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プレバイミス点滴静注240mg

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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 下記におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制

    • ○同種造血幹細胞移植
    • ○臓器移植

用法・用量

  • 通常、成人にはレテルモビルとして480mgを1日1回、約60分かけて点滴静注する。シクロスポリンと併用投与する場合にはレテルモビルとして240mgを1日1回、約60分かけて点滴静注する。

禁忌 

【警告】

  • <同種造血幹細胞移植>

    • 同種造血幹細胞移植患者の感染管理に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 次の薬剤を投与中の患者

    • ピモジド、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミン、メチルエルゴメトリン、エルゴメトリン[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 中等度又は重度(クレアチニンクリアランス<50mL/min)の腎機能障害のある患者
定期的に腎機能検査を実施する等観察を十分に行うこと。添加剤ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの蓄積により腎機能障害の悪化等を引き起こすおそれがある。[15.2.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害のある患者
レテルモビルの血漿中濃度が上昇するおそれがある。[7.4、16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤が胎児に悪影響を及ぼす可能性があることを十分に説明し、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤投与の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を投与するか、本剤投与中の患者が妊娠した場合は、本剤投与による催奇形性等が生じる可能性があることについて、患者に十分説明すること。
妊娠ラット及びウサギの器官形成期に投与したとき、同種造血幹細胞移植患者の臨床曝露量(480mg静脈内投与)のそれぞれ11倍及び1.7倍の母動物毒性を示す用量で骨格奇形、胎児体重の減少等が認められた。妊娠ラットに着床から分娩後まで投与した試験では、臨床曝露量の2.2倍まで胚・胎児毒性は認められなかった。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

