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ソマチュリン皮下注60mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ソマチュリン皮下注60mg

    • ○下記疾患における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善

      • 先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合)
    • ○甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍
    • (参考)

      ソマチュリン皮下注
      60mg90mg120mg
      先端巨大症・下垂体性巨人症
      甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍
      膵・消化管神経内分泌腫瘍
      ○:効能あり、-:効能なし
  • ソマチュリン皮下注90mg

    • ○下記疾患における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善

      • 先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合)
    • ○甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍
    • (参考)

      ソマチュリン皮下注
      60mg90mg120mg
      先端巨大症・下垂体性巨人症
      甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍
      膵・消化管神経内分泌腫瘍
      ○:効能あり、-:効能なし
  • ソマチュリン皮下注120mg

    • ○下記疾患における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善

      • 先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合)
    • ○甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍
    • ○膵・消化管神経内分泌腫瘍
    • (参考)

      ソマチュリン皮下注
      60mg90mg120mg
      先端巨大症・下垂体性巨人症
      甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍
      膵・消化管神経内分泌腫瘍
      ○:効能あり、-:効能なし

用法・用量

  • ソマチュリン皮下注60mg

    • <先端巨大症・下垂体性巨人症、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>

      • 通常、成人にはランレオチドとして90mgを4週毎に3ヵ月間、深部皮下に注射する。その後は患者の病態に応じて60mg、90mg又は120mgを4週毎に投与する。
  • ソマチュリン皮下注90mg

    • <先端巨大症・下垂体性巨人症、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>

      • 通常、成人にはランレオチドとして90mgを4週毎に3ヵ月間、深部皮下に注射する。その後は患者の病態に応じて60mg、90mg又は120mgを4週毎に投与する。
  • ソマチュリン皮下注120mg

    • <先端巨大症・下垂体性巨人症、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>

      • 通常、成人にはランレオチドとして90mgを4週毎に3ヵ月間、深部皮下に注射する。その後は患者の病態に応じて60mg、90mg又は120mgを4週毎に投与する。
    • <膵・消化管神経内分泌腫瘍>

      • 通常、成人にはランレオチドとして120mgを4週毎に、深部皮下に注射する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心疾患を有する患者
本剤の投与開始時に患者の状態を十分に観察すること。本剤の投与により徐脈があらわれることがある。[8.2、11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 中等度から重度の腎機能障害のある患者[7.4、16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度から重度の肝機能障害のある患者[7.4、16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ)で、本薬0.45mg/kg/日を胎児の器官形成期に13日間反復投与した場合、胚・胎児死亡率の増加が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤の投与中はインスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等のバランスが変化することにより、一過性の低又は高血糖を伴うことがある。投与開始時及び投与量を変更する場合は患者を十分に観察すること。
8.2 本剤の投与により徐脈があらわれることがあるので、特に心疾患を有する患者では、本剤の投与開始時に患者の状態を十分に観察すること。[9.1.1、11.1.1参照]
8.3 本剤の投与中に甲状腺機能の低下を伴うことがあるので、甲状腺関連の所見が認められた場合には甲状腺機能検査を行うこと。
8.4 本剤の投与により胆石の形成又は胆石症の悪化(急性胆嚢炎、膵炎)が報告されているので、本剤の投与前及び投与中は、定期的に(6~12ヵ月毎に)超音波、X線による胆嚢及び胆管検査を受けることが望ましい。
<先端巨大症・下垂体性巨人症、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
8.5 下垂体腺腫は進展することがあり、これに伴い視野狭窄などの重篤な症状を生じることがあるので患者の状態を十分観察すること。腫瘍の進展が認められた場合は、他の治療法への切り替え等適切な処置を行うこと。
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
8.6 成長ホルモン及びIGF-I(ソマトメジン-C)を定期的に測定することが望ましい。
<甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
8.7 甲状腺刺激ホルモン濃度及び甲状腺ホルモン濃度を定期的に測定することが望ましい。
<膵・消化管神経内分泌腫瘍>
8.8 がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意
14.1.1 投与前(30分程度)に冷蔵庫より取り出し、室温に戻すこと。
14.1.2 投与直前にラミネート包装を開封すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 深部皮下に投与し、静脈内には投与しないこと。
14.2.2 神経走行部位及び血管内への注射を避け、原則として臀部の上部外側の深部皮下に投与すること。[7.1参照]
14.2.3 投与毎に注射部位を左右交互に変え、同一部位へ連続して注射しないよう、局所を十分観察して投与すること。[7.1参照]
14.2.4 注射針を皮膚面に垂直に根元又は許容される深さまで素早く刺し、プランジャーをゆっくりと20秒程度かけて最後まで押し切ること。[7.1参照]
14.2.5 プランジャーの先端がシリンジの端まで到達していることを目視で確認すること。
14.2.6 注射針を刺した状態で針刺し事故防止装置が働かないよう、プランジャーを押したまま注射部位より注射針を抜き取り、その後プランジャーを押す力を緩めること。
14.2.7 注射部位をもまないように患者に指導すること。

