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フェソロデックス筋注250mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 乳癌

用法・用量

  • 通常、成人には本剤2筒(フルベストラントとして500mg含有)を、初回、2週後、4週後、その後4週ごとに1回、左右の臀部に1筒ずつ筋肉内投与する。なお、閉経前乳癌に対しては、LH-RHアゴニスト投与下で他の抗悪性腫瘍剤と併用すること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.2 授乳婦[9.6参照]
  • 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者
重度の腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝機能障害のある患者
血中濃度が上昇するおそれがある。なお、Child-Pugh分類クラスCの肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2年間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット及びウサギ)において、胎児における着床後死亡率の高値、胎児体重の低値及び骨格異常、母動物において妊娠維持及び分娩への障害等の生殖毒性が認められている。[2.1、9.4参照]
9.6 授乳婦
授乳婦には投与しないこと。動物実験(ラット)において乳汁移行が認められており、母体の乳汁中薬物濃度が血漿中濃度よりも高く検出されている。また、動物実験(ラット)で授乳期に本剤を投与した場合、出生児において生存率の低値等が認められている。[2.2参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の特性ならびに使用経験がないことを考慮して、LH-RHアゴニスト投与下での他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を除き、閉経前患者への使用は避けること。
8.2 本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤の使用方法
本剤はディスポーザブル注射針刺との接続を適切に実施するために、使用前に末尾掲載の「使用時の注意」を確認すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 筋肉内注射にのみ使用すること。
14.2.2 1回の投与でシリンジ内の全量を投与すること。
14.2.3 注射は、1-2分かけて緩徐に行うことが望ましい。
14.2.4 坐骨神経等の重要な神経に近接する臀部背側にやむを得ず投与する場合は、神経の損傷に注意すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 1回の投与で本剤2筒を一側の臀部に投与しないこと。
7.2 硬結に至ることがあるので、注射部位を毎回変更するなど十分注意して投与すること。[11.2参照]
7.3 併用する他の抗悪性腫瘍剤については、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で選択すること。[17.1.4、17.1.5参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤の使用開始にあたっては、原則としてホルモン受容体の発現の有無を確認し、ホルモン受容体が陰性と判断された場合には本剤を使用しないこと。
5.2 本剤の術前・術後薬物療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.3 臨床試験に組み入れられた患者のHER2の発現状況等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.3-17.1.5参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
閉経後健康女性に本剤25~250mg注)を単回筋肉内投与したときの血漿中フルベストラント濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。単回投与後2~9日にCmaxが認められ、その後は二相性の消失を示して、半減期は35~38日であった。また、血漿中濃度は投与量にほぼ比例して増加した。
血漿中フルベストラント濃度推移
(算術平均値±標準偏差、n=5)
フルベストラントの薬物動態パラメータ
(算術平均値±標準偏差、n=5)
用量(mg)Cmax(ng/mL)tmaxa)(日)t1/2b)(日)AUC0-27d(μg・h/mL)AUC0-∞(μg・h/mL)
251.26±0.366(2~9)NCc)0.48±0.11NCc)
502.58±0.426(3~9)NCc)0.97±0.12NCc)
1254.56±1.726(3~9)35.4±12.51.75±0.483.00±0.61
25010.6±4.326(3~6)38.3±5.124.03±1.517.85±2.42
a)中央値(範囲)b)投与後27~83日の血漿中濃度推移から算出した半減期c)NC:算出できず(定量限界:0.25ng/mL)
16.1.2 反復投与
