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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス

用法・用量

  • 通常、ヒドロキシクロロキン硫酸塩として200mg又は400mgを1日1回食後に経口投与する。
    ただし、1日の投与量はブローカ式桂変法により求められる以下の理想体重に基づく用量とする。
    • 女性患者の理想体重(kg)=(身長(cm)-100)×0.85
    • 男性患者の理想体重(kg)=(身長(cm)-100)×0.9
    • ・理想体重が31kg以上46kg未満の場合、1日1回1錠(200mg)を経口投与する。
    • ・理想体重が46kg以上62kg未満の場合、1日1回1錠(200mg)と1日1回2錠(400mg)を1日おきに経口投与する。
    • ・理想体重が62kg以上の場合、1日1回2錠(400mg)を経口投与する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与は、本剤の安全性及び有効性についての十分な知識とエリテマトーデスの治療経験をもつ医師のもとで、本療法が適切と判断される患者についてのみ実施すること。
  • 1.2 本剤の投与により、網膜症等の重篤な眼障害が発現することがある。網膜障害に関するリスクは用量に依存して大きくなり、また長期に服用される場合にも網膜障害発現の可能性が高くなる。このため、本剤の投与に際しては、網膜障害に対して十分に対応できる眼科医と連携のもとに使用し、本剤投与開始時並びに本剤投与中は定期的に眼科検査を実施すること。[2.2、7.1、7.2、8.1、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 網膜症(ただし、SLE網膜症を除く)あるいは黄斑症の患者又はそれらの既往歴のある患者[副作用として網膜症、黄斑症、黄斑変性が報告されており、このような患者に投与するとこれらの症状が増悪することがある。][1.2、9.1.6、11.1.1参照]
  • 2.3 低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児[9.7.1、13.1、14.1.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 キニーネに過敏症を有する患者
皮膚反応のリスクが高くなることがある。
9.1.2 グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症のある患者
溶血を起こすおそれがある。
9.1.3 ポルフィリン症の患者
症状が増悪することがある。
9.1.4 乾癬の患者
皮膚症状が増悪することがある。
9.1.5 胃腸障害、神経系障害、血液障害のある患者
これらの症状が増悪することがある。
9.1.6 SLE網膜症を有する患者
本剤投与による有益性と危険性を慎重に評価した上で、使用の可否を判断し、投与する場合は、より頻回に眼科検査を実施すること。[2.2、8.1、11.1.1参照]
9.1.7 眼障害のリスク因子を有する患者[8.1参照]
9.2 腎機能障害患者
本剤は尿中に未変化体が排泄されることから、腎機能に障害がある場合には血中ヒドロキシクロロキン濃度が上昇する可能性がある。[8.1、16.5参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤は代謝を受けることから、肝機能に障害がある場合には血中ヒドロキシクロロキン濃度が上昇する可能性がある。[8.1、16.4参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、催奇形性・胎児毒性のリスクを有する可能性があること、及びそのために避妊を行うことが望ましいことを十分に説明し理解を得た上で投与すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、催奇形性・胎児毒性のリスクを有する可能性があることを十分に説明し理解を得た上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤と化学構造及び薬理学的作用が類似しているクロロキンでは、生殖発生毒性が示唆されており、本剤においても催奇形性・胎児毒性(出生児の発育遅延等)が発現する可能性は否定できない。また、分布試験において、妊娠有色マウスにクロロキンの標識体を静脈内投与したとき、クロロキンは胎盤を速やかに通過し、マウス胎児の網膜に選択的に放射能が認められた。また、放射能は5ヵ月間残存した。[9.4参照]
