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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物による筋弛緩状態からの回復

用法・用量

  • 通常、成人にはスガマデクスとして、浅い筋弛緩状態(筋弛緩モニターにおいて四連(TOF)刺激による2回目の収縮反応(T2)の再出現を確認した後)では1回2mg/kgを、深い筋弛緩状態(筋弛緩モニターにおいてポスト・テタニック・カウント(PTC)刺激による1~2回の単収縮反応(1-2PTC)の出現を確認した後)では1回4mg/kgを静脈内投与する。また、ロクロニウム臭化物の挿管用量投与直後に緊急に筋弛緩状態からの回復を必要とする場合、通常、成人にはスガマデクスとして、ロクロニウム臭化物投与3分後を目安に1回16mg/kgを静脈内投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心拍出量の低下のある患者
筋弛緩からの回復が遅延するおそれがある。
9.1.2 浮腫性疾患の患者
筋弛緩からの回復が遅延するおそれがある。
9.1.3 アレルギー素因のある患者
9.1.4 呼吸器疾患の既往歴のある患者
気管支痙攣を起こすおそれがある。[11.1.4参照]
9.1.5 血液凝固障害を伴う患者
健康成人を対象とした海外試験において活性化部分トロンボプラスチン時間又はプロトロンビン時間の一過性の延長が認められている。
9.2 腎機能障害患者
本剤は腎排泄されるため、排泄が遅延するおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
国内において、小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
筋弛緩からの回復が遅延するおそれがある。外国の臨床試験において、高齢者で回復時間がわずかに遅延する傾向が認められた。[17.1.3参照]

