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タクロリムス軟膏0.1%「タカタ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • アトピー性皮膚炎

用法・用量

  • 通常、成人には1日1~2回、適量を患部に塗布する。なお、1回あたりの塗布量は5gまでとする。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の使用は、アトピー性皮膚炎の治療法に精通している医師のもとで行うこと。
  • 1.2 潰瘍、明らかに局面を形成しているびらんに使用する場合には、血中濃度が高くなり、腎障害等の副作用が発現する可能性があるので、あらかじめ処置を行い、潰瘍、明らかに局面を形成しているびらんの改善を確認した後、本剤の使用を開始すること。[2.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 患部に潰瘍、明らかに局面を形成しているびらんのある患者[1.2参照]
  • 2.2 高度の腎障害、高度の高カリウム血症の患者[9.1.1、9.2.1参照]
  • 2.3 魚鱗癬様紅皮症を呈する疾患(Netherton症候群等)の患者[経皮吸収が高く、本剤の血中濃度が高くなり、腎障害等の副作用が発現する可能性がある。][9.1.2参照]
  • 2.4 小児等[9.7.1、9.7.2参照]
  • 2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.6 PUVA療法等の紫外線療法を実施中の患者[10.1、15.2.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高カリウム血症の患者(高度の高カリウム血症の患者を除く)
高カリウム血症が増悪する可能性がある。[2.2参照]
9.1.2 全身に皮疹を認める紅皮症の患者
経皮吸収が高く、広範囲の使用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。[2.3参照]
9.1.3 皮膚感染症を伴う患者
皮膚感染症が増悪するおそれがある。[8.5参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 高度の腎障害の患者
使用しないこと。腎障害が増悪する可能性がある。[2.2参照]
9.2.2 腎障害の患者(高度の腎障害の患者を除く)
腎障害が増悪する可能性がある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 高度の肝障害の患者
薬物代謝能が低下し、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。動物実験(ウサギ、経口投与)で催奇形作用、胎児毒性が認められたとの報告がある。ヒト(経口投与)で胎盤を通過することが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで母乳中へ移行する可能性がある。
9.7 小児等
9.7.1 2歳未満の幼児等
使用しないこと。低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。[2.4参照]
9.7.2 2歳以上の小児等
より低濃度の0.03%製剤を使用し、本剤は使用しないこと。血中濃度の上昇により副作用が発現する可能性がある。[2.4参照]
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 重度の皮疹もしくは塗布面積が広範囲にわたる場合は、血中濃度が高くなる可能性があるので、本剤使用開始の2~4週間後に1回、その後は必要に応じて適宜腎機能検査を行い、異常が認められた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。
8.2 本剤の免疫抑制作用により潜在的な発がんリスクがある。0.03%製剤で実施された長期の国内製造販売後調査において、悪性リンパ腫、皮膚がん等の悪性腫瘍の報告はなく、長期の海外疫学研究においても、本剤の使用による発がんリスクの上昇は認められなかった。一方、本剤使用例において関連性は明らかではないが、悪性リンパ腫、皮膚がんの発現が報告されている。本剤の使用にあたっては、これらの情報を患者に対して説明し、理解したことを確認した上で使用すること。[15.1、17.2.1参照]
8.3 密封法及び重層法での臨床使用経験はないので、密封法及び重層法は行わないこと。
8.4 本剤使用時は日光への曝露を最小限にとどめること。また、日焼けランプ/紫外線ランプの使用を避けること。[15.2.1参照]
8.5 皮膚感染症を伴うアトピー性皮膚炎患者には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する場合には、感染部位を避けて使用するか、又はあらかじめ適切な抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤による治療を行う、もしくはこれらとの併用を考慮すること。[9.1.3参照]
8.6 使用後、一過性に皮膚刺激感(灼熱感、ほてり感、疼痛、そう痒感等)が高頻度に認められるが、通常、皮疹の改善とともに発現しなくなるので、皮膚刺激感があることについて患者に十分説明すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
皮膚以外の部位(粘膜等)及び外陰部には使用しないこと。また、眼の周囲に使用する場合には眼に入らないように注意すること。万一、眼に入った場合には刺激感を認めることがあるので直ちに水で洗い流すこと。また、洗い流した後にも刺激感が持続する場合は、医療機関を受診し治療を受けるよう指導すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 皮疹の増悪期には角質層のバリア機能が低下し、血中濃度が高くなる可能性があるので、本剤の使用にもかかわらず2週間以内に皮疹の改善が認められない場合には使用を中止すること。また、皮疹の悪化をみる場合にも使用を中止すること。
7.2 症状改善により本剤塗布の必要がなくなった場合は、速やかに塗布を中止し、漫然と長期にわたって使用しないこと。
7.3 1日2回塗布する場合はおよそ12時間間隔で塗布すること。

