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塩酸プロカルバジンカプセル50mg「TYP」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○悪性リンパ腫(ホジキン病、細網肉腫、リンパ肉腫)
  • ○以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法

    • 悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫

用法・用量

  • (1)通常成人では、プロカルバジンとして1日50~100mg(1~2カプセル)を1~2回に分割して経口投与を開始する。その後約1週間以内に漸増し、プロカルバジンとして1日150~300mg(3~6カプセル)を3回に分割投与し、臨床効果が明らかとなるまで連日投与する。
    悪性リンパ腫の寛解導入までに要する総投与量は、プロカルバジンとして通常5~7gである。
  • (2)悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合

    • プロカルバジンとして1日量60~75mg/m2を14日間経口投与し、これを6~8週毎に繰り返す。体表面積より算出されたプロカルバジンの1日量が75mg未満の場合は、50mg(1カプセル)、75mg以上125mg未満となった場合は100mg(2カプセル)、125mg以上175mg未満となった場合は150mg(3カプセル)を1日1~3回に分割して投与する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の電子添文を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 アルコール(飲酒)を摂取中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 骨髄機能抑制のある患者
骨髄機能抑制が増強するおそれがある。[8.1、11.1.2参照]
9.1.2 感染症を合併している患者
骨髄機能抑制により、感染症が悪化するおそれがある。
9.1.3 水痘患者
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
排泄が遅延するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
代謝が遅延するおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。外国においてプロカルバジン塩酸塩を含むMOPP療法を受けた小児ホジキン病患者で、非可逆的な精子形成不全(無精子症等)などの性腺障害が認められたとの報告がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラット、マウスにおいて、胎児の外形、骨格、内臓異常(20、60mg/kg/日)が、また、胎児致死の増加、発育抑制が報告されている。育成児においては、脳の発達異常(ラット20mg/kg/日、マウス6.5、20mg/kg/日)が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。
9.7 小児等
副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に高齢者では生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。[9.1.1、11.1.2参照]
8.2 感染症・出血傾向の発現又は増悪に十分に注意すること。
8.3 悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法(プロカルバジン塩酸塩、ニムスチン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩)においては、関連文献(「抗がん剤報告書:塩酸プロカルバジン(脳腫瘍)」、「抗がん剤報告書:硫酸ビンクリスチン(脳腫瘍)」等)を熟読すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
肝・腎機能正常な患者2例に14C-プロカルバジン30mg注)を絶食後単回経口投与したとき、血漿中総放射能濃度は60分後に最高値約0.6μg/mLに達した。また、腸管からほぼ完全に吸収されると示唆された(外国人データ)。
16.4 代謝
患者5例に14C-プロカルバジン250mg注)を単回静脈内投与したとき、未変化体は急速に分解され(血中濃度半減期約7分)、酸化物であるアゾ誘導体の濃度が急上昇した。アゾ誘導体はさらにテレフタル酸イソプロピルアミドとなり、尿中に排泄された(外国人データ)。
16.5 排泄
肝・腎機能正常な患者3例に14C-プロカルバジン25~30mg注)を単回静脈内投与したとき、24時間までの尿中排泄率は67.4~70.5%(平均68%)、3日目までの糞中排泄率は3.9~9.3%(平均7%)であった(外国人データ)。
注)承認された用法・用量は、成人で1日50~300mg、経口投与である。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アルコール(飲酒)
[2.2参照]
アルコールに対する耐性を低下させるおそれがあるので、治療中は禁酒させること。ジスルフィラム様作用によると考えられている。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体
三環系抗うつ剤
交感神経興奮剤
本剤を大量投与した場合、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。本剤は弱いMAO阻害作用を有するためと考えられている。
危険因子:本剤の大量投与

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 間質性肺炎(2.7%)
11.1.2 骨髄抑制
汎血球減少(頻度不明)、白血球減少(27.2%)、好中球減少(頻度不明)、血小板減少(15.8%)、貧血(6.5%)があらわれることがある。[8.1、9.1.1参照]
11.1.3 痙攣発作(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
血液ヘモグロビン減少出血
肝臓ALT増加AST増加肝機能異常
腎臓BUN上昇
消化器食欲不振(29.3%)、悪心(23.3%)、嘔吐下痢、口内炎便秘腹痛、口渇
皮膚脱毛症、発疹そう痒症、皮膚硬化症色素沈着障害紅斑
精神神経系神経過敏、倦怠感、感覚障害多幸気分末梢性ニューロパチー、頭痛、嗜眠、振戦、浮動性めまい、反射消失
その他発熱、動悸筋肉痛、筋力低下
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