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ファムシクロビル錠250mg「トーワ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○単純疱疹
  • ○帯状疱疹

用法・用量

  • <単純疱疹>

    • 通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mgを1日3回経口投与する。また、再発性の単純疱疹の場合は、通常、成人にはファムシクロビルとして1回1000mgを2回経口投与することもできる。
  • <帯状疱疹>

    • 通常、成人にはファムシクロビルとして1回500mgを1日3回経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 免疫機能の低下(造血幹細胞移植、臓器移植、HIV感染による)を伴う患者
有効性及び安全性は確立していない。
9.2 腎機能障害患者
投与間隔をあけて減量するなど注意すること。腎クリアランスの低下に伴い、高い血中濃度が持続するおそれがある。[7.1、7.2、9.8、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[16.3.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている。[16.3.4参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。[7.1、7.2、9.2、11.1.1、16.6.1、16.6.3参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
8.2 急性腎障害があらわれることがあるので、腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.3参照]
<単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合>
8.3 初回の服用は初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)出現後6時間以内に服用すること、2回目は、初回服用後12時間後(許容範囲として6~18時間後)に服用すること、妊娠又は妊娠している可能性がある場合には、服用しないことを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認したうえで処方すること。[7.6参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.2 薬剤服用時の注意
本剤は主薬の苦味を防ぐため、コーティングを施しているので、錠剤をつぶすことなく服用させること。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 腎機能障害患者では投与間隔をあけて減量することが望ましい。腎機能に応じた本剤の投与量及び投与間隔の目安は下表のとおりである。[7.2、9.2、9.8、16.6.1参照]
腎機能に応じた本剤の減量の目安注)
単純疱疹帯状疱疹
通常
用法・用量
1回250mg
1日3回
1回1000mg
を2回
1回500mg
1日3回
クレアチニン
クリアランス
(mL/分)
≧601回250mg
1日3回
1回1000mg
を2回
1回500mg
1日3回
40-591回500mg
を2回
1回500mg
1日2回
20-391回250mg
1日2回
500mg
単回
1回500mg
1日1回
<201回250mg
1日1回
250mg
単回
1回250mg
1日1回
注)外国人における成績をもとに設定した。
7.2 血液透析患者には本剤250mgを透析直後に投与する。なお、次回透析前に追加投与は行わない。[7.1、9.2、9.8、16.6.1参照]
<単純疱疹に対して1回250mgを1日3回投与する場合>
7.3 本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始すること。
7.4 本剤は、原則として、5日間使用すること。改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、速やかに他の治療に切り替えること。
<単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合>
7.5 単純疱疹(口唇ヘルペス又は性器ヘルペス)の同じ病型の再発を繰り返す患者であることを臨床症状に基づき確認すること。
7.6 本剤の服用は、初期症状発現後、速やかに開始することが望ましい。[初期症状発現から6時間経過後に服用を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。]また、臨床試験において、2回目の投与は、初回投与後12時間後(許容範囲として6~18時間後)に投与された。[8.3参照]
7.7 次回の再発分として処方する場合は、以下の点に注意すること。
・再発を繰り返す患者であることは、再発頻度が年間概ね3回以上などの病歴を参考に判断すること。[17.1.2参照]
・再発の初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)を正確に判断可能な患者であることを確認すること。
・再発頻度及び患者の腎機能の状態等を勘案し、本剤の処方時に、服用時の適切な用法・用量が選択可能な場合にのみ処方すること。
・1回の再発分の処方に留めること。
7.8 国内臨床試験は、口唇ヘルペス又は性器ヘルペスの患者を対象に本剤の有効性及び安全性の検討を目的として実施された。[17.1.2参照]
<帯状疱疹>
