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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 尿素サイクル異常症

用法・用量

  • 通常、以下のとおり投与する。
    対象1日投与量(フェニル酪酸ナトリウムとして)用法
    体重20kg未満の小児等450~600mg/kg3回~6回に分割し、食事又は栄養補給とともに若しくは食直後に経口投与する。
    成人及び体重20kg以上の小児等9.9~13.0g/m2(体表面積)
  • 投与は少量より開始し、患者の状態、血中アンモニア濃度、血漿中アミノ酸濃度等を参考に適宜増減する。また、食事制限及び必須アミノ酸補給等の十分な栄養管理の下に投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 うっ血性心不全、浮腫を伴うナトリウム貯留が認められる患者
疾患を増悪させるおそれがある。[8.1参照]
9.1.2 先天性のβ酸化異常を有する患者
代謝遅延により、血漿中のフェニル酪酸濃度が上昇するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎不全患者
疾患を増悪させるおそれがある。[8.1参照]
9.2.2 腎機能障害を有する患者
主代謝物であるフェニルアセチルグルタミンは主に腎臓から排泄されるため、蓄積するおそれがある。[8.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝機能障害を有する患者[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤はナトリウム含量が高いため、うっ血性心不全、腎不全、浮腫を伴うナトリウム貯留が認められる患者に投与する場合は注意すること。(500mg錠1錠あたり62mg、顆粒剤1gあたり116mgのナトリウムを含有する)[9.1.1、9.2.1参照]
8.2 主代謝物であるフェニルアセチルグルタミンの腎排泄はカリウムの尿中消失を誘発するおそれがあるため、本剤投与中は血清中カリウム濃度をモニタリングすること。[9.2.2参照]
8.3 血中アンモニア濃度、血漿中グルタミン濃度等を測定し、治療効果を確認すること。
8.4 本剤投与及び栄養管理により血漿中アミノ酸濃度が低下する可能性があるため、アルギニン濃度、分岐鎖アミノ酸濃度及び血清中蛋白濃度を基準範囲内に維持すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
<製剤共通>
14.1.1 グラシン紙等水分透過性の高い包材に分包して投薬する場合には、気密性の高い容器に入れるなどして湿気を避けて保存すること。[20.参照]
<ブフェニール錠500mg>
14.1.2 通常の錠剤に比べて柔らかいため自動分包機に適さない。
<ブフェニール顆粒94%>
14.1.3 顆粒剤を液体と混合すると、フェニル酪酸ナトリウムのみが溶け(水10mLに5g)、添加剤は溶けない。
14.2 薬剤交付時の注意
<ブフェニール顆粒94%>
14.2.1 顆粒剤服用時は、食物(固形、液状どちらでも良い)と混合して投与するのが望ましい。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 1日あたり20g(40錠)以上の投与に関する安全性及び臨床効果は確認されていない。
7.2 風邪、過激な運動、食事及び便秘等により高アンモニア血症が悪化した場合は適宜増量する。また、高アンモニア血症の急性増悪が認められた場合には他の治療法を検討すること。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤は新生児期に発症する尿素サイクル異常症患者(出生後28日以内に発症する完全な尿素サイクル酵素欠損症患者)及び高アンモニア血症の既往を有する遅発型尿素サイクル異常症の患者に適用される。
5.2 本剤の適用患者には食事制限(食品蛋白の摂取制限)及び必須アミノ酸補給等の十分な栄養管理の下に本剤を投与する必要があるので、食事指導を行うこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性10例及び健康成人女性11例の合計21例を対象として、フェニル酪酸ナトリウムの顆粒剤及び錠剤を空腹時に単回経口投与し、フェニル酪酸及びその代謝物(フェニル酢酸及びフェニルアセチルグルタミン)の薬物動態をクロスオーバー試験で検討した。海外第III相試験における使用製剤を用い、投与量は、錠剤及び顆粒剤ともにフェニル酪酸ナトリウムとして5g注)とした(外国人データ)。
健康成人にフェニル酪酸ナトリウム(5g)注)を単回経口投与したときの薬物動態パラメータ(平均値(変動係数%))
測定物質製剤tmax(hr)Cmax(μg/mL)AUC0-t(μg・hr/mL)t1/2(hr)
