラミン2mg錠の溶出規格に適合していることが確認されている。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
デスモプレシン酢酸塩水和物
ミニリンメルト(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。機序不明。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
アルコール
MAO阻害剤
抗コリン作用を有する薬剤
相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなど慎重に投与すること。中枢神経抑制剤、アルコール:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩の中枢抑制作用により、作用が増強される。
MAO阻害剤:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩の解毒機構に干渉し、作用を遷延化(増強)する。
ドロキシドパ
ノルアドレナリン
併用により血圧の異常上昇を来すおそれがある。d-クロルフェニラミンマレイン酸塩がヒスタミンによる毛細血管拡張を抑制する。
バルビツール酸誘導体
フェノバルビタール
フェニトイン
リファンピシン
エフェドリン
副腎皮質ホルモン剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量について注意すること。バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはP-450を誘導し、副腎皮質ホルモン剤の代謝が促進される。
サリチル酸誘導体
アスピリン
アスピリンダイアルミネート
サザピリン
併用時に副腎皮質ホルモン剤を減量すると、血清中のサリチル酸濃度が上昇し、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量について注意すること。副腎皮質ホルモン剤は、サリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度を低下させる作用を持っているので減量するとその血中濃度が上昇する。
抗凝血剤
ワルファリンカリウム
副腎皮質ホルモン剤が、抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量について注意すること。副腎皮質ホルモン剤は血液凝固促進作用がある。
経口糖尿病用剤
アセトヘキサミド
インスリン製剤
副腎皮質ホルモン剤が経口糖尿病用剤、インスリン製剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量について注意するとともに、血糖値その他患者の状況を十分観察しながら投与すること。副腎皮質ホルモン剤は、肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害することによる血糖上昇作用がある。
利尿剤(カリウム保持性利尿剤を除く)
トリクロルメチアジド
アセタゾラミド
フロセミド
副腎皮質ホルモン剤との併用により低カリウム血症があらわれる場合があるので、併用する場合には用量について注意すること。カリウム排泄型利尿剤との併用時には血清カリウム濃度と心機能のモニタリングが推奨される。副腎皮質ホルモン剤は、尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
ソマトロピン併用により、ソマトロピンの効果が減弱することがある。副腎皮質ホルモン剤がソマトロピンの効果を減弱させる。機序不明。
シクロスポリンシクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量について注意すること。本剤はシクロスポリンの代謝を阻害する。
非脱分極性筋弛緩剤
パンクロニウム臭化物
ベクロニウム臭化物
筋弛緩作用が減弱又は増強するとの報告があるので、併用する場合には用量について注意すること。機序不明。
リトドリン塩酸塩ベタメタゾンの注射剤との併用により肺水腫があらわれたとの報告がある。体内の水分貯留傾向が促進される。
エリスロマイシンベタメタゾンの作用が増強されるとの報告があるので、併用する場合には本剤の用量に注意すること。エリスロマイシンのCYP3A4に対する阻害作用により、ベタメタゾンの代謝が抑制される。

重大な副作用 

(頻度不明)
誘発感染症、感染症の増悪
誘発感染症、感染症の増悪があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、急性副腎不全
続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、また、急性副腎不全があらわれることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は休薬等適切な処置を行うこと。
消化性潰瘍、膵炎
膵炎、また、胃潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は休薬等適切な処置を行うこと。
精神変調、うつ状態、痙攣、錯乱
うつ状態、痙攣、錯乱、また、精神変調があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常があらわれた場合には、減量又は休薬等適切な処置を行うこと。
骨粗鬆症、ミオパシー、大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死
大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死、また、骨粗鬆症、ミオパシーがあらわれることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は休薬等適切な処置を行うこと。
緑内障、後嚢白内障
連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがあるので、定期的に検査をすることが望ましい。
血栓症
血栓症があらわれることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は休薬等適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、無顆粒球症
クロルフェニラミン製剤では再生不良性貧血、無顆粒球症があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
幼児・小児の発育抑制
(「小児等への投与」の項参照)

その他の副作用 

頻度不明
過敏症注2)発疹、光線過敏症等
精神神経系鎮静、神経過敏、焦燥感、多幸症、複視、頭痛、めまい、耳鳴、前庭障害、情緒不安、振戦、感覚異常、ヒステリー、神経炎、協調異常、不眠、眠気、頭重感
消化器口渇、胸やけ、腹部膨満感、食欲不振、便秘、腹痛、悪心・嘔吐、食欲亢進、下痢等
泌尿器頻尿、排尿困難、尿閉、ステロイド腎症等
循環器注3)低血圧、心悸亢進、頻脈、期外収縮
呼吸器鼻及び気道の乾燥、気管分泌液の粘性化、喘鳴、鼻閉
血液溶血性貧血、白血球増多、血小板減少
肝臓肝機能障害(AST(GOT)上昇・ALT(GPT)上昇・Al-P上昇等)
内分泌月経異常、糖尿等
筋・骨格筋肉痛、関節痛等
脂質・蛋白質代謝満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝等
体液・電解質注3)浮腫、低カリウム性アルカローシス、血圧上昇等
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出等
皮膚多毛、脱毛、ざ瘡、色素沈着、皮下溢血、紫斑、線条、そう痒感、発汗異常、顔面紅斑、創傷治癒障害、皮膚菲薄化・脆弱化、脂肪織炎
その他発熱、疲労感、精子数及びその運動性の増減、胸痛、けん怠感、体重増加

注2)症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
注3)症状があらわれた場合には、減量又は休薬等適切な処置を行うこと。

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