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献血ヴェノグロブリンIH10%静注0.5g/5mL、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○低並びに無ガンマグロブリン血症
  • ○重症感染症における抗生物質との併用
  • ○特発性血小板減少性紫斑病(他剤が無効で、著明な出血傾向があり、外科的処置又は出産等一時的止血管理を必要とする場合)
  • ○川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合)
  • ○多発性筋炎・皮膚筋炎における筋力低下の改善(ステロイド剤が効果不十分な場合に限る)
  • ○慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善
  • ○慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)
  • ○全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)
  • ○天疱瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合)
  • ○血清IgG2値の低下を伴う、肺炎球菌又はインフルエンザ菌を起炎菌とする急性中耳炎、急性気管支炎又は肺炎の発症抑制(ワクチン接種による予防及び他の適切な治療を行っても十分な効果が得られず、発症を繰り返す場合に限る)
  • ○水疱性類天疱瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合)
  • ○ギラン・バレー症候群(急性増悪期で歩行困難な重症例)
  • ○抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作

用法・用量

  • <効能共通>

    • 本剤は効能又は効果に応じて以下のとおり投与する。なお、直接静注する場合は、きわめて緩徐に行うこと。
      • <低並びに無ガンマグロブリン血症>

        • 通常、1回人免疫グロブリンGとして200~600mg(2~6mL)/kg体重を3~4週間隔で点滴静注又は直接静注する。患者の状態によって適宜増減する。
      • <重症感染症における抗生物質との併用>

        • 通常、成人に対しては、1回人免疫グロブリンGとして2,500~5,000mg(25~50mL)を、小児に対しては、1回人免疫グロブリンGとして100~150mg(1~1.5mL)/kg体重を点滴静注又は直接静注する。症状によって適宜増量する。
      • <特発性血小板減少性紫斑病>

        • 通常1日に、人免疫グロブリンGとして200~400mg(2~4mL)/kg体重を点滴静注又は直接静注する。なお、5日間使用しても症状に改善が認められない場合は、以降の投与を中止すること。年齢及び症状に応じて適宜増減する。
      • <川崎病の急性期>

        • 通常、人免疫グロブリンGとして1日に400mg(4mL)/kg体重を5日間点滴静注又は直接静注、若しくは人免疫グロブリンGとして2,000mg(20mL)/kg体重を1回点滴静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。
      • <多発性筋炎・皮膚筋炎における筋力低下の改善(ステロイド剤が効果不十分な場合に限る)>

        • 通常、成人には1日に人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を5日間点滴静注する。
      • <慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善>

        • 通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を5日間連日点滴静注又は直接静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。
      • <慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)>

        • 通常、人免疫グロブリンGとして「1,000mg(10mL)/kg体重を1日」又は「500mg(5mL)/kg体重を2日間連日」を3週間隔で点滴静注する。
      • <全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)>

        • 通常、成人には1日に人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を5日間点滴静注する。
      • <天疱瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合)>

        • 通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を5日間連日点滴静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。
      • <血清IgG2値の低下を伴う、肺炎球菌又はインフルエンザ菌を起炎菌とする急性中耳炎、急性気管支炎又は肺炎の発症抑制(ワクチン接種による予防及び他の適切な治療を行っても十分な効果が得られず、発症を繰り返す場合に限る)>

        • 人免疫グロブリンGとして初回は300mg(3mL)/kg体重、2回目以降は200mg(2mL)/kg体重を投与する。投与間隔は、通常、4週間とする。
      • <水疱性類天疱瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合)>

        • 通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を5日間連日点滴静注する。
      • <ギラン・バレー症候群(急性増悪期で歩行困難な重症例)>

        • 通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を5日間連日点滴静注する。
      • <抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作>

        • 通常、人免疫グロブリンGとして、1日あたり1,000mg(10mL)/kg体重を点滴静注する。ただし、患者の年齢及び状態に応じて適宜減量する。なお、総投与量は4,000mg(40mL)/kg体重を超えないこと。