長期間に亘り点滴静注製剤を継続して使用する場合には、添加剤ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの蓄積により腎機能障害の悪化等を引き起こすおそれがあるため、定期的に腎機能検査を実施する等観察を十分に行うこと。[15.2.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 希釈前に、変色や不溶性異物がないか、各バイアルを確認すること。本剤は無色澄明の溶液である。また、製品由来の少量の半透明又は白色の微粒子を含むことがある。バイアル内の溶液に変色や濁り、又は異物(少量の半透明又は白色の微粒子以外)が認められた場合は使用しないこと。バイアルを振盪しないこと。
14.1.2 480mgの場合は2バイアルから24mLを、240mgの場合は1バイアルから12mLを採取し、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液250mLの点滴バッグに添加し、振盪せず静かに混和すること。本剤のバイアルは1回使い切りである。残液は使用しないこと。
14.1.3 混和後、本剤の希釈液は無色~黄色澄明の溶液となる。投与前の希釈液に変色や不溶性異物がないか目視により確認すること。変色や濁り、又は異物(少量の半透明又は白色の微粒子以外)が認められる場合には、希釈液を廃棄すること。
14.1.4 希釈液は、室温保存(2~30℃)では24時間以内に、冷蔵保存(2~8℃)した場合は48時間以内に使用すること。なお、これらの時間には点滴終了までの時間が含まれる。
14.2 配合変化
本剤は他剤と配合したとき、濁りや不溶性異物が生じることがある。配合適性についてはデータが限られているが、次の薬剤は配合禁忌であり、同一の輸液ラインを通して同時に注入しないこと。
主な配合禁忌薬剤
アミオダロン塩酸塩、アムホテリシンBリポソーム、アズトレオナム、セフェピム塩酸塩、シプロフロキサシン、シクロスポリン、ジルチアゼム塩酸塩、フィルグラスチム(遺伝子組換え)、ゲンタマイシン硫酸塩、レボフロキサシン、リネゾリド、ミダゾラム、オンダンセトロン塩酸塩、パロノセトロン塩酸塩
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 必ず0.2μmインラインフィルター(ポリエーテルスルホン、ポリスルホン又は正荷電ナイロン製)を使用して投与すること。
14.3.2 本剤はポリウレタンを含有する輸液チューブで投与しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 錠剤と注射剤は医師の判断で切り替えて使用することができる。ただし、臨床試験において注射剤の長期投与の経験はなく、注射剤の添加剤ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは腎機能障害のある患者で蓄積し、腎機能の悪化等を引き起こすおそれがあることから、注射剤の投与は最小限の期間とし、経口投与可能な患者には、経口投与を選択すること。[9.2.1参照]
7.2 サイトメガロウイルス血症又はサイトメガロウイルス感染症が確認された場合には、本剤の投与を中止し、サイトメガロウイルスに対する治療等、適切な対応を行うこと。[17.1.1-17.1.4参照]
<同種造血幹細胞移植>
7.3 同種造血幹細胞移植の移植当日から移植後28日目までを目安として投与を開始すること。投与期間は、患者のサイトメガロウイルス感染症の発症リスクを考慮しながら、移植後200日目までを目安とすること。[17.1.1、17.1.2参照]
<臓器移植>
7.4 移植後早期より投与を開始し、投与期間は、患者のサイトメガロウイルス感染症の発症リスクを考慮しながら、移植後200日目までを目安とすること。ただし、レテルモビルは主に肝を介して消失するため、移植後に肝機能が安定しない場合、血漿中濃度が上昇するおそれがあることから、投与可否を慎重に判断すること。[9.3.1、16.6.2、17.1.3、17.1.4参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<臓器移植>
腎移植以外の臓器移植患者を対象に本剤の有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
日本人健康成人女性にレテルモビル240mg注)及び480mgを60分かけて単回静脈内投与した際の、レテルモビルの薬物動態パラメータを表1に示す。レテルモビルは、二相性の消失を示した。また、レテルモビルのAUC0-∞は、用量比を上回る上昇を示した。
表1 レテルモビルを単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータ
用量例数Ceoi(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)t1/2(hr)
240mg注)618,700
(16.2)
60,800
(20.2)
11.8
(64.0)
480mg641,000
(21.3)
176,000
(31.9)
10.8
(33.7)
幾何平均(幾何平均に基づく変動係数[%])† 静脈内投与終了時の血漿中濃度
また、日本人健康成人女性にレテルモビル480mgを反復経口投与した際、AUC0-24hr及びCmaxの幾何平均比に基づく累積係数は、それぞれ0.97及び0.94であった。
