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ビクシリン注射用0.25g、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • アンピシリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、髄膜炎菌、炭疽菌、放線菌、大腸菌、赤痢菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、リステリア・モノサイトゲネス
  • <適応症>

    • 敗血症、感染性心内膜炎、表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、淋菌感染症、腹膜炎、肝膿瘍、感染性腸炎、子宮内感染、化膿性髄膜炎、眼瞼膿瘍、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、抜歯創・口腔手術創の二次感染、猩紅熱、炭疽、放線菌症

用法・用量

  • <成人>

    • 筋肉内注射の場合

      • アンピシリンとして、通常、成人には1回250~1000mg(力価)を1日2~4回筋肉内注射する。
        敗血症、感染性心内膜炎、化膿性髄膜炎については、一般に通常用量より大量を使用する。
        なお、年齢、症状により適宜増減する。
    • 静脈内注射の場合

      • アンピシリンとして、通常、成人には1日量1~2g(力価)を1~2回に分けて日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し静脈内注射し、点滴静注による場合は、アンピシリンとして、通常、成人には1日量1~4g(力価)を1~2回に分けて輸液100~500mLに溶解し1~2時間かけて静脈内に点滴注射する。
        敗血症、感染性心内膜炎、化膿性髄膜炎については、一般に通常用量より大量を使用する。
        なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • <小児>

    • アンピシリンとして、通常、小児には1日100~200mg(力価)/kgを3~4回に分けて日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し静脈内注射し、点滴静注による場合は、輸液に溶解して用いる。なお、症状・病態に応じて適宜増量とするが、投与量の上限は1日400mg(力価)/kgまでとする。
  • <新生児>

    • アンピシリンとして、通常、新生児には1日50~200mg(力価)/kgを2~4回に分けて日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し静脈内注射し、点滴静注による場合は、輸液に溶解して用いる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 伝染性単核症のある患者[発疹の発現頻度を高めることがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
9.1.2 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
9.1.3 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 高度の腎障害のある患者
投与間隔をあけて使用すること。血中濃度が持続することがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。大量(3,000mg/kg/day)投与でラットに催奇形性が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
早産の新生児に投与する場合は、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。早産の新生児において血中濃度の半減期が延長するとの報告がある。
9.8 高齢者
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
・生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
・ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1参照]
・事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
・投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
・投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.3 無顆粒球症、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。[11.1.3参照]
8.4 急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。[11.1.4参照]
8.5 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。[11.1.6参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
<投与経路共通>
14.1.1 本剤溶解後は速やかに使用すること。
<筋肉内注射>
14.1.2 組織・神経などへの影響を避けるため、日局注射用水を用い、250mg(力価)及び500mg(力価)は1.5~2mL、1g(力価)は3~4mLに溶解すること。
14.2 薬剤投与時の注意
<筋肉内注射>
14.2.1 組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に注意すること。
・同一部位への反復注射は行わないこと。
・神経走行部位を避けるよう注意すること。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
・注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
<静脈内注射>
14.2.2 血管痛、血栓又は静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。

5.効能・効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため、経口投与が困難な場合や緊急の場合、また、経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ使用すること。なお、経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には、速やかに経口投与に切り替えること。
<咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎>
5.2 「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 筋注
健康成人(n=3)に本剤500mgを単回筋肉内注射した時の血中濃度は図1、表1に示すとおりであった。
図1 500mg筋肉内注射時の血中濃度(健康成人)
表1 薬物動態パラメータ
Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
5.511.01.0
T1/2は文献から算出
16.1.2 静注
健康成人(n=3)に本剤500mgを単回静脈内注射した時の血中濃度は図2に示すとおりであり、投与30分後の平均血中濃度は19.36μg/mL、以後漸減し6時間後で0.03μg/mLを示しT1/2は0.7hr(文献から算出)であった。
図2 500mg静注時の血中濃度(健康成人)
16.1.3 点滴静注
健康成人(n=3)に本剤3gを5%ブドウ糖100mLに溶解し、1時間かけて点滴静注した時の血中濃度は図3、表2に示すとおりであった。
図3 3g点滴静注時の血中濃度
表2 薬物動態パラメータ
Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
150点滴終了時0.98
16.5 排泄
健康成人に本剤500mgを筋注、静注した時、及び3gを点滴静注(各々n=3)した時の投与後6時間までの尿中排泄率は表3のとおりであった。
表3 尿中排泄率
投与法排泄率(%)
筋注(500mg)85.6
静注(500mg)60.7
点滴静注(3g)70.3

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
経口避妊薬経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも0.1%未満)
不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.2参照]
11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(0.1%未満)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
11.1.3 無顆粒球症、溶血性貧血(いずれも0.1%未満)[8.3参照]
11.1.4 急性腎障害等の重篤な腎障害(0.1%未満)[8.4参照]
11.1.5 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6 肝機能障害(頻度不明)
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.5参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上又は頻度不明0.1~5%未満0.1%未満
過敏症発熱、発疹、蕁麻疹等
血液好酸球増多、顆粒球減少、血小板減少、貧血
肝臓AST、ALT、Al-P上昇
消化器下痢、悪心、食欲不振等
中枢神経痙攣等の神経症状(腎不全の患者に大量投与時)
菌交代症口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
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