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オルドレブ点滴静注用150mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • コリスチンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、緑膿菌、アシネトバクター属
      ただし、他の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る
  • <適応症>

    • 各種感染症

用法・用量

  • 通常、成人には、コリスチンとして1回1.25~2.5mg(力価)/kgを1日2回、30分以上かけて点滴静注する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「5.効能又は効果に関連する注意」及び「7.用法及び用量に関連する注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分又はポリミキシンBに対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重症筋無力症の患者
本剤の神経筋遮断作用により症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
本剤は主に腎排泄されるため高い血中濃度が持続するおそれがある。[7.2、8.4、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。コリスチンメタンスルホン酸はヒト胎盤を通過することが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。コリスチンメタンスルホン酸はヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
腎機能に十分注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多い。[7.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用は、感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
8.2 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か否か判定し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.3 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
8.3.1 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
8.3.2 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.3.3 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.4 本薬の投与により腎機能障害が発現し、腎不全に至ったとの報告があるので、投与開始にあたっては、腎機能を評価し、投与期間中は3日ごとを目安に腎機能のモニタリングを行うこと。[7.2、9.2、11.1.1参照]
8.5 低カリウム血症、低マグネシウム血症、低カルシウム血症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。[11.1.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製方法
本剤1バイアルに注射用水又は生理食塩液2mLを加え、泡立たないように穏やかに溶解し溶解液とする(溶解液の濃度は75mg(力価)/mLである)。この溶解液を生理食塩液等で希釈し、通常50mLの点滴静注用液とする。
14.1.2 調製後
調製後の溶解液は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも、冷蔵庫(2~8℃)に保存し24時間以内に使用すること。希釈した点滴静注用液は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
14.1.3 本剤を他の薬剤と配合しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤はグラム陽性菌、ブルセラ属、バークホルデリア属、ナイセリア属、プロテウス属、セラチア属、プロビデンシア属及び嫌気性菌に対しては抗菌活性を示さないため、これらの菌種との重複感染が明らかである場合、これらの菌種に抗菌作用を有する抗菌薬と併用すること。
7.2 高齢者あるいは腎機能障害患者に本剤を投与する場合は、腎機能に十分注意し、患者の状態を観察しながら、下表を目安として用法及び用量の調節を考慮すること。[8.4、9.2、9.8、16.6.1参照]
参考:腎機能に対応する用法及び用量の目安
クレアチニンクリアランス(mL/min)用法及び用量
≧801回1.25~2.5mg(力価)/kgを1日2回投与
50~791回1.25~1.9mg(力価)/kgを1日2回投与
30~491回1.25mg(力価)/kgを1日2回又は1回2.5mg(力価)/kgを1日1回投与
10~291回1.5mg(力価)/kgを36時間ごとに投与