閉経後乳癌患者24例に本剤1回500mgを反復筋肉内投与(初回、2週後、4週後、その後4週ごとに1回)し、得られた140時点の血漿中フルベストラント濃度を基に一次吸収を伴う2-コンパートメントモデルによる母集団薬物動態解析を実施して薬物動態パラメータを推定した(下表)。投与1カ月目のCmax、Cmin及びAUC0-τは投与3カ月目と比べて高いか同程度であり、投与1カ月目で定常状態に達していると考えられた。
閉経後乳癌患者におけるフルベストラントの薬物動態パラメータ(母集団薬物動態解析による推定値、幾何平均値(変動係数%))
試験評価時期nCmax(ng/mL)tmaxa)(日)Cminb)(ng/mL)AUC0-τ(μg・h/mL)
第II相試験1カ月目2428.7(27.0)3.9(3.6~4.4)17.8(19.2)13.0(25.9)
3カ月目2029.4(23.8)4.2(3.9~4.5)11.4(18.2)13.3(20.6)
a)中央値(範囲)b)投与後28日の血漿中濃度(投与1カ月目は初回投与後28日)
16.3 分布
閉経後健康女性6例にフルベストラント10mg注)を静脈内投与したときの分布容積(Vss)は4.1±1.6L/kgであった(外国人のデータ)。フルベストラント(10μg/mL)のin vitro血漿蛋白結合率は98.8%であり、主な結合蛋白はリポ蛋白であった。
16.4 代謝
糞中代謝物の分析結果から、主な代謝経路はスルホン体への酸化、17-酸化、硫酸抱合化及びグルクロン酸抱合化であると考えられた(外国人のデータ)。In vitro代謝試験において、フルベストラントのスルホン体への代謝に関与する主なP450分子種はCYP3A4であった。
16.5 排泄
健康成人7例(男性4例、閉経後女性3例)に14C-フルベストラント18mg注)を単回筋肉内投与(本剤とは異なる速放性製剤)したところ、投与後21日目までに、放射能の91.1%が糞中に、0.6%が尿中に排泄された(外国人のデータ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害
閉経後乳癌患者において、フルベストラントの全身クリアランス(CL/F)とクレアチニンクリアランス(CLCR)との間に明らかな相関関係は認められず、CLCRが30mL/min以上の範囲ではフルベストラントの体内動態は腎機能障害の影響を受けないと考えられた(外国人のデータ)。[9.2参照]
16.6.2 肝機能障害
健康成人、並びにChild-Pugh分類クラスA及びBの肝機能障害患者各7例にフルベストラント100mg(本剤とは異なる速放性製剤)注)を単回筋肉内投与したとき、Child-Pugh A群及びB群のAUC0-tは、それぞれ健康成人群の1.2倍及び1.8倍高値であり、肝機能障害の影響によってフルベストラントの全身クリアランス(CL/F)はそれぞれ健康成人群の83%及び60%に低下した。なお、Child-Pugh分類クラスCの肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない(外国人のデータ)。
母集団薬物動態モデルによるシミュレーションの結果、肝機能障害のない患者への500mg投与との比較において、Child-Pugh分類クラスBの肝機能障害患者への本剤500mg反復筋肉内投与6カ月目のCmax、Cmin及びAUC0-τは1.3~1.7倍に上昇し、1回投与量を250mgに減量した場合は65~85%に低下した。[9.3参照]
注)本剤の承認用量及び用法は「本剤2筒(フルベストラントとして500mg)を2週ごとに1回、4週以降は4週ごとに1回筋肉内投与」である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害(4.2%)
AST、ALT、ALP、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.1.2 血栓塞栓症(0.7%)
肺塞栓症(0.4%)、深部静脈血栓症(0.4%)、血栓性静脈炎(頻度不明)等があらわれることがある。
11.1.3 注射部位の壊死、潰瘍(頻度不明)
国内第I/II相試験及び内分泌療法未治療の閉経後乳癌患者を対象とした国際共同第III相試験の合算により算出した。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上1~10%未満1%未満頻度不明
注射部位注射部位反応(硬結、疼痛、出血、血腫、膿瘍等)坐骨神経痛
消化器悪心、下痢おくび、便秘、消化不良、嘔吐鼓腸放屁、腹部膨満、嚥下障害、流涎過多、腹痛
精神神経系頭痛、めまい、感覚異常、不眠症適応障害、気分変調
血管障害ほてり血腫
循環器高血圧狭心症
筋骨格系背部痛、筋肉痛、関節痛、筋骨格痛、骨痛筋骨格硬直、筋力低下、骨粗鬆症骨折、重感
皮膚発疹、そう痒症、脱毛症多汗症爪痛
過敏症過敏反応(蕁麻疹等)
全身無力症、浮腫発熱
呼吸器呼吸困難咳嗽、鼻出血、間質性肺疾患
代謝及び栄養障害食欲不振高トリグリセリド血症、高コレステロール血症高血糖
生殖器卵巣腫大、乳房不快感、腟出血乳房痛、外陰腟そう痒症
血液貧血、血小板数減少
その他白内障、耳不快感尿路感染、インフルエンザ様疾患、インフルエンザ、腋窩痛、非心臓性胸痛、眼乾燥、腟感染、胆石症

国内第I/II相試験及び内分泌療法未治療の閉経後乳癌患者を対象とした国際共同第III相試験の合算により算出した。

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