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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法
  • BRCA遺伝子変異陽性の卵巣癌における初回化学療法後の維持療法
  • ○相同組換え修復欠損を有する卵巣癌におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法
  • ○がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
  • BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法
  • BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌
  • BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法

用法・用量

  • <白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法、BRCA遺伝子変異陽性の卵巣癌における初回化学療法後の維持療法、BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法>

    • 通常、成人にはオラパリブとして1回300mgを1日2回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • <相同組換え修復欠損を有する卵巣癌におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法>

    • ベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはオラパリブとして1回300mgを1日2回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • <がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法>

    • 通常、成人にはオラパリブとして1回300mgを1日2回、経口投与する。ただし、術後薬物療法の場合、投与期間は1年間までとする。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌>

    • 通常、成人にはオラパリブとして1回300mgを1日2回、経口投与する。他の薬剤と併用する場合は、アビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾロンと併用すること。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。なお、重度の腎機能障害又は末期腎不全(クレアチニンクリアランス(CrCL):30mL/min以下)患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。また、重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。また、妊娠中に本剤を投与するか、本剤投与中の患者が妊娠した場合は、胎児に異常が生じる可能性があることを患者に十分説明すること。[9.5、15.2参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた動物実験において、臨床曝露量を下回る用量で胚・胎児死亡及び催奇形性(眼球異常、椎骨及び肋骨の欠損等)が報告されている。[9.4.1参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の乳汁中への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では、生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 100mg錠と150mg錠の生物学的同等性は示されていないため、300mgを投与する際には100mg錠を使用しないこと。
7.2 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を考慮して、休薬・減量・中止すること。
副作用発現時の用量調節基準
副作用程度処置再開時の投与量
貧血ヘモグロビン値がGrade 3又は4の場合ヘモグロビン値≧9g/dLに回復するまで最大4週間休薬する。・1回目の再開の場合、減量せずに投与する。
・2回目の再開の場合、1回250mgを1日2回で投与する。
・3回目の再開の場合、1回200mgを1日2回で投与する。
好中球減少Grade 3又は4の場合Grade 1以下に回復するまで休薬する。
血小板減少Grade 3又は4の場合Grade 1以下に回復するまで最大4週間休薬する。減量せずに投与する。
間質性肺疾患Grade 2の場合Grade 1以下に回復するまで休薬する。減量せずに投与する。
Grade 3又は4の場合中止する。再開しない。
上記以外の副作用Grade 3又は4の場合Grade 1以下に回復するまで休薬する。減量せずに投与する。
注:GradeはNCI-CTCAE ver4.0に準じる。
<白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法、がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法>
7.3 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
BRCA遺伝子変異陽性の卵巣癌における初回化学療法後の維持療法>
7.4 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.5 本剤の投与開始後2年が経過した時点で完全奏効が得られている患者においては、本剤の投与を中止すること。
<相同組換え修復欠損を有する卵巣癌におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法>
7.6 本剤の投与開始後2年が経過した時点で完全奏効が得られている患者においては、本剤の投与を中止すること。
7.7 ベバシズマブ(遺伝子組換え)の投与期間等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で投与すること。[17.1.4参照]
BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法>
7.8 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.9 内分泌療法剤との併用の必要性について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、ホルモン受容体の発現状態等を考慮した上で判断すること。[17.1.6参照]
BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌>
7.10 アビラテロン酢酸エステル又はエンザルタミドによる治療歴のない患者における本剤単独投与の有効性及び安全性は確立していない。
7.11 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.12 外科的又は内科的去勢術と併用しない場合の有効性及び安全性は確立していない。

