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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○先天性血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)患者における出血傾向の抑制
  • ○後天性血友病A患者における出血傾向の抑制

用法・用量

  • <先天性血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)患者における出血傾向の抑制>

    • 通常、エミシズマブ(遺伝子組換え)として1回3mg/kg(体重)を1週間の間隔で4回皮下投与し、その1週間後(初回投与から4週間後)の5回目投与から以下のいずれかの用法・用量で皮下投与する。
      • ・1回1.5mg/kg(体重)を1週間の間隔
      • ・1回3mg/kg(体重)を2週間の間隔
      • ・1回6mg/kg(体重)を4週間の間隔
  • <後天性血友病A患者における出血傾向の抑制>

    • 通常、エミシズマブ(遺伝子組換え)として1日目に6mg/kg(体重)、2日目に3mg/kg(体重)を皮下投与し、8日目から1回1.5mg/kg(体重)を1週間の間隔で皮下投与する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 インヒビター保有先天性血友病A患者を対象とした本剤の臨床試験で、活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤との併用において重篤な血栓塞栓症及び血栓性微小血管症の発現が複数例に認められている。本剤投与中及び投与中止後6カ月間は、治療上やむを得ない場合を除き、活性型血液凝固第IX因子及び血液凝固第X因子を含む、活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤及び乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤の投与を避けること。血栓塞栓症及び血栓性微小血管症のリスクを増大させる可能性がある。[8.1、10.2、11.1.1、11.1.2参照]
  • 1.2 本剤は血友病治療に十分な知識・経験を持つ医師のもと、緊急時に十分対応できる医療機関で投与開始すること。[8.1、10.2、11.1.1、11.1.2参照]
  • 1.3 本剤の投与開始に先立ち、患者又はその家族に危険性(出血時のバイパス止血製剤の投与における危険性を含む)を十分説明し、同意を得た上で本剤を投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。一般にヒトIgGは胎盤を通過することが知られている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行性については不明であるが、一般にヒトIgGは母乳に分泌されることが知られている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児及び乳児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 インヒビター保有先天性血友病A患者を対象とした臨床試験において、本剤投与中の出血時に活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤を併用した36例において、血栓塞栓症が2例(5.6%)、血栓性微小血管症が3例(8.3%)に認められている。また、乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤を投与することにより血栓塞栓症及び血栓性微小血管症があらわれるおそれがあるため、以下の事項に注意すること。当該事項については、その重要性及び必要性を患者又はその家族にも説明し、理解及び同意を得た上で投与を開始すること。[1.1、1.2、10.2、11.1.1、11.1.2参照]
8.1.1 本剤投与開始前日までに、バイパス止血製剤による定期輸注は中止すること。また、本剤投与中止後6カ月間は、バイパス止血製剤による定期輸注は行わないこと。
8.1.2 本剤投与中にバイパス止血製剤を投与する場合は、活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤及び乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤の投与は避け、活性型血液凝固第VII因子(エプタコグ アルファ(活性型)(遺伝子組換え))製剤を投与すること。さらに、以下の事項にも注意すること。
(1)活性型血液凝固第VII因子(エプタコグ アルファ(活性型)(遺伝子組換え))製剤については、在宅自己注射を行う場合があるため、投与の必要性の判断方法、用量等を、あらかじめ患者に指導すること。また、在宅自己注射を1回実施しても止血できない場合は、医療機関へ連絡するよう指導を行うこと。
(2)やむを得ず活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤を投与する場合は、必ず血友病に対する十分な治療経験を有する医師のもと、必要な血液凝固系検査等が実施可能で血栓塞栓症及び血栓性微小血管症に対する適切な処置が可能な医療機関で投与すること。また、投与後は血液凝固系検査等により患者の凝固系の状態を注意深く確認すること。異常が認められた場合には本剤及びバイパス止血製剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(3)乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤は、本剤と併用された経験が極めて少ないため、上記(2)と同じ対応をとること。
8.1.3 本剤投与中止後6カ月間は、上記8.1.2と同じ対応を行うこと。
8.2 本剤は活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)又はAPTTの測定原理に基づく検査値に影響を及ぼすため、本剤を投与した患者の検査値には従来の判断基準が適用できないことに注意すること。
