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サラゾスルファピリジン錠500mg「日医工」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○潰瘍性大腸炎
  • ○限局性腸炎
  • ○非特異性大腸炎

用法・用量

  • 通常1日4~8錠(2~4g)を4~6回に分服する。
    症状により初回毎日16錠(8g)を用いても差しつかえない。
    この場合3週間を過ぎれば次第に減量し、1日3~4錠(1.5~2g)を用いる。
    ステロイド療法を長期間継続した症例については、本品4錠(2g)を併用しながら、徐々にステロイドを減量することが必要である。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 サルファ剤又はサリチル酸製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 低出生体重児又は新生児[9.7.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血液障害のある患者[8.1参照]
9.1.2 気管支喘息のある患者
急性発作が起こるおそれがある。
9.1.3 急性間歇性ポルフィリン症の患者
急性発作が起こるおそれがある。
9.1.4 グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD)欠乏患者
溶血が起こるおそれがある。
9.1.5 他の薬物に対し過敏症の既往歴のある患者
9.2 腎機能障害患者
[8.1参照]
9.3 肝機能障害患者
[8.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。本剤の動物実験では催奇形作用は認められていないが、他のサルファ剤(スルファメトピラジン等)では催奇形作用が認められている。また、本剤の代謝物の胎盤通過により新生児に高ビリルビン血症を起こすことがある。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。母乳中に移行し、乳児に血便又は血性下痢があらわれたとの報告がある。
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児又は新生児
投与しないこと。高ビリルビン血症を起こすことがある。[2.2参照]
9.7.2 乳児、幼児又は小児
臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤投与開始前には、必ず血液学的検査(白血球分画を含む血液像)、肝機能検査及び腎機能検査を実施すること。投与中は、AST、ALTの著しい上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあり、肝不全、劇症肝炎に至るおそれがあるので、臨床症状を十分観察するとともに、定期的に(原則として、投与開始後最初の3ヵ月間は2週間に1回、次の3ヵ月間は4週間に1回、その後は3ヵ月ごとに1回)、血液学的検査及び肝機能検査を行うこと。また、急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎があらわれることがあるので、腎機能検査についても定期的に行うこと。[9.1.1、9.2、9.3、11.1.1、11.1.3、11.1.5、11.1.11参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤の投与により、軽度の悪心が発現した場合には、半量に減じ、高度の悪心が発現した場合には、2~3日投与を中止後、次第に増量して元の量に戻すこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
ラットにカルボキシル14C-サラゾスルファピリジンを経口投与して血中濃度を調べた。
経口投与後7時間経って最高血中濃度を示し、以後漸減した。
16.1.2 生物学的同等性試験
サラゾスルファピリジン錠500mg「日医工」とサラゾピリン錠500mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(サラゾスルファピリジンとして0.5g)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中サラゾスルファピリジン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について分散分析法にて統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0→36(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
サラゾスルファピリジン錠500mg「日医工」89.06±45.847.66±3.556.1±1.29.8±1.3
サラゾピリン錠500mg89.38±40.998.37±4.236.3±1.310.7±4.0
(1錠投与,Mean±S.D.,n=16)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
ラットにカルボキシル14C-サラゾスルファピリジンを経口投与して分布を調べた。
回腸、結腸、直腸に多く分布がみられ、次いで肝に比較的多い分布がみられた。腎にも少量の分布がみられたが、肺、脾、心筋、膵、脳その他の臓器にはほとんど認められなかった。
16.4 代謝
ラットにカルボキシル14C-サラゾスルファピリジンを経口投与して代謝を調べた。
薄層クロマトグラフィーによる検索の結果、サラゾスルファピリジンの主代謝産物は、サリチル酸部分に由来するアセチルアミノサリチル酸と、スルファピリジン部分に由来するアセチル・スルファピリジン・グルクロナイド及びスルファピリジン・グルクロナイドであった。
