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ライゾデグ配合注フレックスタッチ

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • インスリン療法が適応となる糖尿病

用法・用量

  • 本剤は、超速効型インスリン(インスリン アスパルト)と持効型インスリン(インスリン デグルデク)を3:7のモル比で含有する溶解インスリン製剤である。通常、成人では、初期は1回4~20単位を1日1~2回皮下注射する。1日1回投与のときは、主たる食事の直前に投与し、毎日一定とする。1日2回投与のときは、朝食直前と夕食直前に投与する。投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、維持量は通常1日4~80単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 低血糖症状を呈している患者[11.1.1参照]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 手術、外傷、感染症等の患者
インスリン需要の変動が激しい。
9.1.2 低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
・下痢、嘔吐等の胃腸障害
・飢餓状態、不規則な食事摂取
・激しい筋肉運動
・過度のアルコール摂取者
[8.1、11.1.1参照]
9.1.3 食物の吸収遅延が予測される疾患を有する患者又は食物の吸収を遅延させる薬剤を服用中の患者
本剤は作用発現が速いことから、低血糖を起こすおそれがある。[11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害患者
低血糖を起こすおそれがある。[11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者
低血糖を起こすおそれがある。[11.1.1参照]
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を妊婦に投与した臨床試験成績は得られていない。
9.6 授乳婦
用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。インスリンの需要量が変化しやすい。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は国内で実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、低血糖が発現しやすい。[11.1.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること。[9.1.2、11.1.1参照]
8.2 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1参照]
8.3 肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合はインスリン製剤を変更するなど適切な処置を行うこと。
8.4 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
8.5 本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
・投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
・全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
・添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。
8.6 本剤と他のインスリン製剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
8.7 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、以下の点を患者に指導すること。
・本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離すこと。[14.1.2参照]
・注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
8.8 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがある。血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと。血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 投与時
(1)本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。本剤はA型専用注射針との適合性の確認をペンニードルで行っている。
(2)本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。
(3)1本の本剤を複数の患者に使用しないこと。
14.1.2 投与部位
皮下注射は、腹部、上腕、大腿に行う。投与部位により吸収速度が異なるので部位を決め、その中で注射箇所を毎回変えること。前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること。[8.7参照]
14.1.3 投与経路
静脈内及び筋肉内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
14.1.4 その他
(1)本剤は他の薬剤との混合により、成分が分解するおそれがあるため、本剤と他の薬剤を混合しないこと。
(2)注射後、注射針は廃棄すること。注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付けること。
(3)インスリンカートリッジにインスリン製剤を補充してはならない。
(4)インスリンカートリッジにひびが入っている場合は使用しないこと。
(5)液に濁りが生じていたり、変色している場合は、使用しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は、作用発現が速いため、食事の直前に投与すること。[16.1.1参照]
7.2 適用にあたっては、本剤の作用時間や患者の病状に留意すること。他のインスリン製剤と同様に、患者の病状が本剤の製剤的特徴に適する場合に投与すること。
7.3 1日1回投与の場合には、朝食、昼食又は夕食のうち主たる食事の直前に投与する。いずれの食事の直前に投与するかは毎日一定とすること。
7.4 インスリン依存状態にある患者(1型糖尿病患者等)には、他のインスリン製剤と併用して本剤は1日1回投与とすること。
7.5 糖尿病性昏睡、急性感染症、手術等緊急の場合は、本剤のみで処置することは適当でなく、速効型インスリン製剤を使用すること。
7.6 1日1回又は1日2回投与の中間型又は持効型インスリン製剤あるいは混合製剤によるインスリン治療から本剤に変更する場合、患者の状態に応じて用量を決定するなど慎重に本剤の投与を開始すること。目安として1日投与量は前治療におけるインスリン製剤の1日投与量と同単位で投与を開始し、その後の患者の状態に応じて用量を増減するなど、本剤の作用特性を考慮の上行うこと。
7.7 インスリン以外の他の糖尿病用薬から本剤に切り替える場合又はインスリン以外の他の糖尿病用薬と併用する場合は、低用量から開始するなど、本剤の作用特性を考慮の上慎重に行うこと。
7.8 本剤の投与開始時及びその後の数週間は血糖コントロールのモニタリングを十分に行うこと。
併用する他の糖尿病用薬の投与量や投与スケジュールの調整が必要となることがある。