禁忌 

【警告】

  • 抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作に用いる場合は、腎移植患者の管理に精通している医師又はその指導のもとで行うこと。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.2 IgA欠損症の患者
抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。
9.1.3 脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。大量投与による血液粘度の上昇等により脳梗塞又は心筋梗塞等の血栓塞栓症を起こすおそれがある。[9.8、11.1.7参照]
9.1.4 血栓塞栓症の危険性の高い患者
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。大量投与による血液粘度の上昇等により血栓塞栓症を起こすおそれがある。[11.1.7参照]
9.1.5 溶血性・失血性貧血の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。[8.2.1参照]
9.1.6 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。[8.2.1参照]
9.1.7 心機能の低下している患者
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。大量投与により、心不全を発症又は悪化させるおそれがある。[11.1.8参照]
9.1.8 急性腎障害の危険性の高い患者
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。[11.1.4参照]
9.2 腎機能障害患者
腎機能を悪化させるおそれがある。[11.1.4参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。[8.2.1参照]
9.7 小児等
<効能共通>
9.7.1 投与速度に注意するとともに、経過を十分に観察すること。ショック等重篤な副作用を起こすことがある。[7.1、7.2参照]
<川崎病の急性期>
9.7.2 投与後の観察を十分に行うこと。特に1歳未満の乳幼児群に投与した場合、AST、ALT上昇等の肝機能障害発現率が高い傾向が認められている。
<抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作>
9.7.3 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
<抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作以外の効能又は効果>
9.7.4 低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。また、一般に脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者がみられ、血栓塞栓症を起こすおそれがある。[9.1.3、11.1.7参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
8.2 本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体、抗HTLV-1抗体陰性で、かつALT値でスクリーニングを実施している。更に、HBV、HCV及びHIVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。本剤は、以上の検査に適合した血漿を原料として、Cohnの低温エタノール分画で得た画分からポリエチレングリコール4000処理、DEAEセファデックス処理等により人免疫グロブリンを濃縮・精製した製剤であり、ウイルス不活化・除去を目的として、製造工程において60℃、10時間の液状加熱処理、ウイルス除去膜によるろ過処理及びpH3.9~4.4の条件下での液状インキュベーション処理を施しているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
8.2.1 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。[9.1.5、9.1.6、9.5参照]
8.2.2 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
8.3 本剤は抗A及び抗B血液型抗体を有する。したがって、血液型がO型以外の患者に大量投与したとき、まれに溶血性貧血を起こすことがある。
8.4 急性腎障害があらわれることがあるので、投与に先立って患者が脱水状態にないことを確認すること。[11.1.4参照]
<特発性血小板減少性紫斑病>
8.5 本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.6 小児の急性特発性血小板減少性紫斑病は多くの場合自然寛解するものであることを考慮すること。
<天疱瘡、水疱性類天疱瘡>
8.7 本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
<川崎病の急性期>
8.8 追加投与は、本剤投与による効果が不十分(発熱の持続等)で、症状の改善がみられないなど必要と判断される場合にのみ行うこと。本剤追加投与に関しては有効性及び安全性は確立していない。
<多発性筋炎・皮膚筋炎における筋力低下の改善、全身型重症筋無力症>
8.9 本剤投与後に明らかな臨床症状の悪化が認められた場合には、治療上の有益性と危険性を十分に考慮した上で、本剤の再投与を判断すること。本剤を再投与した場合の有効性、安全性は確立していない。
<慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)>
8.10 本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.11 「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善」の用法・用量で本剤を反復投与した場合の有効性、安全性は確立していないことに留意すること。
8.12 「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の運動機能低下の進行抑制」を目的として用いる場合、臨床症状の観察を十分に行い継続投与の必要性を確認すること。また、本剤の投与開始後にも運動機能低下の再発・再燃が繰り返し認められる等、本剤による効果が認められない場合には、本剤の継続投与は行わず、他の治療法を考慮すること。