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ヒドロキシクロロキンはヒト乳汁中へ移行することが報告されている。4-アミノキノリン化合物の毒性作用は乳児に対して極めて感受性が高いことが知られている。
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児
投与しないこと。4-アミノキノリン化合物の毒性作用に感受性が高い。[2.3、13.1、14.1.2参照]
9.8 高齢者
眼科検査を頻回に実施すること。腎機能等の生理機能が低下していることが多く、ヒドロキシクロロキンの排泄遅延により網膜障害があらわれるおそれがある。[8.1、11.1.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与に際しては、事前に両眼の視力、中心視野、色覚等を、視力検査、細隙灯顕微鏡検査、眼圧検査、眼底検査(眼底カメラ撮影、OCT(光干渉断層計)検査を含む)、視野テスト、色覚検査の眼科検査により慎重に観察すること。本剤の投与により、眼障害があらわれることがあるので、定期的に眼科検査を行うこと。長期にわたって投与する場合には、少なくとも年に1回これらの眼科検査を実施すること。また、以下の患者に対しては、より頻回に検査を実施すること。[1.2、7.1、8.2、9.1.6、9.1.7、9.2、9.3、9.8、11.1.1参照]
・累積投与量が200gを超えた患者
・肝機能障害患者又は腎機能障害患者
・視力障害のある患者
・高齢者
8.2 視野異常等の機能的な異常は伴わないが、眼科検査(OCT検査等)で異常が認められる患者に対しては、より頻回に眼科検査を実施するとともに、投与継続の可否を慎重に判断すること。[8.1、11.1.1参照]
8.3 視力低下や色覚異常等の視覚障害が認められた場合は、直ちに投与を中止すること。網膜の変化や視覚障害は投与中止後も進行する場合があるので、投与を中止した後も注意深く観察すること。[11.1.1参照]
8.4 本剤を服用する患者に対し、低血糖のリスク、低血糖の臨床徴候・症状及び対処方法について十分に説明した後、患者が理解したことを確認すること。[10.2、11.1.6参照]
8.5 長期投与する場合には定期的に骨格筋検査、腱反射検査、血中クレアチンキナーゼ測定を行うこと。[11.1.5参照]
8.6 長期投与する場合には定期的に患者の血液学的検査を行うこと。[11.1.3参照]
8.7 視調節障害、霧視等の視覚異常や低血糖症状があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作や高所での作業等には注意させること。[11.1.1、11.1.6参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 乳幼児は特に4-アミノキノリン化合物の毒性の影響に対して感受性が高いため、本剤は小児の手の届かない場所に保管するよう患者に指導すること。[2.3、9.7.1、13.1参照]

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤投与後の脂肪組織中濃度は低いことから、実体重に基づき本剤を投与した場合、特に肥満患者では過量投与となり、網膜障害等の副作用発現リスクが高まる可能性があるため、実体重ではなく、身長に基づき算出される理想体重(下表)に基づき投与量を決定すること。[1.2、8.1、11.1.1参照]
身長(理想体重)と1回投与量の関係
女性患者の場合
身長
(理想体重)
1回投与量
136cm以上154cm未満
(理想体重31kg以上46kg未満)
1錠(200mg)
154cm以上173cm未満
(理想体重46kg以上62kg未満)
1錠(200mg)と2錠(400mg)を1日おき
173cm以上
(理想体重62kg以上)
2錠(400mg)
男性患者の場合
身長
(理想体重)
1回投与量
134cm以上151cm未満
(理想体重31kg以上46kg未満)
1錠(200mg)
151cm以上169cm未満
(理想体重46kg以上62kg未満)
1錠(200mg)と2錠(400mg)を1日おき
169cm以上
(理想体重62kg以上)
2錠(400mg)
