今日の臨床サポート

(無効20221031)
スマトリプタン錠50mg「アスペン」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 片頭痛

用法・用量

  • 通常、成人にはスマトリプタンとして1回50mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。
    なお、効果が不十分な場合には、追加投与をすることができるが、前回の投与から2時間以上あけること。
    また、50mgの経口投与で効果が不十分であった場合には、次回片頭痛発現時から100mgを経口投与することができる。
    ただし、1日の総投与量を200mg以内とする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれることがある]
  • 脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血性発作があらわれることがある]
  • 末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる]
  • コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引き起こすことがある]
  • 重篤な肝機能障害を有する患者[本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある]
  • エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤、あるいは他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与中の患者[「相互作用」の項参照]
  • モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)を投与中、あるいは投与中止2週間以内の患者[「相互作用」の項参照]

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

虚血性心疾患の可能性のある患者(例えば、虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者、閉経後の女性、40歳以上の男性、冠動脈疾患の危険因子を有する患者)[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある]
てんかん様発作の既往歴のある患者あるいはてんかん様発作発現を来す危険因子のある患者(脳炎等の脳疾患のある患者、痙攣の閾値を低下させる薬剤を使用している患者等)[てんかん様発作が発現したとの報告がある(「相互作用」の項参照)]
肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある]
腎機能障害のある患者[本剤は腎臓を介して排泄されるので、重篤な腎機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者[本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある]
コントロールされている高血圧症患者[一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇が少数の患者でみられたとの報告がある]
脳血管障害の可能性のある患者[脳血管障害があらわれるおそれがある]

重要な基本的注意

本剤投与後、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれることがある。このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。
心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがある。このような場合は以後の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意すること。
本剤を含むトリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている]。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤は頭痛発現時にのみ使用し、予防的には使用しないこと。
本剤投与により全く効果が認められない場合は、その発作に対して追加投与をしないこと。このような場合は、再検査の上、頭痛の原因を確認すること。
スマトリプタン製剤を組み合わせて使用する場合には少なくとも以下の間隔をあけて投与すること。
錠剤投与後に注射液あるいは点鼻液を追加投与する場合には2時間以上
注射液投与後に錠剤を追加投与する場合には1時間以上
点鼻液投与後に錠剤を追加投与する場合には2時間以上

効能効果に関連する使用上の注意

本剤は国際頭痛学会による片頭痛診断基準(「参考」の項参照)により「前兆のない片頭痛」あるいは「前兆のある片頭痛」と確定診断が行われた場合にのみ投与すること。特に次のような患者は、くも膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与すること。
今までに片頭痛と診断が確定したことのない患者
片頭痛と診断されたことはあるが、片頭痛に通常見られる症状や経過とは異なった頭痛及び随伴症状のある患者
家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛あるいは眼筋麻痺性片頭痛の患者には投与しないこと。

高齢者への投与

本剤は主として肝臓で代謝され、腎臓で排泄されるが、高齢者では肝機能あるいは腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので慎重に投与すること(「慎重投与」の項参照)。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
授乳中の婦人には本剤投与後12時間は授乳を避けさせること[皮下投与後にヒト母乳中へ移行することが認められている]。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

