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ネイリンカプセル100mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • 皮膚糸状菌(トリコフィトン属)
  • <適応症>

    • 爪白癬

用法・用量

  • 通常、成人には1日1回1カプセル(ラブコナゾールとして100mg)を12週間経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある患者[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
肝機能障害を悪化させるおそれがある。[8.1、11.1.1、16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後3カ月間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験(ラット又はウサギ)で、臨床曝露量(ラブコナゾールとして)を下回る曝露量から胚・胎児に骨格形成への影響(骨格変異、骨化遅延、骨化不全等)、出生児に水晶体混濁、外表異常(短尾、鎖肛等)及び生存率の低下が、ラットにおいて臨床曝露量を上回る曝露量で奇形(口蓋裂、小眼球症等)が認められている。また、ラットにおいて胎盤通過が報告されている。[2.2、9.4参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。また、動物実験(ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験)で、哺乳期間において出生児の体重増加抑制が認められている。
9.7 小児等
小児等に対する臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与により肝機能障害があらわれることがあるので、肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[9.3、11.1.1、16.6.1参照]
8.2 本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること。[10.2参照]
8.3 本剤投与終了後は、爪の伸長期間を考慮して経過観察を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し、次の点に注意するよう指導すること。
・PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指示すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
・本剤は吸湿性があるので、服用直前にPTPシートから取り出すこと。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 直接鏡検又は培養等に基づき爪白癬であると確定診断された患者に使用すること。
5.2 本剤は、新しい爪が伸びてこない限り一旦変色した爪所見を回復させるものではない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性(各用量6例)にホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして100mg~600mg注))を空腹時単回経口投与したとき、ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物は血漿中にはほとんど検出されず、活性本体であるラブコナゾールが検出された。ラブコナゾールのTmaxは2.50~3.33時間、t1/2は71~101時間であった。なお、100mg~600mg注)の投与量の範囲でCmax及びAUC0-tに用量比例性が認められた。
表 ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物空腹時単回経口投与後のラブコナゾールの薬物動態パラメータ
用量
(ラブコナゾール換算量)
統計量Cmax(μg/mL)Tmax(h)AUC0-t(μg・h/mL)t1/2(h)
100mg平均値2.172.5010971.17
標準偏差0.431.222135.02
200mg平均値4.382.5026894.44
標準偏差0.400.8410532.64
400mg平均値7.493.3354280.18
標準偏差1.291.5114115.41
600mg平均値10.882.67946100.87
標準偏差1.290.5221655.14
16.1.2 反復投与
爪白癬患者(29例)に本剤(ラブコナゾールとして100mg)を1日1回12週間反復経口投与後の血漿中ラブコナゾール濃度は投与終了時の第12週で10.84μg/mLに達した。
爪白癬患者における血漿中ラブコナゾール濃度の推移(μg/mL)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性(20例)への本剤(ラブコナゾールとして100mg)の空腹時単回経口投与に対する食後投与時のCmax及びAUC0-tの比[90%信頼区間]は0.601[0.509,0.709]及び0.977[0.895,1.066]であり、食後投与のCmaxは空腹時投与と比較して約40%低下したが、AUC0-tは同等であった。
16.2.2 生物学的利用率
外国人健康成人男性におけるホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして200mg注)または400mg注))を空腹時単回経口投与後のラブコナゾールの生物学的利用率(幾何平均の比)は106%(解析対象例数はAUC0-∞が算出可能であった計9例)であった(外国人データ)。
16.2.3 爪中濃度
爪白癬患者(29例)に本剤(ラブコナゾールとして100mg)を1日1回12週間反復経口投与後の趾爪中ラブコナゾール濃度は100.70ng/gに達し、本剤投与終了後も上昇が認められた。本剤投与開始後20週で趾爪中ラブコナゾール濃度は最高値(120.16ng/g)を示した。
爪白癬患者における趾爪中ラブコナゾール濃度の推移(ng/g)
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
ラブコナゾールのヒト血漿蛋白結合率は98.5%~99.0%であった(in vitro試験)。
16.3.2 血球移行性
ラブコナゾールのヒト血液/血漿中濃度比(RB)は0.529~0.532であった(in vitro試験)。
16.4 代謝
ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物は経口投与後、体内で速やかにラブコナゾールに代謝される。その代謝には、アルカリホスファターゼが関与している(in vitro試験)。
ヒト凍結肝細胞を用いた試験では、ラブコナゾールの水酸化体のグルクロン酸抱合体やラブコナゾールのグルクロン酸抱合体の生成が認められた(in vitro試験)。
16.5 排泄