16.1.2 同種造血幹細胞移植患者
同種造血幹細胞移植患者350例(うち、日本人同種造血幹細胞移植患者23例)から得られた血漿中レテルモビル濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を実施した。日本人同種造血幹細胞移植患者にレテルモビルを480mg、シクロスポリンを併用投与する場合はレテルモビルを240mgで1日1回静脈内投与した際の、レテルモビルの定常状態におけるAUC0-24hrを表2に示す。第III相国際共同試験(001試験)で得られた曝露量の範囲では、一貫した有効性が示されており、各投与方法における曝露量に、臨床的な違いは認められなかった。
表2 日本人同種造血幹細胞移植患者にレテルモビルを480mg、及びシクロスポリンを併用投与する場合はレテルモビルを240mgで1日1回静脈内投与した際の定常状態におけるAUC0-24hr
投与方法AUC0-24hr(ng・hr/mL)
例数幾何平均幾何平均に基づく変動係数(%)
480mg静脈内投与11101,20024.4
シクロスポリン併用240mg静脈内投与670,81016.5
† 日本人同種造血幹細胞移植患者の血漿中レテルモビル濃度データを用いた母集団薬物動態解析から得られたAUC0-24hrのベイズ推定値
16.3 分布
母集団薬物動態解析から、日本人を含む同種造血幹細胞移植患者にレテルモビルを静脈内投与した際の、レテルモビルの定常状態における分布容積の平均値は、45.5Lと推定された。
In vitroデータより、レテルモビルは、ヒト血漿蛋白に対し、高い結合を示した(98.7%)。レテルモビルの血中と血漿中濃度比(血中/血漿)は0.56であり、検討した濃度範囲(0.1~10mg/L)で変わらなかった。
非臨床分布試験から、レテルモビルは、消化管、胆管及び肝臓の臓器並びに組織に高濃度に分布し、脳に低濃度に分布した。
16.4 代謝
外国人健康成人に、ラベル体で標識したレテルモビルを経口投与した際、血漿中レテルモビル関連物質の大部分は未変化体であり(96.6%)、主要代謝物は検出されなかった。レテルモビルは、UGT1A1/1A3を介したグルクロン酸抱合により、一部消失した。
16.5 排泄
母集団薬物動態解析から、日本人を含む同種造血幹細胞移植患者にレテルモビルを静脈内投与した際、レテルモビルの定常状態におけるクリアランスは、4.84L/hrと推定された。また、クリアランスの個体間変動は、24.6%と推定された。外国人健康成人に、ラベル体で標識したレテルモビルを経口投与した際、総放射能の93.3%は糞中から回収された。レテルモビルは主に未変化体として糞中に排泄され、少量(6%)はアシルグルクロン酸抱合体として排泄された。また、レテルモビルの腎排泄は、わずかであった(2%未満)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
外国人腎機能障害者を対象とした臨床試験で、レテルモビルを1日1回8日間反復経口投与した際、腎機能正常者(推算糸球体濾過量が90mL/min/1.73m2以上)と比較して、レテルモビルのAUC0-24hrは、中等度(推算糸球体濾過量が30~59mL/min/1.73m2)腎機能障害者では約1.9倍及び重度(推算糸球体濾過量が30mL/min/1.73m2未満)腎機能障害者では約1.4倍高かった。
外国人腎移植患者における母集団薬物動態解析から、軽度(クレアチニンクリアランスが60mL/min以上90mL/min未満)、中等度(クレアチニンクリアランスが30mL/min以上60mL/min未満)及び重度(クレアチニンクリアランスが15mL/min以上30mL/min未満)の腎機能障害を有する被験者におけるレテルモビルのAUCは、クレアチニンクリアランスが90mL/min以上の被験者と比較してそれぞれ約1.1倍、1.3倍及び1.4倍高かったが、臨床的に意味はないと考えられた。
16.6.2 肝機能障害者
外国人肝機能障害者に、レテルモビルを1日1回8日間反復経口投与した際、肝機能正常者と比較して、レテルモビルのAUC0-24hrは、Child-Pugh分類に基づく中等度(Child-Pugh B)肝機能障害者では約1.6倍及びChild-Pugh分類に基づく重度(Child-Pugh C)肝機能障害者では約3.8倍高かった。[7.4、9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
In vitroデータから、レテルモビルは、OATP1B1/3、P-gp、BCRP、UGT1A1及びUGT1A3の基質であることが示唆された。また、レテルモビルは、CYP3Aの時間依存的な阻害作用又は誘導作用、CYP2C8の可逆的な阻害作用、CYP2B6の誘導作用を有することが示唆された。また、レテルモビルは、排出トランスポーターであるP-gp、BCRP、胆汁酸塩輸送ポンプ(BSEP)、多剤耐性関連蛋白(MRP2)、有機アニオントランスポーター(OAT3)及び肝取り込みトランスポーターであるOATP1B1/3の阻害作用を有することが示唆された。
16.7.2 臨床薬物相互作用試験
臨床薬物相互作用試験から得られた、レテルモビルの薬物動態に及ぼす併用薬の影響及び併用薬の薬物動態に及ぼすレテルモビルの影響についてそれぞれ表3及び表4に示す。[10.2参照]
表3 レテルモビルの薬物動態に及ぼす併用薬の影響
併用薬併用薬の投与方法レテルモビルの投与方法例数レテルモビルの薬物動態パラメータの幾何平均比
