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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制
  • ○非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制
  • ○全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)
  • ○視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防

用法・用量

  • <発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制>

    • 通常、成人には、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、1回600mgから投与を開始する。初回投与後、週1回の間隔で初回投与を含め合計4回点滴静注し、その1週間後(初回投与から4週間後)から1回900mgを2週に1回の間隔で点滴静注する。
  • <非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制及び全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)>

    • 通常、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、下記の用法・用量で点滴静注する。
      年齢又は体重導入期維持期
      18歳以上1回900mgを週1回で計4回初回投与4週間後から1回1200mgを2週に1回
      18歳未満
      40kg以上1回900mgを週1回で計4回初回投与4週間後から1回1200mgを2週に1回
      30kg以上40kg未満1回600mgを週1回で計2回初回投与2週間後から1回900mgを2週に1回
      20kg以上30kg未満1回600mgを週1回で計2回初回投与2週間後から1回600mgを2週に1回
      10kg以上20kg未満1回600mgを週1回で計1回初回投与1週間後から1回300mgを2週に1回
      5kg以上10kg未満1回300mgを週1回で計1回初回投与1週間後から1回300mgを3週に1回
  • <視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>

    • 通常、成人には、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、1回900mgから投与を開始する。初回投与後、週1回の間隔で初回投与を含め合計4回点滴静注し、その1週間後(初回投与から4週間後)から1回1200mgを2週に1回の間隔で点滴静注する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与により、髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡例も認められているため、以下の点に十分注意すること。[5.1、11.1.1参照]
    • 1.1.1 本剤の投与に際しては、髄膜炎菌感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
    • 1.1.2 緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与前に髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。必要に応じてワクチンの追加接種を考慮すること。
    • 1.1.3 髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
    • 1.1.4 髄膜炎菌感染症のリスクについて患者に説明し、当該感染症の初期徴候を確実に理解させ、髄膜炎菌感染症に関連する副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
  • 1.2 本剤は、発作性夜間ヘモグロビン尿症、非典型溶血性尿毒症症候群、全身型重症筋無力症あるいは視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 髄膜炎菌感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 髄膜炎菌感染症の既往のある患者
本剤により髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[5.1、11.1.1参照]
9.1.2 感染症の患者又は感染症が疑われる患者
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[5.1、11.1.1、11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
<発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制及び視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>
9.7.1 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
<非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制>
9.7.2 低出生体重児、新生児又は2ヵ月未満の乳児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
<全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)>
9.7.3 低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。ECU-MG-303試験は、6歳以上18歳未満を対象として実施したが、12歳未満の患者は組み入れられなかった。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。

