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デクスメデトミジン静注液200μg/50mLシリンジ「ニプロ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静
  • 局所麻酔下における非挿管での手術及び処置時の鎮静

用法・用量

  • 集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静

    • 通常、成人には、デクスメデトミジンを6μg/kg/時の投与速度で10分間静脈内へ持続注入し(初期負荷投与)、続いて患者の状態に合わせて、至適鎮静レベルが得られる様、維持量として0.2~0.7μg/kg/時の範囲で持続注入する(維持投与)。また、維持投与から開始することもできる。なお、患者の状態に合わせて、投与速度を適宜減速すること。
  • 局所麻酔下における非挿管での手術及び処置時の鎮静

    • 通常、成人には、デクスメデトミジンを6μg/kg/時の投与速度で10分間静脈内へ持続注入し(初期負荷投与)、続いて患者の状態に合わせて、至適鎮静レベルが得られる様、維持量として0.2~0.7μg/kg/時の範囲で持続注入する(維持投与)。なお、患者の状態に合わせて、投与速度を適宜減速すること。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の投与により低血圧、高血圧、徐脈、心室細動等があらわれ、心停止にいたるおそれがある。したがって、本剤は、患者の呼吸状態、循環動態等の全身状態を注意深く継続的に監視できる設備を有し、緊急時に十分な措置が可能な施設で、本剤の薬理作用を正しく理解し、集中治療又は非挿管下での鎮静における患者管理に熟練した医師のみが使用すること。(「4.副作用 1)重大な副作用」の項参照)
  • 迷走神経の緊張が亢進しているか、急速静注、単回急速投与等、通常の用法・用量以外の方法で本剤を投与した場合に重篤な徐脈、洞停止等があらわれたとの報告があるので、本剤は定められた用法・用量に従い、緩徐に持続注入することを厳守し、患者の状況を慎重に観察するとともに、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。(「4.副作用 1)重大な副作用」の項参照)
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

心血管系障害のある患者[低血圧、徐脈があらわれやすくなる。患者の全身状態を十分に観察しながら投与速度を調節すること。特に高度な心ブロックを伴う患者等は重度の徐脈があらわれるおそれがある。徐脈に対してはあらかじめアトロピンの投与、ペースメーカーの使用を考慮すること。]
心機能が低下している患者[本剤の初期負荷投与時に一過性の血圧上昇があらわれることがあり、予期せぬ重篤な循環動態の変動を誘発するおそれがあるので、投与速度の急激な変更は避け、常に循環動態及び出血量を監視しながら慎重に投与速度を調節すること。また、必要に応じて強心薬及び血管作動薬を併用しながら、慎重に投与し、適切な循環動態の維持を行うこと。]
循環血流量が低下している患者[低血圧があらわれやすくなる。本剤投与開始前及び投与中に輸液負荷等を行い、患者の全身状態を慎重に観察しながら投与速度を調節すること。循環血流量が低下した状態で低血圧が持続した場合は、肝血流量の低下から本剤の消失が遅延するおそれがある。このような場合は特に注意を払って投与速度の減速を考慮すること。]
肝機能障害のある患者[肝機能障害の程度が重度になるにしたがって本剤の消失が遅延し、鎮静作用の増強や副作用があらわれやすくなるおそれがあるので、投与速度の減速を考慮し、特に重度の肝機能障害患者に対しては、患者の全身状態を慎重に観察しながら投与速度を調節すること。]
腎機能障害のある患者[鎮静作用の増強や副作用があらわれやすくなるおそれがあるので、投与速度の減速を考慮し、患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。]
高齢者[生理機能の低下により、低血圧や徐脈等の副作用があらわれやすくなる。](「5.高齢者への投与」の項参照)
血液浄化を受けている患者[頻回に鎮静深度を観察しながら必要に応じて本剤の投与速度を調節すること。持続血液浄化法の導入時、終了時、あるいはカラム交換時や血液量、水分除去率の変更時には特に注意を払い、患者の鎮静深度及び循環動態を観察すること。]
薬物依存又は薬物過敏症の既往歴のある患者