8.重要な基本的注意

8.1 筋弛緩及び筋弛緩の回復の程度を客観的に評価し、本剤を安全かつ適切に使用するために、筋弛緩モニターを可能な限り行うこと。
8.2 挿管困難が予測される患者に対しては、気道確保の方法について予め十分に検討を行い、緊急に筋弛緩状態からの回復を必要とする場合の本剤16mg/kgの投与は、必要最小限の使用に留めること。
8.3 自発呼吸が回復するまで必ず調節呼吸を行うこと(ガス麻酔器又は人工呼吸器を使用すること)。
8.4 筋弛緩作用の残存による呼吸抑制、誤嚥等の合併症を防止するため、患者の筋弛緩が十分に回復したことを確認した後に抜管すること。また、抜管後も筋弛緩作用の再発が起きるおそれがあるので患者の観察を十分に行うこと。
8.5 維持麻酔中に本剤を投与すると、浅麻酔となっている場合には、四肢や体幹の動き、バッキングなどが起こることがあるので、必要に応じて麻酔薬又はオピオイドを追加投与すること。
8.6 手術後にロクロニウム臭化物及びベクロニウム臭化物の筋弛緩作用を増強する薬剤を併用する際は筋弛緩の再発に注意し、筋弛緩の再発が発現した場合は、人工呼吸など適切な処置を行うこと。
8.7 本剤の投与後に筋弛緩剤を再投与する必要が生じた場合、再投与する筋弛緩剤の作用発現時間の遅延が認められるおそれがあるので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。
8.8 本剤投与後数分以内に心室細動、心室頻拍、心停止、高度徐脈があらわれることがあるので、循環動態の観察を十分に行うこと。[11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
他の薬剤と併用する場合には、別々の投与経路で使用するか、又は同一点滴回路を使用する場合は回路内を生理食塩水等の中性溶液を用いて洗浄するなど混合しないようにすること。なお、オンダンセトロン塩酸塩水和物、ベラパミル塩酸塩及びラニチジン塩酸塩との混合において、配合変化が報告されている。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 筋弛緩モニターによる確認ができない場合は、十分な自発呼吸の発現を確認した後はスガマデクスとして2mg/kgを投与すること。十分な自発呼吸の発現を確認する前のロクロニウム臭化物による筋弛緩に対してはスガマデクスとして4mg/kgを投与するが、筋弛緩状態からの回復が遅延することがあるため、患者の状態を十分に観察すること。なお、筋弛緩モニターによる確認ができない場合の自発呼吸の発現を確認する前のベクロニウム臭化物による筋弛緩に対する本剤の有効性及び安全性は確立されていない。
7.2 ベクロニウム臭化物の挿管用量投与直後に緊急に筋弛緩状態からの回復を必要とする場合の本剤の有効性及び安全性は確立していない。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤はロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物以外の筋弛緩剤による筋弛緩状態からの回復に対しては使用しないこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
日本人健康成人に本剤を非麻酔下で単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータ及び血漿中未変化体濃度推移は表1及び図のとおりであった。
表1 単回静脈内投与後の薬物動態パラメータ
投与量(mg/kg)症例数AUC0-∞(μg・min/mL)CL(mL/min)Vss(mL)t1/2(min)
114561[14.2]106[16.7]12,071[13.5]107[13.9]
8144,604[10.0]103[9.02]11,799[15.5]132[17.5]
16149,670[13.5]98.4[15.5]11,370[15.0]143[22.5]
幾何平均値[幾何CV(%)]
図 単回静脈内投与後の血漿中未変化体濃度推移
16.3 分布
16.3.1 血漿タンパク及び赤血球への結合
スガマデクスは、ヒト血漿タンパク(薬物濃度:0~125μM)及び赤血球(薬物濃度:0~250μM)と結合しない(in vitro)。
16.4 代謝
健康成人6例に14C-スガマデクスナトリウム4mg/kgを非麻酔下で単回静脈内投与したとき、血漿中放射能の99.9%が未変化体であった(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人6例に14C-スガマデクスナトリウム4mg/kgを非麻酔下で単回静脈内投与したとき、投与放射能の約90%が投与24時間以内に尿中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満、透析患者を含む)又は腎機能正常患者(クレアチニンクリアランス80mL/min以上)に麻酔下で本剤2mg/kgを単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータは表2のとおりであった。別の試験において、重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)、中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30~50mL/min)又は腎機能正常患者(クレアチニンクリアランス80mL/min以上)に非麻酔下で本剤4mg/kgを単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータは表2のとおりであった(外国人データ)。[9.2参照]
表2 腎機能障害患者又は腎機能正常患者に単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータ
投与量(mg/kg)腎機能障害の程度症例数AUC0-∞(μg・min/mL)CL(mL/min)Vss(mL)t1/2(min)
2腎機能正常患者131,728[34.8]95.2[22.1]13,800[20.5]139[44.4]
重度腎機能障害患者1327,463[114]5.53[108]15,986[35.5]2,139[121]
4腎機能正常患者63,750[20.3]95.0[16.0]14,149[20.4]149[13.5]
中等度腎機能障害患者69,058[37.4]37.8[39.6]15,938[21.9]344[29.8]
重度腎機能障害患者620,312[21.7]16.0[26.8]15,071[19.7]794[35.5]
幾何平均値[幾何CV(%)]:透析患者9例を含む
臨床試験において、本剤の血漿中濃度はhigh-flux膜による平均6時間の透析により約70%減少した。low-flux膜では本剤は除去されなかった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
トレミフェン筋弛緩状態からの回復の遅延又は筋弛緩の再発が生じるおそれがあるので、本剤投与後6時間以降に投与すること。本剤に包接されたロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物と置換し、ロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物の血中濃度が上昇することがある。
経口避妊剤
ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等
経口避妊剤の作用が減弱することがある。経口避妊剤服用当日に本剤が投与された場合は飲み忘れた場合と同様の措置を講じること。本剤と包接体を形成し、経口避妊剤の血中濃度が低下することがある。
抗凝固剤
ワルファリン等
本剤との併用により、抗凝固作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を観察するとともに血液凝固に関する検査値に注意すること。作用機序は不明であるが、海外試験において、本剤4mg/kgと抗凝固剤の併用中に活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)又はプロトロンビン時間(PT)の軽度で一過性の延長が認められている。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
潮紅、蕁麻疹、紅斑性皮疹、喘鳴、血圧低下、頻脈、舌腫脹、咽頭浮腫等を起こすことがある。
注)外国人健康成人に本剤を非麻酔下で投与したとき、アナフィラキシーを含む過敏反応は16mg/kg投与群で14/148例(9.5%)、4mg/kg投与群で10/151例(6.6%)認められた。
11.1.2 心室細動、心室頻拍、心停止、高度徐脈(いずれも頻度不明)[8.8参照]
11.1.3 冠動脈攣縮(頻度不明)
11.1.4 気管支痙攣(0.3%未満)[9.1.4参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~5%未満1%未満頻度不明
消化器悪心、嘔吐
精神神経系浮動性めまい、味覚異常
循環器頻脈、徐脈、高血圧、低血圧
呼吸器咳嗽
泌尿器β-N-アセチル-D-グルコサミニダーゼ増加、尿中アルブミン陽性、尿中β2-ミクログロブリン増加
骨格筋・結合組織筋力低下
過敏症潮紅、そう痒、発疹
その他悪寒、体動
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