8.重要な基本的注意

<発作性夜間ヘモグロビン尿症>
8.1 本剤投与によりPNH赤血球クローンが増加するため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が認められるおそれがある。本剤の投与を中止した患者に対しては、最低8週間、血管内溶血及びそれに付随する臨床症状の変化を注意深く観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
<非典型溶血性尿毒症症候群>
8.2 本剤投与開始後は血小板数等を定期的にモニタリングし、改善傾向が認められない場合は、本剤の投与継続の要否を検討すること。なお、本剤を中止した場合に重度の血栓性微小血管障害が発現するおそれがあるため、本剤の投与中止後、最低12週間は患者の状態を注意深く観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 滅菌シリンジでバイアルから全量を抜き取り、必要量を点滴バッグ等に注入する。
14.1.2 日局生理食塩液、日局ブドウ糖注射液(5%)又は日局リンゲル液を点滴バッグ等に添加し、本剤を5mg/mLに希釈する。(希釈した液の容量は本剤300mgの場合60mL、600mgの場合120mL、900mgの場合180mL、1200mgの場合240mLである。)
14.1.3 希釈した液を含有する点滴バッグ等を静かに倒立させるなど、緩やかに溶解し、混和する。(抗体タンパクが凝集するおそれがあるため、決して激しく振らないこと。)
14.1.4 調製後、微粒子及び変色がないか、目視検査を行うこと。(変色、異物、その他異常を認めたものは使用しないこと。)
14.1.5 調製後、希釈した液は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存する場合は、希釈した液は2~25℃で保存し、24時間以内に使用すること。
14.1.6 希釈した液を投与前に室温になるまで放置すること。(加熱しないこと。)
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤は点滴静注用としてのみ用い、急速静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与をしないこと。
14.2.2 本剤は独立したラインより投与するものとし、他の注射剤、輸液等と混合しないこと。
14.2.3 希釈した液を18歳以上では25~45分、18歳未満では1~4時間かけて点滴静注するが、患者の年齢、体重に応じて適宜調整すること。
14.2.4 本剤の投与中に副作用が発現した場合は、医師の判断で投与速度を遅くする又は投与を中止し、投与終了後、患者の症状が安定するまで慎重に観察すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制>
7.1 本剤の血中濃度の低下により急性の溶血発作の発現が懸念されるため、投与間隔を遵守すること。
7.2 本剤投与開始2週までに血清中乳酸脱水素酵素(LDH)活性の低下が認められない場合には、本剤の投与継続の要否を検討すること。
<非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制>
7.3 本剤の血中濃度の低下により、血栓性微小血管障害の増悪が懸念されるため、投与間隔を遵守すること。
<全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)>
7.4 本剤の血中濃度低下により症状悪化が懸念されるため、投与間隔を遵守すること。
7.5 本剤の全身型重症筋無力症患者を対象とした臨床試験では、ほとんどの治療反応例で投与開始後12週までに症状の改善が得られた。全身型重症筋無力症患者で他の免疫抑制剤を併用している患者においては、髄膜炎菌感染症のリスクが高い可能性があることから、リスクベネフィットを考慮し、投与開始後12週までに症状の改善が認められない患者では、本剤の投与中止を検討すること。
<視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>
7.6 本剤の血中濃度低下により再発のおそれがあるため、投与間隔を遵守すること。
7.7 本剤を一定期間投与後、再発の頻度について検討し、再発の頻度の減少が認められない患者では、本剤の投与中止を検討すること。
<非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制、全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)及び視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>
7.8 血液浄化療法(透析を除く)により本剤の一部が除去されること、新鮮凍結血漿内には補体C5が含まれること、免疫グロブリン大量静注療法によりエンドソーム内の胎児性Fc受容体(FcRn)のリサイクリング機能が阻害される可能性があることから、本剤投与中に血液浄化療法、新鮮凍結血漿輸注又は免疫グロブリン大量静注療法を施行する必要がある場合は、下表を参考に本剤の補充投与を考慮すること。なお、下表はシミュレーション結果に基づき設定されたものであることから、補充投与後は患者の状態を慎重に観察すること。[10.2参照]
直近の本剤投与量本剤の補充用量補充投与の時期
血液浄化療法300mg1回につき300mg施行後60分以内
600mg以上1回につき600mg
新鮮凍結血漿輸注300mg以上1回につき300mg施行60分前
免疫グロブリン大量静注療法600mg以下1回につき300mg施行直後
900mg以上1回につき600mg