重要な基本的注意

共通
移送を伴う場合には、患者管理に熟練した医師の付き添いのもと、循環動態、呼吸等について継続的な監視体制が整った状況で投与し、循環動態の変動及び呼吸等に特に注意すること。
本剤はα2受容体刺激作用に基づく鎮痛作用を有するため、他の鎮痛剤と併用する際には鎮痛剤の過量投与に注意すること。
本剤投与中は至適鎮静レベルが得られるよう患者の全身状態を観察しながら投与速度を調節すること。本剤を投与されている患者は刺激を与えると容易に覚醒し、速やかに反応するが、これは本剤の特徴であるため、他の臨床徴候及び症状がない場合、効果不十分であると考えないよう注意すること。
本剤の初期負荷投与中にあらわれる一過性の血圧上昇に対しては、投与速度の減速を考慮する必要があるが、重大な血圧上昇があらわれた場合には、更に適切な処置を行うこと。(「用法・用量に関連する使用上の注意2)」の項参照)
本剤の投与により低血圧、徐脈等があらわれるおそれがある。特に迷走神経の緊張が亢進している患者であらわれやすい。患者の観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。(「4.副作用 1)重大な副作用」の項参照)
本剤投与中はバイタルサインの変動に注意して循環器系に対する観察及び対応を怠らないこと。
全血又は血漿を投与しているカテーテルに本剤を注入しないこと。
本剤を長期投与した後、使用を突然中止した場合、クロニジンと同様のリバウンド現象があらわれるおそれがある。これらの症状として神経過敏、激越及び頭痛があらわれ、同時に又はこれに続いて血圧の急激な上昇及び血漿中カテコラミン濃度の上昇があらわれるおそれがある。
集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静
本剤の投与に際しては集中治療に習熟した医師が本剤の薬理作用を正しく理解した上で患者の全身状態を注意深く継続して監視すること。また、気道確保、酸素吸入、人工呼吸、循環管理を行えるよう準備をしておくこと。
人工呼吸器からの離脱の過程及び離脱後では、患者の呼吸状態を十分に観察すること。
局所麻酔下における非挿管での手術及び処置時の鎮静
本剤の投与に際しては非挿管下での鎮静における患者管理に熟練した医師が、本剤の薬理作用を正しく理解し、患者の鎮静レベル及び全身状態を注意深く継続して管理すること。また、気道確保、酸素吸入、人工呼吸、循環管理を行えるよう準備をしておくこと。
局所麻酔下における手術・処置を行う医師とは別に、意識状態、呼吸状態、循環動態等の全身状態を観察できる医療従事者をおいて、手術・処置中の患者を観察すること。
本剤は適切に鎮痛を行った上で使用すること。
硬膜外・脊髄くも膜下麻酔時には、輸液の投与等により、循環動態の変動が安定した後に本剤の投与を開始するなど、併用に注意すること。
全身状態に注意し、手術・処置後は患者が回復するまで管理下に置くこと。なお、鎮静の影響が完全に消失するまでは自動車の運転、危険を伴う機械の操作等に従事しないよう、患者に注意すること。

適用上の注意

投与経路
本剤は静脈内投与のみとすること。
投与方法
本剤を持続注入するにあたっては、投与速度の調節可能な注入器具(シリンジポンプ)を使用すること。(針をつけて直接投与しないこと。)
シリンジポンプを用いて投与する場合は、下記の点に注意すること。
シリンジポンプにセットする際、本シリンジが使用可能な設定であることを必ず確認するとともに、シリンジポンプの取扱説明書に従って投与すること。
シリンジポンプの送り機構(スライダー)のフックに確実にセットすること。[正しくセットされていない場合、サイフォニング(自然落下による急速注入)や逆流が起こるおそれがある。]
配合変化
本剤は以下の薬剤との配合変化(沈殿を生ずる)が示されているので混合しないよう注意すること。
アムホテリシンB、ジアゼパム
本剤は以下の輸液製剤及び薬剤との配合変化は示されていない。
リンゲル液、5%ブドウ糖液、生理食塩液、20%マンニトール、ベクロニウム臭化物、スキサメトニウム塩化物水和物、フェニレフリン塩酸塩、アトロピン硫酸塩水和物、ミダゾラム、モルヒネ塩酸塩水和物、フェンタニルクエン酸塩、ドパミン、ノルアドレナリン、ドブタミン

用法用量に関連する使用上の注意

共通
本剤は患者の循環動態が安定し、循環動態、呼吸等について継続的な監視体制が整った状況で投与を開始すること。
本剤の初期負荷投与中に一過性の血圧上昇があらわれた場合には、初期負荷投与速度の減速等を考慮すること。[本剤の末梢血管収縮作用により一過性の血圧上昇があらわれることがある。]
鎮静の維持開始速度は0.4μg/kg/時の速度を目安とし、初期負荷から維持への移行を慎重に行うこと。また、維持速度は0.7μg/kg/時を超えないこと。[他社が実施した海外臨床試験において、0.7μg/kg/時を超えて投与した場合に呼吸器系、精神神経系及び心血管系の有害事象の発現率が増加することが報告されている。]
本剤は投与速度を適切に調節することができるシリンジポンプを用いて、緩徐に持続的に投与すること。
集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静
本剤は人工呼吸中、離脱過程及び離脱後を通じて投与可能であるが、本剤の持続投与期間が120時間(5日間)を超える使用経験は少ないので、それを超えて鎮静が必要な場合には、患者の全身状態を引き続き慎重に観察すること。

効能効果に関連する使用上の注意

局所麻酔下における非挿管での手術及び処置時の鎮静
全身麻酔に移行する意識下気管支ファイバー挿管に対する本剤の有効性及び安全性は確立されていない。

高齢者への投与

高齢者では生理機能の低下により、鎮静作用の増強や副作用があらわれやすくなるおそれがある。投与速度の減速を考慮し、患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