薬物動態

血中濃度
健康成人
健康成人男性に50mg及び100mgを単回経口投与した時の血漿中スマトリプタン濃度は下記のとおりである。血漿中濃度推移は2峰性を示した。スマトリプタンは速やかに吸収され、1番目のピークは投与後1.5時間までに認められた。2番目のピークは投与後2-3時間の間に認められ、消失半減期は約2時間であった。Cmax及びAUC0-∞は投与量の増加と共に上昇した。また、Cmax及びAUC0-∞には個体間差が認められた(日本人のデータ)。
なお、健康成人男性に50mg及び100mgを単回経口投与した時の薬物動態パラメータは下記のとおりであり、日本人の成績と大きな差は認められなかった(外国人のデータ)。
図1 健康成人における単回投与時の血漿中濃度(平均値±標準偏差)
対象投与量Tmax(hr)t1/2(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)
日本人50mg(n=16)1.8±0.92.2±0.332.6±8.4117.8±23.7
100mg(n=16)2.0±0.92.4±0.558.2±17.2234.7±56.4
外国人50mg(n=19)1.5±0.82.3±0.429.3±9.3100.4±30.2
100mg(n=18)2.3±0.82.2±0.551.5±16.4197.5±58.2
(平均値±標準偏差)
健康成人男性に200mgを空腹時及び食後単回経口投与したとき、食後投与では空腹時投与と比較してTmaxは30分程度遅延したが、Cmax、t1/2及びAUC0-∞は同様の値を示した(外国人のデータ)。
健康成人男性に50mg及び100mgを1日1回5日間反復経口投与したとき、蓄積性は認められなかった(日本人のデータ)。
肝機能障害患者(外国人のデータ)
中等度の肝機能障害患者にスマトリプタン50mgを単回経口投与したとき、健康成人と比較してCmax及びAUC0-∞は約1.8倍に上昇した。
代謝・排泄
本剤は、主にモノアミンオキシダーゼAにより代謝されると考えられる。
健康成人男性に50mg及び100mgを単回経口投与した時の投与後24時間までの未変化体及びインドール酢酸体の尿中排泄率は、それぞれ約2%及び約40%であった。
相互作用(外国人のデータ)
モノアミンオキシダーゼA阻害薬(モクロベミド)を予め単回経口投与することにより、本剤経口投与時のAUCは約4.4倍に増加し、消失半減期が約1.4倍に延長した。
β遮断薬(プロプラノロール)、Ca拮抗薬(フルナリジン)あるいはアルコールとの併用投与において、本剤の薬物動態に変化は認められなかった。
その他の薬物速度論的パラメータ
血漿蛋白結合率
約34%(in vitro
皮下投与に対する相対的生物学的利用率
約14%

併用禁止 

エルゴタミン
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)
エルゴタミン誘導体含有製剤
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)
エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンF)
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン)
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
5-HT1B/1D受容体作動薬
ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)
エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)
リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)
ナラトリプタン塩酸塩(アマージ)
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
併用により相互に作用を増強させる。
MAO阻害剤
本剤の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。
MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。

併用注意 

選択的セロトニン再取り込み阻害薬
フルボキサミンマレイン酸塩
パロキセチン塩酸塩水和物
セルトラリン塩酸塩
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
ミルナシプラン塩酸塩
デュロキセチン塩酸塩
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)があらわれることがある。
セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させる。よって本剤との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる。
痙攣の閾値を低下させる薬剤
てんかん様発作がおこることがある(「慎重投与」の項参照)。
痙攣の閾値を低下させる可能性がある。

重大な副作用 

アナフィラキシーショック、アナフィラキシーがまれにあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
てんかん様発作をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
薬剤の使用過多による頭痛があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

頻度不明
過敏症注1)蕁麻疹、発疹等の皮膚症状
呼吸器呼吸困難
循環器動悸、一過性の血圧上昇、頻脈、レイノー現象、徐脈、低血圧
消化器悪心、嘔吐、虚血性大腸炎
一過性の視力低下、暗点、ちらつき、複視、眼振、視野狭窄
精神神経系眠気、めまい、感覚障害(錯感覚、しびれなどの感覚鈍麻等)、振戦、ジストニア
肝臓肝機能障害
その他痛み注2)、倦怠感、圧迫感注2)、ひっ迫感注2)、脱力感、熱感注2)、重感注2)、潮紅、冷感注2)

注1)このような場合には投与を中止すること。
注2)これらの症状は通常一過性であるが、ときに激しい場合があり、胸部、咽喉頭部を含む身体各部でおこる可能性がある(「重要な基本的注意」の項参照)。また、痛みは頭痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、頚部痛等を含む。

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