16.5 排泄
ラットにカルボキシル14C-サラゾスルファピリジンを経口投与して排泄を調べた。
尿中へは全投与量の10%前後が排泄され、残余は糞中に排泄された。胆汁排泄量はわずかであった。なお尿での主代謝産物は5-アセチルアミノサリチル酸が90%を占めた。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
スルホンアミド系経口糖尿病用剤
グリベンクラミド等
スルホニルウレア系経口糖尿病用剤
グリクラジド
グリメピリド
低血糖を発症するおそれがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意すること。代謝抑制又は蛋白結合の置換により、作用が増強される。
クマリン系抗凝血剤
ワルファリンカリウム
併用薬の血中濃度が上昇し、プロトロンビン時間が延長するおそれがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意すること。併用薬の代謝が抑制される。
葉酸葉酸の吸収が低下し、大赤血球症、汎血球減少を来す葉酸欠乏症を起こすおそれがあるので、葉酸欠乏症が疑われる場合は、葉酸を補給すること。機序不明
ジゴキシンジゴキシンの吸収が低下するおそれがある。機序不明
アザチオプリン
メルカプトプリン
白血球減少等の骨髄抑制があらわれるおそれがある。本剤はこれらの薬剤の代謝酵素であるチオプリンメチルトランスフェラーゼを阻害するとの報告がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 再生不良性貧血(頻度不明)、汎血球減少症(頻度不明)、無顆粒球症(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)、貧血(溶血性貧血、巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等)(頻度不明)、播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明)[8.1参照]
11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、紅皮症型薬疹(頻度不明)
11.1.3 過敏症症候群(頻度不明)、伝染性単核球症様症状(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱、感冒様症状がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、肝腫、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う重篤な過敏症状が遅発性にあらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
なお、これらの症状は、薬剤を中止しても再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。[8.1参照]
11.1.4 間質性肺炎(頻度不明)、薬剤性肺炎(頻度不明)、PIE症候群(頻度不明)、線維性肺胞炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、喀痰、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線検査、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
11.1.5 急性腎障害(頻度不明)、ネフローゼ症候群(頻度不明)、間質性腎炎(頻度不明)[8.1参照]
11.1.6 消化性潰瘍(出血、穿孔を伴うことがある)(頻度不明)、S状結腸穿孔(頻度不明)
11.1.7 脳症(頻度不明)
意識障害、痙攣等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.8 無菌性髄膜(脳)炎(頻度不明)
頸部(項部)硬直、発熱、頭痛、悪心、嘔吐あるいは意識混濁等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.9 心膜炎(頻度不明)、胸膜炎(頻度不明)
呼吸困難、胸部痛、胸水等があらわれた場合には投与を中止し、速やかに心電図検査、胸部X線検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
11.1.10 SLE様症状(頻度不明)
11.1.11 劇症肝炎(頻度不明)、肝炎(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST、ALTの著しい上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがある。また、肝不全、劇症肝炎に至るおそれがある。[8.1参照]
11.1.12 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
発疹、血圧低下、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
血液顆粒球減少、白血球減少、異型リンパ球出現、免疫グロブリン減少、好酸球増多
肝臓AST・ALTの上昇
腎臓尿路結石、腫脹、浮腫、糖尿、蛋白尿、BUN上昇、血尿
皮膚脱毛
消化器食欲不振、悪心・嘔吐、腹部膨満感、口内炎、口唇炎、舌炎、腹痛、胃不快感、胸やけ、膵炎、口渇、便秘、下痢、口腔咽頭痛
過敏症発疹、そう痒感、光線過敏症、血清病、紅斑、顔面潮紅、蕁麻疹
精神神経系頭痛、末梢神経炎、うとうと状態、めまい、耳鳴、抑うつ
その他精子数及び精子運動性の可逆的な減少a)、倦怠感、胸痛、筋肉痛、関節痛、心悸亢進、発熱、味覚異常、嗅覚異常

a:2~3ヵ月の休薬により回復するとの報告がある。

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