薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ピルシカイニド塩酸塩水和物 | ピルシカイニドの血漿中濃度を上昇させる可能性がある。併用により、ピルシカイニドで重大な副作用として報告されている心室頻拍、洞停止及び心室細動等の発現及び重篤化があらわれるおそれがあるので、併用中は注意深く観察すること。 | ドルテグラビルのOCT2及びMATE1の阻害作用により、ピルシカイニドの排出が阻害される可能性がある。 |
カルバマゼピン [7.2、16.7.2参照] | ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで33%、Cτで73%低下させたとの報告がある。 | カルバマゼピンがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される。 |
フェニトイン ホスフェニトイン フェノバルビタール セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 [7.1、7.2参照] | ドルテグラビルの血漿中濃度を低下させる可能性がある。 | これらの薬剤並びにセイヨウオトギリソウがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される。 |
リファンピシン [7.2、16.7.2参照] | ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで43%、Cτで72%低下させたとの報告がある。 | リファンピシンがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される。 |
多価カチオン(Mg,Al等)含有製剤 [16.7.2参照] | ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで72%、C24で74%低下させる。本剤は多価カチオン含有製剤の投与2時間前又は6時間後の投与が推奨される。 | これらの多価カチオンと錯体を形成することにより、ドルテグラビルの吸収が阻害される。 |
鉄剤、カルシウム含有製剤(サプリメント等) [16.7.2参照] | ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで35%、C24で32%低下させる。食事と同時に摂取する場合を除き、本剤は鉄剤、カルシウム含有製剤の投与2時間前又は6時間後の投与が推奨される。 | 鉄、カルシウムと錯体を形成することにより、ドルテグラビルの吸収が阻害される。 |
メトホルミン塩酸塩 [16.7.2参照] | メトホルミンの血漿中濃度をドルテグラビル50mg1日1回投与時及び1日2回投与時にCmaxでそれぞれ66%及び111%上昇させる。注意深く観察し、必要に応じてメトホルミンを減量する等慎重に投与すること。 | ドルテグラビルのOCT2及びMATE1の阻害作用により、メトホルミンの排出が阻害される可能性がある。 |
アルコール(飲酒) [16.4.2、16.7.1、16.7.2参照] | アバカビルの代謝はエタノールによる影響を受ける。アバカビルのAUCが約41%増加したが、エタノールの代謝は影響を受けなかったとの報告がある。 | アバカビルがアルコールデヒドロゲナーゼの代謝基質として競合すると考えられている。 |
メサドン塩酸塩 [16.7.2参照] | メサドンのクリアランスが22%増加したことから、併用する際にはメサドンの増量が必要となる場合があると考えられる。なお、アバカビルの血中動態は臨床的意義のある影響を受けなかった(Cmaxが35%減少し、tmaxが1時間延長したが、AUCは変化しなかったとの報告がある)。 | 機序不明 |
スルファメトキサゾール・トリメトプリム [16.7.2参照] | ラミブジンのAUCが43%増加し、全身クリアランスが30%、腎クリアランスが35%減少したとの報告がある。 | 腎臓における排泄がラミブジンとトリメトプリムで競合すると考えられている。 |
ソルビトール | 経口ソルビトール溶液(ソルビトールとして3.2g、10.2g、13.4g)とラミブジンの併用により、ラミブジンのAUCが減少した(それぞれ18%、36%、42%減少)との報告がある。 | ソルビトールによりラミブジンの吸収が抑制されると考えられている。 |
リオシグアト [16.7.2参照] | 本剤とリオシグアトの併用により、リオシグアトのAUCが増加するおそれがある。本剤との併用が必要な場合は、患者の状態に注意し、必要に応じてリオシグアトの減量を考慮すること。 | アバカビルのCYP1A1阻害作用によりリオシグアトの代謝が阻害される。 |