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 β-ラクタム系、フルオロキノロン系及びアミノグリコシド系の3系統の抗菌薬に耐性を示す感染症の場合にのみ本剤を使用すること。
5.2 原則としてコリスチン及び上記3系統の抗菌薬に対する感受性を確認した上で本剤を使用すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
健康成人に2.5mg(力価)/kgを0.5時間かけて単回静脈内投与及び12時間間隔で5回反復静脈内投与した時の血漿中コリスチンメタンスルホン酸及びコリスチンの薬物動態パラメータを表1及び表2に、血漿中コリスチン濃度推移を図1に示す。また、血漿中コリスチン濃度は5回の反復静脈内投与で定常状態に到達した。
表1 健康成人に2.5mg(力価)/kgを静脈内投与した時の血漿中コリスチンメタンスルホン酸の薬物動態パラメータ
Cmax(μg/mL)AUC0-∞(μg・hr/mL)t1/2(hr)
単回投与18.0±3.720.8±5.90.7±0.3
反復投与17.2±2.516.1±4.60.5±0.2
平均値±標準偏差(単回投与14例、反復投与13例)
表2 健康成人に2.5mg(力価)/kgを静脈内投与した時の血漿中コリスチンの薬物動態パラメータ
Cmax(μg/mL)AUC0-∞(μg・hr/mL)t1/2(hr)
単回投与2.6±1.317.6±6.84.0±0.7
反復投与4.4±1.629.0±8.35.0±1.0
平均値±標準偏差(単回投与14例、反復投与13例)
図1 健康成人に2.5mg(力価)/kgを静脈内投与した時の血漿中コリスチン濃度推移(平均値+標準偏差)
16.1.2 感染症患者
(1)多剤耐性グラム陰性桿菌による敗血症の成人患者14例に4mg(力価)/kg注)を静脈内投与した時の定常状態における血漿中コリスチンのCmax(平均値±標準偏差)は約2.9±1.2μg/mL、AUCは12.8±5.1μg・hr/mL、t1/2は7.4±1.7時間であった(外国人データ)。
(2)多剤耐性グラム陰性桿菌による重症感染症患者105例(透析患者12例及び継続的な腎代替療法を受けている患者4例を含む)にコリスチンメタンスルホン酸ナトリウムの約200~1093mg/日を8~24時間ごと注)に静脈内投与した時の定常状態における血漿中のコリスチンメタンスルホン酸及びコリスチン濃度はいずれも個人間変動が大きかった。定常状態における血漿中コリスチンのAUC0-24は11.5~225μg・hr/mLであり、血漿中コリスチン濃度は2.36μg/mL(中央値)であった。腎代替療法を受けていない患者でのクレアチニンクリアランス(CLcr)は3~169mL/min/1.73m2と変動が大きかったものの、血漿中のコリスチンメタンスルホン酸及びコリスチンのt1/2はCLcrの低下に伴い延長した(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
重症患者におけるコリスチンの血漿蛋白結合率は66%である(外国人データ)。
16.3.2 体液・組織内移行
(1)成人の人工呼吸器関連肺炎患者13例にコリスチンメタンスルホン酸の174mgを8時間ごとに1日3回注)静脈内投与した時の投与4.5日後の血漿中コリスチンのCmax(平均値±標準偏差)は約2.2±1.1μg/mL、AUC0-8は約11.5±6.2μg・hr/mL、t1/2は5.9±2.6時間であり、投与2時間後の気管支肺胞洗浄液からコリスチンは検出されなかった(外国人データ)。
(2)多剤耐性アシネトバクター・バウマニによる髄膜炎の小児患者注)1例にコリスチンメタンスルホン酸ナトリウムの5mg/kg/日を1日4回注)静脈内投与した時の血清中コリスチンのCmaxは5μg/mL、AUCは約23μg・hr/mL、t1/2は約2.8時間であった。投与1時間後の髄液中コリスチン濃度は1.25μg/mLであり、髄液移行率(血清中濃度との比)は25%であった(外国人データ)。
16.4 代謝
静脈内投与後のコリスチンメタンスルホン酸の一部は生体内でコリスチンに変換され、抗菌活性を発揮する。コリスチンメタンスルホン酸の約30%はコリスチンに変換される(外国人データ)。
16.5 排泄
16.5.1 コリスチンメタンスルホン酸の大部分は腎排泄されるが、コリスチンは再吸収された後に腎以外の経路で排泄される。
16.5.2 健康成人に2.5mg(力価)/kgを0.5時間かけて単回静脈内投与した時の投与24時間後までの尿中にコリスチンメタンスルホン酸が30.4%、コリスチンが7.9%回収された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
多剤耐性グラム陰性桿菌による重症感染症患者105例でCLcrが10mL/min/1.73m2未満の患者20例にコリスチンメタンスルホン酸ナトリウムの約200~1093mg/日を8~24時間ごと注)に静脈内投与した時のコリスチンメタンスルホン酸のt1/2(中央値)は11時間であり、コリスチンのt1/2(中央値)は13時間であった。CLcrが11~69mL/min/1.73m2の患者62例でのコリスチンメタンスルホン酸のt1/2(中央値)は5.6時間、コリスチンのt1/2(中央値)は13時間であった。CLcrが70mL/min/1.73m2超の患者19例でのコリスチンメタンスルホン酸のt1/2(中央値)は4.6時間、コリスチンのt1/2(中央値)は9.1時間であった(外国人データ)。[7.2、9.2参照]
注)本剤の承認用量は、通常、成人には、コリスチンとして1回1.25~2.5mg(力価)/kgを1日2回点滴静注である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
筋弛緩剤
ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
スキサメトニウム塩化物水和物
ボツリヌス毒素製剤
筋弛緩作用を有する薬剤
アミノグリコシド系抗生物質
ゲンタマイシン硫酸塩、アミカシン、トブラマイシン等
ポリミキシンB硫酸塩
エーテル
神経系障害を発現するリスクが高まるおそれがあるため、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。いずれの薬剤も神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強されるおそれがある。
バンコマイシン塩酸塩
アミノグリコシド系抗生物質 等
腎機能障害があらわれることがあるので、併用の必要性については十分に検討すること。いずれの薬剤も腎機能障害を悪化させる作用を有しており、併用によりその作用が増強するおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 腎不全、腎機能障害(いずれも頻度不明)
腎不全等の重篤な腎機能障害があらわれることがある。[8.4参照]
11.1.2 呼吸窮迫、無呼吸(いずれも頻度不明)
神経系障害として呼吸窮迫、無呼吸があらわれることがある。
11.1.3 偽膜性大腸炎(頻度不明)
11.1.4 低カリウム血症、低マグネシウム血症、低カルシウム血症、代謝性アルカローシス(いずれも頻度不明)[8.5参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
腎臓尿量減少
精神神経系錯乱、精神病性障害、運動失調、不明瞭発語、錯感覚、頭痛、浮動性めまい
回転性めまい
視覚障害
筋骨格系筋力低下
消化器悪心、嘔吐、下痢
皮膚そう痒症、全身性そう痒症、蕁麻疹、発疹
全身症状過敏症反応(皮疹、血管性浮腫)、発熱
投与部位注射部位反応、注射部位刺激感
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