8.13 「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の運動機能低下の進行抑制」を目的として本剤を継続投与した結果、運動機能低下の再発・再燃が認められなくなった場合には、本剤の投与中止を考慮すること。
<ギラン・バレー症候群>
8.14 筋力低下の改善が認められた後、再燃することがあるので、その場合には本剤の再投与を含め、適切な処置を考慮すること。
<抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作>
8.15 大量投与に伴う水分負荷を考慮し、適切な水分管理を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 他剤との混合注射を避けること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 室温程度に戻した後投与すること。
14.2.2 不溶物の認められるもの又は混濁しているものは使用してはならない。
14.2.3 本剤をシリコンオイルが塗布されているシリンジで採取した場合、浮遊物が発生する可能性がある。投与前に薬液中に浮遊物がないか目視で確認すること。浮遊物が認められた場合には投与しないこと。
14.2.4 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れないよう注意すること。乳幼児において、点滴静注時に血管外へ漏れ、投与部位を中心に皮膚潰瘍、皮膚壊死があらわれた例が報告されている。
14.2.5 使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていない。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 急速に注射すると血圧降下を起こす可能性がある。特に低並びに無ガンマグロブリン血症の患者には注意すること。[7.2、9.7.1参照]
7.2 投与速度
ショック等の副作用は初日の投与開始1時間以内、また投与速度を上げた際に起こる可能性があるので、これらの時間帯については特に注意すること。[7.1、9.7.1参照]
7.2.1 初日の投与開始から1時間は0.01mL/kg/分で投与し、副作用等の異常所見が認められなければ、徐々に速度を上げてもよい。ただし、0.06mL/kg/分を超えないこと。2日目以降は、前日に耐容した速度で投与することができる。
<川崎病の急性期>
7.3 2,000mg(20mL)/kgを1回で投与する場合は、基本的には7.2.1の投与速度を遵守することとするが、急激な循環血液量の増大に注意し、6時間以上かけて点滴静注すること。
<低並びに無ガンマグロブリン血症>
7.4 用法及び用量は、血清IgGトラフ値を参考に、基礎疾患や感染症などの臨床症状に応じて、投与量、投与間隔を調節する必要があることを考慮すること。
<多発性筋炎・皮膚筋炎における筋力低下の改善、全身型重症筋無力症>
7.5 少なくとも本剤投与後4週間は本剤の再投与を行わないこと。4週間以内に再投与した場合の有効性及び安全性は検討されていない。
<慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善>
7.6 本剤投与終了1ヵ月後に筋力低下の改善が認められることがあるので、投与後の経過を十分に観察し、本剤投与終了後1ヵ月間においては本剤の追加投与は行わないこと。
<天疱瘡、水疱性類天疱瘡>
7.7 本剤投与終了4週後までに症状の改善が認められることがあるので、投与後の経過を十分に観察し、本剤投与終了後4週間においては本剤の追加投与は行わないこと。
<抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作>
7.8 本剤は投与開始から7日間以内を目安に投与を完了するが、患者の年齢及び状態に応じて適宜調節すること。
<血清IgG2値の低下を伴う、肺炎球菌又はインフルエンザ菌を起炎菌とする急性中耳炎、急性気管支炎又は肺炎の発症抑制>
7.9 本剤の投与は6回を目安とすること。なお、投与を再開する場合には、対象患者の条件への適合を再度確認し、本剤投与の要否を判断すること。[5.10参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<重症感染症における抗生物質との併用>
5.1 適切な抗菌化学療法によっても十分な効果の得られない重症感染症を対象とすること。
<川崎病の急性期>
5.2 発病後7日以内に投与を開始することが望ましい。
<多発性筋炎・皮膚筋炎における筋力低下の改善>
5.3 原則として、下記ステロイド剤が効果不十分の判断基準において、いずれかのステロイド剤による治療を実施しても十分な効果の得られない患者を対象とすること。
5.3.1 本剤投与12週以上前からの治療歴で判断する場合
本剤投与の12週以上前に副腎皮質ステロイドをプレドニゾロン換算で50mg/日以上又は1mg/kg/日以上のステロイド大量療法にて1ヵ月以上治療した治療歴があり、その後も本剤投与開始時までステロイド治療を継続していたにもかかわらず、十分な改善が認められず、血中CK値が基準値上限を超えている患者。
5.3.2 本剤投与前の12週未満の治療歴で判断する場合
本剤投与前6~12週の時点で副腎皮質ステロイドをプレドニゾロン換算で50mg/日以上又は1mg/kg/日以上のステロイド大量療法を実施していた治療歴があり、その後も本剤投与開始時までステロイド治療を継続していたにもかかわらず、十分な改善が認められず、血中CK値が基準値上限を超えており、4週間以上の間隔をおいて測定された直近の検査値の比較で、血中CK値の低下が認められていない患者。
5.4 本剤は多発性筋炎・皮膚筋炎における皮膚症状の改善を目的として投与する薬剤ではない。本剤の皮膚症状に対する有効性は確立していない。
<全身型重症筋無力症>
5.5 ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤による適切な治療によっても十分効果が得られない患者のみを対象とすること。また、本剤による治療を行う前に、胸腺摘除術の実施を考慮すること。献血ヴェノグロブリンIH5%(以下、5%製剤)を用いた臨床試験では、プレドニゾロン換算で60mg/隔日以上若しくは1.2mg/kg/隔日以上、又は30mg/連日以上若しくは0.6mg/kg/連日以上のステロイド剤を4週間以上服用した治療歴があり、現在も継続してステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤を服用しているにもかかわらず十分な改善が認められない又は再燃を繰り返す患者に対し、本剤の有効性及び安全性が検討されている。[17.1.6参照]
<慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の運動機能低下の進行抑制>
5.6 「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善」に対する本剤の有効性が認められたものの、症状の再発・再燃を繰り返している患者にのみ投与すること。
<天疱瘡>
5.7 副腎皮質ホルモン剤による適切な治療によっても十分な効果が得られない患者のみを対象とすること。同種同効製剤(乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン)の臨床試験では、副腎皮質ホルモン剤20mg/日(プレドニゾロン換算)以上を3~7日間使用したにもかかわらず、臨床症状の改善が認められなかった患者に対し、当該製剤の有効性及び安全性が検討されている。
5.8 腫瘍随伴性天疱瘡、疱疹状天疱瘡、薬剤誘発性天疱瘡に対する有効性及び安全性は確立していない。
<水疱性類天疱瘡>
5.9 副腎皮質ホルモン剤による適切な治療によっても十分な効果が得られない患者のみを対象とすること。同種同効製剤(乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン)の臨床試験では、副腎皮質ホルモン剤0.4mg/kg/日(プレドニゾロン換算)以上を7~21日間使用したにもかかわらず、臨床症状の改善が認められなかった患者に対し、当該製剤の有効性及び安全性が検討されている。
<血清IgG2値の低下を伴う、肺炎球菌又はインフルエンザ菌を起炎菌とする急性中耳炎、急性気管支炎又は肺炎の発症抑制>
5.10 投与開始時に以下のすべての条件を満たす患者にのみ投与すること。[7.9参照]
・過去6ヵ月間に急性中耳炎として4回以上、又は、急性気管支炎若しくは肺炎として2回以上の発症を認めること。
・起炎菌として肺炎球菌又はインフルエンザ菌が同定されていること。
・血清IgG2値80mg/dL未満が継続していること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
低並びに無ガンマグロブリン血症患者における5%製剤の半減期は、約27±3日だった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
非経口用生ワクチン
麻疹ワクチン
おたふくかぜワクチン
風疹ワクチン
これら混合ワクチン
水痘ワクチン
本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3ヵ月以上延期すること。また、生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は、投与後3ヵ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい。なお、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、川崎病、多発性筋炎・皮膚筋炎、多巣性運動ニューロパチー(MMN)を含む慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)、全身型重症筋無力症、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、ギラン・バレー症候群、腎移植術前脱感作における大量療法(200mg/kg以上)後に生ワクチンを接種する場合は、原則として生ワクチンの接種を6ヵ月以上(麻疹感染の危険性が低い場合の麻疹ワクチン接種は11ヵ月以上)延期すること。本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(2.1%)
呼吸困難、頻脈、喘鳴、喘息様症状、胸内苦悶、血圧低下、脈拍微弱、チアノーゼ等が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 肝機能障害(1.0%)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.3 無菌性髄膜炎(0.2%)
大量投与により無菌性髄膜炎(項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等)があらわれることがある。
11.1.4 急性腎障害(1.0%)
腎機能検査値(BUN、血清クレアチニン等)の悪化、尿量減少が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.4、9.1.8、9.2参照]
11.1.5 血小板減少(0.2%)
11.1.6 肺水腫(頻度不明)
呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7 血栓塞栓症(0.4%)
大量投与例で、血液粘度の上昇等により、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがある。中枢神経症状(めまい、意識障害、四肢麻痺等)、胸痛、突然の呼吸困難、息切れ、下肢の疼痛・浮腫等の症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.3、9.1.4、9.8参照]
11.1.8 心不全(頻度不明)
主として大量投与例で、循環血液量過多により心不全を発症又は悪化させることがある。呼吸困難、心雑音、心機能低下、浮腫、尿量減少等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.7参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.5~5%未満0.5%未満頻度不明
過敏症発疹、汗疱蕁麻疹、顔面潮紅、局所性浮腫、そう痒感全身発赤、水疱
精神神経系振戦不穏痙攣、傾眠、意識障害、しびれ
循環器顔色不良、血圧上昇四肢冷感徐脈
肝臓肝機能検査値の異常(AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇等)
呼吸器咳嗽、喘息様症状低酸素血症
消化器悪心、嘔吐下痢腹痛
血液白血球減少好中球減少、好酸球増多溶血性貧血
その他頭痛、発熱、悪寒・戦慄、倦怠感、CK上昇体温低下、背部痛、ほてり、静脈炎四肢痛、関節痛、不機嫌、血管痛、注射部位反応(腫脹、紅斑等)
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