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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ミガーラスタットに反応性のあるGLA遺伝子変異を伴うファブリー病

用法・用量

  • 通常、成人及び12歳以上の小児にはミガーラスタットとして1回123mgを隔日経口投与する。なお、食事の前後2時間を避けて投与すること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害患者
重度の腎機能障害のある患者は有効性及び安全性を指標とした臨床試験では除外されている。本剤の血中濃度が上昇するおそれがあることから、重度の腎機能障害のある患者への投与は推奨されない。[16.6.1、17.1.1、17.1.2、18.1、18.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。ウサギ胚胎児発生に関する試験において、臨床推奨用量投与時の曝露量の244倍以上に相当するミガーラスタットの投与により、母動物毒性が発現し、着床後胚死亡率の増加、体重減少、流産、骨化遅延、軽微な骨異常の増加等が認められた。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ラットで乳汁へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
本剤の曝露量は体重の影響を受ける可能性があることから、12歳以上の小児には患者の体重に留意した上で投与の適否を判断し、投与にあたっては患者の状態を十分に観察すること。12歳以上16歳未満の患者では、体重45kg未満の患者は臨床試験に組み入れられていない。また、12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。[16.1.3、17.1.3参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

本剤投与中は、定期的に腎機能、心機能、臨床検査値等を確認する等経過を十分に観察し、本剤投与で効果が認められない場合には治療法の変更を考慮すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の曝露量は食事の影響を受けるため、食事の前後2時間を避けて投与すること。[16.2.1参照]
7.2 投与時刻は原則毎回一定とする。服用予定時刻に服用できなかった場合は、服用予定時刻から12時間以内に服用すること。服用予定時刻から12時間を超えた場合は、次の服用予定日時から服用を再開すること。
7.3 酵素補充療法との併用に関する有効性及び安全性は確立されていない。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤はファブリー病と確定診断された患者に対して使用すること。
5.2 本剤の投与開始に先立って、患者のGLA遺伝子変異のミガーラスタットに対する反応性を確認すること。[24.参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人男性(13例)にミガーラスタットとして123mgを絶食下に単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
表1 ミガーラスタット123mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
投与量(mg)Cmaxa(ng/mL)tmaxb(h)AUC0-infa(ng・h/mL)t1/2c(h)
123(13例)2124(36.3)3.50(2.0-5.0)11519(27.4)3.82(0.25)
a:幾何平均値(変動係数%)、b:中央値(範囲)、c:平均値(標準偏差)
図1 ミガーラスタット123mgを単回経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
16.1.2 反復投与
外国人女性ファブリー病患者(4例)にミガーラスタットとして123mgを12週間隔日経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであり、反復投与によって曝露量が増加する傾向は認められなかった。
表2 ミガーラスタットとして123mgを12週間隔日経口投与したときの薬物動態パラメータ
投与量(mg)測定時期(day)Cmaxa(ng/mL)tmaxb(h)AUC0-ta(ng・h/mL)
123(4例)11691(22.0)3.50(1.00-4.00)8942(32.2)
142029(40.0)2.96(2.00-4.00)10638(35.6)
841524(23.3)3.50(2.00-4.00)8582(29.7)
a:幾何平均値(変動係数%)、b:中央値(範囲)
16.1.3 母集団薬物動態解析