7.2 本剤には網膜障害を含む眼障害の発現リスクがあり、1日平均投与量として6.5mg/kg(理想体重)を超えると網膜障害を含む眼障害の発現リスクが高くなることが報告されていることから、用法及び用量を遵守すること。[1.2、11.1.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<皮膚エリテマトーデス>
5.1 限局的な皮膚症状のみを有する皮膚エリテマトーデス患者に対して、本剤は、ステロイド等の外用剤が効果不十分な場合又は外用剤の使用が適切でない皮膚状態にある場合に投与を考慮すること。
<全身性エリテマトーデス>
5.2 全身性エリテマトーデス患者に対して、本剤は、皮膚症状、倦怠感等の全身症状、筋骨格系症状等がある場合に投与を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
外国人健康成人5例にヒドロキシクロロキン155mg注)を単回経口投与したとき、終末相の消失半減期は全血及び血漿で、それぞれ約50日及び32日であった。
注)本剤の承認された用法及び用量は通常、ヒドロキシクロロキン硫酸塩として200mg又は400mgを1日1回食後に経口投与である。
16.1.2 反復投与
皮膚エリテマトーデスと診断された日本人患者90例(全身性エリテマトーデスの合併の有無を問わない)に本剤を1日1回200~400mg(理想体重当たり6.5mg/kgを超えない)反復経口投与したときの定常状態における全血中ヒドロキシクロロキン濃度を用い、母集団薬物動態解析により求めた薬物動態パラメータを以下に示す。
日本人皮膚エリテマトーデス患者に各用量のヒドロキシクロロキンを投与したときの定常状態における推定血中個別PKパラメータ
投与量(mg/day)
(理想体重の範囲)
200mg
(31kg以上46kg未満)
200mgと400mgを1日おき
(46kg以上62kg未満)
400mg
(62kg以上)
Cmax(μg/mL)0.63±0.220.94±0.190.85±0.17
tmax(hr)4.0±0.14.0±0.14.0±0.1
AUC(μg・hr/mL)13.2±5.316.6±4.816.5±4.2
Ctrough(μg/mL)0.46±0.220.50±0.190.52±0.17
t1/2(hr)41.4±16.634.7±10.025.9±6.6
CL/F(L/hr)17.5±7.919.8±6.925.6±6.1
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
健康成人にヒドロキシクロロキンを経口投与したときの全血中ヒドロキシクロロキンに基づく絶対的バイオアベイラビリティは約70%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
健康成人にヒドロキシクロロキンを空腹時及び食後に単回経口投与したとき、全血中ヒドロキシクロロキンのCmaxはそれぞれ214.4及び233.5ng/mL、絶対的バイオアベイラビリティはそれぞれ0.64及び0.67であった(外国人データ)。
16.3 分布
健康成人におけるヒドロキシクロロキンのヒト血漿タンパク結合率及びヒト血清アルブミン結合率はそれぞれ、約52%及び約40%であった(外国人データ)。
16.4 代謝
ヒドロキシクロロキンはデスエチルヒドロキシクロロキン及びデスエチルクロロキンに代謝され、さらにビスデスエチルクロロキンに代謝された。これらの代謝にはクロロキンの代謝よりCYP2C8及びCYP3A4の関与が示唆された。[9.3参照]
16.5 排泄
健康成人にヒドロキシクロロキンを単回静脈内投与したときの未変化体の累積尿中排泄率は23~25%であった(外国人データ)。[9.2参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジゴキシン本剤との併用により、ジゴキシンの血中濃度を上昇させるとの報告がある。併用する場合には血中ジゴキシン濃度をモニターするなど慎重に投与すること。in vitro試験で本剤のP糖蛋白阻害作用が報告されている。
シクロスポリン本剤との併用により、シクロスポリンの血中濃度が上昇したとの報告がある。in vitro試験で本剤のP糖蛋白阻害作用が報告されている。
インスリン
糖尿病用薬
[8.4参照]
本剤との併用により、これらの糖尿病用薬の血糖降下作用が強くあらわれる可能性があるため、必要に応じインスリン又は糖尿病用薬の投与量の減量を考慮すること。糖尿病用薬の併用の有無を問わず、本剤の投与により重度の低血糖を起こすことがある。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