本剤投与による治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物試験(ラット)において、生存胎児数の減少、胎盤移行性、子宮血流量低下によると考えられる胎児体重の低下及び骨化遅延が認められている。ヒトにおいて胎盤移行性が認められている。]
授乳婦へ投与する場合は本剤投与後24時間は授乳を避けさせること。[動物試験(ラット)及びヒトにおいて、乳汁移行性が認められている。]

小児等への投与

18歳未満の患者に対する安全性及び有効性は確立していない(使用経験が少ない)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ベンゾジアゼピン系薬剤
ミダゾラム
ジアゼパム

全身麻酔剤
プロポフォール
セボフルラン

局所麻酔剤
リドカイン塩酸塩

中枢神経系抑制剤
モルヒネ塩酸塩水和物
フェンタニルクエン酸塩
バルビツール酸誘導体
鎮静・麻酔・鎮痛作用が増強し、血圧低下、心拍数低下、呼吸数低下等の症状があらわれるおそれがあるので、併用する場合には投与速度を減速するなど慎重に投与すること。
他の鎮静薬、鎮痛薬等と併用する場合は、鎮静効果が相加的に増強するおそれがあるので、本剤あるいは他の鎮静薬、鎮痛薬の投与量を減量するなどの注意が必要である。
相互に作用(鎮静・麻酔・鎮痛作用、循環動態への作用)を増強するため。

重大な副作用 

(頻度不明)
低血圧
低血圧があらわれることがあるので、このような場合には、本剤の減速又は中止、輸液の増量、下肢の挙上、昇圧剤の使用等適切な処置を行うこと。
高血圧
高血圧があらわれることがあるので、このような場合には、本剤の減速又は中止、降圧剤の使用等適切な処置を行うこと。
徐脈
徐脈があらわれることがあるので、このような場合には、本剤の減速又は中止、迷走神経の緊張を軽減する目的で抗コリン剤(アトロピン等)の静脈内投与、ペースメーカーの使用等、適切な処置を行うこと。
心室細動
心室細動があらわれることがあるので、このような場合には、抗不整脈薬の投与、除細動、心肺蘇生等適切な処置を行うこと。
心停止、洞停止
心停止、洞停止があらわれることがあるので、このような場合には、本剤の中止、ペースメーカーの使用、除細動、心肺蘇生、強心剤の投与等適切な処置を行うこと。
低酸素症、無呼吸、呼吸困難、呼吸抑制、舌根沈下
低酸素症、一過性の無呼吸、呼吸困難、呼吸抑制、舌根沈下があらわれることがあるので、このような場合には、本剤の減速又は中止、気道確保、酸素投与、患者の刺激等適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次のような症状があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。

頻度不明
精神神経系激越、不安、錯乱、幻覚、めまい、頭痛、不全麻痺、せん妄、傾眠、落ち着きのなさ、うつ病、錯覚、神経過敏、意識低下、神経痛、神経炎、ニューロパシー、知覚脱失、ジストニア、言語障害、昏迷、痙攣
消化器嘔吐、嘔気、口内乾燥、腹痛、下痢、おくび
循環器心房細動、頻脈、末梢性虚血、血管障害、血圧変動、心不全、心電図異常、特異的心電図異常、高血圧悪化、心筋梗塞、不整脈、心室性不整脈、期外収縮、上室性頻脈、心室性頻脈、脳出血、血管拡張、脳血管障害、血管痙攣、循環不全、チアノーゼ、心疾患、狭心症、心筋虚血、心房性不整脈、AVブロック、脚ブロック、心ブロック、T波逆転、上室性不整脈
呼吸器無気肺、気管支痙攣、高炭酸ガス血症、低換気症、胸水、気胸、肺水腫、呼吸不全、徐呼吸、咳、喀血、肺炎、肺うっ血、呼吸障害
感覚器視覚異常、複視、光視症、耳不快感
血液出血、血小板減少症、貧血、白血球増加症、凝固障害、播種性血管内凝固症候群、好酸球増多症
肝臓AG比異常、血清AST(GOT)上昇、血清ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、黄疸、肝機能異常
皮膚多汗、紅斑性皮疹
泌尿器乏尿、腎機能異常、尿閉、多尿
代謝栄養口渇、アシドーシス、呼吸性アシドーシス、高血糖、高カリウム血症、血液量過多、低蛋白血症、NPN上昇、アルカリフォスファターゼ上昇、低カリウム血症、高ナトリウム血症
その他発熱、血液量減少、疼痛、背部痛、異常高熱、浮腫、悪寒、失神、胸痛、筋肉痛、感染、敗血症、異常感、薬剤離脱症候群注3)

注3)長期投与後の急激な投与中止により、離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行うこと。

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