今日の臨床サポート

バルサルタン錠20mg「タカタ」、他

一部のコンテンツを閲覧になるにはご契約が必要となります。

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 高血圧症

用法・用量

  • 通常、成人にはバルサルタンとして40~80mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、1日160mgまで増量できる。
  • 通常、6歳以上の小児には、バルサルタンとして、体重35kg未満の場合、20mgを、体重35kg以上の場合、40mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。ただし、1日最高用量は、体重35kg未満の場合、40mgとする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
  • アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。](「2.重要な基本的注意」(3)の項参照)

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「2.重要な基本的注意」(1)の項参照)
高カリウム血症の患者(「2.重要な基本的注意」(2)の項参照)
重篤な腎機能障害のある患者[腎機能障害を悪化させるおそれがあるため、血清クレアチニン値が3.0mg/dL以上の場合には、投与量を減らすなど慎重に投与すること。](「7.小児等への投与」の項参照)
肝障害のある患者、特に胆汁性肝硬変及び胆汁うっ滞のある患者[本剤は主に胆汁中に排泄されるため、これらの患者では、血中濃度が上昇するおそれがあるので、用量を減らすなど慎重に投与すること。外国において、軽度~中等度の肝障害患者でバルサルタンの血漿中濃度が、健康成人と比較して約2倍に上昇することが報告されている。]
脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること。
高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。
アリスキレンを併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、避けること。(「3.相互作用」の項参照)
本剤の投与によって、初回投与後、一過性の急激な血圧低下(失神及び意識消失等を伴う)を起こすおそれがあるので、そのような場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、特に次の患者では、低用量から投与を開始し、増量する場合は、患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
血液透析中の患者
利尿降圧剤投与中の患者[特に重度のナトリウムないし体液量の減少した患者(まれに症候性の低血圧が生じることがある。)
厳重な減塩療法中の患者
本剤を含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には、注意させること。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

用法用量に関連する使用上の注意

国内においては小児に対して、1日80mgを超える使用経験がない。

高齢者への投与

高齢者では、一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある。)ので、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
他社が行った高齢者の薬物動態試験で、バルサルタン製剤の血漿中濃度が非高齢者に比べて高くなることが認められている。
他社が行った臨床試験では65歳以上の高齢者と65歳未満の非高齢者においてバルサルタン製剤の効果、安全性に差は認められていない。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。[本剤を含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児・新生児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたアンジオテンシン変換酵素阻害剤におけるレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。]
授乳中の婦人への投与を避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラットの授乳期経口投与)の3mg/kg/日で、乳汁中へ移行するとの報告がある。また、動物実験(ラットの周産期及び授乳期経口投与)の600mg/kg/日で出生児の低体重及び生存率の低下が認められており、200mg/kg/日以上で外表分化の遅延が認められている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
糸球体濾過量(GFR)が30mL/min/1.73m2未満若しくは透析を受けている小児等に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない。)
小児等の高血圧では、腎機能異常を伴うことが多いため、腎機能及び血清カリウム値を注意深く観察すること。特に、腎機能に影響を及ぼす状態(発熱、脱水)の患者に本剤を投与する場合や血清カリウム値を上昇させる可能性がある他の薬剤と併用する場合は、注意すること。(「1.慎重投与」(3)「3.相互作用」の項参照)