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 本剤は補体C5の開裂を阻害し、終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に対し投与を開始すること。また、本剤投与に際しては、緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。特に小児への本剤投与に際しては、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型に対するワクチンの接種状況を確認し、未接種の場合にはそれぞれのワクチンの接種を検討すること。[1.1、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2、17.1参照]
<発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制>
5.2 フローサイトメトリー法等により検査を行い、発作性夜間ヘモグロビン尿症と確定診断された患者に投与を開始すること。
5.3 本剤を投与開始する際には、溶血のため赤血球輸血が必要と考えられ、今後も輸血の継続が見込まれる患者を対象とすること。
5.4 本剤による血栓塞栓症の抑制効果、腎機能改善効果及び延命効果は確認されていない。
5.5 本剤の急性溶血発作に対する改善効果は確認されていない。
5.6 本剤投与によりPNH赤血球クローンが増加するため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が認められるおそれがあることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に対し投与を開始すること。
<非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制>
5.7 補体制御異常による非典型溶血性尿毒症症候群※)の患者に使用すること。
※)「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2023」(日本腎臓学会・日本小児科学会・日本血液学会・日本補体学会・日本移植学会)を参考にすること。
5.8 二次性血栓性微小血管症の患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)。
<全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)>
5.9 本剤は、抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者に投与すること。
5.10 本剤は、ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に、以下に示す患者への投与を考慮すること。
・免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法を施行しても症状の管理が困難な患者
・合併症や副作用等により、免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法の施行が困難な患者
<視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>
5.11 本剤は、抗アクアポリン4抗体陽性の患者に投与すること。
5.12 視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)※)の患者に使用すること。
※)「多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017」(日本神経学会)を参考にすること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
<発作性夜間ヘモグロビン尿症>
16.1.1 国内第II相試験C07-001(AEGIS study)
発作性夜間ヘモグロビン尿症患者に本剤600mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤900mgを2週に1回の頻度で計5回静脈内投与した時の血清中濃度は、下図のように推移した。また、投与12週後における血清中トラフ濃度は116.5±10.93μg/mLであった。
図:国内臨床試験におけるエクリズマブの血清中濃度推移
血清中濃度の被験者数は10週のみ28例、他は29例であった。
16.1.2 海外第III相試験C04-001(TRIUMPH study)
発作性夜間ヘモグロビン尿症患者(43例)に本剤600mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤900mgを2週に1回の頻度で計11回静脈内投与した時の血清中トラフ濃度は、投与1週時45.1±3.81μg/mL、投与4週時113.5±8.70μg/mL、投与6週時104.3±8.65μg/mL、投与12週時96.5±9.38μg/mL、投与26週時101.8±10.84μg/mLであった(n=40~42)。
16.1.3 海外第III相試験C04-002(SHEPHERD study)
発作性夜間ヘモグロビン尿症患者(97例)に本剤600mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤900mgを2週に1回の頻度で計24回静脈内投与した時の血清中トラフ濃度は、投与1週時45.8±3.00μg/mL、投与4週時104.5±5.08μg/mL、投与6週時100.6±5.77μg/mL、投与12週時92.6±5.36μg/mL、投与26週時98.4±6.63μg/mL、投与52週時110.3±8.92μg/mLであった(n=92~96)。
<非典型溶血性尿毒症症候群>
16.1.4 国内第II相試験C11-005J
本剤投与中の非典型溶血性尿毒症症候群患者3例に本剤1回600mg又は1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した時の投与12週時の血清中濃度を測定した。
年齢体重1回投与量投与12週時の血清中濃度(μg/mL)
ピーク濃度トラフ濃度
8歳27.3kg600mg553.6352.1
6歳18.9kg600mga)524.1384.8
31歳53.9kg1200mg517.1377.1
a)10kg以上20kg未満の患者に対する1回あたりの承認用量は300mgである。
16.1.5 海外第II相試験C08-002A/B
非典型溶血性尿毒症症候群患者(17例)に本剤900mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した時の投与1日目の血清中ピーク濃度は188.3±47.1μg/mLであり、血清中トラフ濃度は投与4週時152.6±61.8μg/mL、投与26週時194.8±83.1μg/mLであった(n=13~16)。
16.1.6 海外第II相試験C08-003A/B
非典型溶血性尿毒症症候群患者(20例)に本剤900mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した時の投与1日目の血清中ピーク濃度は222.7±48.9μg/mLであり、血清中トラフ濃度は投与4週時222.4±53.3μg/mL、投与26週時276.8±101.0μg/mLであった(n=18~20)。
<全身型重症筋無力症>
16.1.7 第III相国際共同試験ECU-MG-301