7.9 本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始すること。なお、目安として、皮疹出現後5日以内に投与を開始することが望ましい。
7.10 本剤は、原則として、7日間使用すること。改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、速やかに他の治療に切り替えること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人にファムシクロビル250、500、1000mgを単回経口投与したとき、ファムシクロビルは速やかに代謝され、血漿中には活性代謝物であるペンシクロビルが検出された。血漿中ペンシクロビルの薬物速度論的パラメータは下記の通りであった(表参照)。ペンシクロビルのCmax及びAUCは投与量の増加に伴って、用量相関的に増加した。
表 健康成人にファムシクロビルを単回経口投与したときのペンシクロビルの薬物速度論的パラメータ
投与量(mg)例数(例)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(μg・hr/mL)t1/2(hr)
25081.45±0.360.91±0.553.84±1.321.84±0.57
50083.21±0.620.78±0.318.61±1.321.97±0.32
100085.76±1.521.00±0.4216.50±2.332.03±0.37
(平均値±標準偏差)
16.1.2 反復投与
健康成人にファムシクロビル750mg注)を1日3回5日間反復経口投与したとき、反復による蓄積性は認められず、薬物動態に変化は認められなかった。
注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mg(単純疱疹)又は500mg(帯状疱疹)を1日3回経口投与する。また、再発性の単純疱疹の場合は、通常、成人にはファムシクロビルとして1回1000mgを2回経口投与することもできる。」である。
16.1.3 生物学的同等性試験
ファムシクロビル錠250mg「トーワ」とファムビル錠250mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ファムシクロビルとして250mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して活性代謝物であるペンシクロビルの血漿中濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
図 血漿中濃度推移
表 薬物動態パラメータ
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-8(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
ファムシクロビル錠250mg「トーワ」5189±11572059±6090.95±0.392.17±0.28
ファムビル錠250mg5347±12332191±5930.83±0.232.22±0.24
(平均値±標準偏差、n=16)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 生物学的利用率
健康成人にファムシクロビル500mgを経口投与及びペンシクロビル400mgを静脈内投与して算出した絶対的生物学的利用率は77±8%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
食事により血漿中ペンシクロビルのTmaxは僅かに遅延し、Cmax及びAUCは僅かに減少したが、臨床上特に問題となる変化ではなかった。
16.2.3 吸収部位
ラットに14C標識ファムシクロビルを投与した検討より、ファムシクロビルの吸収部位は小腸上部であり、胃からの吸収は少ないことが示唆されている。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
健康成人にペンシクロビル400mgを1時間静脈内投与したときの分布容積は、85.3±13.7Lであった(外国人データ)。
16.3.2 血漿蛋白結合率
ペンシクロビル
6.4~16.0%(in vitro
16.3.3 血球移行性(血液/血漿比)
ペンシクロビル
1.07~1.17(in vitro
16.3.4 乳汁及び胎児移行
授乳中ラットに14C標識ファムシクロビル40mg/kgを経口投与したとき、Tmax(投与後0.5時間)の乳汁中に、血漿中の約8倍の放射能濃度が認められたが、投与後24時間にはほとんど消失した。また、同用量を妊娠ラットに経口投与したとき、母獣の血漿中放射能濃度より低濃度であるが胎児への移行が認められた。[9.5、9.6参照]
16.4 代謝
ファムシクロビルは、経口投与後、脱アセチル化により6-デオキシペンシクロビルを経て、ペンシクロビルに酸化される。
ヒト肝を用いた検討において、6-デオキシペンシクロビルからペンシクロビルへの酸化的代謝活性は、ミクロゾームにはほとんど認められず、サイトゾールで高い活性を示した。またその反応にはアルデヒドオキシダーゼの関与が示唆された。
16.5 排泄
健康成人にファムシクロビル250~1000mgを単回経口投与したとき、ペンシクロビルの主な排泄経路は尿中であり、24時間以内の尿中にペンシクロビル及び6-デオキシペンシクロビルがそれぞれ投与量の53.35~60.92%及び5.06~6.40%排泄され、ファムシクロビルは検出されなかった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