健康成人(179例)及び外国人ファブリー病患者(101例)から得られた血漿中本薬濃度に基づく母集団薬物動態解析の結果、本薬の薬物動態に影響を及ぼす共変量として腎機能及び体重が選択された。12歳以上16歳未満かつ体重45kg以上及び16歳以上のファブリー病患者にミガーラスタットとして123mgを経口投与したとき、母集団薬物動態解析に基づく薬物動態パラメータの推定値は以下のとおりであった。[9.7参照]
表3 母集団薬物動態解析に基づき推定した、ファブリー病患者での各年齢区分における薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)C48hb(ng/mL)AUCtau(ng・h/mL)
12歳以上16歳未満a(13例)1210(61.1)11.1(64.3)c8940(47.1)
16歳以上(86例)1190(32.7)11.7(52.3)d9490(33.1)
幾何平均値(幾何変動係数%)a:体重45kg以上、b:定量下限を上回ったデータのみ、c:8例、d:63例
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
外国人健康成人(19例)にミガーラスタットとして123mgを絶食下、ブドウ糖飲料と同時、高脂肪食摂取の1時間前、軽食摂取の1時間前又は軽食摂取の1時間後に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。[7.1参照]
表4 投与タイミング別における薬物動態パラメータ
本剤の投与タイミングCmax(ng/mL)AUC0-inf(ng・h/mL)絶食下投与に対する最小二乗幾何平均値の比[90%信頼区間]
CmaxAUC0-inf
絶食下投与(19例)1561(33.8)9805(26.8)
ブドウ糖飲料との同時投与(19例)1408(29.6)8451(28.8)0.90[0.80,1.02]0.86[0.77,0.97]
高脂肪食摂取の1時間前投与(19例)1323(28.3)6132(26.8)0.85[0.75,0.96]0.63[0.56,0.70]
軽食摂取の1時間前投与(19例)1278(39.6)5668(31.4)0.82[0.73,0.93]0.58[0.52,0.65]
軽食摂取の1時間後投与(19例)945(28.3)5890(26.5)0.61[0.54,0.68]0.60[0.54,0.68]
幾何平均値(変動係数%)
16.2.2 生物学的利用率
外国人健康成人(10例)にミガーラスタットとして123mgを単回経口投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは約75%であった。
16.3 分布
日本人健康成人男性(13例)にミガーラスタットとして123mgを絶食下に単回経口投与したときのみかけの分布容積(V/F)は71.7Lであった。
ミガーラスタットの14C標識体(1~100μmol/L)のヒト血漿タンパク非結合率は98.1~111%であった(in vitro)。
16.4 代謝
外国人健康成人男性(6例)にミガーラスタットの14C標識体123mgを単回経口投与したとき、投与24時間後までにプールした血漿中データから算出した血漿中総放射能に対する未変化体の割合は約77%であり、O-グルクロン酸抱合体(M1、M2及びM3)の割合は13%(5、2及び6%)であった。
ミガーラスタットはCYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4/5に対する阻害作用、CYP1A2、CYP2B6、CYP3A4に対する誘導作用は示さなかった(in vitro)。
16.5 排泄
外国人健康成人男性(6例)にミガーラスタットの14C標識体123mgを単回経口投与したとき、投与240時間後までに投与放射能の77.2%が尿中に、20.4%が糞中に排泄された。また、投与12時間後までの投与放射能に対する未変化体及びO-グルクロン酸抱合体(M1、M2及びM3の合計)の尿中排泄率は55%及び5%であった。
ミガーラスタットはBCRP、P-gp、MATE1、MATE2-K、OAT1、OAT3及びOCT2の基質ではなく、BCRP、BSEP、P-gp、MATE1、MATE2-K、OATP1B1、OATP1B3、OAT1、OAT3、OCT1、OCT2に対する阻害作用は示さなかった。また、SGLT1の基質であり、阻害作用(IC50値:64.7mmol/L)を有することが示唆されたが、SGLT2の基質ではなく、阻害作用は示さなかった(in vitro)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
外国人腎機能正常者(CLcr≧90mL/min、8例)、軽度腎機能障害者(60≦CLcr<90mL/min、8例)、中等度腎機能障害者(30≦CLcr<60mL/min、8例)及び重度腎機能障害者(15≦CLcr<30mL/min、8例)にミガーラスタットとして123mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。また、腎機能正常者、軽度、中等度及び重度腎機能障害者の半減期(幾何平均値)は6.4、7.7、22.2及び32.3時間であり、腎機能の低下に伴い延長した。[9.2.1参照]
