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ガドビスト静注1.0mol/L 2mL

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 磁気共鳴コンピューター断層撮影における下記造影

    • ○脳・脊髄造影
    • ○躯幹部・四肢造影

用法・用量

  • 通常、本剤0.1mL/kgを静脈内投与する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤を髄腔内に投与すると重篤な副作用を発現するおそれがあるので、髄腔内には投与しないこと。[14.1.1参照]
  • 1.2 重篤な腎障害のある患者では、ガドリニウム造影剤による腎性全身性線維症の発現のリスクが上昇することが報告されているので、腎障害のある患者又は腎機能が低下しているおそれのある患者では、十分留意すること。[9.2.1-9.2.3、11.1.3参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分又はガドリニウム造影剤に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 一般状態の極度に悪い患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.2 気管支喘息の患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。ショック、アナフィラキシーがあらわれることがある。また、喘息発作を誘発することがある。[8.1、11.1.1参照]
9.1.3 アレルギー性鼻炎、発疹、じん麻疹等を起こしやすいアレルギー体質を有する患者[8.1参照]
9.1.4 両親、兄弟に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、発疹、じん麻疹等を起こしやすいアレルギー体質を有する患者[8.1参照]
9.1.5 薬物過敏症の既往歴のある患者[8.1参照]
9.1.6 既往歴を含めて、痙攣、てんかん及びその素質のある患者
痙攣があらわれることがある。[11.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。本剤の主要排泄経路であり、排泄遅延と腎機能を悪化させるおそれがある。[1.2、11.1.3参照]
9.2.2 長期透析が行われている終末期腎障害、eGFR(estimated glomerular filtration rate:推算糸球体ろ過値)が30mL/min/1.73m2未満の慢性腎障害、急性腎障害の患者(重篤な腎障害のある患者を除く)
本剤の投与を避け、他の検査法で代替することが望ましい。ガドリニウム造影剤による腎性全身性線維症の発現のリスクが上昇することが報告されている。[1.2、11.1.3参照]
9.2.3 腎障害のある患者又は腎機能が低下しているおそれのある患者(重篤な腎障害のある患者を除く)
患者の腎機能を十分に評価した上で慎重に投与すること。排泄が遅延するおそれがある。[1.2、11.1.3、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット及びウサギの胚・胎児発生に関する試験において、母動物に重度の全身毒性を発現する用量(10mmol/kg)を反復静脈内投与した場合に、ラットでは胎児に軽度な骨変異の増加が、ウサギでは流産及び早産の軽度増加、胎児に軽度な骨変異の増加が観察された。健康成人での曝露量(Cmax及びAUC)と比較した安全域は、ラットで5.3及び2.6、ウサギで7.1及び7.5であった。また、サルの胚・胎児発生に関する試験において、2.5mmol/kg(通常臨床用量の25倍)を投与した場合に流産の増加傾向が観察された。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
2~17歳の患者を対象とした臨床試験では、138例中8例(5.8%)に副作用が認められた。発現した主な副作用は、味覚異常2例(1.4%)、熱感2例(1.4%)であった。また、0~2歳未満の患者を対象とした臨床試験では、44例中1例(2.3%)に嘔吐が認められた(外国人データ)。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与にあたっては、気管支喘息等のアレルギー体質等について十分な問診を行うこと。[9.1.2-9.1.5参照]
8.2 ショック、アナフィラキシー等の重篤な副作用が発現することがあるので、本剤の投与にあたっては、救急処置の準備を行うこと。また、投与開始より1時間~数日後にも遅発性副作用(発熱、発疹、悪心、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがあるので、投与後も患者の状態を十分に観察すること。患者に対して、上記の症状があらわれた場合には速やかに主治医等に連絡するよう指導するなど適切な対応をとること。[11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 髄腔内投与は行わないこと。[1.1参照]
14.1.2 静脈内投与により血管痛、静脈炎があらわれることがある。
14.1.3 誤って血管外に造影剤を漏出させた場合には、発赤、腫脹、水疱、疼痛等があらわれることがあるので、注入時に十分注意すること。
14.2 薬剤投与後の注意
1回の検査にのみ使用し、余剰の溶液は廃棄すること。

