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プリマキン錠15mg「サノフィ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 三日熱マラリア及び卵形マラリア

用法・用量

  • 通常、成人にはプリマキンとして30mgを1日1回14日間、食後に経口投与する。
  • 通常、小児にはプリマキンとして0.5mg/kg(最大30mg)を1日1回14日間、食後に経口投与する。

禁忌 

【警告】

  • グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症の患者に本剤を投与後、重篤な溶血性貧血が認められている。G6PD欠損症等の溶血性貧血のリスクの有無については、家族歴を含めて問診を行うなど十分に確認を行うこと。[2.2、8.2、9.1.2、10.2、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症の患者[1.、8.2、11.1.1参照]
  • 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5、15.2.1、15.2.3参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 関節リウマチやエリテマトーデスなどによって顆粒球減少の傾向を呈する患者
顆粒球減少の発現が増加するおそれがある。
9.1.2 溶血性貧血の既往あるいは家族歴のある患者及び先天性NADH・メトヘモグロビン還元酵素欠損症の患者
血液障害の発現が増加するおそれがある。[1.、8.2、10.2、11.1.1参照]
9.1.3 心疾患等のリスクを有する患者
QT間隔延長及び不整脈があらわれるおそれがある。[10.2、13.1参照]
9.1.4 遺伝的にCYP2D6の活性が欠損している患者(Poor Metabolizer)又はCYP2D6の活性が低い患者(Intermediate Metabolizer)
治療効果が減弱するおそれがある。[16.4、16.7.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性患者及びパートナーが妊娠する可能性のある男性患者には適切な避妊を行うよう指導すること。プリマキンには遺伝毒性の可能性があることが報告されている。[15.2.1、15.2.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤は母体及び胎児に血管内溶血を引き起こす可能性がある。また、プリマキンには遺伝毒性の可能性があることが報告されている。ラット器官形成期投与試験で胎児に対する影響が認められたとの報告がある。[2.3、15.2.1、15.2.3参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。授乳婦にプリマキン0.5mg/kgを投与したところ、乳汁中にプリマキンが移行すること、生後1ヶ月以上のG6PDが正常な乳児における授乳を介したプリマキンの相対投与量は授乳婦への投与量の1%未満であったことが報告されている。
9.7 小児等
本剤投与による溶血性貧血を含むリスクとベネフィットを考慮した上で、投与の可否を慎重に判断すること。4歳未満の小児に対する臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、マラリアの診断・治療に関して十分な知識と経験をもつ医師又はその指導の下で行うこと。
8.2 本剤の服用により溶血性貧血、メトヘモグロビン血症があらわれるおそれがある。溶血性貧血は投与開始後1週間以内に認められることがあるので、本剤の投与前及び投与中は、ヘモグロビン値、ハプトグロビン値等の血液検査を頻回に行い、異常が認められた場合は本剤による治療継続の可否を慎重に判断すること。患者に対し、溶血性貧血を示唆する徴候(尿の暗色化、青白い肌、息切れ、めまい、疲労など)や、メトヘモグロビン血症の徴候(青みがかった唇や爪など)がみられた場合には、直ちに使用を中止し、医師に連絡するよう指導すること。危険因子のない患者でもメトヘモグロビン濃度を一過性に最大10%上昇させる可能性がある。[1.、2.2、9.1.2、10.2、11.1.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