8.3 在宅自己注射における注意
8.3.1 本剤の在宅自己注射の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者又はその家族が理解し、確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。
8.3.2 患者又はその家族に対し、在宅自己注射後に何らかの異常が認められた場合は、速やかに医療機関へ連絡するよう指導を行うこと。
8.3.3 在宅自己注射の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに在宅自己注射を中止させ、医師の管理のもとで慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。
<先天性血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)患者における出血傾向の抑制>
8.4 本剤投与開始前に血液凝固第VIII因子製剤による定期補充療法を実施している患者については、本剤2回目の投与前日までは出血のリスクを低減するため血液凝固第VIII因子製剤の定期補充を継続することが望ましい。また、本剤投与中の出血に対する血液凝固第VIII因子製剤の自己注射の必要性及び種類・用量等について、医師はあらかじめ患者又はその家族に指導すること。
<後天性血友病A患者における出血傾向の抑制>
8.5 凝固能が回復する場合があるため、第VIII因子活性、インヒビター力価等の検査を定期的に実施すること。[7.2、17.1.5参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 異なる濃度の本剤を混注しないこと。
14.1.2 他の製剤と本剤を混注しないこと。
14.1.3 製品由来の半透明~白色の微粒子をわずかに含むことがあるので、孔径5μmのフィルターを通した後に投与すること。
14.2 薬剤投与前の注意
14.2.1 室温に戻しておくこと。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 使用後の残液は使用しないこと。
14.3.2 外観に異常を認めた場合には使用しないこと。
14.3.3 投与は腹部又は上腕部や大腿部に行うこと。同一箇所へ繰り返し投与することは避けること。
14.3.4 皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位(傷、発疹、発赤、硬結等)には投与しないこと。
14.4 薬剤交付時の注意
14.4.1 患者が家庭で保存する場合は、薬剤バイアルは外箱に入れた状態で、凍結を避け、冷蔵庫内で保存すること。やむを得ず室温(30℃以下)で保存する場合は、室温保存期間の累積として7日以内に使用すること。
14.4.2 子供による誤用等を避けるため、薬剤の保管に十分注意すること。
14.4.3 使用済みの医療機器の処理については、主治医の指示に従うこと。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤は、出血傾向の抑制を目的とした定期的な投与のみに使用し、出血時の止血を目的とした投与は行わないこと。
<後天性血友病A患者における出血傾向の抑制>
7.2 凝固能に関する検査結果及び患者の状態を考慮して、適切な時期に投与を終了すること。[8.5、17.1.5参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<先天性血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)患者における出血傾向の抑制>
本剤は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターの有無によらず有効性が確認されている。[17.1.1-17.1.4参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人の健康成人男性に本剤0.01、0.1、0.3又は1mg/kg(各6例)を単回皮下投与注)した際の血漿中エミシズマブ濃度の薬物動態パラメータは下表のとおりであった。
用量(mg/kg)Cmax(μg/mL)Tmax(day)AUCinf(μg・day/mL)t1/2(day)
0.010.0675±0.012014.1(5.00-28.0)算出せず算出せず
0.10.655±0.083712.0(7.00-14.1)30.2±9.2828.3±4.77
0.31.72±0.37710.1(7.00-11.1)86.5±17.930.3±4.12
15.92±1.2410.1(4.00-14.2)266±50.029.0±3.26
各6例、平均値±標準偏差[Tmaxのみ中央値(範囲)]
16.1.2 反復投与
<先天性血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)患者における出血傾向の抑制>
(1)1週間隔
12歳以上のインヒビター保有先天性血友病A患者112例、12歳未満(体重40kg未満の12~17歳を含む)のインヒビター保有先天性血友病A患者63例、又は12歳以上のインヒビター非保有先天性血友病A患者99例に本剤を3mg/kgの用量で1週間隔にて4週間反復皮下投与し、その後1.5mg/kgの用量で1週間隔にて反復皮下投与した際、投与開始4週後に血漿中エミシズマブ濃度トラフ値が定常状態に到達し、その後50μg/mL程度又はそれをやや上回る平均値を維持した。血漿中エミシズマブ濃度トラフ値推移はこれら3つの集団間で同様であった(日本人及び外国人データ)。
(2)2週間隔
12歳以上のインヒビター非保有先天性血友病A患者49例に本剤を3mg/kgの用量で1週間隔にて4週間反復皮下投与し、その後3mg/kgの用量で2週間隔にて反復皮下投与した際、投与開始4週後までの血漿中エミシズマブ濃度トラフ値推移は「(1)1週間隔」と同様であり、その後45μg/mLをやや上回る平均値を維持した(日本人及び外国人データ)。
(3)4週間隔
12歳以上のインヒビター保有及び非保有先天性血友病A患者41例に本剤を3mg/kgの用量で1週間隔にて4週間反復皮下投与し、その後6mg/kgの用量で4週間隔にて反復皮下投与した際、投与開始4週後までの血漿中エミシズマブ濃度トラフ値推移は「(1)1週間隔」と同様であり、その後40μg/mLをやや上回る平均値を維持した(日本人及び外国人データ)。