全身型重症筋無力症患者(62例(日本人患者3例を含む))に本剤900mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した時の投与1日目の血清中ピーク濃度は336±112μg/mLであり、血清中トラフ濃度は投与4週時373±135μg/mL、投与26週時341±172μg/mLであった(n=57~61)。日本人患者(3例)の血清中ピーク濃度及び血清中トラフ濃度は、外国人患者の5~95パーセンタイルの範囲内であった。
16.1.8 第III相国際共同試験ECU-MG-303
12~17歳で体重30kg以上の全身型重症筋無力症患者(11例(日本人患者3例を含む))に体重に基づき本剤600mg又は900mgを週1回で計2又は4回、その1週間後から本剤900mg又は1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した時の投与1日目の血清中ピーク濃度は523±213μg/mLであり、血清中トラフ濃度は投与4週時484±111μg/mL、投与26週時434±172μg/mLであった(n=9~11)。
<視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>
16.1.9 第III相国際共同試験ECU-NMO-301
視神経脊髄炎スペクトラム障害患者(95例(日本人患者9例を含む))に本剤900mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した時の投与1日目の血清中ピーク濃度は359±103μg/mLであり、血清中トラフ濃度は投与4週時432±169μg/mL、投与48週時420±218μg/mLであった(n=65~94)。日本人患者(9例)の血清中ピーク濃度及び血清中トラフ濃度は、外国人患者の5~95パーセンタイルの範囲内にほぼ含まれていた。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
人免疫グロブリン製剤
(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン等)
[7.8参照]
人免疫グロブリン製剤との併用投与によって本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用する場合には、本剤の補充投与を考慮すること。人免疫グロブリン製剤との継続的な併用投与により、本剤の血清中濃度が低下する可能性がある。
エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤による治療を開始する場合には、エフガルチギモド アルファのサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。エフガルチギモド アルファにより、本剤を含む胎児性Fc受容体(FcRn)に結合する薬剤の血清中濃度が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 髄膜炎菌感染症(頻度不明)
髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化することがあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症した例や、死亡に至った例が認められている。[1.1、5.1、9.1.1、9.1.2参照]
11.1.2 重篤な感染症(頻度不明)
播種性淋菌感染症、肺炎球菌感染、インフルエンザ菌感染等の重篤な感染症があらわれることがある。[5.1、9.1.2参照]
11.1.3 infusion reaction(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー等があらわれることがある。
注)発現頻度は発作性夜間ヘモグロビン尿症を対象とした国内臨床試験C07-001、非典型溶血性尿毒症症候群を対象とした国内レトロスペクティブ調査研究試験C11-004J及び国内臨床試験C11-005J、全身型重症筋無力症を対象とした国際共同試験ECU-MG-301、ECU-MG-302及びECU-MG-303における日本人患者の結果、視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)を対象とした国際共同試験ECU-NMO-301及びECU-NMO-302における日本人患者の結果から集計した。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上5%~10%未満5%未満頻度不明
血液白血球減少症大球性貧血、好中球減少症、リンパ球減少症、鉄欠乏性貧血貧血、凝固因子異常
耳及び迷路障害耳鳴回転性めまい、耳痛
結膜出血、白内障、強膜出血、眼痛、結膜炎、緑内障
胃腸悪心嘔吐上腹部痛、腸炎、下痢、腹痛、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、舌炎便秘、消化不良、腹部不快感、歯痛、アフタ性口内炎、嚥下障害、直腸出血、胃の不快感
全身障害及び投与局所発熱胸部不快感、疲労、腋窩痛、悪寒、注射部位硬結、倦怠感、末梢性浮腫インフルエンザ様疾患、無力症、胸痛、注射部位疼痛、溢出、疼痛、冷感、腫脹
肝胆道高ビリルビン血症、肝機能異常黄疸
感染症鼻咽頭炎インフルエンザ、咽頭炎単純ヘルペス、麦粒腫、口腔ヘルペス、医療機器関連感染、肺炎、上気道感染、気管支炎、蜂巣炎、膀胱炎、ウイルス性胃腸炎、扁桃炎、帯状疱疹、敗血症、腎膿瘍、アデノウイルス結膜炎、股部白癬、尿道炎、口腔カンジダ症、耳下腺炎、歯周炎尿路感染、真菌感染、ウイルス感染、膿瘍、消化管感染、感染、副鼻腔炎、歯感染、下気道感染、膿痂疹、気道感染、鼻炎、胃腸炎、限局性感染、耳部感染、腹膜炎、BKウイルス感染、ナイセリア感染(淋菌等)
臨床検査ALP上昇、ビリルビン上昇、C-反応性蛋白増加、白血球数増加、肝酵素増加、尿中白血球陽性、尿中血陽性、好酸球百分率増加、好中球百分率増加ヘモグロビン減少、ハプトグロビン減少
代謝食欲減退、糖尿病、高アルブミン血症、高血糖低カリウム血症、ヘモクロマトーシス
筋骨格筋肉痛、関節痛、四肢痛、背部痛筋痙縮、頸部痛、関節腫脹、筋骨格痛、側腹部痛、筋骨格系胸痛
神経系頭痛浮動性めまい、頭部不快感、感覚鈍麻、眼振味覚異常、振戦、失神、嗜眠、片頭痛、知覚障害
生殖系陰嚢障害、希発月経腟出血
呼吸器上気道炎、咳嗽、鼻閉、鼻漏、口腔咽頭不快感呼吸困難、鼻出血、咽喉頭疼痛、湿性咳嗽、咽喉乾燥
皮膚湿疹、発疹皮膚乾燥、紅斑、多形紅斑、脱毛症、多毛症、接触性皮膚炎そう痒症、蕁麻疹、点状出血、発汗、皮膚炎
免疫系季節性アレルギー
精神系うつ病、不安不眠症、憂鬱感
血管・心臓高血圧、動悸、起立性低血圧進行性高血圧、ほてり、血腫、静脈硬化症
腎及び尿路障害出血性膀胱炎、腎結石症、尿失禁、尿蛋白排尿困難、血尿、腎疝痛
傷害骨折挫傷、擦過傷、転倒・転落、関節捻挫、四肢損傷
その他皮膚乳頭腫

注)発現頻度は発作性夜間ヘモグロビン尿症を対象とした国内臨床試験C07-001、非典型溶血性尿毒症症候群を対象とした国内レトロスペクティブ調査研究試験C11-004J及び国内臨床試験C11-005J、全身型重症筋無力症を対象とした国際共同試験ECU-MG-301、ECU-MG-302及びECU-MG-303における日本人患者の結果、視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)を対象とした国際共同試験ECU-NMO-301及びECU-NMO-302における日本人患者の結果から集計した。

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