5.効能又は効果に関連する注意

ステロイド外用剤等の既存療法では効果が不十分又は副作用によりこれらの投与ができないなど、本剤による治療がより適切と考えられる場合に使用する。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回塗布
成人アトピー性皮膚炎患者各3例にタクロリムス軟膏0.1%をそれぞれ1.25g、5g、10g注)単回塗布し、72時間後まで経時的に血中濃度を測定したところ、いずれも塗布後6時間までに最高血中濃度に達し、その平均値はそれぞれ0.4、1.0及び7.5ng/mLであった。
16.1.2 反復塗布
成人アトピー性皮膚炎患者5例にタクロリムス軟膏0.1%1回5gを1日2回、7日間反復塗布したところ、2日後に中止した1例を除き、血中濃度は塗布開始3日後の0.93~4.4ng/mLを最高に、その後は低下した。また、成人アトピー性皮膚炎患者3例にタクロリムス軟膏0.1%1回10g注)を1日2回、7日間反復塗布したところ、1例で塗布開始翌日に20ng/mLの血中濃度を検出したが、以後漸減し、塗布開始7日後には3.9ng/mLとなった。他の2例ではいずれも塗布開始3日後の0.97~4.7ng/mLを最高に、その後は低下した。
16.1.3 長期使用時
成人アトピー性皮膚炎患者568例にタクロリムス軟膏0.1%を1回最大10g注)、1日1~2回塗布し52週後まで血中濃度を測定したところ次のとおりであった。
表16-1 長期使用時の血中濃度
測定時期測定例数血中濃度(ng/mL)
平均値±標準偏差最小値~最大値
3日後1311.85±2.62N.D.~14.0
1週後5010.72±1.13N.D.~7.4
2週後4960.56±0.93N.D.~7.1
26週後3370.30±0.93N.D.~12.0
52週後700.38±0.87N.D.~5.4
N.D.:定量限界(0.50ng/mL)以下
16.3 分布
16.3.1 組織への移行性
ラットの角質層を除去した損傷皮膚に0.5%14C-タクロリムス軟膏320mg/kgを密封法で単回塗布したときの組織中放射能は投与30分後で、肺及び副腎、褐色脂肪、心臓、甲状腺、腎臓、肝臓及び脾臓、血漿、膀胱及び眼球、大脳及び睾丸の順で高く認められた。
ヒト血漿蛋白との結合率は、1.0及び10ng/mLの濃度において、それぞれ>98.5%及び99.0±0.2%(平均値±標準偏差)であった(in vitro、平衡透析法)。
16.3.2 生物学的同等性試験
タクロリムス軟膏0.1%「タカタ」とプロトピック軟膏0.1%を、健康成人男子16名の前腕部内側4ヵ所にそれぞれ10μL(タクロリムス水和物として9μg)塗布し、投与後4時間にテープストリッピング法により角層を剥離した。LC/MS/MSにより測定したタクロリムスの角層中濃度はそれぞれ85.72±22.68(ng/cm2)、96.47±24.96(ng/cm2)であり、統計解析にて90%信頼区間を求めた結果、対数値の平均値の差はlog(0.8)~log(1.25)の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された。
16.4 代謝
タクロリムスは主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される(in vitro)。
外国人肝移植患者での血中、尿中代謝物は主として脱メチル体であったが、胆汁中代謝物は主として水酸化体であった(外国人データ)。
16.5 排泄
ラットの健常皮膚及び角質層を除去した損傷皮膚に0.5%14C-タクロリムス軟膏320mg/kgを密封法で単回塗布したときの168時間までの尿及び糞中への放射能排泄率は、健常皮膚で各々0.4%、4.2%、損傷皮膚で各々2.4%、53.6%であった。また、ラット健常皮膚への単純塗布法では各々0.5%、5.1%であった。
注)本剤の承認された用法・用量は、1回5gまでで1日1~2回塗布である。

併用禁忌 

本剤使用中にPUVA療法等の紫外線療法を行わないこと。[2.6、15.2.1参照]
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満頻度不明
適用部位の皮膚刺激感注1)熱感(灼熱感、ほてり感等)(44.3%)、疼痛(ヒリヒリ感、しみる等)(23.6%)、そう痒感
皮膚感染症注2)細菌性感染症(毛嚢炎、伝染性膿痂疹等)ウイルス性感染症(単純疱疹、カポジ水痘様発疹症等)、真菌性感染症(白癬等)
その他の皮膚症状ざ瘡、ざ瘡様皮疹、皮膚乾燥、丘疹、接触皮膚炎紅斑、酒さ様皮膚炎、適用部位浮腫
皮膚以外の症状頭痛、頭重感、皮膚以外の感染症(上気道炎、リンパ節炎等)注3)

注1)刺激感は入浴時に増強することがある。通常、塗布後一過性に発現し、皮疹の改善とともに発現しなくなるが、ときに使用期間中持続することがある。高度の刺激感が持続する場合は、休薬もしくは中止すること。
注2)このような症状があらわれた場合には、適切な抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、本剤の使用を中止すること。
注3)皮膚以外の感染症が発現し、遷延する場合には本剤の使用を中止すること。

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