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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • オピオイド誘発性便秘症

用法・用量

  • 通常、成人にはナルデメジンとして1回0.2mgを1日1回経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 消化管閉塞若しくはその疑いのある患者、又は消化管閉塞の既往歴を有し再発のおそれの高い患者[消化管穿孔を起こすおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 消化管壁の脆弱性が認められる又は疑われる疾患を有する患者
消化管潰瘍、憩室疾患、浸潤性消化管がん、がんの腹膜転移、クローン病などの患者では、消化管穿孔の危険性が高まるおそれがある。[8.1参照]
9.1.2 血液脳関門が機能していない又は機能不全が疑われる患者
脳腫瘍(転移性を含む)などの患者では、オピオイド離脱症候群又はオピオイドの鎮痛作用の減弱を起こすおそれがある。[8.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験において、ウサギで流産及び早産、胎児体重の低値、ラットで分娩中の母動物の死亡、出生率及び出生児生存率の低下、並びに発育遅延が報告されている。また、ラットで胎児への移行が認められているが、いずれの動物種でも催奇形性は認められていない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 海外で類薬の投与により、消化管穿孔を来し死亡に至ったとの報告がある。激しい又は持続する腹痛等、消化管穿孔が疑われる症状が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.1参照]
8.2 オピオイド離脱症候群(一般的には、投与後数分あるいは数日以内に起こる次の症状の複合的な発現:不安、悪心、嘔吐、筋肉痛、流涙、鼻漏、散瞳、立毛、発汗、下痢、あくび、発熱、不眠)を起こすおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。[9.1.2、13.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法・用量に関連する注意