5.効能又は効果に関連する注意

2型糖尿病患者においては、急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
本剤は、2つの画分(インスリン デグルデクとインスリン アスパルト)の作用プロファイルを併せ持つ製剤である。
16.1.1 日本人1型糖尿病患者における本剤単回投与後のインスリン アスパルトの薬物動態
1型糖尿病患者21例に本剤0.5単位/kgを単回皮下投与し、インスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)の薬物動態プロファイルを検討した。
インスリン アスパルトの速やかに血中に吸収される特性は本剤においても認められた。インスリン アスパルトは投与後10分に血中に認められ、投与後72分に最高血中濃度に達した。[7.1参照]
16.1.2 日本人1型糖尿病患者におけるインスリン デグルデク反復投与後の定常状態でのインスリン デグルデクの薬物動態
1型糖尿病患者22例にインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回6日間皮下投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬物動態プロファイルを検討した。
インスリン デグルデクの血中濃度は投与後2~3日で定常状態に達した。定常状態のインスリン デグルデクの半減期は約18時間であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者におけるインスリン デグルデク単回投与後のインスリン デグルデクの薬物動態
腎機能障害の程度の異なる患者[クレアチニンクリアランス(mL/min)に基づく分類。軽度(50以上80以下)、中等度(30以上50未満)、重度(30未満)、末期(血液透析を必要とする患者)]にインスリン デグルデク0.4単位/kgを単回投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬物動態を比較した。腎機能障害患者と健康成人の薬物動態プロファイルに違いは認められなかった(外国人データ)。
AUC0-120h,SD比[90%信頼区間]
軽度/正常1.12[0.77;1.63]
中等度/正常1.12[0.78;1.60]
重度/正常1.20[0.83;1.74]
末期/正常注)1.02[0.74;1.40]
注)末期腎疾患を有する患者については、投与後68時間までの測定に基づき算出したAUC0-∞,SD正常n=6、軽度n=6、中等度n=6、重度n=6、末期n=6
16.6.2 肝機能障害患者におけるインスリン デグルデク単回投与後のインスリン デグルデクの薬物動態
肝機能障害の程度の異なる患者[Child-Pugh scoresに基づく分類。軽度:Grade A(5~6ポイント)、中等度:Grade B(7~9ポイント)、重度:Grade C(10~15ポイント)]にインスリン デグルデク0.4単位/kgを単回投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬物動態を比較した。肝機能障害患者と健康成人のインスリン デグルデクの薬物動態プロファイルに違いは認められなかった(外国人データ)。
AUC0-120h,SD比[90%信頼区間]
軽度/正常0.95[0.77;1.16]
中等度/正常1.00[0.82;1.22]
重度/正常0.92[0.74;1.14]
正常n=6、軽度n=6、中等度n=6、重度n=6
16.6.3 小児における本剤単回投与後のインスリン アスパルト及びインスリン デグルデクの薬物動態
小児(8~11歳:平均年齢10.3歳)、青年期(12~17歳:平均年齢14.7歳)及び成人(18~57歳:平均年齢25.1歳)の1型糖尿病患者に本剤0.5単位/kgを単回皮下投与し、本剤投与後の薬物動態を検討した。成人患者において認められたインスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)の速やかに血中に吸収される特性は、小児及び青年期患者においても認められた。インスリン アスパルトの曝露量及び最高血中濃度は成人患者より小児患者において大きく、成人患者と青年期患者で同様であった。また、成人患者で認められたインスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の長い薬物動態プロファイルは小児及び青年期患者においても認められた。単回投与後のインスリン デグルデクの総曝露量は成人患者より小児及び青年期患者において大きかった(外国人データ)。
インスリン アスパルト画分AUC0-12h,SD比[95%信頼区間]Cmax,SD比[95%信頼区間]
小児/成人1.69[1.02;2.80]1.66[1.10;2.51]
青年/成人1.14[0.76;1.69]1.16[0.84;1.61]
インスリン デグルデク画分AUC0-∞,SD比[95%信頼区間]Cmax,SD比[95%信頼区間]
小児/成人1.42[0.94;2.16]1.38[1.09;1.76]
青年/成人1.23[0.96;1.58]1.16[0.95;1.42]
本剤0.5単位/kg:インスリン アスパルト0.15単位/kg及びインスリン デグルデク0.35単位/kgに相当小児n=12、青年n=13、成人n=13
16.6.4 高齢者における薬物動態
(1)本剤単回投与後のインスリン アスパルトの薬物動態
若年(19~33歳:平均年齢25.4歳)及び高齢(65~79歳:平均年齢68.2歳)の1型糖尿病患者に本剤0.5単位/kgを単回投与し、本剤投与後の薬物動態を検討した。インスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)の速やかに血中に吸収される特性は、高齢者においても認められ、若年者及び高齢者の薬物動態プロファイルに違いは認められなかった(外国人データ)。
本剤 0.5単位/kg
AUC0-12h,SD比(高齢者/若年者)[95%信頼区間]
1.27[0.97;1.65]
本剤0.5単位/kg:インスリン アスパルト0.15単位/kg及びインスリン デグルデク0.35単位/kgに相当若年者n=13、高齢者n=14
(2)インスリン デグルデク反復投与後の定常状態でのインスリン デグルデクの薬物動態
若年(19~34歳:平均年齢27.1歳)及び高齢(65~78歳:平均年齢67.8歳)の1型糖尿病患者にインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回6日間投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の定常状態における薬物動態を検討した。
インスリン デグルデクの平坦で安定した薬物動態プロファイルは高齢者においても認められ、若年者及び高齢者の薬物動態プロファイルに違いは認められなかった(外国人データ)。
インスリン デグルデク 0.4単位/kg
AUCτ,ss比(高齢者/若年者)[95%信頼区間]
1.04[0.73;1.47]
若年者n=13、高齢者n=13
16.8 その他
16.8.1 日本人1型糖尿病患者における本剤単回投与後の薬力学的作用
1型糖尿病患者21例に本剤0.5単位/kgを単回皮下投与し、本剤の薬力学的プロファイル[24時間平均グルコース注入速度(グルコースクランプにおけるGIR)推移プロファイル]を検討した。本剤の血糖降下作用は、インスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)とインスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の作用プロファイルを反映した2つの画分に区別された(図参照)。本剤は、投与後速やかに作用を発現し、約2時間後にGIRが最大に達した。本剤の単回投与後の作用持続時間は24時間を超えていた。
26時間グルコースクランプ実施時のデータ
