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ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス

用法・用量

  • ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター
    • <200mgオートインジェクター>

      • 成人

        • 通常、成人にはベリムマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを1週間の間隔で皮下注射する。
      • 小児

        • 通常、5歳以上の小児には、ベリムマブ(遺伝子組換え)として1回200mgを、体重に応じ以下の間隔で皮下注射する。
          • 40kg以上

            • 1週間の間隔
          • 15kg以上40kg未満

            • 2週間の間隔
  • ベンリスタ皮下注200mgシリンジ

    • <200mgシリンジ>

      • 成人

        • 通常、成人にはベリムマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを1週間の間隔で皮下注射する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤は、肺炎、敗血症、結核等の感染症を含む緊急時に十分に措置できる医療施設において、本剤についての十分な知識と全身性エリテマトーデス治療の十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される症例のみに使用すること。本剤は感染症のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核を活動化させる可能性がある。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療を開始すること。[11.1.2参照]
  • 1.2 重篤な感染症

    • 敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発現に注意し、本剤投与後に感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。[8.3、9.1.1、11.1.2参照]
  • 1.3 全身性エリテマトーデス患者では、本剤の治療を行う前に、ステロイド、免疫抑制薬等の全身性エリテマトーデス治療薬の使用を十分勘案すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.3 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。][8.4参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者
感染症が悪化するおそれがある。[1.2、8.3、11.1.2参照]
9.1.2 結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者
(1)結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある。[8.4、11.1.2参照]
(2)結核の既往歴を有する場合又は結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として本剤投与前に適切な抗結核薬を投与すること。[8.4、11.1.2参照]
・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
・インターフェロン-γ遊離試験等の検査により、既感染が強く疑われる患者
・結核患者との濃厚接触歴を有する患者
9.1.3 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。[8.7参照]
9.1.4 うつ病、うつ状態又はその既往歴、自殺念慮又は自殺企図の既往歴を有する患者
自殺念慮、自殺企図があらわれるおそれがある。[8.8、11.1.5参照]
9.1.5 間質性肺炎の既往歴のある患者
定期的に問診を行うなど、注意すること。[11.1.4参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠を希望する女性については、治療上の有益性と危険性を十分考慮して、本剤投与の継続の可否を慎重に判断すること。また、本剤を中止する場合は、本剤の投与中止後少なくとも4ヵ月間までは有効な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。サルでベリムマブは胎盤を通過することが報告されている。妊娠中のサルに臨床曝露量(AUC)の0.4倍に相当するベリムマブを投与した時に、出生児で末梢血B細胞数の低値が認められたが、91日までに回復した。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。サルでベリムマブは乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
5歳未満又は体重15kg未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者又はその保護者が理解し、患者又はその保護者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。自己投与の適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止し医療機関に連絡するよう患者又はその保護者に指導し、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、安全な廃棄方法について指導すること。
8.2 本剤に関連した過敏症の発現が報告されており、重篤又は致命的な経過をたどることがある。また、過敏症反応の発現が遅れて認められる場合がある。徴候や症状の発現が認められた場合には、患者に受診するよう説明すること。[11.1.1参照]
8.3 本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や増悪に注意すること。感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。[1.2、9.1.1、11.1.2参照]
8.4 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。[2.3、9.1.2参照]
8.5 本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わないこと。
8.6 本剤を投与された患者において悪性腫瘍が報告されている。本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍等の発現に注意すること。[15.1参照]
8.7 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って、肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。[9.1.3参照]