オピオイドの投与を中止する場合は本剤の投与も中止すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男女に、0.2mgを空腹時(15例)又は食後(高脂肪食)(18例)に単回経口投与したときのナルデメジンの薬物動態パラメータを表16-1に、平均血漿中濃度推移を図16-1に示す。空腹時投与と比べ食後投与でCmaxは35%減少したが、AUCはほぼ同様の値であった。Tmaxは空腹時の0.75時間から2.50時間に遅延した。食事摂取による吸収の遅延が示唆されたが、吸収量への影響は認められなかった(外国人データ)。
表16-1 健康成人における単回経口投与時の薬物動態パラメータ
投与量(mg)食事条件例数Cmax※1(ng/mL)Tmax※2(hr)AUC0-inf※1(ng・hr/mL)T1/2,z※1(hr)
0.2空腹時投与153.07
(18.7%)
0.75
(0.50、2.00)
23.79※3
(17.1%)
10.9※3
(14.3%)
0.2食後投与182.01
(19.0%)
2.50
(0.75、5.02)
23.13
(14.0%)
10.9
(17.9%)
※1:幾何平均値(%変動係数)※2:中央値(最小値、最大値)※3:14例
図16-1 ナルデメジンの平均血漿中濃度推移
16.1.2 反復投与
<健康成人>
健康成人男性各9例に3、10、30mgを1日1回10日間空腹時反復経口投与したとき、血漿中濃度は2日以内に定常状態に達し、Cmax及びAUCはわずかに蓄積(1~1.3倍)した。
<がん患者>
オピオイド誘発性便秘症(OIC)を有するがん患者に0.2mgを1日1回14日間経口投与したときの投与1日目の薬物動態パラメータを表16-2に示す。
表16-2 OICを有する日本人がん患者における投与1日目の薬物動態パラメータ
投与量(mg)例数Cmax※1(ng/mL)Tmax※2(hr)AUC0-inf※1(ng・hr/mL)T1/2,z※1(hr)
0.2162.02
(31.4%)
2.00
(0.96、11.50)
23.79※3
(19.7%)
9.53※4
(19.7%)
※1:幾何平均値(%変動係数)※2:中央値(最小値、最大値)※3:8例※4:13例
<非がん患者>
OICを有する非がん性慢性疼痛患者に0.2mgを1日1回28日間反復経口投与したときの投与1日目及び28日目の薬物動態パラメータを表16-3に示す(外国人データ)。
表16-3 OICを有する外国人非がん患者における反復経口投与時の薬物動態パラメータ
投与量(mg)日数例数Cmax※1(ng/mL)Tmax※2(hr)AUC0-τ※1(ng・hr/mL)T1/2,z※1(hr)
0.2191.89
(48.2%)
1.03
(0.97、4.02)
15.95※3
(42.6%)
8.47※4
(35.9%)
2842.00
(22.7%)
1.00
(1.00、1.03)
16.94
(46.6%)
7.11
(28.7%)
※1:幾何平均値(%変動係数)※2:中央値(最小値、最大値)※3:8例※4:7例
16.3 分布
0.02~2μg/mLの濃度範囲で、ヒト血清蛋白結合率は93.2~94.2%、ヒト血球移行率は13.9~15.5%であった(in vitro試験)。
16.4 代謝
16.4.1 健康成人男性12例に2mgを単回経口投与したときの血漿中代謝物を検索した結果、血漿中の主要な成分は未変化体であり、nor-ナルデメジン及びナルデメジン3-Gの全身曝露量は、それぞれ未変化体の9~13%及び1~2%であった(外国人データ)。
16.4.2 ナルデメジンは主にCYP3A4によってnor-ナルデメジンに代謝され、一部の代謝にUGT1A3が寄与し、UGT1A3によりナルデメジン3-Gへと代謝されると推定された(in vitro試験)。
16.5 排泄
放射能で標識した[carbonyl-14C]-ナルデメジン及び[oxadiazole-14C]-ナルデメジン2mgをそれぞれ健康成人男性6例に空腹時単回経口投与したとき、[oxadiazole-14C]-ナルデメジン投与では投与された放射能の57.3%及び34.8%がそれぞれ尿及び糞中に排泄され、[carbonyl-14C]-ナルデメジン投与では投与された放射能の20.4%及び64.3%がそれぞれ尿及び糞中に排泄された。投与量の約20%が尿中に未変化体として排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
健康成人、軽度~重度腎機能障害患者、血液透析を要する末期腎機能不全(ESRD)患者各6~8例に0.2mgを単回経口投与したとき、健康成人と比較し、軽度、中等度、重度の腎機能障害患者及びESRD患者でAUC0-infの比がそれぞれ1.08、1.06、1.38、0.83倍であった。ナルデメジンは血液透析により除去されなかった(外国人データ)。
16.6.2 肝機能障害者
健康成人、軽度(Child-Pugh分類A)、中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害患者各8例に0.2mgを単回経口投与したとき、健康成人と比べ軽度及び中等度の肝機能障害患者でAUC0-infの比がそれぞれ0.83及び1.05倍であった(外国人データ)。
16.6.3 高齢者
母集団薬物動態解析で、OICを有するがん患者の高齢患者(65~85歳)47例と非高齢患者(37~64歳)50例を比較した結果、年齢は本剤の薬物動態に影響を及ぼさなかった。
また、OICを有する非がん性慢性疼痛患者の高齢患者(65~79歳)58例と非高齢患者(19~64歳)387例を比較した結果、年齢は本剤の薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ナルデメジンはP-糖蛋白トランスポーターの基質である(in vitro試験)。
16.7.2 健康成人男性14例にナルデメジン0.4mg単独、あるいはシクロスポリン600mgとの併用で、空腹時単回経口投与した。P-糖蛋白の阻害剤シクロスポリンとの併用により、ナルデメジンのAUCは1.8倍に増大し、Cmaxは1.4倍であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 健康成人男女14例にナルデメジン0.2mgを単独単回経口投与したのち、リファンピシン600mgを1日1回17日間反復経口投与し、リファンピシン投与15日目にナルデメジン0.2mgを併用投与した。強力なCYP3A誘導剤リファンピシンとの併用で、ナルデメジンのCmaxは38%、AUCは83%低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 健康成人男女14例にナルデメジン0.2mgを単独単回経口投与したのち、イトラコナゾールを7日間反復経口投与(1日目に200mgを1日2回投与、その後200mgを1日1回6日間投与)し、イトラコナゾール投与5日目にナルデメジン0.2mgを併用投与した。強力なCYP3A阻害剤及びP-糖蛋白の阻害剤イトラコナゾールとの併用で、ナルデメジンのAUCは2.9倍に増大し、Cmaxは1.1倍であった。[10.2参照]
16.7.5 健康成人男女14例にナルデメジン0.2mgを単独単回経口投与したのち、フルコナゾールを7日間反復経口投与(1日目に400mgを1日1回投与、その後200mgを1日1回6日間投与)し、フルコナゾール投与5日目にナルデメジン0.2mgを併用投与した。中程度のCYP3A阻害剤フルコナゾールとの併用で、ナルデメジンのAUCは1.9倍に増大し、Cmaxは1.4倍であった。[10.2参照]
注)本剤の承認された用法・用量は、ナルデメジンとして1回0.2mgの1日1回経口投与である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A阻害剤
イトラコナゾール、
フルコナゾール等
[16.7.4、16.7.5参照]
本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがある。CYP3A4を介する本剤の代謝が阻害される。
CYP3A誘導剤
リファンピシン等
[16.7.3参照]
本剤の血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。CYP3A4を介する本剤の代謝が促進される。
P-糖蛋白阻害剤
シクロスポリン等
[16.7.2参照]
本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがある。また、血液脳関門への影響により、本剤の脳内濃度が上昇するおそれがある。P-糖蛋白を介する本剤の輸送が阻害される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重度の下痢(0.7%)
脱水症状まで至ることがあるため、異常が認められた場合には補液等の適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
消化器下痢(21.3%)腹痛、嘔吐、悪心、食欲減退
その他ALT増加、AST増加倦怠感オピオイド離脱症候群
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