5.効能又は効果に関連する注意

<白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法>
5.1 再発時の白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法で奏効が維持されている患者を対象とすること。
5.2 臨床試験に組み入れられた患者における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法終了後から再発までの期間(PFI)等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1、17.1.2参照]
BRCA遺伝子変異陽性の卵巣癌における初回化学療法後の維持療法>
5.3 国際産婦人科連合(FIGO)進行期分類III期又はIV期の卵巣癌と診断され、白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法で奏効が維持されている患者を対象とすること。
5.4 承認された体外診断用医薬品又は医療機器注)を用いた検査により、BRCA遺伝子変異を有することが確認された患者に投与すること。
5.5 臨床試験に組み入れられた患者における前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1参照]
<相同組換え修復欠損を有する卵巣癌におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法>
5.6 国際産婦人科連合(FIGO)進行期分類III期又はIV期の卵巣癌と診断され、白金系抗悪性腫瘍剤及びベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法で奏効が維持されている患者を対象とすること。
5.7 承認された体外診断用医薬品又は医療機器注)を用いた検査により、相同組換え修復欠損を有することが確認された患者に投与すること。
<がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌>
5.8 本剤の投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤及びタキサン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法歴のある患者を対象とすること。
5.9 承認された体外診断用医薬品又は医療機器注)を用いた検査により、生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異(病的変異又は病的変異疑い)を有することが確認された患者に投与すること。
BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法>
5.10 本剤の術前薬物療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.11 臨床試験に組み入れられた患者の再発高リスクの定義、前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.6参照]
5.12 承認された体外診断用医薬品又は医療機器注)を用いた検査により、BRCA遺伝子変異を有することが確認された患者に投与すること。
BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌>
5.13 本剤の術後補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.14 承認された体外診断用医薬品又は医療機器注)を用いた検査により、BRCA遺伝子変異を有することが確認された患者に投与すること。
5.15 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.7、17.1.8参照]
BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法>
5.16 本剤の手術の補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.17 白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法で疾患進行が認められていない患者を対象とすること。
5.18 臨床試験に組み入れられた患者の病期、白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法の投与期間等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.9参照]
5.19 承認された体外診断用医薬品又は医療機器注)を用いた検査により、生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異(病的変異又は病的変異疑い)を有することが確認された患者に投与すること。
注)承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人固形癌患者(7例)に本剤300mgを単回経口投与したときのオラパリブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
図 日本人固形癌患者に本剤300mgを単回経口投与したときの血漿中オラパリブ濃度推移(算術平均値±標準偏差)
表 日本人固形癌患者に本剤300mgを単回経口投与したときのオラパリブの薬物動態パラメータ(算術平均値±標準偏差)
例数Cmax(μg/mL)tmax(h)AUC(μg・h/mL)t1/2(h)
7例8.14±2.911.98(1.00~3.00)54.4±37.59.43±2.86
※中央値(範囲)
16.1.2 反復投与
日本人固形癌患者(9例)に本剤200mg注1)及び300mgを1日2回反復経口投与したときの第15日目におけるオラパリブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。また、300mg投与時におけるAUC(0-12時間)の累積係数は約1.8であった。
注1)本剤の承認用法・用量は300mgの1日2回投与である。
図 日本人固形癌患者に本剤200mg及び300mgを1日2回反復経口投与したときの第15日目における血漿中オラパリブ濃度推移(算術平均値±標準偏差)
表 日本人固形癌患者に本剤200mg及び300mgを1日2回反復経口投与したときの第15日目におけるオラパリブの薬物動態パラメータ(算術平均値±標準偏差)
用量例数Cmax(μg/mL)tmax(h)AUC(0-12時間)(μg・h/mL)
200mg3例8.16±3.341.50(1.00~3.00)41.1±20.9
300mg6例8.86±3.143.00(1.50~3.93)61.9±40.5
※中央値(範囲)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
固形癌患者(56例)に本剤300mgを食後投与したとき、空腹時投与と比較して、オラパリブのCmaxは21%(90%信頼区間:14%~28%)低下し、AUCは8%(90%信頼区間:1%~16%)増加した(外国人データ)。
16.3 分布
オラパリブの血漿蛋白結合率はヒトでのCmax付近(10μg/mL)で82%であった。オラパリブの主要な結合蛋白は血清アルブミンであり(結合率:56%)、α1-酸性糖蛋白質との結合率は10μg/mLで29%であった(in vitro試験成績)。
16.4 代謝