7.用法及び用量に関連する注意

ソマチュリン皮下注60mg
<効能共通>
7.1 注射部位は原則として臀部の上部外側とすること。
投与の際は、深部皮下への投与となるよう注射針を皮膚面に垂直に根元又は許容される深さまで素早く刺すこと。投与毎に注射部位を左右交互に変え、同一部位へ連続して注射しないよう、局所を十分観察して投与すること。[14.2.2-14.2.4参照]
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
7.2 用量は120mgを上限とし、成長ホルモン濃度、IGF-I濃度及び臨床症状により、30mg単位で適宜増減できる。なお、120mgまで増量しても、改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
<甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
7.3 用量は120mgを上限とし、甲状腺刺激ホルモン濃度、甲状腺ホルモン濃度及び臨床症状により、30mg単位で適宜増減できる。なお、120mgまで増量しても、改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
<先端巨大症・下垂体性巨人症、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
7.4 中等度から重度の肝機能障害又は中等度から重度の腎機能障害のある患者では、60mgを開始用量として4週毎に3ヵ月間、深部に皮下投与した後、120mgを上限として30mg単位で適宜増減すること。[9.2.1、9.3.1、16.6.1、16.6.2参照]
7.5 本剤60mg又は90mgにて良好で安定した状態を示す患者には、本剤120mgに用量変更し、投与間隔をそれぞれ8週毎又は6週毎に延長できる場合があるが、延長する際には患者の状態を十分観察しながら投与すること。

7.用法及び用量に関連する注意

ソマチュリン皮下注90mg
<効能共通>
7.1 注射部位は原則として臀部の上部外側とすること。
投与の際は、深部皮下への投与となるよう注射針を皮膚面に垂直に根元又は許容される深さまで素早く刺すこと。投与毎に注射部位を左右交互に変え、同一部位へ連続して注射しないよう、局所を十分観察して投与すること。[14.2.2-14.2.4参照]
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
7.2 用量は120mgを上限とし、成長ホルモン濃度、IGF-I濃度及び臨床症状により、30mg単位で適宜増減できる。なお、120mgまで増量しても、改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
<甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
7.3 用量は120mgを上限とし、甲状腺刺激ホルモン濃度、甲状腺ホルモン濃度及び臨床症状により、30mg単位で適宜増減できる。なお、120mgまで増量しても、改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
<先端巨大症・下垂体性巨人症、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
7.4 中等度から重度の肝機能障害又は中等度から重度の腎機能障害のある患者では、60mgを開始用量として4週毎に3ヵ月間、深部に皮下投与した後、120mgを上限として30mg単位で適宜増減すること。[9.2.1、9.3.1、16.6.1、16.6.2参照]
7.5 本剤60mg又は90mgにて良好で安定した状態を示す患者には、本剤120mgに用量変更し、投与間隔をそれぞれ8週毎又は6週毎に延長できる場合があるが、延長する際には患者の状態を十分観察しながら投与すること。

7.用法及び用量に関連する注意

ソマチュリン皮下注120mg
<効能共通>
7.1 注射部位は原則として臀部の上部外側とすること。
投与の際は、深部皮下への投与となるよう注射針を皮膚面に垂直に根元又は許容される深さまで素早く刺すこと。投与毎に注射部位を左右交互に変え、同一部位へ連続して注射しないよう、局所を十分観察して投与すること。[14.2.2-14.2.4参照]
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
7.2 用量は120mgを上限とし、成長ホルモン濃度、IGF-I濃度及び臨床症状により、30mg単位で適宜増減できる。なお、120mgまで増量しても、改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
<甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
7.3 用量は120mgを上限とし、甲状腺刺激ホルモン濃度、甲状腺ホルモン濃度及び臨床症状により、30mg単位で適宜増減できる。なお、120mgまで増量しても、改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
<先端巨大症・下垂体性巨人症、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
7.4 中等度から重度の肝機能障害又は中等度から重度の腎機能障害のある患者では、60mgを開始用量として4週毎に3ヵ月間、深部に皮下投与した後、120mgを上限として30mg単位で適宜増減すること。[9.2.1、9.3.1、16.6.1、16.6.2参照]
7.5 本剤60mg又は90mgにて良好で安定した状態を示す患者には、本剤120mgに用量変更し、投与間隔をそれぞれ8週毎又は6週毎に延長できる場合があるが、延長する際には患者の状態を十分観察しながら投与すること。
<膵・消化管神経内分泌腫瘍>
7.6 膵・消化管神経内分泌腫瘍に対して国内で承認されているソマチュリン皮下注製剤は、120mg製剤のみである。
7.7 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