本剤0.5単位/kg:インスリン アスパルト0.15単位/kg及びインスリン デグルデク0.35単位/kgに相当
16.8.2 日本人1型糖尿病患者におけるインスリン デグルデク反復投与後の定常状態でのインスリン デグルデクの薬力学的作用
1型糖尿病患者22例にインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回6日間皮下投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬力学的プロファイルを検討した。
定常状態におけるインスリン デグルデクの24時間平均グルコース注入速度(グルコースクランプにおけるGIR)推移プロファイルから、インスリン デグルデクの血糖降下作用は一定であり、平坦で安定していることが示された。
1回の投与間隔(24時間)でのインスリン デグルデクの血糖降下作用は、投与開始後~12時間及び投与後12時間以降で同様であった。インスリン デグルデクの作用持続時間は長く、検討したすべての患者において26時間を超えていた。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
糖尿病用薬
ビグアナイド薬
スルホニルウレア薬
速効型インスリン分泌促進薬
α-グルコシダーゼ阻害薬
チアゾリジン薬
DPP-4阻害薬
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害薬 等
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]血糖降下作用が増強される。
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。
三環系抗うつ剤
ノルトリプチリン塩酸塩 等
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。
サリチル酸誘導体
アスピリン
エテンザミド
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。
抗腫瘍剤
シクロホスファミド水和物
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。
β-遮断剤
プロプラノロール塩酸塩
アテノロール
ピンドロール
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
クマリン系薬剤
ワルファリンカリウム
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]機序不明
クロラムフェニコール血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]機序不明
ベザフィブラート血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。
サルファ剤血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。
シベンゾリンコハク酸塩
ジソピラミド
ピルメノール塩酸塩水和物
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。
チアジド系利尿剤
トリクロルメチアジド
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
副腎皮質ステロイド
プレドニゾロン
トリアムシノロン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
ACTH
テトラコサクチド酢酸塩
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
アドレナリン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。
グルカゴン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
甲状腺ホルモン
レボチロキシンナトリウム水和物
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
成長ホルモン
ソマトロピン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。
卵胞ホルモン
エチニルエストラジオール
結合型エストロゲン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
経口避妊薬血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
ニコチン酸血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
濃グリセリン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
イソニアジド血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。
ダナゾール血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン抵抗性を増強するおそれがある。
フェニトイン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン分泌抑制作用を有する。
蛋白同化ステロイド
メテノロン
血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1参照]、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序不明
ソマトスタチンアナログ製剤
オクトレオチド酢酸塩
ランレオチド酢酸塩
血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1参照]、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低血糖(頻度不明)
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
本剤の作用は持続的であるため、回復が遅延するおそれがある。低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので継続的に観察すること。[2.1、8.1、8.2、9.1.2、9.1.3、9.2.1、9.3.1、9.8、10.2参照]
11.1.2 アナフィラキシーショック(頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹、血管神経性浮腫等の症状が認められた場合は投与を中止すること。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.5~5%未満頻度不明
過敏症アレルギー、じん麻疹、そう痒感、血圧降下注1)、発疹注1)
肝臓肝機能異常注1)(AST、ALTの上昇等)
消化器嘔吐注1)、嘔気注1)、腹痛注1)、食欲不振注1)
神経系頭痛めまい注1)、治療後神経障害注1)(主に有痛性)
糖尿病網膜症の顕在化又は増悪屈折異常注1)、白内障注1)
注射部位注射部位反応注2)(疼痛、そう痒、硬結等)リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)、皮膚アミロイドーシス
呼吸器系呼吸困難注1)
血液血小板減少注1)
その他発熱注1)、浮腫注1)、倦怠感注1)、多汗注1)、振戦注1)、空腹感注1)、体重増加注1)、血中ケトン体増加注1)、抗インスリン抗体産生に伴う血糖コントロール不良

注1)インスリン デグルデクもしくはインスリン アスパルトで認められている副作用。
注2)注射部位反応の症状の多くは軽度であり、治療の継続中に軽快又は消失している。

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