腎機能障害者にファムシクロビル500mgを単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴い、ペンシクロビルのCmax及びAUCの増加、t1/2の延長及び尿中排泄率の減少が観察された(表参照)。クレアチニンクリアランス値の低下に従いペンシクロビルの腎クリアランスは直線的な低下を示し、ペンシクロビルの消失は腎機能低下の程度により影響を受けることが確認された(外国人データ)。[7.1、7.2、9.2、9.8参照]
表 腎機能障害者にファムシクロビル500mgを単回経口投与したときのペンシクロビルの薬物速度論的パラメータ
CLcr(mL/min)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUC0-∞(μg・hr/mL)CLr(L/hr)尿中排泄率(0~24時間、投与量に対する%)
健康成人(n=9)92±92.83±0.280.89±0.102.15±0.178.20±1.0231.9±4.258.4±3.5
腎機能障害者
(n=6)
軽度注)70±63.26±0.310.79±0.082.47±0.218.76±0.8227.3±2.758.0±3.3
中等度注)43±64.45±0.641.38±0.293.87±0.5026.08±7.6210.8±2.2††54.1±5.1††
高度注)18±65.31±0.411.13±0.229.85±3.1271.03±25.963.2±0.737.2±4.2
(平均値±標準誤差、†:平均値±標準偏差、††:n=5)注)軽度:60≦CLcr≦80mL/min、中等度:30≦CLcr≦59mL/min、高度:5≦CLcr≦29mL/min
16.6.2 肝機能障害者
代償性の慢性肝疾患患者にファムシクロビル500mgを単回経口投与したとき、健康成人に比べて、ペンシクロビルのCmaxの低下、Tmaxの延長がみられたものの、t1/2及びAUCには差を認めなかった。この結果から、肝障害のある患者における用量調節は必要ないと考えられた(外国人データ)。
16.6.3 高齢者
高齢者(65~73歳、クレアチニンクリアランス値平均85mL/min)にファムシクロビル250mgを単回経口投与したとき、ペンシクロビルのCmax及びAUCは健康成人(20~27歳、クレアチニンクリアランス値平均89mL/min)に比べて高かったものの、その変化の程度は小さかった。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
ファムシクロビルと、アロプリノール、テオフィリン又はジゴキシンとの併用投与により、ファムシクロビル及びこれら併用薬剤の薬物動態に臨床的に有意な変化は認められなかった。また、ファムシクロビルとシメチジン、プロメタジンとの併用投与により、ファムシクロビルの薬物動態に臨床的に有意な変化は認められなかった(外国人データ)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
プロベネシド本剤の活性代謝物であるペンシクロビルはプロベネシドと併用した場合、排泄が抑制され、ペンシクロビルの血漿中濃度半減期の延長及び血漿中濃度曲線下面積が増加するおそれがある。本剤の活性代謝物であるペンシクロビルは主として腎臓の尿細管分泌により排泄されることから、プロベネシドによりペンシクロビルの排泄が抑制される可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 精神神経症状(頻度不明)
錯乱、幻覚、意識消失、痙攣、せん妄、脳症、意識障害(昏睡)、てんかん発作などがあらわれることがある。錯乱は主に高齢者であらわれることが報告されている。[9.8参照]
11.1.2 重篤な皮膚障害(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑等の重篤な皮膚反応があらわれることがある。
11.1.3 急性腎障害(頻度不明)[8.2参照]
11.1.4 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
11.1.5 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
蕁麻疹、血圧低下、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、血小板減少性紫斑病(いずれも頻度不明)
11.1.7 呼吸抑制(頻度不明)
11.1.8 間質性肺炎(頻度不明)
11.1.9 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
11.1.10 急性膵炎(頻度不明)
注)発現頻度は使用成績調査の結果を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
精神神経系頭痛、傾眠、めまい鎮静、失見当識、意識障害
腎臓尿中蛋白陽性、BUN増加、血中クレアチニン増加、尿中血陽性尿失禁、尿円柱、尿中白血球、尿中赤血球
血液白血球数増加、白血球数減少、赤血球数減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、好酸球増加、血小板数増加血小板減少症、好中球減少、好中球増加、単球増加、リンパ球増加、リンパ球減少、ヘマトクリット増加
肝臓ALT増加、AST増加、LDH増加、尿中ウロビリノーゲン増加、γ-GTP増加、ALP増加、黄疸
消化器下痢、悪心、腹部不快感、腹痛、口渇、嘔吐、口唇乾燥、便秘胃炎、白色便、口内炎、食欲減退
過敏症発疹蕁麻疹そう痒症
皮膚白血球破砕性血管炎
循環器動悸高血圧
その他CK増加、血中カリウム増加、倦怠感、発熱、尿糖陽性浮腫、総蛋白減少、咳嗽、異常感、筋力低下、CK減少、口腔咽頭痛胸部不快感

注)発現頻度は使用成績調査の結果を含む。

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