8.8 うつ病、自殺念慮及び自殺企図があらわれることがあるので、これらの事象が発現する可能性について患者及びその家族等に十分説明し、不眠、不安等の精神状態の変化があらわれた場合には速やかに担当医に連絡するよう指導すること。[9.1.4、11.1.5参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者又はその保護者には本剤に添付の使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
14.2 薬剤投与前の注意
投与前に常温で30分程度放置すること。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 注射部位は腹部又は大腿部とすること。
14.3.2 同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。また、皮膚が敏感な部位、内出血、発赤又は硬結のある部位には注射しないこと。
14.3.3 ベリムマブ(遺伝子組換え)点滴静注用製剤から本剤に切り替える場合、点滴静注の最終投与から1~4週後に本剤の投与を開始すること。
14.3.4 本剤は1回使用の製剤であり、1回に全量を使用し再使用しないこと。使用後は針が格納されるため、分解しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤による治療反応は、通常投与開始から6ヵ月以内に得られる。6ヵ月以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.2 臨床試験において、本剤と他の生物製剤又はシクロホスファミド静注剤との併用に対する有効性及び安全性は検討されていない。[17.1.1、17.1.2参照]
7.3 5歳以上18歳未満の患者を対象とした臨床試験成績等を踏まえ、1回200mgを1週間の間隔で皮下注射した場合に曝露量が増加する可能性があることを考慮した上で、15歳以上18歳未満で体重40kg未満の患者では、1回200mgを2週間の間隔で皮下注射することも考慮すること。[16.1.2、17.1.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 過去の治療において、ステロイド、免疫抑制薬等による全身性エリテマトーデスに対する適切な治療を行っても、疾患活動性を有する場合に、本剤を上乗せして投与すること。
5.2 抗核抗体、抗dsDNA抗体等の自己抗体が陽性であることが確認された全身性エリテマトーデス患者に使用すること。
5.3 臨床試験において、重症のループス腎炎又は重症の中枢神経ループスを有する全身性エリテマトーデス患者に対する有効性及び安全性は検討されていない。[17.1.1、17.1.2参照]
5.4 17.臨床成績の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性に、本剤200mgを単回皮下投与した時の血清中濃度推移及び薬物動態パラメータをそれぞれ図1及び表1に示す。
図1 健康成人男性に本剤200mgを単回皮下投与した時のベリムマブの血清中濃度推移(平均値+標準偏差、8例)
表1 健康成人男性に本剤200mgを単回皮下投与した時の血清中ベリムマブの薬物動態パラメータ(8例)
薬物動態パラメータ幾何平均値(95%信頼区間)
Cmax(μg/mL)25.98(19.91,33.91)
tmax(day)注)6.50(4.00-14.00)
AUC(0-inf)(day・μg/mL)1025.2(771.5,1362.4)
t1/2(day)15.94(11.35,22.39)
注)tmax:中央値(範囲)
16.1.2 反復投与
成人全身性エリテマトーデス(SLE)患者に本剤200mgを反復皮下投与した時の母集団薬物動態解析による血清中ベリムマブの薬物動態パラメータの推定値を表2に示す。
表2 成人SLE患者に本剤200mgを皮下投与した時の定常状態の血清中ベリムマブの薬物動態パラメータ(母集団薬物動態解析)
薬物動態パラメータSLE患者(554例)注1)日本人SLE患者(13例)注2)
Cmax(μg/mL)106(103-109)117(98.0-140)
tmax(day)2.52(2.50-2.55)2.37(2.24-2.52)
AUC(0-τ)(day・μg/mL)715(693-738)781(649-939)
消失相のt1/2(day)18.9(18.3-19.4)14.9(12.3-18.0)
CL(mL/day)208(201-214)190(158-228)
Vss(mL)5133(4973-5298)3520(2968-4175)
幾何平均値(95%信頼区間)注1)BEL112341試験の薬物動態解析対象全例注2)BEL112341試験の薬物動態解析対象の日本人症例
5-17歳の小児SLE患者25例を対象に本剤200mgを体重に応じた間隔で反復皮下投与した試験成績を用いて、本剤の承認用法で投与した時のシミュレーションを行った時の血清中ベリムマブの薬物動態パラメータの予測値を表3に示す。[7.3、17.1.2参照]
表3 小児SLE患者に本剤200mgを体重に応じた間隔で、皮下投与した時の定常状態の血清中ベリムマブの薬物動態パラメータ予測値
本剤200mgの投与間隔Cmax(μg/mL)AUC(0-τ)(day・μg/mL)
体重40kg以上:
1週間の間隔
134(67.7,263)899(444,1794)
体重15kg以上40kg未満:
2週間の間隔
110(58.0,217)1328(665,2768)
幾何平均値(95%予測区間)
16.2 吸収
本剤を皮下投与した時の生物学的利用率は約77%であった。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な過敏症(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(血圧低下、蕁麻疹、血管性浮腫、呼吸困難等)等の重篤な過敏症があらわれることがある。また、これらの症状が遅れてあらわれることがあり、この遅発性の反応には、発疹、悪心、疲労、筋肉痛、頭痛及び顔面浮腫等を含むこともある。[8.2参照]
11.1.2 感染症(18.1%)
肺炎、敗血症、結核等の重篤な感染症があらわれることがある。[1.1、1.2、8.3、9.1.1、9.1.2参照]
11.1.3 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.4 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線検査、胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスティス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。[9.1.5参照]
11.1.5 うつ病(0.3%)、自殺念慮(0.2%)、自殺企図(頻度不明)[8.8、9.1.4参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満
過敏症血管性浮腫
皮膚注射部位反応発疹、蕁麻疹
その他発熱
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