薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジソピラミド キニジン硫酸塩水和物 | QT延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
テオフィリン アミノフィリン水和物 | 悪心・嘔吐、不整脈、痙攣等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
シクロスポリン タクロリムス水和物 | 腎障害等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
ワルファリンカリウム | 出血傾向、プロトロンビン時間延長等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
イリノテカン塩酸塩水和物 | 骨髄機能抑制、下痢等の副作用を増強するおそれがあるため、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
ビンカアルカロイド ビンブラスチン硫酸塩 ビノレルビン酒石酸塩等 | 好中球減少、筋肉痛等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
バルプロ酸ナトリウム | 傾眠、運動失調等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
フェロジピン | 降圧作用の増強が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
ベラパミル塩酸塩 | 血圧低下、徐脈性不整脈、乳酸アシドーシス等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
ミダゾラム トリアゾラム | 鎮静作用の増強が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
カルバマゼピン | めまい、運動失調等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
コルヒチン | 下痢、腹痛、発熱、筋肉痛、汎血球減少、呼吸困難等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
シンバスタチン アトルバスタチンカルシウム水和物 | シンバスタチン、アトルバスタチンカルシウム水和物との併用により、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれたとの報告がある。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
ピタバスタチンカルシウム水和物 | シンバスタチン、アトルバスタチンカルシウム水和物との併用により、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれたとの報告がある。 | 本剤がピタバスタチンの肝臓への取り込みを阻害するためと考えられる。 |
ブロモクリプチンメシル酸塩 ドセタキセル水和物 パクリタキセル セレギリン塩酸塩 シルデナフィルクエン酸塩 バルデナフィル塩酸塩水和物 タダラフィル シロスタゾール | 減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
ブロナンセリン クロザピン ゾピクロン アルプラゾラム エプレレノン エレトリプタン臭化水素酸塩 エベロリムス サキナビルメシル酸塩 | これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
ドンペリドン | ドンペリドンの血中濃度が上昇する。また、ドンペリドンとの併用により、QT延長が報告されている。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
副腎皮質ホルモン剤 メチルプレドニゾロン等 | これらの薬剤の消失半減期が延長するとの報告があるので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制することがある。 |
エバスチン | エバスチンの代謝物カレバスチンの血中濃度が上昇するとの報告がある。 | 本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制することがある。 |
エドキサバントシル酸塩水和物 | 出血のリスクを増大させるおそれがある。併用する場合、エドキサバントシル酸塩水和物の用量は、エドキサバントシル酸塩水和物の電子添文を参照すること。 | 本剤がP-糖蛋白質を阻害し、エドキサバンの血中濃度を上昇させるためと考えられる。 |
ジゴキシン | ジゴキシンの作用増強による嘔気、嘔吐、不整脈等の中毒症状が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤の腸内細菌叢への影響により、ジゴキシンの代謝が抑制される。 |
ザフィルルカスト | ザフィルルカストの血中濃度が低下するとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
シメチジン | 難聴が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が抑制され、血中濃度が上昇すると考えられる。 |
リトナビル | 本剤のAUCが上昇することが予想される。 | これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が抑制され、血中濃度が上昇すると考えられる。 |
クリンダマイシン(外用剤) | 併用してもクリンダマイシンの効果があらわれないと考えられる。 | 本剤の細菌のリボゾーム50S Subunitへの親和性がクリンダマイシンより高いと考えられる。 |
リバーロキサバン | リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。 | 本剤がCYP3A4及びP-糖蛋白質を阻害することによりリバーロキサバンのクリアランスが減少する。 |
フェキソフェナジン塩酸塩 | フェキソフェナジンの血漿中濃度を上昇させるとの報告がある。 | P-糖蛋白質の阻害によるフェキソフェナジンのクリアランスの低下及び吸収率の増加に起因するものと推定される。 |
CYP3A4誘導作用を有する薬剤 リファンピシン、リファブチン、フェニトイン、フェノバルビタール等 セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝を促進し、本剤の血中濃度を低下させる。 |