健康成人男性(6例)にホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして100mg)を単回経口投与したとき、ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物の尿中濃度は、いずれの測定時点においても、定量下限(25ng/mL)未満であった。この時の投与後840時間までのラブコナゾールの平均尿中累積排泄率は0.0621%であった。
また、健康成人男性(各用量6例)にホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして200mg/日、又は400mg/日)を7日間反復経口投与注)したとき、最終投与後192時間までのラブコナゾールの平均尿中累積排泄率は、いずれの投与量においても、0.033%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
軽度肝機能障害者(Child-Pugh分類Grade A)6例及び対応する健康成人6例、また中等度肝機能障害者(Child-Pugh分類Grade B)4例及び対応する健康成人4例に本剤(ラブコナゾールとして100mg)を空腹時単回経口投与した。軽度肝機能障害者、中等度肝機能障害者及び健康成人ともにいずれの時点においてもホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物の血漿中濃度は定量下限(25ng/mL)未満であった。血漿中ラブコナゾール濃度のAUC0-∞の健康成人に対する軽度肝機能障害者及び中等度肝機能障害者の幾何平均の比[90%信頼区間]はそれぞれ0.942[0.633,1.400]及び1.984[1.234,3.190]であった。[8.1、9.3、11.1.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 in vitro試験
ラブコナゾールは、CYP1A2、2B6及び2D6は阻害しなかったが、CYP2C8、2C9、2C19、3A(基質:テストステロン)及び3A(基質:ミダゾラム)を阻害し、IC50は、それぞれ2.69、1.51、7.49、2.28及び1.07μmol/Lであった。
ラブコナゾールは、CYP1A2、2B6及び3A4のmRNAレベルをコントロールに対して平均で0.5μmol/Lでは1.37~1.49倍、2μmol/Lでは2.71~3.49倍上昇させた。
ラブコナゾールはOATP1B1、OATP1B3、P-gp及びBCRPの基質ではなかった。
ラブコナゾールは、OCT2、P-gp及びBCRPに対して阻害作用を示し、IC50は、それぞれ2.80、7.12及び1.14μmol/Lであった。OAT1、OAT3、OATP1B1、OATP1B3、MATE1、MATE2-K及びBSEPに対する阻害作用は認められなかった。[10.、10.2参照]
16.7.2 臨床試験
健康成人に本薬と各種薬剤を併用投与したときの薬物動態パラメータへの影響は以下のとおりであった。[10.参照]
表 併用薬の薬物動態パラメータに及ぼす本薬の影響
薬剤a)用法・用量例数併用薬の薬物動態パラメータの比
併用時/単独投与時
[90%信頼区間]
併用薬投与薬剤注)CmaxAUC
トルブタミド500mg単回負荷投与:400mg BID 3日間、
維持投与:200mg QD 6日間b)
281.004
[0.966,1.043]
0.879e)
[0.840,0.921]
オメプラゾール40mg単回280.780
[0.698,0.872]
0.745e)
[0.685,0.810]
デキストロメトルファン60mg単回280.763
[0.670,0.869]
0.719e)
[0.658,0.786]
カフェイン200mg単回280.946
[0.899,0.997]
0.920e)
[0.861,0.982]
ミダゾラム
[10.2参照]
2mg単回
(経口)
282.384
[2.152,2.641]
3.010e)
[2.667,3.398]
2mg単回
(静脈内)
281.201
[1.094,1.318]
1.405e)
[1.292,1.529]
シンバスタチン
[10.2参照]
40mg単回400mg QD 1日間c)201.79
[1.52,2.12]
2.06e)
[1.70,2.50]
400mg QD 14日間c)204.34
[3.68,5.13]
3.98e)
[3.28,4.84]
レパグリニド0.25mg単回400mg QD 7日間d)121.065
[0.878,1.292]
1.012f)
[0.903,1.134]
ジゴキシン0.25mg単回121.132
[0.827,1.551]
1.179f)
[1.074,1.293]
ロスバスタチン5mg単回121.138
[1.000,1.296]
1.139f)
[1.016,1.277]
QD:1日1回、BID:1日2回a)トルブタミド、オメプラゾール、デキストロメトルファン、カフェイン及びミダゾラム(経口)はカクテルとして同時投与、ジゴキシン及びロスバスタチンはカクテルとして同時投与b)ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールに換算した1回投与量)を投与(外国人データ)c)ラブコナゾールを投与(外国人データ)d)本剤(ラブコナゾールに換算した1回投与量)を投与e)AUC0-∞f)AUC0-t
注)本剤の承認された用量は、ラブコナゾールとして100mgを1日1回である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3Aにより主に代謝される薬剤
シンバスタチン
ミダゾラム
アゼルニジピン

[16.7.1、16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。ラブコナゾールのCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ワルファリン
[8.2参照]
ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇があらわれることがある。アゾール系抗真菌剤でINR上昇が報告されている。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害(頻度不明)[8.1、9.3、16.6.1参照]
11.1.2 多形紅斑(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上1~10%未満1%未満頻度不明
消化器腹部不快感、便秘消化不良、腹部膨満、上腹部痛、びらん性胃炎悪心、嘔吐、下痢、食欲不振、口渇
肝臓γ-GTP増加ALT増加、AST増加、血中Al-P増加血中LDH増加
腎臓血中クレアチニン増加
皮膚円形脱毛症、皮脂欠乏性湿疹、痒疹発疹、湿疹、紅斑、そう痒
臨床検査白血球数減少、白血球数増加、赤血球数減少、ヘモグロビン減少CK増加
その他口角口唇炎膀胱炎、高尿酸血症倦怠感、めまい、頭痛
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