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サンドスタチンLAR筋注用キット10mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○下記疾患に伴う諸症状の改善

    • 消化管ホルモン産生腫瘍(VIP産生腫瘍、カルチノイド症候群の特徴を示すカルチノイド腫瘍、ガストリン産生腫瘍)
  • ○消化管神経内分泌腫瘍
  • ○下記疾患における成長ホルモン、ソマトメジン-C分泌過剰状態及び諸症状の改善

    • 先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置、他剤による治療で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合)

用法・用量

  • <消化管ホルモン産生腫瘍>

    • 通常、成人にはオクトレオチドとして20mgを4週毎に3ヵ月間、殿部筋肉内に注射する。その後は症状により10mg、20mg又は30mgを4週毎に投与する。ただし、初回投与後2週間は薬物濃度が十分な濃度に達しないことから、本剤投与前に投与していた同一用量のオクトレオチド酢酸塩注射液を併用する。
  • <消化管神経内分泌腫瘍>

    • 通常、成人にはオクトレオチドとして30mgを4週毎に、殿部筋肉内に注射する。なお、患者の状態により適宜減量すること。
  • <先端巨大症・下垂体性巨人症>

    • 通常、成人にはオクトレオチドとして20mgを4週毎に3ヵ月間、殿部筋肉内に注射する。その後は病態に応じて10mg、20mg又は30mgを4週毎に投与するが、30mg投与で効果が不十分な場合に限り40mgまで増量できる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤の投与中はインスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスの変化による一過性の低又は高血糖を伴うことがあるので、投与開始時及び低又は高血糖のために投与量を変更する場合は患者を十分に観察すること。[11.2参照]
8.2 胆石の形成又は胆石症の悪化(急性胆嚢炎、胆管炎、膵炎)が報告されているので、本剤の投与前及び投与中は、定期的に(6~12ヵ月毎に)超音波・X線による胆嚢及び胆管検査を受けることが望ましい。[11.2参照]
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
8.3 成長ホルモン産生下垂体腺腫は進展することがあり、これに伴い視野狭窄などの重篤な症状を生じることがあるので患者の状態を十分観察すること。腫瘍の進展が認められた場合は、他の治療法への切り替え等適切な処置を行うこと。
8.4 成長ホルモン及びインスリン様成長因子-I/ソマトメジン-Cを定期的に測定することが望ましい。
<消化管神経内分泌腫瘍>
8.5 がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
8.6 本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:オクトレオチド酢酸塩(カルチノイド腫瘍のうち、無症候性かつ切除不能な転移性腫瘍)」等)を熟読すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤の使用にあたっては、取扱い方法を熟読すること。
14.1.2 調製は必ず付属の専用分散液及びバイアルアダプターを使用し、薬剤及び専用分散液を少なくとも30分室温で静置し、内容物を室温に戻してから行うこと。
14.1.3 用時調製し、懸濁後は直ちに使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 筋肉内のみに投与し、静脈内には投与しないこと。
14.2.2 専用分散液は付属のものを用いること。
14.2.3 注射針は20ゲージを用いること。
14.2.4 筋肉内注射にあたっては下記の点に注意すること。
・注射部位は殿部の左右外側上部とし、三角筋等他の筋には投与しないこと。
・繰り返し投与にあたっては左右交互に注射し、同一部位への投与は3ヵ月間は行わないこと。
・神経走行部位及び血管内への投与を避けること。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
・注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
・注射部位をもまないように患者に指示すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<消化管ホルモン産生腫瘍>
7.1 本剤投与中に症状が悪化した場合は、オクトレオチド酢酸塩注射液を併用することが望ましい。
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
7.2 用量は、成長ホルモン濃度、インスリン様成長因子-I/ソマトメジン-C濃度及び臨床症状により10mg単位で適宜増減できる。
7.3 40mgの投与にあたっては、20mgずつを異なる2箇所に注射する。

