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ケイセントラ静注用500、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ビタミンK拮抗薬投与中の患者における、急性重篤出血時、又は重大な出血が予想される緊急を要する手術・処置の施行時の出血傾向の抑制

用法・用量

  • 通常、血液凝固第IX因子として、下記の投与量を単回静脈内投与する。
    投与前のプロトロンビン時間-国際標準比(PT-INR)投与量
    体重100kg以下の場合体重100kgを超える場合
    2~<425IU/kg2500IU
    4~635IU/kg3500IU
    >650IU/kg5000IU

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 播種性血管内凝固(DIC)状態の患者[過凝固状態を誘発又は悪化させる可能性がある。][11.1.3参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
9.1.2 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の既往歴のある患者[8.7参照]
9.1.3 溶血性・失血性貧血の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。[8.2参照]
9.1.4 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。[8.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。[8.2参照]
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料等としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
8.2 本剤の原料等となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体が陰性であることを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HIV-1、HBV、HCV及びHAVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、検出限界以下であることを確認している。また、ヒトパルボウイルスB19についてもNATを実施し、一定の基準に適合した血漿を用いている。
その後の製造工程では、ウイルス除去や不活化の工程として60℃10時間の液状加熱処理、硫酸アンモニウム沈殿/リン酸カルシウム吸着及びナノフィルトレーションによる処理を実施しているが、現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難である。そのため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。[9.1.3、9.1.4、9.5参照]
8.3 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
8.4 本剤の投与は、出血性及び血栓性疾患に関する十分な知識・治療経験を有する医師のもとで行うこと。
8.5 本剤の効果を確認するため、必要に応じ血液凝固能のモニタリングを行うこと。十分な効果が得られない場合には、患者の状態に応じ、他の適切な治療を行うこと。本剤の追加投与に対する有効性及び安全性は検討されていない。また、本剤の追加投与後に血栓塞栓性事象を発現し、死亡した症例が報告されている。
8.6 止血後は、患者の状態を十分に観察し、血栓塞栓症の発現リスクと出血リスクを考慮した上で、抗凝固剤の再開を検討すること。
8.7 本剤には添加剤としてヘパリンが含まれているため、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)があらわれる可能性がある。本剤投与後に血小板数を測定し、血小板の著明な減少がみられた場合には、適切な処置を行うこと。[9.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 「ケイセントラ静注用500/1000の使用方法」に従い調製を行うこと。
14.1.2 添付の溶剤以外は使用しないこと。
14.1.3 他の製剤との混注を避けること。
14.1.4 本剤は溶解後ただちに使用すること。
14.1.5 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 不溶物又は混濁が認められるものは使用しないこと。
14.2.2 注入速度は3IU/kg/分以下とし、210IU/分を超えないこと。臨床試験において検討されていない。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤の投与を受ける患者には、ビタミンK製剤の併用を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人(15例)を対象に、本剤50IU/kgを単回静脈内投与した際の薬物動態パラメーターは以下のとおりであった(外国人データ)。
血漿中半減期(時間)回収率注1)(IU/dL)/(IU/kg)
中央値(範囲)幾何平均(90%信頼区間)
第II因子59.7(25.0-135.3)注2)2.2(2.0-2.3)
第VII因子4.2(2.1-9.2)2.4(2.3-2.6)
第IX因子16.7(9.5-127.1)注2)1.6(1.4-1.8)
第X因子30.7(16.9-43.8)2.1(2.0-2.3)
プロテインC47.2(9.3-121.7)注2)2.8(2.7-3.0)
プロテインS49.1(33.1-83.3)注2)2.0(1.8-2.1)
注1)回収率=[Cmax(IU/dL)-投与前の濃度(IU/dL)]/投与量(IU/kg)注2)two-compartment modelで算出した終末相半減期

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓塞栓症(3.8%)
血栓塞栓症(致死的な転帰の症例を含む)があらわれることがある。
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
11.1.3 播種性血管内凝固(DIC)(頻度不明)[2.参照]
注)副作用頻度は、海外臨床試験データに基づく。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.5%以上頻度不明
一般・全身障害及び投与部位の状態体温上昇
神経系障害頭痛
免疫系障害抗体産生、過敏症/アレルギー反応

注)副作用頻度は、海外臨床試験データに基づく。

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