5.効能又は効果に関連する注意

ソマチュリン皮下注60mg
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
5.1 下垂体性巨人症については、脳性巨人症や染色体異常など他の原因による高身長例を鑑別し、下垂体性病変に由来するものであることを十分に確認すること。
<甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
5.2 治療の際は、まず外科的処置を考慮すること。本剤は、外科的処置の施行が困難な患者、外科的処置で効果が不十分な患者又は周術期のリスク低減のため術前に甲状腺機能の改善を図る必要がある患者に使用すること。

5.効能又は効果に関連する注意

ソマチュリン皮下注90mg
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
5.1 下垂体性巨人症については、脳性巨人症や染色体異常など他の原因による高身長例を鑑別し、下垂体性病変に由来するものであることを十分に確認すること。
<甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
5.2 治療の際は、まず外科的処置を考慮すること。本剤は、外科的処置の施行が困難な患者、外科的処置で効果が不十分な患者又は周術期のリスク低減のため術前に甲状腺機能の改善を図る必要がある患者に使用すること。

5.効能又は効果に関連する注意

ソマチュリン皮下注120mg
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
5.1 下垂体性巨人症については、脳性巨人症や染色体異常など他の原因による高身長例を鑑別し、下垂体性病変に由来するものであることを十分に確認すること。
<甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
5.2 治療の際は、まず外科的処置を考慮すること。本剤は、外科的処置の施行が困難な患者、外科的処置で効果が不十分な患者又は周術期のリスク低減のため術前に甲状腺機能の改善を図る必要がある患者に使用すること。
<膵・消化管神経内分泌腫瘍>
5.3 臨床試験に組み入れられた患者の症候の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.4、17.1.5参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回皮下投与
健康成人男性18例に本剤30注)又は60mgを単回皮下投与したときの血清中ランレオチド濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
(前図:投与後84日までの図、後図:投与後3日までの拡大図)
用量30mg(n=9)60mg(n=9)
AUCinf[ng・h/mL]1037±1731745±408
Cmax[ng/mL]5.64±3.084.75±2.61
t1/2[d]16.3±7.928.5±14.0
tmax#)[h]12.0(6-12)6.0(4-48)
平均±標準偏差#)中央値(最小値-最大値)
16.1.2 反復皮下投与
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
先端巨大症又は下垂体性巨人症患者23例に本剤60、90又は120mgを4週毎に12週反復皮下投与したとき、血清中ランレオチド濃度は反復投与4回目でほぼ定常状態に達し、反復投与4回目の薬物動態パラメータは下表のとおりであった。
用量60mg(n=8)90mg(n=7)120mg(n=8)
AUCτ#1)[ng・h/mL]1676±3783139±14783666±883
Cmax[ng/mL]6.17±1.7310.58±6.0212.39±4.70
Cmin#2)[ng/mL]1.85±0.673.25±1.514.37±1.29
tmax#3)[h]5.0(4-24)8.0(4-8)7.0(4-8)
AUCの蓄積係数(RAUC1.71±0.432.43±0.732.49±1.07
平均±標準偏差#1)反復投与4回目の投与間隔(4週)のAUC#2)トラフ濃度#3)中央値(最小値-最大値)
<甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍>
甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍患者13例に本剤90mgを4週毎に反復皮下投与したとき、血清中ランレオチドのトラフ濃度の平均±標準偏差は、初回投与で1.43±0.95ng/mL(13例)、反復投与4回目で2.43±1.05ng/mL(7例)であった。
<膵・消化管神経内分泌腫瘍>
神経内分泌腫瘍患者28例に本剤120mgを4週毎に反復皮下投与したとき、血清中ランレオチドのトラフ濃度は反復投与3回目でほぼ定常状態に達し、その平均±標準偏差は5.32±3.31ng/mL(27例)であった。
16.1.3 定速静脈内投与