5.効能又は効果に関連する注意

<消化管ホルモン産生腫瘍及び先端巨大症・下垂体性巨人症>
5.1 オクトレオチド酢酸塩注射液により有効性及び忍容性が確認されている患者に投与すること。
5.2 現在オクトレオチド酢酸塩注射液が投与されていない患者に本剤を投与する場合には、オクトレオチド酢酸塩注射液を2週間以上投与し、有効性及び忍容性を確認した上で本剤を投与すること。
<下垂体性巨人症>
5.3 脳性巨人症や染色体異常など他の原因による高身長例を鑑別し、下垂体性病変に由来するものであることを十分に確認すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与(専用分散液(アンプル)のサンドスタチンLAR筋注用のデータ)
先端巨大症・下垂体性巨人症
外国人の先端巨大症患者にサンドスタチンLAR10mg、20mg及び30mgを単回筋肉内投与した時の血清中オクトレオチド濃度は、投与後25~34日にCmaxに到達し、Cmaxの80%濃度を超える期間(Dur>80%Cmax)は17~19日間であった。Cmax及び投与後60日までの血清中濃度-時間曲線下面積(AUC0-60day)はほぼ投与量に比例して増加した。また、日本人の先端巨大症・下垂体性巨人症患者にサンドスタチンLAR20mg及び30mgを単回筋肉内投与した時の薬物動態パラメータ(下表)の比較から、日本人と外国人の薬物動態に大きな差は認められなかった。
外国人の先端巨大症患者にサンドスタチンLAR10mg、20mg及び30mgを単回筋肉内投与した時の血清中オクトレオチド濃度推移
(10mg:n=11、20mg:n=33、30mg:n=23、平均値±標準偏差)
日本人及び外国人の先端巨大症・下垂体性巨人症患者にサンドスタチンLAR10mg、20mg又は30mgを単回筋肉内投与した時の薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータサンドスタチンLAR
10mg20mg30mg
外国人n=11外国人n=33日本人n=9外国人n=23日本人n=8
Tmax(day)25±1526±1333.3±10.434±1720.1±10.9
Cmax(pg/mL)447±2191,158±6281,033±6302,138±1,5721,973±1,301
AUC※1(ng・h/mL)307±97877±394767±4351,549±6861,419±836
Dur>80%Cmax(day)17.9±11.217.3±10.215.6±7.7※219.2±8.912.7±10.6
※1:外国人ではAUC0-60day、日本人ではAUC0-56day、※2:n=8
処方の異なる専用分散液を用いた生物学的同等性試験
サンドスタチンLAR30mgを本キットに添付されている専用分散液(シリンジ)を用いて調製した群を試験製剤群とし、サンドスタチンLAR筋注用の専用分散液(アンプル)と同処方の海外専用分散液注7)を用いて調製した群を標準製剤群として、生物学的同等性試験を実施した。その結果、両分散液を用いて懸濁した製剤は生物学的に同等であることが確認された。
注7):国内既承認品目のサンドスタチンLAR筋注用に添付されている専用分散液(アンプル)と添加物の配合比率は同一であるが、液量が異なる専用分散液(海外既承認品目のサンドスタチンLAR筋注用に添付されている専用分散液)(液量:国内2mL、海外2.5mL)
16.1.2 反復投与(専用分散液(アンプル)のサンドスタチンLAR筋注用のデータ)
(1)先端巨大症・下垂体性巨人症患者
先端巨大症・下垂体性巨人症患者にサンドスタチンLAR20mgを4週毎に24週反復筋肉内投与した時には、投与2回目以降に定常状態となり、トラフ値は最低で1,147pg/mL、最高で1,643pg/mL、累積係数は最低で1.63、最高で1.97となった。
(2)悪性カルチノイド症候群患者
悪性カルチノイド症候群患者を対象にサンドスタチンLARの10mg、20mg及び30mgを4週毎に24週反復筋肉内投与した時の最終投与4週後の血清中オクトレオチド濃度(トラフ値)はそれぞれ1,155.1pg/mL、2,546.4pg/mL及び4,171.7pg/mLと投与量に比例して増加し、10mg投与では3回目、20mg及び30mg投与では2回目投与以降に定常状態に達したと考えられた(外国人データ)。
16.3 分布
全身循環血液中に移行したオクトレオチドは、サンドスタチン皮下注用静脈内投与時の薬物動態特性に従う。外国人の健康成人にサンドスタチン皮下注用を単回静脈内投与した場合、分布容積は約0.27L/kgであった。血漿蛋白結合率は約65%で、血球にはほとんど結合しない。
16.5 排泄
外国人の健康成人にサンドスタチン皮下注用を単回静脈内投与した場合、全身クリアランスは160mL/分であった。外国人の健康成人にサンドスタチン皮下注用50μgを単回皮下投与した場合、投与後8時間までの未変化体の累積尿中排泄率は約32%であった。
胆管挿管ラットへの静脈内及び皮下投与では、約20%が尿中に、約75%が胆汁中に主に未変化体として排泄される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
シクロスポリンシクロスポリンの血中濃度が低下することがある。本剤がシクロスポリンの吸収を阻害するため。
インスリン製剤血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること。インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。
ブロモクリプチンブロモクリプチンのAUCが上昇したとの報告がある。機序は不明である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
血圧低下、呼吸困難、気管支痙攣等のアナフィラキシーがあらわれることがある。皮疹、そう痒、蕁麻疹、発疹を伴う末梢性の浮腫等があらわれた場合には適切な処置を行うこと。また、その後の投与は行わないこと。
11.1.2 徐脈(1.3%)
重篤な徐脈を起こすことがある。β-遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与している患者において、徐脈が認められた場合、これらの用量を調節すること。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
過敏症発疹、そう痒発赤
内分泌障害甲状腺機能障害(甲状腺刺激ホルモン(TSH)減少、総サイロキシン(T4)減少及び遊離T4減少等)甲状腺機能低下症
代謝及び栄養障害高血糖注5)低血糖注5)、ALP上昇耐糖能異常注5)、脱水
神経系障害頭痛めまい
呼吸器障害呼吸困難
胃腸障害下痢、便秘、腹部膨満白色便、食欲不振、嘔気、鼓腸放屁膵炎、胃部不快感、腹痛、嘔吐
肝胆道系障害胆石症注6)肝機能異常、胆管拡張、ALT上昇、γ-GTP上昇ビリルビン上昇、AST上昇、胆嚢炎
皮膚及び皮下組織障害脱毛
腎及び尿路障害腎嚢胞
全身障害疲労感けん怠感
注射部位疼痛硬結、腫脹発赤

注5)[8.1参照]
注6)[8.2参照]

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