(併用時/非併用時)
(90%信頼区間)
AUCCmax
抗真菌薬
フルコナゾール400mg
単回
PO
480mg
単回
PO
141.11
(1.01,1.23)
1.06
(0.93,1.21)
イトラコナゾール200mg
QD
PO
480mg
QD
PO
141.33
(1.17,1.51)
1.21
(1.05,1.39)
抗マイコバクテリア薬
リファンピシン600mg
単回
PO
480mg
単回
PO
162.03
(1.84,2.26)
1.59
(1.46,1.74)
600mg
単回
IV
480mg
単回
PO
161.58
(1.38,1.81)
1.37
(1.16,1.61)
600mg
QD
PO
480mg
QD
PO
140.81
(0.67,0.98)
1.01
(0.79,1.28)
600mg
QD
PO
(リファンピシン併用終了後24時間)††
480mg
QD
PO
140.15
(0.13,0.17)
0.27
(0.22,0.31)
免疫抑制薬
シクロスポリン§200mg
単回
PO
240mg
QD
PO
122.11
(1.97,2.26)
1.48
(1.33,1.65)
ミコフェノール酸モフェチル1g
単回
PO
480mg
QD
PO
141.18
(1.04,1.32)
1.11
(0.92,1.34)
タクロリムス5mg
単回
PO
80mg
BID
PO注)
141.02
(0.97,1.07)
0.92
(0.84,1.00)
外国人のデータQD:1日1回投与、BID:1日2回投与、IV:静脈内投与、PO:経口投与、AUC:単回投与の場合はAUC0-∞、1日1回投与の場合はAUC0-24hr、1日2回投与の場合はAUC0-12hr† 投与後24時間の血漿中濃度(C24hr)の幾何平均比(90%信頼区間)は、0.14(0.11,0.19)であった。†† リファンピシン最終投与から24時間経過後のリファンピシンがレテルモビルに及ぼす影響を示す。C24hrの幾何平均比(90%信頼区間)は、0.09(0.06,0.12)であった。§ 日本人のデータ
表4 併用薬の薬物動態に及ぼすレテルモビルの影響
併用薬併用薬の投与方法レテルモビルの投与方法例数併用薬の薬物動態パラメータの幾何平均比
(併用時/非併用時)
(90%信頼区間)
AUCCmax
CYP3A基質
ミダゾラム1mg
単回
IV
240mg
QD
PO注)
161.47
(1.37,1.58)
1.05
(0.94,1.17)
2mg
単回
PO
240mg
QD
PO注)
162.25
(2.04,2.48)
1.72
(1.55,1.92)
P-gp基質
ジゴキシン0.5mg
単回
PO
240mg
BID
PO注)
220.88
(0.80,0.96)
0.75
(0.63,0.89)
免疫抑制薬
シクロスポリン50mg
単回
PO
240mg
QD
PO
141.66
(1.51,1.82)
1.08
(0.97,1.19)
ミコフェノール酸モフェチル1g
単回
PO
480mg
QD
PO
141.08
(0.97,1.20)
0.96
(0.82,1.12)
タクロリムス5mg
単回
PO
480mg
QD
PO
132.42
(2.04,2.88)
1.57
(1.32,1.86)
シロリムス2mg
単回
PO
480mg
QD
PO
133.40
(3.01,3.85)
2.76
(2.48,3.06)
抗真菌薬及び抗ウイルス薬
アシクロビル400mg
単回
PO
480mg
QD
PO
131.02
(0.87,1.20)
0.82
(0.71,0.93)
フルコナゾール400mg
単回
PO
480mg
単回
PO
141.03
(0.99,1.08)
0.95
(0.92,0.99)
イトラコナゾール200mg
QD
PO
480mg
QD
PO
140.76
(0.71,0.81)
0.84
(0.76,0.92)
ポサコナゾール300mg
単回
PO
480mg
QD
PO
130.98
(0.82,1.17)
1.11
(0.95,1.29)
ボリコナゾール200mg
BID
PO
480mg
QD
PO
120.56
(0.51,0.62)
0.61
(0.53,0.71)
HMG-CoA還元酵素阻害剤
アトルバスタチン20mg
単回
PO
480mg
QD
PO
143.29
(2.84,3.82)
2.17
(1.76,2.67)
経口避妊薬
エチニルエストラジオール/レボノルゲストレル0.03mg
EE
単回
PO
480mg
QD
PO
221.42
(1.32,1.52)
0.89
(0.83,0.96)
0.15mg
LNG
単回
PO
221.36
(1.30,1.43)
0.95
(0.86,1.04)
外国人のデータQD:1日1回投与、BID:1日2回投与、IV:静脈内投与、PO:経口投与、EE:エチニルエストラジオール、LNG:レボノルゲストレル、AUC:単回投与の場合はAUC0-∞、1日1回投与の場合はAUC0-24hr、1日2回投与の場合はAUC0-12hr† AUC0-lastの比
16.7.3 生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーション
生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーションにおいて、CYP3A基質であるエベロリムス2mgを単独投与したときに対し、レテルモビル480mgとの併用時では、エベロリムスのAUCは2.5倍に増加すると推定された。[10.2参照]