表5 腎機能正常者及び腎機能障害者における薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)AUC0-inf(ng・h/mL)腎機能正常者に対する最小二乗幾何平均値の比[90%信頼区間]
CmaxAUC0-inf
腎機能正常者(8例)2100(26.0)12397(27.7)
軽度腎機能障害者(8例)2191(28.8)14536(30.7)1.04[0.79,1.38]1.17[0.90,1.53]
中等度腎機能障害者(8例)1868(32.1)22460(42.2)0.89[0.67,1.18]1.81[1.39,2.36]
重度腎機能障害者(8例)2078(45.5)56154(24.9)0.99[0.75,1.31]4.53[3.48,5.90]
幾何平均値(変動係数%)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 アガルシダーゼ アルファ及びアガルシダーゼ ベータ
外国人男性ファブリー病患者(12例)にアガルシダーゼ アルファ0.2mg/kg又はアガルシダーゼ ベータ0.5mg/kg若しくは1.0mg/kgを静脈内投与下でミガーラスタットとして123mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
表6 血漿中ミガーラスタット濃度又は血漿中α-Gal A活性に及ぼす影響
アガルシダーゼの投与量血漿中ミガーラスタット濃度の最小二乗幾何平均値の比a[90%信頼区間]血漿中α-Gal A活性の最小二乗幾何平均値の比b[90%信頼区間]
CmaxAUC0-infCmaxAUC0-inf
アガルシダーゼ アルファ0.2mg/kg(4例)1.03[0.80,1.31]1.03[0.67,1.56]1.71[1.44,2.02]4.15[3.28,5.25]
アガルシダーゼ ベータ0.5mg/kg(5例)1.01[0.70,1.45]1.10[0.68,1.78]1.73[1.35,2.21]2.83[2.12,3.77]
アガルシダーゼ ベータ1.0mg/kg(3例)0.95[0.46,1.95]1.01[0.65,1.55]1.39[0.97,2.01]1.99[1.50,2.63]
全体(12例)1.00[0.79,1.26]1.05[0.81,1.37]1.63[1.44,1.84]2.94[2.43,3.56]
a:アガルシダーゼ併用投与/本剤単独投与、b:本剤併用投与/アガルシダーゼ単独投与
16.7.2 カフェイン及び甘味料
外国人健康成人(20例)にミガーラスタットとして123mgと各飲料(カフェイン含有飲料又は甘味料含有飲料)を絶食下で同時摂取したときのミガーラスタットの薬物動態に及ぼす影響は以下のとおりであった。[10.2参照]
表7 血漿中ミガーラスタット濃度に及ぼす影響
飲料血漿中ミガーラスタット濃度の最小二乗幾何平均値の比c[90%信頼区間]
CmaxAUC0-inf
カフェイン含有飲料
(カフェインとして190mg)
0.40[0.35,0.45]0.45[0.39,0.53]
ショ糖含有飲料
(ショ糖として26g)
0.95[0.84,1.09]0.91[0.79,1.06]
カフェイン及びショ糖含有飲料
(カフェインとして190mg、ショ糖として26g)
0.46[0.40,0.52]0.48[0.41,0.56]
アスパルテーム含有飲料
(アスパルテームとして125mg)
1.03[0.91,1.18]1.03[0.89,1.19]
アセスルファムカリウム含有飲料
(アセスルファムカリウムとして40mg)
0.92[0.81,1.05]0.95[0.81,1.11]
対照群として、本剤を水で服用する群を設定した。c:本剤を各飲料で同時摂取する群/本剤を水で服用する群

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カフェイン
[16.7.2参照]
カフェインとの同時摂取により、本剤のCmax及びAUC0-infがそれぞれ60%及び55%減少したとの報告があることから、本剤服用の前後2時間は摂取を避けること。機序は不明である。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上5%以上10%未満1%以上5%未満
心臓動悸
耳および迷路回転性めまい
胃腸下痢悪心、腹痛、便秘、口内乾燥、便意切迫、消化不良、嘔吐
一般・全身疲労、疼痛
臨床検査血中クレアチンホスホキナーゼ増加、体重増加、血圧上昇
筋骨格系および結合組織筋痙縮、筋肉痛、斜頚、四肢痛
神経系頭痛錯感覚浮動性めまい、感覚鈍麻
精神うつ病
腎および尿路蛋白尿
呼吸器、胸郭および縦隔呼吸困難、鼻出血
皮膚および皮下組織発疹、そう痒症
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