5.効能又は効果に関連する注意

ガドリニウム造影剤を複数回投与した患者において、非造影T1強調MR画像上、小脳歯状核、淡蒼球等に高信号が認められたとの報告や脳の剖検組織からガドリニウムが検出されたとの報告があるので、ガドリニウム造影剤を用いた検査の必要性を慎重に判断すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子に本剤0.1、0.2注)及び0.3注)mmol/kgを単回静脈内投与したところ、血漿中ガドリニウム濃度は2相性の消失を示し、最終相半減期は約1.8時間であった。
16.3 分布
健康成人男子に本剤0.1、0.2注)及び0.3注)mmol/kgを単回静脈内投与したところ、ガドブトロールの定常状態における分布容積は体重の約20%であり、細胞外液量とおおむね一致していることから、ガドブトロールは主に細胞外液中に分布するものと考えられた。In vitroにおいて、ガドブトロールのヒト血漿タンパクとの明らかな結合は認められなかった(タンパク結合率の実測値は3~5%)。
16.4 代謝
ガドブトロールは代謝を受けない。
16.5 排泄
健康成人男子に本剤0.1、0.2注)及び0.3注)mmol/kgを単回静脈内投与したところ、ガドブトロールの尿中排泄は投与後12時間までにほぼ完了し、投与量の90%以上が尿中に排泄された。ガドブトロールの全身クリアランスは1.63~1.78mL/min/kgであり、腎クリアランス(1.49~1.79mL/min/kg)及びクレアチニンクリアランスと同程度であったことから、ガドブトロールの主排泄経路は尿中排泄であり、主に糸球体ろ過により未変化体として尿中に排泄されるものと考えられた。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎障害患者
腎障害を有する患者に本剤0.1mmol/kgを単回静脈内投与したところ、腎障害の程度が重いほど血清中からのガドブトロールの消失は遅延した。平均最終相半減期は、軽度から中等度(クレアチニンクリアランス:30~80mL/min/1.73m2)の腎障害患者では5.8時間、重度(クレアチニンクリアランス:30mL/min/1.73m2未満、透析不要)の腎障害患者では17.6時間であった。全身クリアランスは、軽度から中等度の腎障害患者では0.49mL/min/kg、重度の腎障害患者では0.16mL/min/kgに低下した。軽度から中等度の腎障害患者では、投与後72時間までにガドブトロールの尿中排泄は完了した。重度の腎障害患者では、投与後5日までの尿中排泄は投与量の約80%であった。透析患者では、3回の透析により約98%のガドブトロールが血清中より除去された(外国人データ)。[9.2.3参照]
16.6.2 新生児、乳幼児及び小児患者
0~17歳の新生児、乳幼児及び小児患者に本剤0.1mmol/kgを単回静脈内投与したところ、健康成人男子と同様の薬物動態を示した。2~17歳の患者において、本剤投与後6時間までに投与量の94%以上が尿中にガドブトロールとして排泄された(外国人データ)。
16.6.3 高齢者
65歳以上の健康高齢者に本剤0.1mmol/kgを単回静脈内投与したところ、健康非高齢者に比べて平均最終相半減期は、男性では約33%、女性では約58%延長した。全身クリアランスは、男性では約25%、女性では約35%低下した。ガドブトロールの尿中排泄は投与後24時間までに完了した(外国人データ)。
注)本剤の承認用量は、0.1mL/kg(0.1mmol/kg)である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(血圧低下、呼吸困難、意識消失、咽・喉頭浮腫、顔面浮腫、呼吸停止、心停止等)があらわれることがある。[8.2、9.1.2参照]
11.1.2 痙攣発作(頻度不明)
痙攣発作(意識消失を伴う場合がある)等を起こすことがあるので、発現した場合はフェノバルビタール等バルビツール酸誘導体又はジアゼパム等を投与すること。[9.1.6参照]
11.1.3 腎性全身性線維症(Nephrogenic Systemic Fibrosis、NSF)(頻度不明)
外国において、重篤な腎障害のある患者への本剤投与後に、腎性全身性線維症を発現した症例が報告されているので、投与後も観察を十分に行い、皮膚のそう痒、腫脹、硬化、関節の硬直、筋力低下等の異常の発生には十分留意すること。[1.2、9.2.1-9.2.3参照]
11.1.4 急性呼吸窮迫症候群、肺水腫(いずれも頻度不明)
急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には、必要に応じ適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%未満頻度不明
過敏症発疹、潮紅、じん麻疹血管浮腫、紅斑、そう痒感
精神神経系頭痛めまい
感覚器結膜炎、味覚異常、錯感覚、嗅覚錯誤
消化器嘔気、嘔吐、口内乾燥
循環器血圧上昇、頻脈蒼白、チアノーゼ、動悸
呼吸器気管支痙攣、咳嗽、くしゃみ、呼吸困難
自律神経系多汗症
その他熱感、注射部位反応胸痛、倦怠感、冷感
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