フェニル酪酸錠剤1.35(49)218.0(25)577.3(31)0.77(35)
顆粒剤1.00(35)195.2(25)493.8(28)0.76(39)
フェニル酢酸錠剤3.74(22)48.5(39)210.6(47)1.15(23)
顆粒剤3.55(18)45.3(36)187.6(41)1.29(29)
フェニルアセチルグルタミン錠剤3.43(14)68.5(20)306.0(25)2.41(32)
顆粒剤3.23(13)62.8(17)267.7(24)2.36(26)
錠剤(n=21)、顆粒剤(n=20)
16.1.2 反復投与
尿素サイクル異常症患者13例を対象として、フェニル酪酸ナトリウムの顆粒剤又は錠剤を反復経口投与し、治験責任(分担)医師により薬物動態評価用の採血が実施された8例を対象としてフェニル酪酸及びその代謝物(フェニル酢酸及びフェニルアセチルグルタミン)の血漿中濃度を測定した。投与量は1.33~4.5g注)であった。
尿素サイクル異常症患者にフェニル酪酸ナトリウムの維持用量を投与したときの血漿中濃度推移
測定項目採血時期平均値(μg/mL)標準偏差
フェニル酪酸投与前定量限界未満
1時間後94.88076.906
4時間後34.51842.888
フェニル酢酸投与前定量限界未満
1時間後12.59112.815
4時間後19.44016.524
フェニルアセチルグルタミン投与前6.7946.739
1時間後27.48815.354
4時間後66.97350.512
n=8、定量限界:5μg/mL未満
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
承認時までに食事の影響を検討した試験は行われていない。
16.4 代謝
健康成人男性2例又は1例に、フェニル酪酸ナトリウム(2.5g又は5g)注)を単回経口投与したとき、速やかに体内に吸収された後、β酸化を受け、活性代謝物であるフェニル酢酸に代謝された。フェニル酢酸は、体内のグルタミンと結合してフェニルアセチルグルタミンを形成する(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人男性2例又は1例に、フェニル酪酸ナトリウム(2.5g又は5g)注)を単回経口投与したとき、フェニルアセチルグルタミンとして、尿中に排泄された。投与8時間以内に投与されたフェニル酪酸ナトリウムの約71~82%、投与24時間以内に約92%がフェニルアセチルグルタミンとして腎排泄された(外国人データ)。
健康成人男性2例を対象にフェニル酢酸の14C標識体(1mg/kg)注)を単回経口投与したとき、投与24時間後までに投与量の98%が尿中に排泄され、組成比はフェニル酢酸のグルタミン抱合体(フェニルアセチルグルタミン)93%、グリシン抱合体<0.05%、タウリン抱合体6%であり、未変化体は検出されなかった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝硬変患者
(1)単回投与
男性肝硬変患者4例にフェニル酪酸ナトリウム(2.5g)注)を、空腹時に単回経口投与したとき、4例中3例で投与8時間以内に投与されたフェニル酪酸ナトリウムの約33~46%がフェニルアセチルグルタミンとして尿中に排泄され、フェニル酢酸の尿中排泄も認められた。肝硬変患者ではフェニル酢酸からその後尿中に排泄されるフェニルアセチルグルタミンへの変換は比較的緩徐であることが示唆された(外国人データ)。[9.3.1参照]
(2)反復投与
門脈圧亢進症を合併する男性肝硬変患者6例にフェニル酪酸ナトリウム(20g/日)注)を1日3回3日間反復経口投与したとき、6例中3例で血漿中フェニル酢酸が投与1日目から3日目にかけて継続して上昇し、フェニル酢酸の蓄積が示唆された(外国人データ)。[9.3.1参照]
注)本剤の承認された用法・用量は、成人及び体重20kg以上の小児にはフェニル酪酸ナトリウムとして1日9.9~13.0g/m2(体表面積)、体重20kg未満の新生児、乳幼児及び小児にはフェニル酪酸ナトリウムとして1日450~600mg/kgを3~6回に分割して経口投与することとされている。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上1~10%未満1%未満頻度不明
内分泌系高アンモニア血症アミノ酸濃度減少、体重増加肥満食欲増進
精神神経系人格変化、運動失調、頭痛灼熱感、協調運動異常、構語障害、脳症、嗜眠、末梢性ニューロパチー、食欲減退、めまい、悪寒
消化器系腹部不快感、悪心、流涎過多、肝機能障害、嘔吐膵炎、腹痛下痢、嚥下障害、胃炎、食道痛、口腔内不快感、逆流性食道炎
皮膚脱毛症発疹毛髪障害紅斑、末梢性浮腫
感覚器味覚倒錯脊椎固定、腱障害、背部痛
血液斑状出血汎血球減少症、アシドーシス、低カリウム血症
呼吸器肺炎鼻炎
泌尿・生殖器月経障害、無月経失禁急性腎障害
その他体臭感染、薬物相互作用紅痛症、脱水
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