健康成人27例にランレオチド酢酸塩7μg/kgを20分間定速静脈内投与注)したとき、全身クリアランスは0.38L/h/kg、定常状態分布容積は0.23L/kg、半減期は1.14時間であった。
16.3 分布
ランレオチド(12~60ng/mL添加時)のヒト血清蛋白結合率は78.6~82.6%であった(in vitro試験)。
16.4 代謝
ランレオチドはラット肝臓及び腎臓ホモジネートで代謝された(in vitro試験)。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人27例にランレオチド酢酸塩7μg/kgを20分間定速静脈内投与注)したとき、未変化体の尿中排泄率は4%未満であった。
16.5.2 胆管カニューレされたSD系ラットへ14C-ランレオチドを単回静脈内投与した結果、投与放射能の61%が胆汁中へ排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
重度の慢性腎不全患者(12例)にランレオチド酢酸塩7μg/kgを単回静脈内投与注)したとき、健康成人(12例)に対しAUCinfは1.8倍に上昇し、t1/2が1.8倍に延長し、全身クリアランスは43%低かった(外国人データ)。[7.4、9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害患者
アジア人の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B及びCの患者8例)にランレオチド酢酸塩7μg/kgを20分間定速単回静脈内投与注)したとき、健康成人(12例)に対しCmaxは有意な差はみられなかったが、AUCinfは1.4倍に上昇し、t1/2は3.0倍に延長し、全身クリアランスは31%低かった(外国人データ)。[7.4、9.3.1参照]
16.6.3 高齢者
健康高齢者(65~80歳、12例)にランレオチド酢酸塩7μg/kgを20分間定速単回静脈内投与注)したとき、非高齢者(13例)に対しt1/2は1.9倍に延長したが、Cmax、AUCinf及び全身クリアランスは非高齢者と同程度であった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 シクロスポリン
健康成人24例に本剤を単回皮下投与し、投与14日後にシクロスポリン300mgを12例に単回経口投与したとき、シクロスポリンの相対的バイオアベイラビリティは19%低下した(外国人データ)。[10.2参照]
注)本剤の承認された用法及び用量は、「先端巨大症・下垂体性巨人症」及び「甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍」では60mg、90mg又は120mgを、「膵・消化管神経内分泌腫瘍」では120mgを、4週毎に深部皮下に注射するとされている。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
シクロスポリン(経口剤)
[16.7.1参照]
シクロスポリンの血中濃度が低下することがある。本剤がシクロスポリンの消化管吸収を阻害するため。
インスリン製剤及び血糖降下薬血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること。インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。
ブロモクリプチンブロモクリプチンのAUCが上昇したとのオクトレオチド(類薬)の報告がある。機序は不明である。
CYP3A4で代謝される薬剤
キニジン等
主にCYP3A4で代謝される薬剤の血中濃度を上昇させることがある。本剤が成長ホルモンの産生を抑制することにより、CYP3A4で代謝される薬剤のクリアランスを低下させる可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 徐脈(3.7%)
徐脈が認められた場合、β-遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与している患者では、必要に応じてこれらの用量を調節すること。[8.2、9.1.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
血液貧血
胃腸下痢、白色便、腹痛、腹部膨満、鼓腸、悪心腹部不快感、嘔吐、便秘、硬便、血中アミラーゼ増加、消化不良、膵炎脂肪便、膵酵素減少
全身倦怠感異常感、疲労、発熱
肝・胆道系胆石症AST増加、ALT増加、血中ビリルビン増加、ALP増加、γ-GTP増加胆管拡張、AST異常、ALT異常、血中ビリルビン異常、胆管炎
皮膚・皮下組織脱毛発疹、蕁麻疹、紅斑
筋・骨格系筋骨格痛、筋肉痛
精神・神経系頭痛、傾眠、浮動性めまい不眠、嗜眠
内分泌系TSH減少、プロラクチン減少
代謝・栄養障害ヘモグロビンA1c増加、耐糖能異常、低血糖、血中ブドウ糖増加、血中ブドウ糖減少、糖尿病、コントロール不良の糖尿病、高血糖、食欲減退
注射部位硬結、疼痛、そう痒感紅斑腫瘤、結節、膿瘍
その他体重減少、高血圧ほてり、血中ナトリウム減少
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