本剤は三日熱マラリア又は卵形マラリア原虫の休眠体を殺滅する目的(根治療法)のみに使用する薬剤であるため、赤血球中の原虫の殺滅に対しては他の抗マラリア剤を使用すること。また、本剤は赤血球中の原虫の殺滅に対する他の抗マラリア剤による治療後に使用すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子10例にプリマキン30mgを単回投与したときの薬物動態パラメータを以下に示す(外国人データ)。
健康成人にプリマキン30mgを単回投与したときの薬物動態パラメータ
投与量(mg)Cmax(ng/mL)tmax(h)AUCinf(ng・h/mL)t1/2(h)
30120(81-151)2.0(1.0-2.0)注1)1094(454-1723)7.9±2.5注2)
幾何平均(最小値-最大値)注1)中央値(最小値-最大値)、注2)平均値±標準偏差
16.1.2 反復投与
三日熱マラリア患者7例にプリマキン15mg注3)を1日1回14日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータを以下に示す(外国人データ)。
三日熱マラリア患者にプリマキン15mgを1日1回反復投与したときの薬物動態パラメータ
測定日Cmax(ng/mL)tmax(h)AUCinf(ng・h/mL)t1/2(h)
1日目50.7±21.22.3±1.1480±2605.6±1.0
14日目49.7±14.42.1±0.9490±1905.8±0.9
平均値±標準偏差
16.2 吸収
16.2.1 生物学的利用率
健康成人5例にプリマキン45mg注3)を単回投与したときの経口バイオアベイラビリティは96%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
健康成人20例にプリマキン30mgを空腹時及び食直後に単回経口投与したとき、プリマキンのCmax及びAUCinfの幾何平均は、食直後の投与により空腹時投与よりも、それぞれ26%及び14%増加した。tmax(中央値)は、空腹時投与で2.0時間、食事直後の投与で1.5時間であった(外国人データ)。
16.3 分布
血漿中のプリマキンは主にα1-酸性糖タンパク質に結合することが示唆された(in vitro)。
16.4 代謝
プリマキンは速やかに代謝され、血漿中では主に薬理学的に不活性なカルボキシプリマキンとして存在する。プリマキンはその他CYP2D6によるキノリン環のヒドロキシル化も行われ、これらのヒドロキシル化代謝物が本剤の有効性及び溶血毒性を示すと考えられる(外国人データ)。[9.1.4参照]
16.5 排泄
健康被験者6例にプリマキン45mg注3)を単回経口投与したときの投与24時間後までの未変化体の尿中排泄率は1%未満であった。プリマキンの終末相半減期は6時間、血漿中の主代謝物であるカルボキシプリマキンの終末相半減期は22時間であった。カルボキシプリマキンはさらに代謝され、生成する代謝物は主に尿より排泄されることが示唆された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者における体内動態
慢性腎疾患患者24例にプリマキン15mg注3)を単回投与したとき、健康成人の薬物動態に比較して違いは認められなかった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 代謝酵素
プリマキンは、MAO-A、CYP1A2、2C19、2D6及び3A4により代謝され、CYP1A2を阻害する可能性が示された(in vitro)。[9.1.4参照]
16.7.2 併用薬の影響
プリマキンの薬物動態パラメータに及ぼす併用薬の影響を以下に示す(外国人データ)。
プリマキンの薬物動態パラメータに及ぼす併用薬の影響
併用薬例数プリマキンの用法・用量注3)併用薬の用法・用量Cmax(ng/mL)CLPO(L/h)
メフロキン945mg単回非併用167(113-532)33.1(17.6-49.3)
10mg/kg単回229(114-503)34.0(21.7-49.0)
キニーネ745mg単回非併用271(147-431)24.8(12.6-48.4)
10mg/kg1日3回295(64-308)21.3(15.9-73.0)
中央値(最小値-最大値)
16.7.3 プリマキンの影響
併用薬の薬物動態パラメータに及ぼすプリマキンの影響を以下に示す(外国人データ)。
併用薬の薬物動態パラメータに及ぼすプリマキンの影響
併用薬例数併用薬の用法・用量プリマキンの用法・用量注3)Cmax(ng/mL)AUCinf(ng・h/mL)
メフロキン8750mg単回非併用1161±12020.0±3.8注4)
45mg単回1179±15320.2±4.8注4)
エチニルエストラジオール6エチニルエストラジオール/レボノルゲストレル:
30/150μg単回
非併用929±188
45mg単回985±223
レボノルゲストレル6非併用22.4±6.5
45mg単回29.7±10.3
平均値±標準偏差
注3)国内で承認された本剤の用法及び用量は30mg1日1回14日間である。
注4)μg・day/mL

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
溶血性貧血が報告されている薬剤
イブプロフェン等の解熱消炎鎮痛剤、セフェム系抗生物質製剤、メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)等
[1.、8.2、9.1.2、11.1.1参照]
併用により溶血性貧血の危険性が高まる可能性がある。両剤の相加的な溶血作用によるものと考えられる。
骨髄抑制を起こすおそれのある薬剤
抗悪性腫瘍剤、骨髄抑制剤、ペニシラミン、金製剤等
併用により骨髄抑制による副作用が増強するおそれがある。機序は不明である。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
キノロン系抗菌薬
モキシフロキサシン塩酸塩、レボフロキサシン水和物等
クラスIA抗不整脈薬
キニジン、プロカインアミド等
クラスIII抗不整脈薬
アミオダロン、ソタロール等
スルピリド、イミプラミン、ピモジド、ハロペリドール、エリスロマイシン、コハク酸ソリフェナシン等
[9.1.3参照]
QT延長を起こすおそれがある。機序は不明である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 溶血性貧血、白血球減少、メトヘモグロビン血症(いずれも頻度不明)
溶血性貧血を示唆する徴候(尿の暗色化、ヘモグロビン値あるいは赤血球数の急激な減少等)がみられた場合、又は白血球数の急激な減少が認められた場合は、本剤の使用を直ちに中止すること。[1.、2.2、8.2、9.1.2、10.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
過敏症発疹、そう痒症
消化器悪心、嘔吐、胃部不快感、腹痛
精神神経系浮動性めまい
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