<後天性血友病A患者における出血傾向の抑制>
18歳以上の後天性血友病A患者12例に本剤を1日目に6mg/kg、2日目に3mg/kgの用量で皮下投与し、8日目から1.5mg/kgの用量で1週間隔にて反復皮下投与した際、投与開始1週後に血漿中エミシズマブ濃度トラフ値が定常状態に到達し、その後35μg/mLをやや上回る平均値を維持した。
16.2 吸収
日本人の健康成人男性に本剤1mg/kg注)を腹部、上腕部又は大腿部(各12例)に単回皮下投与した際、血漿中エミシズマブ濃度のCmax及びAUCinfを基に推定された腹部に対する上腕部及び大腿部の相対的バイオアベイラビリティは、82.3%~116.8%の範囲であった。なお、腹部、上腕部及び大腿部への皮下投与時の絶対的バイオアベイラビリティは、80.4%~93.1%の範囲であった。
16.3 分布
日本人の健康成人男性12例に本剤0.25mg/kgを単回静脈内投与注)した際、エミシズマブのVssの平均値は106mL/kgであった。
注)承認された用法・用量は、1回3mg/kg(体重)を1週間の間隔で4回皮下投与し、その1週間後の5回目投与から1回1.5mg/kg(体重)を1週間の間隔、1回3mg/kg(体重)を2週間の間隔又は1回6mg/kg(体重)を4週間の間隔で皮下投与する、又は、1日目に6mg/kg(体重)、2日目に3mg/kg(体重)を皮下投与し、8日目から1回1.5mg/kg(体重)を1週間の間隔で皮下投与する、である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤
[1.1、1.2、8.1、11.1.1、11.1.2参照]
血栓塞栓症又は血栓性微小血管症があらわれるおそれがある。本剤投与中及び投与中止後6カ月間は、活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤又は乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤の投与は避けること。
本剤投与中及び投与中止後6カ月間の出血に対してやむを得ず活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤又は乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤を投与する場合は必ず血友病に対する十分な治療経験を有する医師のもと、必要な血液凝固系検査等が実施可能で血栓塞栓症及び血栓性微小血管症に対する適切な処置が可能な医療機関で投与すること。
先天性血液凝固第VIII因子欠乏ヒト血漿を用いたトロンビン生成試験(in vitro)において、本剤単独時に比べて本剤との併用時に顕著なトロンビン生成の促進が認められた。活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤由来の活性型血液凝固第IX因子及び第X因子が本剤による凝固促進に影響を与える可能性が考えられ、凝固活性の増加につながるおそれがある。
乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤
[1.1、1.2、8.1、11.1.1、11.1.2参照]
血栓塞栓症又は血栓性微小血管症があらわれるおそれがある。本剤投与中及び投与中止後6カ月間は、活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤又は乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤の投与は避けること。
本剤投与中及び投与中止後6カ月間の出血に対してやむを得ず活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤又は乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤を投与する場合は必ず血友病に対する十分な治療経験を有する医師のもと、必要な血液凝固系検査等が実施可能で血栓塞栓症及び血栓性微小血管症に対する適切な処置が可能な医療機関で投与すること。
乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤に含まれる血液凝固第X因子が本剤による凝固促進に影響を与える可能性が考えられ、凝固活性の増加につながるおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓塞栓症(0.7%)
本剤投与中の出血に対して活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤等のバイパス止血製剤を投与する際、または血栓塞栓症の危険因子を有する後天性血友病A患者に本剤を投与する際は、血栓塞栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤及びバイパス止血製剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。[1.1、1.2、8.1、10.2参照]
11.1.2 血栓性微小血管症(0.7%)
本剤投与中の出血に対して活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤等のバイパス止血製剤を投与する際は血栓性微小血管症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤及びバイパス止血製剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[1.1、1.2、8.1、10.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
消化器悪心
皮膚毛髪成長異常発疹、蕁麻疹、血管性浮腫
その他注射部位反応頭痛、疲労、血液検査異常(ABO式血液型の凝集素検出能の低下)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加
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