In vitro試験から、オラパリブの主代謝酵素はCYP3A4/5であることが示された。
固形癌患者に14C標識オラパリブ100mgをカプセル剤注2)で単回経口投与したとき、投与12時間後までの血漿中において主成分はオラパリブであった(血漿中放射能の70%)。血漿中の主代謝物はM12(ピペラジン開環体の3位水酸化体)、M15(フルオロベンジル環のメチレン基水酸化体)及びM18(ピペラジン環の3位水酸化体)であった(血漿中放射能の9~14%)。投与48時間後までの尿及び糞便中において主代謝物はM15であった(尿及び糞便中放射能のそれぞれ5~6%)(外国人データ)。[10.参照]
注2)カプセル剤は本邦未承認である。
16.5 排泄
固形癌患者に14C標識オラパリブ100mgをカプセル剤注3)で単回経口投与したとき、投与後7日間で投与放射能量の44%が尿中に、42%が糞便中に主に代謝物として排泄された。未変化体の尿中排泄率は15%であった(外国人データ)。
注3)カプセル剤は本邦未承認である。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害のある患者
肝機能の正常な固形癌患者並びに軽度(Child-Pugh分類A)又は中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を有する固形癌患者を対象に本剤300mgを単回経口投与した。軽度肝機能障害者(9例)では肝機能正常者(13例)に比べオラパリブのCmaxは13%(90%信頼区間:-18%~56%)、AUCは15%(-28%~83%)高値を示した。中等度肝機能障害者(8例)では肝機能正常者(13例)に比べオラパリブのCmaxは13%(90%信頼区間:-22%~37%)低値を示したが、AUCは8%(-34%~74%)高値を示した。軽度及び中等度の肝機能障害により臨床上問題となる影響は認められなかった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.6.2 腎機能障害のある患者
腎機能の正常な固形癌患者並びに軽度(CrCL:51~80mL/min)又は中等度(CrCL:31~50mL/min)の腎機能障害を有する固形癌患者を対象に本剤300mgを単回経口投与した。軽度腎機能障害者(13例)では腎機能正常者(12例)に比べオラパリブのCmaxは15%(90%信頼区間:4%~27%)、AUCは24%(6%~47%)高値を示した。中等度腎機能障害者(13例)では、腎機能正常者(12例)に比べオラパリブのCmaxは26%(90%信頼区間:6%~48%)、AUCは44%(90%信頼区間:10%~89%)高値を示した(外国人データ)。[9.2参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
固形癌患者(57例)に強いCYP3A阻害剤であるイトラコナゾール200mgを1日1回7日間投与し、投与5日目に本剤100mg注4)を併用投与したとき、オラパリブのCmaxは1.4倍(90%信頼区間:1.3~1.5倍)に増加し、AUCは2.7倍(90%信頼区間:2.4~3.0倍)に増加した(外国人データ)。また、生理学的薬物動態モデルによるシミュレーションから、本剤100mgと弱いCYP3A阻害剤であるフルボキサミンとの併用ではオラパリブのCmax及びAUC(0-t)に影響はないと推定されたものの、中程度のCYP3A阻害剤であるフルコナゾールとの併用ではオラパリブのCmax及びAUC(0-t)はそれぞれ平均1.14倍及び2.21倍増加すると推定された。[10.2参照]
注4)本剤の承認用法・用量は300mgの1日2回投与である。
16.7.2 リファンピシン
固形癌患者(22例)に強いCYP3A誘導剤であるリファンピシン600mgを1日1回13日間投与し、投与10日目に本剤300mgを併用投与したとき、オラパリブのCmaxは71%(90%信頼区間:67%~76%)、AUCは87%(90%信頼区間:84%~89%)低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 その他
オラパリブはCYP3Aに対し阻害作用を示し、CYP2B6に対し誘導作用を示した(in vitro試験成績)。
オラパリブはUDPグルクロン酸転移酵素(UGT)1A1に対し阻害作用を示した(in vitro試験成績)。
固形癌患者(76例)を対象に、本剤300mgとタモキシフェン(20mg1日1回)、アナストロゾール(1mg1日1回)又はレトロゾール(2.5mg1日1回)との併用投与を行ったところ(例数はそれぞれ29例、22例及び25例)、臨床上問題となる相互作用は認められなかった(外国人データ)。
オラパリブはP-糖蛋白質(P-gp)の基質であった。また、オラパリブはP-gp、OATP1B1、OCT1及びMATE1を阻害した(in vitro試験成績)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
強いCYP3A阻害剤
イトラコナゾール
リトナビル
ボリコナゾール等
中程度のCYP3A阻害剤
シプロフロキサシン
ジルチアゼム
エリスロマイシン
フルコナゾール
ベラパミル等
[16.7.1参照]
副作用の発現率及び重症度が増加するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず中程度又は強いCYP3A阻害剤を併用する際には本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。これらの薬剤等のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。
グレープフルーツ含有食品本剤投与時はグレープフルーツ含有食品を摂取しないよう注意すること。これらの薬剤等のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP3A誘導剤
リファンピシン
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort)含有食品等
[16.7.2参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤等のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝活性が誘導されるため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
貧血(30.5%)、好中球減少(13.7%)、白血球減少(12.2%)、リンパ球減少(7.3%)、血小板減少(6.5%)等があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.2 間質性肺疾患(0.6%)
11.1.3 静脈血栓塞栓症
肺塞栓症(0.4%)、深部静脈血栓症(0.1%)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある。
11.1.4 感染症
肺炎(0.4%)等の重篤な感染症があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上1%~10%未満1%未満頻度不明
皮膚発疹過敏症、皮膚炎、結節性紅斑血管性浮腫
精神神経系頭痛、浮動性めまい
呼吸器咳嗽、呼吸困難
消化器悪心(48.3%)、嘔吐、下痢、食欲減退、味覚異常消化不良、腹痛、便秘、口内炎、上腹部痛
全身疲労・無力症(37.9%)
その他クレアチニン増加平均赤血球容積(MCV)増加
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