薬物動態

生物学的同等性試験
バルサルタン錠20mg「タカタ」
本剤はバルサルタン錠160mg「タカタ」と含量が異なる製剤として開発されたことから、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、溶出挙動を比較したところ同等と判断され、両剤は生物学的に同等とみなされた。
バルサルタン錠40mg「タカタ」
本剤はバルサルタン錠160mg「タカタ」と含量が異なる製剤として開発されたことから、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、溶出挙動を比較したところ同等と判断され、両剤は生物学的に同等とみなされた。
バルサルタン錠80mg「タカタ」
本剤はバルサルタン錠160mg「タカタ」と含量が異なる製剤として開発されたことから、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、溶出挙動を比較したところ同等と判断され、両剤は生物学的に同等とみなされた。
バルサルタン錠160mg「タカタ」
本剤と標準製剤(錠剤、160mg)をクロスオーバー法により、健康成人男子20名にそれぞれ1錠(バルサルタンとして160mg)を空腹時に単回経口投与し、投与前、投与後0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、8、12、24及び36時間に前腕静脈から採血した。
LC/MSにより測定したバルサルタンの血漿中濃度の推移及びパラメータは次のとおりであり、統計解析にて90%信頼区間を求めた結果、判定パラメータの対数値の平均値の差はlog(0.80)~log(1.25)の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUCt(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)tmax(hr)t1/2(hr)
バルサルタン錠160mg「タカタ」36.95±12.045.77±1.612.8±1.27.2±3.1
標準製剤
(錠剤、160mg)
35.63±11.285.52±1.913.3±1.06.8±1.0
(mean±S.D.)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
溶出挙動
本剤は、日本薬局方医薬品各条に定められたバルサルタン錠の溶出規格に適合していることが確認されている。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アリスキレン腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。
なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、避けること。
併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン、
トリアムテレン等
カリウム補給製剤
塩化カリウム
血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム濃度に注意する。本剤のアルドステロン分泌抑制によりカリウム貯留作用が増強する可能性がある。
危険因子:腎機能障害
ドロスピレノン・エチニルエストラジオール血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム濃度に注意する。本剤による血清カリウム値の上昇とドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド作用によると考えられる。
危険因子:腎障害患者、血清カリウム値の高い患者
シクロスポリン血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム濃度に注意する。高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる。
トリメトプリム含有製剤
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム濃度に注意する。血清カリウム値の上昇が増強されるおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX-2選択的阻害剤
インドメタシン等
本剤の降圧作用が減弱することがある。NSAIDs・COX-2選択的阻害剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、本剤の降圧作用が減弱することがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX-2選択的阻害剤
インドメタシン等
腎機能を悪化させるおそれがあるので、併用する場合には、腎機能を十分に観察すること。NSAIDs・COX-2選択的阻害剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
危険因子:高齢者
ビキサロマー併用により、本剤の血中濃度が約30~40%に低下したとの報告がある。本剤の作用が減弱するおそれがあるので、併用する場合には、十分に観察すること。リン酸結合性ポリマーにより、同時に服用した場合、本剤の吸収を遅延あるいは減少させる可能性がある。
リチウム血中リチウム濃度が上昇し、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。本剤のナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている。

重大な副作用 

(頻度不明)
以下のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血管浮腫
顔面、口唇、咽頭、舌の腫脹等が症状としてあらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
肝炎
腎不全
高カリウム血症
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
ショック、失神、意識消失
ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に血液透析中、厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では、低用量から投与を開始し、増量する場合は、患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
低血糖
低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい。)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
天疱瘡、類天疱瘡
天疱瘡、類天疱瘡があらわれることがあるので、水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

頻度不明
過敏症注1)光線過敏症、発疹、そう痒、蕁麻疹、紅斑
精神神経系注2)めまい、頭痛、眠気、不眠
血液白血球減少、好酸球増多、貧血
循環器注2)低血圧、動悸、頻脈、心房細動
消化器嘔気、腹痛、嘔吐、下痢、便秘、口渇、食欲不振
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、Al-P上昇、ビリルビン値上昇
呼吸器咳嗽、咽頭炎
腎臓血中尿酸値上昇、BUN上昇、血清クレアチニン上昇
電解質血清カリウム値上昇、低ナトリウム血症
その他筋肉痛、関節痛、発熱、けん怠感、浮腫、CK(CPK)上昇、胸痛、疲労感、しびれ、味覚異常、ほてり、血糖値上昇、血清コレステロール上昇、血清総蛋白減少、腰背部痛、脱力感、耳鳴

注1)症状があらわれた場合には、投与を中止すること。(太字)
注2)症状があらわれた場合には、減量、休薬するなど適切な処置を行うこと。(太字)

戻る

さらなるご利用にはご登録が必要です。

こちらよりご契約または優待日間無料トライアルお申込みをお願いします。

(※トライアルご登録は1名様につき、一度となります)


ご契約の場合はご招待された方だけのご優待特典があります。

以下の優待コードを入力いただくと、

契約期間が通常12ヵ月のところ、14ヵ月ご利用いただけます。

優待コード: (利用期限:まで)

ご契約はこちらから