注)本剤の用法・用量は、レテルモビルとして1日1回480mgを静脈内投与である。なお、シクロスポリンを併用投与する場合には、1日1回240mgを静脈内投与である。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ピモジド(オーラップ)
[2.2参照]
併用により、ピモジドの血漿中濃度が上昇し、QT延長及び心室性不整脈を引き起こすおそれがある。レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される。
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン配合錠)
ジヒドロエルゴタミン
メチルエルゴメトリン(パルタンM)
エルゴメトリン
[2.2参照]
併用により、これら麦角アルカロイドの血漿中濃度が上昇し、麦角中毒を引き起こすおそれがある。レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3Aの基質
フェンタニル
キニジン
ミダゾラム等
[16.7.2参照]
併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される。
ボリコナゾール
[16.7.2参照]
併用により、ボリコナゾールの血漿中濃度が低下する。
併用時は、ボリコナゾールの治療効果を減弱させるおそれがあるため、患者の状態を十分に観察することが推奨される。
レテルモビルの併用により、CYP2C9及びCYP2C19が誘導されると考えられる。
CYP2C9又はCYP2C19の基質
フェニトイン
ワルファリン等
併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。
フェニトインとの併用時は、血中フェニトイン濃度を頻繁にモニタリングすること。
ワルファリンとの併用時は、INRを頻繁にモニタリングすること。
レテルモビルの併用により、CYP2C9又はCYP2C19が誘導されると予測される。
リファンピシン
[16.7.2参照]
併用により、レテルモビルの血漿中濃度が低下する。
また、リファンピシンとの併用終了翌日に単独投与したレテルモビルの血漿中濃度がさらに低下するので、リファンピシンとの併用終了後、レテルモビルの有効性が減弱する可能性がある。
リファンピシンの併用により、P-gp及びUGT1A1/3が誘導されると考えられる。
アトルバスタチン
[16.7.2参照]
併用により、アトルバスタチンの血漿中濃度が上昇する。
併用時は、アトルバスタチンの副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること。
レテルモビルの併用により、CYP3A、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害される。
シンバスタチン併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること。
レテルモビルの併用により、CYP3A、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害されると予測される。
ロスバスタチン
フルバスタチン
併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること。
レテルモビルの併用により、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害されると予測される。
プラバスタチン
ピタバスタチン
併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること。
レテルモビルの併用により、OATP1B1/3が阻害されると予測される。
シクロスポリン
[16.7.2参照]
併用により、レテルモビル及びシクロスポリンの血中濃度が上昇する。
レテルモビルとの併用時及び中止時には、シクロスポリンの血中濃度を頻繁にモニタリングし、シクロスポリンの用量を調節すること。
レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害される。
シクロスポリンの併用により、OATP1B1/3が阻害される。
タクロリムス
シロリムス
[16.7.2参照]
併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する。
レテルモビルとの併用時及び中止時には、これらの薬剤の血中濃度を頻繁にモニタリングし、これらの薬剤の用量を調節すること。
レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害される。
エベロリムス
[16.7.3参照]
併用により、エベロリムスの血中濃度が上昇するおそれがある。
レテルモビルとの併用時及び中止時には、エベロリムスの血中濃度を頻繁にモニタリングし、エベロリムスの用量を調節すること。
レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

1%以上5%未満1%未満
血液及びリンパ系障害白血球減少症好中球減少症
胃腸障害悪心、下痢、嘔吐
免疫系障害過敏症
臨床検査白血球数減少
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