アミオダロン
モキシフロキサシン等
心室性不整脈のリスクが増大するおそれがある。共にQT延長を引き起こすおそれがあるため。
シメチジン併用により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。本剤と類似の構造を有するクロロキンと、CYP2C8、CYP3A4等のCYP分子種の阻害作用を有するシメチジンを併用したとき、クロロキンの血中濃度が2倍になったとの報告がある。
抗マラリア薬
メフロキン等
痙攣閾値を低下させる抗マラリア薬を併用すると痙攣のリスクが上昇することがある。本剤は痙攣閾値を低下させるとの報告がある。
抗てんかん薬
フェニトイン
カルバマゼピン等
本剤との併用により、抗てんかん薬の作用が減弱する可能性がある。機序不明
プラジカンテル本剤と類似の構造を有するクロロキンとの併用により、プラジカンテルの生物学的利用率が低下するとの報告がある。このため、本剤との併用においても同様にプラジカンテルの生物学的利用率を低下させる可能性がある。機序不明
アガルシダーゼ本剤との併用により、α-ガラクトシダーゼの作用が減弱する可能性がある。機序不明
タモキシフェン
ビガバトリン
併用により網膜障害のリスクが増大するおそれがある。共に網膜障害を引き起こす可能性があるため。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 眼障害(網膜症、黄斑症、黄斑変性)(いずれも頻度不明)
部分的な視野の喪失、一時的に発現する傍中心暗点あるいは輪状暗点及び色覚異常といった異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。[1.2、2.2、7.1、7.2、8.1-8.3、8.7、9.1.6、9.8参照]
11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(5%未満)、多形紅斑(頻度不明)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)、薬剤性過敏症症候群(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)、急性熱性好中球性皮膚症(Sweet症候群)(頻度不明)
11.1.3 骨髄抑制(血小板減少症、無顆粒球症、白血球減少症、再生不良性貧血)(いずれも頻度不明)
血小板減少症、無顆粒球症、白血球減少症、再生不良性貧血等があらわれることがある。[8.6参照]
11.1.4 心筋症(頻度不明)
心不全に至り、致死的転帰をたどる心筋症があらわれることがある。
11.1.5 ミオパチー、ニューロミオパチー(いずれも頻度不明)
脱力が発現した場合には投与を中止すること。[8.5参照]
11.1.6 低血糖(頻度不明)
意識障害に至る重度の低血糖があらわれることがある。低血糖症状がみられた場合には、血糖値を確認し、適切な処置を行うこと。また、本剤服用中に低血糖症状がみられた場合には、投与継続の可否を慎重に判断すること。[8.4、8.7参照]
11.1.7 QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)(いずれも頻度不明)
11.1.8 肝機能障害(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
注)発現頻度は使用成績調査を含む

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
消化器下痢腹痛、便秘、胃腸炎、口唇炎、鼓腸、胃食道逆流性疾患嘔吐、嘔気
精神障害感情不安定、神経過敏、精神症状
神経系障害頭痛、神経痛、傾眠、肋間神経痛浮動性めまい、痙攣、ジストニア・ジスキネジア・振戦等の錐体外路障害
網脈絡膜萎縮、硝子体浮遊物、結膜炎、眼乾燥視野欠損、網膜色素沈着、色覚異常、角膜浮腫、角膜混濁、霧視、光輪視、羞明
過敏症蕁麻疹、発疹、全身性皮疹、そう痒症血管浮腫、気管支痙攣、光線過敏症
皮膚中毒性皮疹、薬疹、色素沈着障害、皮膚潰瘍、帯状疱疹、爪囲炎毛髪の変色、脱毛症
呼吸器気管支炎、口腔咽頭痛
循環器伝導障害、脚ブロック、房室ブロック、心室肥大
筋・骨格系腱反射減退、感覚運動障害、神経伝導検査異常
代謝食欲減退
肝臓肝機能検査異常
その他発熱、腎盂腎炎、蜂巣炎、限局性感染回転性めまい、耳鳴、難聴

注)発現頻度は使用成績調査を含む

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